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DB WRmz 137.1 "Bord Restaurant" / Ep.V [欧州鉄道]

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先日当ブログで記したWRbuümz 139 "Quick Pick"食堂車の写真は1985年の撮影で、その後私が再びドイツを訪れた1988年には高速新線(NBS)がHannover–Würzburgに完成されていて、InterCity列車は、NBSを経由するため最新の気密構造貫通路に改造された車両が使用されていた。それら車両は当時最新であったOrientrotを基調としたカラーリングとなり、同色の120.1形や103.1形に牽引されモダンで美しい編成であった。Hamburg-AltonaとMünchen Hbfを結ぶICは、当時南北ドイツを結ぶ大幹線であったため、新型車両は優先的に投入される一方、私が居たBremenは、Hamburgからルール地方方面へのルートであったので、まだまだタルキスカラーや赤裾TEEカラーの車両に時折Orientrot色の新塗装車両が2〜4両程度混成されたICが多かった。食堂車はもちろんTEEカラーの132形や135形、また211形など、車体の"Restaurant"と大書きされたもの。

そこで、BremenからICで約1時間程のHamburgには何度か足を運んで撮影したりした。上画像は、Hamburg-Altonaで改造直後の真新しいIC列車を撮影した時の1コマである。そして、これがWRbuümz 139(Quick Pick)から改造された新しい形式WRmz 137.1(Bord Restaurant)である。当時最新の客車は、6人用個室と4人用半個室、そして中央にテーブルの付いた1列2人用向かい合わせのシートをレイアウトした新製の185形座席客車で、改造ではあるものの「Bord Restaurant」と合わせてICE登場前の新しいDBのイメージを牽引する役目も担っていたように思う。

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上画像が、出来立ての「Bord Restaurant」の食堂部分である。前にも記したが、それまでの車体の片側に設備されていた厨房を中央部分に配し、サービス付きの食堂エリアとカウンターに簡易な座席とテーブルを配したBistroエリアで構成されているのが、その名前の由来でもある。
画像を見てわかるように、その雰囲気はQuick Pick時代とは一線を画すもの。天井から壁迄明るい色調の木目を使い、一方シートは、黒が基調でシックなイメージである。食堂椅子が、それ迄の常識であった固定式から一般的な4本脚の椅子となったのも画期的なことである。また、窓枠はInterRegioのBistro Caféよりやや濃い色調のピンクを使うなど、落ち着きの中にもモダンで明るい雰囲気を醸し出す事に成功している。
画像の中央から右奥に見えるのはソファタイプの固定シートで、詰めれば3人が座れる。シートレイアウトも良く考えられたものである。

この「Bord Restaurant」は、Hamburg - Muenchenを結ぶICの他、IRブルーのIC客車を使ったFD "Königsee"にも組成された。このFD列車は、IRブルーで組成された列車の中央にOrientrotの車体がひときわ目立つ存在であった。

DBでは、民営化後の一時期、ICE/IC列車の食堂車の削減も考えられたようだが、今のところ列車供食の廃止の話は聞いていない。確かにコスト優先で考えれば食堂車はない方が良いとも言えなくもないが、それでも旅客鉄道輸送が始まって以来、列車と食は切っても切り離せないものである。移り行く車窓を眺めながらの食事は、町中のレストランでは味わえない魅力がある。鉄道会社もコストとのせめぎ合いの中、様々な実験を繰り返しながら現在の形に落ち着いているわけである。

日本の新幹線も、もう少し工夫すれば旅のアクセントとして車窓に流れる景色を堪能しながらの食事も可能ではないか?と、この「Bord Restaurant」の写真を眺めながら感じた次第である。
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