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Galiton [Maerklin-Allgemein]

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話はほぼ1年前に遡る。ニュルンベルクメッセを目的に、素晴らしい?LHのB747-400の56G座席に堪え、ようやくフランクフルト空港に到着した。あの長い国際線Bエリアから国内線Aエリアまでを歩き、ニュルンベルクへの乗り継ぎ便にチェックインし、今度はバスに乗って航空機迄移動するのであるが、そのがらんとしたバスに日本人らしき人が1人乗っていたのである。これは、同じ目的の人だろうと察しをつけて話しかけてみると、やはり日本からのバイヤーさんであった。それも玩具店を経営しているFさんという方である。玩具店を経営されている方で、わざわざ日本からニュルンベルグメッセに来るというのは、私の記憶ではそういないと思う。良く聞いてみるとヨーロッパの木製玩具を中心に取り扱っているお店とのこと。早速名刺交換してみると、メルクリンにとても興味があるとのお話である。できれば取り扱ってみたいとも仰るのである。
このような偶然はあるものである。そこで「私がメッセ滞在中にメルクリンスタンドに見えればご案内します」と伝え、バスはマシンの前に到着。そこで再会を約束し、別れたのである。
その後、残念ながらFさんとはメッセでは再び会うことは出来なかったのであるが、後日聞いたら何度かスタンドに訪れたという。おそらく行き違いになったのだ。

さて、帰国してからご挨拶代わりに名刺のアドレスにメールを打ってみると、すぐに返事があり、やはりメルクリン取扱いに意欲があるとのこと。ただ、初めての取扱いであるため、メルクリンのような電気知識や商品知識が必要な商品を扱うには相応の覚悟が必要であると伝え、手続きを行ったのである。

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そしてようやく昨年末から、がりとんさん店舗にメルクリンH0とZのスタートセットを中心にした取扱いが始まったのである。メルクリン社からも新製品パンフレットなど開店販促品一式をがりとんさんに送ってもらうこともできた。
がりとんさんの場所は、三重県松坂市である。近隣にお住まいだった知人によれば、このような地方では欧州玩具を扱うようなお店は少ないとのことで、逆に目立つ存在でもあるようである。
このお店は、私もまだ訪ねたことがないのだが、商品の品揃えは子供向けの木製玩具中心で、スイスのNaef社など我々大人の目にも充分に堪えられる玩具なども取り揃えてある。(Naef社はバウハウス玩具のレプリカも製造している)

現在の日本での鉄道模型は、ホビーの分野という認識がされている。一方でプラレールを初めとした男の子ならだれでも1度は手にして遊んだことのある鉄道玩具から鉄道模型への移行がスムーズに行われていないとも言われている。つまり日本の場合、一般的にプラレールから鉄道模型のポピュラーなNゲージとの間に大きな溝があると言う訳である。それは、スケールによるものか、扱い易さの問題なのか、様々なことが言えよう。一方欧州では、鉄道玩具はBRIOに代表される木製鉄道玩具であろうか。そして次に来るのが、LGBやH0にあるのである。

で、がりとんさんであるが、その部分に注目した上でのメルクリンの取扱いというところが面白いと思うのである。がりとんさんのウエブサイトでは、メルクリンをホビーとしての位置づけよりも玩具の延長として位置づけているのである。店内には、メルクリンH0のちょっとしたレイアウトも製作中で、完成すればデモ運転をしながらお客様にお見せすることもできるという考えもあるようである。
心配でもあった修理などアフターサービスも、認定ディーラーさんの協力もあって万全の体制を敷くことができた。

あとは、松坂市や三重県内でがりとんさんを通じたメルクリンがどのように受け止められるのか。普通の鉄道模型とはちょっと異なるメルクリンの扱いをしているがりとんさん。実に楽しみである。

参考サイト:メルクリン / がりとん
http://www.modeltrain.jp/

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RIRO

明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

個人的にストライクな話題でしたので思わずの書き込みをば。
私もメルクリンの知育玩具としての側面は興味のある部分で、
その独自の可能性に面白さを感じていました。

3歳の娘をだしにネフ社の積み木やブリオ社の汽車セットなどを
集めてますが、(実は自分が好きだったり・・・笑)
ドイツのザイフェン地方の木製玩具(煙だし人形やクルミ割り人形)
は大人にこそ人気のある玩具かも知れません。

鉄道模型とは全く別次元の物のハズなんですが、
一緒に列べても違和感がなく、不思議な共鳴を感じます。
個人的な錯覚なのか、ドイツ繋がりの思いこみなのかとも思っていましたが、
やっぱりメルクリン独自のコンセプトに、玩具たるものの
ベースが流れているのでしょうね。

がりとんさんの玩具としてのメルクリンの繋がりは
至って自然な感じがします。メルクリンの良さが子供たちはもちろん、
その親御さんにも伝わればいいですね。成功して欲しい試みです。
私も機会があれば行ってみたいですね。


有馬温泉に「有馬玩具博物館」というおもちゃの博物館は有名ですが、
伝統的な玩具を中心に、木製やブリキのおもちゃが数多く展示されている中
メルクリンの大きなレイアウトがあるのも同じ理由ではないでしょうか。
世界のおもちゃ市場の6割はドイツで作られていると知ったのはこの施設です。
玩具造りの職人気質というのが確固としてある様に感じます。

消費社会での消耗品の氾濫や環境問題が騒がれるこのご時世、
壊れにくい・遊びやすい・親子3代迄なんて伝統を守るメルクリンは
とてもクールと思います。子供とも共有したい大事なメッセージがありますよね。

by RIRO (2009-01-08 14:19) 

Akira

RIROさん、あけましておめでとうございます。

コメントありがとうございます。
メルクリンは、特に最近では精巧な鉄道模型づくりの会社でもありますが、その前に玩具としての鉄道模型でもあるわけです。
つまり、大人はホビーで子供は玩具という切り離した考えではなく、大人も子供も満足できる玩具であるということだろうと思います。
そのあたりが、玩具に対するドイツでの捉え方の共通認識であるように思います。これは鉄道模型だけではなく、例えばぬいぐるみのSteiffにしても、子供が扱うものだからこそ最高の素材と品質を提供しなければならないとの理念に基づいています。だからこそ大人も安心して子供に与えられる玩具であり、それは大人にとっても、いや時が経って大人になっても充分に堪えられ、そして楽しむことのできる息の長い玩具になり得る物と言えましょう。

有馬温泉の玩具博物館はネットでは見ていますが、まだ実際には行ったことがありません。オールドメルクリンのレイアウトは中々の人気のようですね。最新のメルクリンモデルはリアルで感動しますが、一方でアナログのオールドメルクリンは、どこかホッとさせてくれるような癒される雰囲気があり、有馬温泉のような場所柄には良いのではないかと思います。
by Akira (2009-01-08 14:57) 

KDB

今晩は。KDBです。
このお店、いいですねーーー期待できそうです。松阪は遠いですがーー。

大人はホビーで子供は玩具という切り離した考えではなく、大人も子供も満足できる玩具であるということだろうと思います。そのあたりが、玩具に対するドイツでの捉え方の共通認識であるように思います。ーーーー大人も安心して子供に与えられる玩具であり、それは大人にとっても、いや時が経って大人になっても充分に堪えられ、そして楽しむことのできる息の長い玩具になり得る物ーーー。

まさにそのとおりです!このあたりの理念が日本の社会及び日本の模型界では希薄なようです。故篠原氏が書いていますが、「日本では趣味が老年は盆栽、壮年はゴルフ、少年が模型と、妙な不文律がある」傾向が今もまだあるようです。さすがに最近はあまり聞きませんが、就職すると上司の趣味を一緒にやらされる体質の職場も少なくなかったですね。30ウン年前に自分が就職するときは、給料が程々(?)でもそのような傾向のないところを選んだつもりでしたが、それでも白い目で見る上司はいましたね。「お前みたいなマージャンもろくにやらないオモチャ好きは俺のところでは要らないよ」とか、「いつまでそんな子供のようなことをやっているんだ」とかーーー。いろいろありました。
気長に行くしかありませんが、「がりとん」様の健闘を祈ります。
by KDB (2009-01-08 20:16) 

Akira

こんばんは、KDBさん。

コメントありがとうございます。この記事を読んでいると思われる「がりとん」のFさんもKDBさんやRIROさんのレスに勇気づけられていると思います。
日本でもようやく欧州の木製玩具を中心にした専門店が全国に出来始めています。(私の街にも数件はあります)ただ、メルクリンを扱っているお店と言うのは「がりとん」さんが初めてではないでしょうか。私も子供が小さいときは足しげく通っていたその手の玩具店には、子供が大きくなった今、足が遠のいてしまいました。やはり玩具は子供の物であるとはいえ、大人にとっても魅力のあるメルクリンを代表とする鉄道模型は、今更ながらちょうど良いアイテムであることが理解出来ました。私もこのお店の検討を祈っています。

by Akira (2009-01-08 21:49) 

N

漫画家の横山隆一氏は、「良いおもちゃがないから模型で遊んでる。」と、おっしゃったそうです。では、模型はおもちゃのかわりになるかというと、ある時、国産の模型メーカーのショールームで、お客さんが「社長、この機関車、どうもイメージが違うんだけどなあ。」といったとき、社長さんは、「でも、国鉄の図面通りだからなあ。」とお答えになったのを聞きました。何か、模型として作られる製品の限界を感じたような気がしました。模型とおもちゃの違いは対象年齢や細密さではなく、そこに作り手の意図がどれくらい盛り込まれるかという事かと思います。私が始めて買った03を見た母の感想は「車輪が力強いね。」でした。スケールモデルであっても伝えるべきものがストレートに伝わる、絵画的なセンスと言えるかも知れません。一方、自動車メーカーで足回りの設計をしている友達は、客車の台車を見て、「板バネのたわみすぎを押さえる部品がちゃんと付いている。」と感心していました。台車だけでなく、どこもかも、見る人が見たら分かるのでしょうね。簡略でも押さえるべき所は押さえてある、この辺が篠原先生がお書きになっている「科学的な巧みなデフォルメによって構成されたスタイル」というものなのでしょうか。私は、地元の運転会では自作の車両を走らせ、「売ってないものは作らないとね。」なんて言ってますが、メルクリンについては、「作れないものは買わなくちゃね。」と思っています。01が欲しいんではなくて、メルクリンの01が欲しいんですよね。最近、機関車の形をした小さなダイカストを通して、どこか遠くを見ようとしているような気がする事があります。メルクリンはそれに答えてくれるように思います。今年は23型が出るというので楽しみにしていますが、「豆電球をそのまま取り付けた前照灯方式を最後まで」変えなかった旧23型の心が新23型にも生きているといいなと思います。そういうのが分かる人がメルクリンを扱ってくれる、ああうらやましい。
by N (2009-01-09 00:28) 

Akira

Nさん、すばらしいコメントをありがとうございます。
私の稚拙なSpielkisteブログが、皆さんのような「わかる」方々に読まれていることに大きな誇りを感じています。私もNさんと同じで、例えば、「03.10形」にしても同業他社の正しく精密な03.10形ではなく、なんちゃって03.10形でもメルクリンモデルを購入してしまうのは、外観より中身に魅力を感じているからなのかも知れません。(もちろんメルクリンが正しい03.10形モデルをリリースしてくれるのが1番ではありますが...)
23形モデルは、私も拙ブログで紹介したように3005を持っていますが、あの電球を直接付けた前照灯のモデルでも、持った重みや感触、メカニカルなロッド、何よりびゅんびゅん走る爽快な動きに大いにメルクリンらしさを感じています。
あと、誤解のないように記しますが、メルクリンを扱っている日本のディーラーさんのほとんどは、そういったメルクリンの素晴らしさを熟知していると思います。
by Akira (2009-01-09 00:41) 

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