42281 DB B4üe-28/52 / Ep.IIIa [Maerklin-Reisezugwagen]
少し前のモデルですが、今迄紹介していなかったので、今回触れてみたいと思ったのが鉄板客車モデルの4両セット(42281)のうち食堂車を除いた3両のB4üe-28/52です。
このモデルは元々戦前のRheingold用客車セット(4228)としてリリースされていたものがベースで、戦後Rheingold用客車がより新しいSchürzenwagenに変わったため余剰となったプルマン式車両を区分室客車、及び食堂車として改造したのを模型化したのがこれにあたります。
実際の列車はF-Zugの"Glückauf"と"Domspatz"の2列車のようで、この2つの列車はメルクリンとTRIXそれぞれからリリースされました。
当時、欧州大陸ではプルマンタイプの客車はCIWLが使われていましたが、ドイツの看板列車であるF-Zug Rheingoldには、ベルリンに本拠地を置くMITROPA社によるプルマン客車の登場は歓迎されたに違いないでしょう。
さて、終戦直後はもちろんこのような豪華列車は不要であり、プルマン車の厨房なし客車は区分室車に改造され、塗装も紫とクリーム色のツートンカラーからStahlblau(鉄青色)のF-Zug色に変更されたのがこのB4üe-28/52です。またこのモデルは1954年から55年を想定しているEp.IIIa仕様のため、3等級制時代の2等車(つまり2等級制では1等車扱い)であることもつけ加えておきます。
[10 712 Esn]
▲ 廊下側
この10 217は、元々厨房なしプルマン客車(SB4ü-28)として、1927年にMITROPA向け6両の中の1両で、OuK社から依頼を受けたKasselのCredè社によって製造された。実車の全長は23,5mであるので、ほぼフルスケールです。
モデルは、鉄板を車体と屋根に使い、台車や台枠は樹脂製なので24cmモデルとはもちろん一線を画し、更に貫通幌は同じ車体を使った4228が金属製なのに対し樹脂製に改められています。全体の印象は、1,200mm x 800mmの大型窓が並ぶ美しい車体です。
▲ 台車は、Görlitz III Schwer。
車体中央に銀文字で「DB」と印刷されています。実車は金属製の切抜き文字。
▲ サボは印刷で、EssenからFFM経由Passau迄の行程が記されています。
▲ RICラスターは多電源仕様
▲ 検査日は1954年6月1日です。
印刷は、樹脂モデルとは異なり車体色と共に印刷されるため、表記の印刷については問題は感じないですが、一方車体色については、鉄板の地色が影響しているためかややくすんだ印象で、個人的に塗装の方が私は好みです。ただ、鉄板を使っているだけに重量感がありメルクリンらしいとも言えるので、好みの分かれるところかも知れません。
[10 706 Esn]
これも10 712同様、厨房なしプルマン客車(SB4ü-28)を種車としたB4ü-28/52です。上画像は区分室側。製造メーカーは、LHW、Wegmann、WWk社のいずれかであるが不明。
▲ 検査日は、1954年5月8日。
▲ サボは、Essen - FFM - Passau
[10 708 Esn]
これは10 708のモデル。実車は、10 712/10 706同様、厨房なしプルマン客車(SB4ü-28)を種車としたB4ü-28/52です。画像は区分室側。1927年の製造。メーカーは、LHW、Wegmann、WWk社のいずれかであるが不明です。
▲ RICラスターは、戦前と変わらず多電源を表しています。
▲ 検査日は、1954年6月22日。
サボは、このモデルのみPassauからWien Westbf迄延長運用されていることが理解出来ます。
F-Zug "Glückauf"は、ルール地方のEssenと南ドイツのPassauを結ぶ列車であることが理解できます。
牽引機は4種あり、電化されているRegensburg Hbf - Würzburg HbfのみBR E18でそれ以外はBR 01やBR03.10などです。Passau Hbf - Regensburg HbfのBR18.6はメルクリンから製品化されていませんが、BR 18.5を始め、BR E18、BR 01そしてBR 03.10もリリースされているので、色々と組み合わせが楽しめるモデルになります。
*記事に追加や誤りなどがある場合は、是非ご指摘いただければありがたいです。
参考文献:
Die Einheits-Personnen- und Gepäckwagen der Deutschen Reichsbahn Bauarten 1921-1931
参考サイト:
Reisezugwagen im blauen F-Zug-Netz der Deutschen Bundesbahn / heinrich-hanke.de
http://www.heinrich-hanke.de/eisenbahn/deutschland/db_p_fzug.htm
Schnellzug-Wagenset "Glückauf" / メルクリンドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=42281&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html
[EDIT] 2016-04-18
Akiraさんこんばんは。
以前、AkiraさんのPwMのサイトで42281"Glückauf"のモデルについての解説が見られましたが、現在は見られないのでしょうか?
自分は、フライシュマンのBR18.6(71118:フルサウンド)を購入した後に、Akiraさんの解説を見て欲しくなり、慌てて42281を探してもらって購入した思い入れのある車両です。
"Glückauf"もBR18もお気に入りの車両なので、今回の解説も大変参考になりました。
メルクリンについてはまだまだ未熟者ですが、今後とも宜しくお願いいたします。
PS. すみません、名前が漏れていたので再送信しました。
by Shin (2012-09-09 00:54)
おはようございます、shinさん。
コメントありがとうございます。
はい、以前PwMサイトで他のモデルも含めて紹介しましたが、現在はサーバーの問題で記事が一部飛んでしまい、見る事も修正も出来ません。そこで改めてここで書き直しました。
BR18.6は、メルクリンから出ていませんがお持ちなのですね。
その後インサイダーモデルで03.10形がリリースされたのでより組み合わせが充実したのが嬉しいですね。私も03.10形にこのセットを牽引させてみたくなっています。
*名前が入っていないコメントを削除させて頂きました。
by Akira (2012-09-09 06:43)
Akiraさんおはようございます。
PwMサイトの記事が見られなくなってしまったのは本当に残念です。
インサイダーの03.10形は持っていませんが、03形が2両セットで発売された39755があるので、鉄青色のBR03 1014でも似合いそうですね。
by Shin (2012-09-09 11:40)
Shinさん、こんにちは。
申し訳ないです。これだけは何とも...。
ただ、PwM のSpecialに2両セットではないですが、メガスタートセットのBR 03 1022+42281セットの画像を載せています。
http://www.thundernet.or.jp/~PwM/F-Zuege.html
この組み合わせ、中々お似合いだと思います。
by Akira (2012-09-09 16:21)