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29845 DB A4üe-30 / Ep.III [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲区分室側

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▲ 通路側

29845プレミアムスタートセットの客車2両目を紹介します。このモデルは、1等区分室客車(A4üe-30)という設定です。この形式の実車は1956年6月以前の3等級制時代は2等客車、それ以降は1等客車です。

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車端部側面です。この客車はCIWL客車のように車端部分の屋根が絞ってあるのが大きな特徴です。この車体を持つ客車は、製造当初、形式が以下3つのタイプに分かれていたようです。

- B4i-29 (車両番号 25 001 - 002 試作車)
- B4i-29a(車両番号 25 003 - 004 試作車)
- B4i-30 (車両番号 25 005 - 289 量産車)

試作車のB4i-29(1+2開放室)とB4i-29a(扉なし6人用区分室)、そして量産車のB4i-30(1+2開放室)として製造されました。戦後、西ドイツに残った車両のうち、DBでの改造でA4y(e)-30/55(2+2開放室)、A4ys(e)-30/55(6人用区分室)の2形式に分かれたようです。また東ドイツにも一部残っています。
また、台車は「Görlitz III leicht」です。

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上画像は形式/車体番号等表記です。車体番号は「25 149 Esn」、形式は「A4üe」と記してありますが、残念ながらこの車両番号と形式は手元の資料で見る限り一致しませんでした。この車体番号は、1930年にSteinfurt社にて落成。戦後未確認とされているので戦災に遭って廃車された可能性もあります。

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DBマークはF-Zug向け鉄青色に金属の切り抜き文字が印刷で表現されています。

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サボは、2等区分室車同様、列車名なしの「Hannover - Köln」です。

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RICラスターは、5カ国の鉄道入線許可が記されてます。

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REV表記は、1954年1月10日が直近検査日、1年後の1955年同日が次回検査日として表記してあります。

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妻部の正面と斜め前から見たところです。貫通路は、幌(Faltenbalg)が表現されています。

このモデルも検証が十分でないためでしょうか、実車資料と照らし合わせると矛盾が見えてきます。まず、3等級制時代の1956年6月ダイヤ改正前の仕様(Ep.IIIa)であるならば、1等ではなく2等車であるはずです。更に、その場合はA4üeではなく、B4iの開放室客車であるはずです。1956年から(Ep.IIIb)は一部区分室客車に改造されましたが、その場合は、A4ye(2+2開放室)かA4yse(6人用区分室)となります。

つまり、この表記の通り1954年から55年に掛けての仕様であるならば、2等車で形式表記がB4i、更に室内装備は2+1の開放室となります。戦災車両があったことや戦後の東西分裂などで車両が失われたことや、その後の改造が複雑ということもあって、実車との検証が難しくなっているのかも知れませんが、モデルはちょっと残念な感じになっています。
ただ、外見の雰囲気は良い感じで、佇まいは蒸気機関車に良く似合う客車モデルです。これからも続けて鉄青色の古典客車を紹介してゆきたいと考えています。

参考文献:B4i-29(a), -30; Ay(se) 601...605 Einheits-DurchgangsWagen / 「WAGEN」GeraNova Verlag

[EDIT: 2015-10-22]
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