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4415 DB(P) Ichqrs 377 (Obletter) / Ep.IV [Maerklin-Guterwagen]

b6652.JPG

ビール貨車と同じ4415ベースの冷蔵貨車モデルであるのだが、これはビール貨車ではなく、またどこかの食品会社の貨車モデルでもない。
それは、画像を見て一目で理解できる方もいると思う。これはドイツの玩具店チェーンの1つ「Obletter」である。白地に鮮やかなオレンジ色が、ひときわ町中でも目立ち、そこが玩具店であることを主張するのに充分な力を持っているデザインである。

さて、以前このブログのコメントでも触れたと思うが、メルクリンが広告貨車としてリリースされるモデルは、以下に分類できると思う。

1. メルクリンのカタログモデル
2. メルクリンがイベントなど向けにリリースする限定モデル
3. プロモーション向け受注生産モデル

現在このブログで頻繁に紹介しているのは、このうち「3」にあたるモデルである。それらは受注生産の証として車体に「m」マークが印刷される。
更に、そのプロモーション向けの受注生産モデルもさらに以下の2つに分けられよう。

3a. 企業の販促向けなどに使うモデル
3b. 模型店などが、自社、近隣企業や有名企業の広告を印刷したモデル

また、それとは別に、
4. カタログモデルをメルクリンとは別の業者が広告を印刷するモデル

これは、印刷品質がメルクリンで生産されたものより粗悪である傾向が強い。また、「m」マークはないが、車体そのものはメルクリン製なので、特に「m」マークのない「1」や「2」などと区別がつきにくく、販売者もそのことを告げずにユーザーの手に渡ることが多いので、中々見分けをつけにくいのも事実である。(この「m」マークは1983年の途中から印刷されたようである。理由は、おそらく独自印刷の「4」(海賊版?)が増えて来たためであろうか)

ちょっと、前置きが長くなってしまったが、これらが混在するのがメルクリンの広告貨車と言えよう。

b6653.JPG

今回紹介するモデル(82618)は、上記のうちの「3b」にあたる。但し、例の「m」マークが印刷されていないのは、1983年以前のリリースのためと考えられる。

ドイツでは、この「Obletter」の他に「idee + Spiel」などのチェーン展開(FC)している玩具店は少なくなく、1997年には大手ドラッグストアのMueller社に吸収されてしまい、Muellerの玩具部門がこのObletterとなっている。

私がこのモデルを購入したのは、前にもこのブログで記した初めてのドイツ旅行で訪れたミュンヘンの中心街の模型店ハシゴの時である。この時、新市庁舎前広場のMarienplatzのちょうど新市庁舎の向かい側に位置するお店がこのObletterで、地下1階が模型売場であった。おそらく、私はこのお店に来た記念と思って購入したのだと思う。きっとこのようにメルクリンを扱っている玩具屋が沢山存在するドイツの街に大きな憧れを抱いたのだと思う。

それから20年以上が経ったが、メルクリン(というより鉄道模型全体)を扱うお店はドイツではどんどん少なくなり、日本ではあまり変わらず..であるが、メルクリンの名前を知らない者などほとんどいないドイツと違って日本ではマイノリティな存在である。まずメルクリンの名前と技術ポテンシャル、品質、そして歴史に基づいたその奥深さなどを知って貰えば、まだまだマーケットを拡げる可能性は高いと思っている。それには販売店が増えることが先決であるし、メルクリンを正しく理解する販売員がそれ以上に重要であるのは言うまでもない。

話は逸れてしまったが、このように販売店が自社の広告を掲載するモデルも若干あるので、機会があるごとに少しづつ紹介してゆこうと思っている。

参考サイト:Obletter Spielwaren GmbH / Mueller Ltd. Co. KG
http://www.mueller.de/sortiment/spielwaren/obletter.html

[EDIT] 2015-02-12
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コメント 16

460

Akiraさんこんにちは。
新市庁舎の向かい側に位置するお店(地下1階が模型売場)は
私も行った事があります。懐かしい~
ビール貨車は集めだすとキリが無いのですが、綺麗な絵柄に出会うと
ついつい買ってしまいますね。(^ ^;

by 460 (2008-08-18 20:03) 

Akira

ごぶさたです、460さん。あそこのお店なんですが、今は新しい建物 (本屋?)になってObletterはなくなってしまったと思います。観光地のど真ん中でいつでも賑わっているお店でしたので残念な限りです...。
私は、基本的に広告貨車集めはキリがないのを悟ったのでやめましたが、美しいグラフィックの貨車に出会うと、いまだに連れて帰りたくなる衝動に駆られてしまいます。
でも、460さんのビール貨車コレクションも見てみたいですね〜。何かすごそ〜。


by Akira (2008-08-18 20:14) 

460

Akiraさん
>460さんのビール貨車コレクションも見てみたいですね〜
そー言えば、来て頂いた時にお見せできませんでしたね。。。
私も早い段階で悟りましたので(笑)そんなに持ってないです。
多分~80輌ぐらいかな・・・

今年になって購入したメルは103を一台だけ・・・
鉄分がかなり不足気味です。



by 460 (2008-08-19 10:46) 

Akira

80両ですか。充分凄いコレクションです。
しかし、今年103形1台のみとは....。てっきり、18.3や64をゲットしているのかと。あとRe4/4 I(赤)とかも..。

きっと走らせる場所がないからでは? ご自宅にレイアウトを作ればモチベーションはいやが上にも上がるでしょう。
by Akira (2008-08-19 11:33) 

klaviermusik-koba

Obletterはもう無くなったのですか,寂しいですね。そうだとするならこれも貴重なものです。実物に存在しなくてもこういう遊び方ができるのはやはり模型鉄道が成熟した国の証でしょう。

日本の模型でこういう遊び心(もともと模型は遊びだけど)はまだ感じられません。日本人は遊ぶのもまじめなんですね。
by klaviermusik-koba (2008-08-19 12:17) 

Akira

Obletter自体はまだありますが、業界再編の影響でMueller社の傘下になったということだと思います。

まじめさで言えばドイツも充分にまじめだと思いますが、そのまじめのベクトルが正反対ぐらい違うのが日本とドイツではないでしょうか?
親子3代に渡ってまで走り続けることのできる模型を大量生産してしまうのはまじめ以外のなにものでもありませんから...。
by Akira (2008-08-19 12:49) 

460

Akiraさん
>きっと走らせる場所がないからでは? 
>ご自宅にレイアウトを作ればモチベーションはいやが上にも上がるでしょう。
そーなんですよ・・・
最近は購入しても箱から出ない事が多くって。。。
前回来て頂いた時からケースを1つ追加したので、飾るスペースは増えたのでずが・・・
まだまだ編成物は箱の中に眠っています。
勤務地が実家の近くになったらレイアウトも検討できますが、
今の社宅住まいでは・・・

あとユーロ高も理由の一つだと思いますね。
by 460 (2008-08-19 16:51) 

Akira

確かに中々ご実家に帰ることができないと遊べませんものね〜。
ご自宅のメルクリンも460さんが中々帰らないと寂しがっていることでしょう。

YEN=EURレートは最近落ち着いてきましたが、これ以上は下がらないでしょうね〜。
by Akira (2008-08-19 17:41) 

KAJI

ごぶさたしてます。
昨年ミュンヘンを訪れたときには、Karlsplatzの一角にObletterのお店は健在でした。Marienplatzから引越したのでしょうか。(それとももともと2軒あったのかな?)地下1階が模型売場というのは、同じでした。
その折はObletterではなく同じKarlsplatzの向かい側にあったFisherというお店で買い物をもくろんでいたのですが、残念なことにこちらは廃業していて、アクセサリー売り場になってしまっていました。
by KAJI (2008-08-19 19:48) 

Akira

KAJIさん、こんばんは。KarlsplatzのObletterは大きなお店ですよね。私の記憶では一時期は、新市庁舎前のお店と共にあったと思います。(Karlsplatzのお店は後から出来たと記憶しています)
Fischerもありましたね。このブログで紹介したALPHAのセットは、Fischerで大安売りをしていたのを購入しました。でも、模型店はどんどん少なくなって残念な限りです。
by Akira (2008-08-19 19:53) 

KAJI

Akiraさん、お返事ありがとうございます。そうですか、2軒ともあった時期があったのですね。ほんとに模型店は訪問する度に少なくなっていくようで残念ですね。種類も量も日本とは見ることのできないような豊富な在庫や展示のあるお店で、いろいろ探したり眺めたりするのが楽しみで、旅行中には少しでも立ち寄る予定を入れるのですが。(家族の不評に耐えつつ・・)
by KAJI (2008-08-20 20:56) 

Akira

最近...でもないですが、Nuernbergの中心商店街にあった歴史ある大型模型店のSchweigerが移転したときは、本当に驚きました。あれほどのお店が撤退するなんて...と。もっとも世代交代というのもあるようで、多くの模型店の店主が定年を迎えるようになって、跡継ぎがいなくなるとお店を畳まざるを得ないということもありましょう。一方で、昔はどこの支店にもあった百貨店Karstadtの模型部門がなくなったりしているのは、本当にドイツの鉄道模型市場が縮小しているのを目の当たりにしているような感じがしました。
それでも、日本に比べれば、まだまだ模型店も模型を扱っている玩具店も多いのは事実です。私がドイツで旅行した時、初めて訪れる町では必ず玩具店に入って、取りあえず店内観察をします。これは、同行する妻も癖になってしまって不評にはなりません。(妻の目的は模型ではなくクマです)
by Akira (2008-08-20 21:11) 

Ktochan

私もミュンヘンを訪れる度にObletterやFisherに立ち寄りました。KarlsplatzのObletterは健在ですが、地下の鉄道模型コーナーは以前より縮小された感があります。それでも驚くのはレイアウト関係用品の豊富なことです。

店を訪れる際、模型店より玩具店の方が明るい感じで商品陳列も多く入りやすいですね。
by Ktochan (2008-08-20 22:06) 

Akira

Ktochanさん、はじめまして...ですね。
コメントをありがとうございます。模型店より玩具店の方が明るい感じというのは確かにそうですね。模型店は、やはりマニア向けなので、多少雑多になってもお客さんは来てくれるのでしょう。その点玩具店は一般のお客さんがほとんどなので、子供連れのお母様に気に入られるお店づくりが大事なファクターなのでしょう。

私がドイツの玩具店で感心するのは、やはり広々とした店内で、しっかりと区分けされ、きちっと整理された商品陳列ですね。お目当ての商品が見つけやすく選びやすいということでしょうか。
by Akira (2008-08-20 22:24) 

Ktochan

コメントはReds-Bayern戦以来2回目でした(どうでも良いことですが)。
広々した店内にきれいにディスプレイされたメルクリンやフライッシュマンの車両たちを見ているとクラクラしてしまいますね。以前は品物をじっくり見ながら財布やカバンの容量を考え品選びをしたものでしたが、最近は新製品などは通販に頼ることが多くなり、お店では中古品やSonderpreisのシールが貼ってある特価品を漁ることが多くなりました。
KarlsplatzのObletterではET420ミュンヘンSバーンのAirport塗装が特売されていたことがありました。地元なので多数仕入れたのでしょうか。今思えば買っておけばよかったかな。




コメントはReds-Bayern
by Ktochan (2008-08-23 11:31) 

Akira

Reds-Bayernさん、コメントありがとうございます。仰る通り、私も最近はお店で店員さんとヨタ話をしながらメルクリンモデルを選んで購入するという、楽しいひとときを過ごすプロセスがないのは残念な限りです。
中古品や特価品探しは模型集めを始めたら避けて通れない?道でもあります。逆に、それらをウリにしたお店が商売繁盛するのは、今の日本の業界状況を見ても明らかですね。特に鉄道模型は、同じ製品が沢山流通するわけではないので、欲しいモデルがリリース時に買えなかった時中古は重宝します。
by Akira (2008-08-23 16:36) 

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