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ICx / SIEMENS + DB AG [欧州鉄道]

今回は、先日の食堂車の続きである"Loreley-Express"セットの続きの客車の紹介をするつもりだったが、昨日Siemens社がDB AGから300列車の受注し、そのうち130列車が新しいICxなる長距離用電車ということで、CG画像も同時に発表されたのでここに紹介してみたい。以下Siemens社の該当サイト。

http://www.mobility.siemens.com/mobility/global/de/fernverkehr/schienenverkehr/hochgeschwindigkeits-intercity/icx/Seiten/icx.aspx

これを見ると、新しいICxは、エクステリアやインテリアデザインもSiemensが現在鋭意製造中の新ICE 3に準じているように思う。(細かくは異なるが、その雰囲気はまさにSiemens Designである)
これらは、現在のIC/EC列車の置き換えで、2016年からの運用となるようである。更にその後はICE1/2の置き換えもこの車両によって行われるとのこと。

車両は、基本的に2種類で、違いは3電源使用の7両編成(4M3T)と単電源仕様の10両編成(5M5T)で、最高速度も異なり、7両編成が230Km/hで10両編成が249Km/hである。これを見る限り、3電源仕様は国際路線向けで、単電源仕様は国内とオーストリアへの路線運用ぐらいか。

ただ、コンセプトの列車組成図を見るとフレキシブルな組成ができ、5両編成から14両編成まで組成可能となっているようである。列車種別は現在ICxと仮定されているが、この列車が運用する際に現在の種別が続いているならば、ICEとして運用に就くであろう。(ICE Lightあたりが適当か?)最高速度が200Km/h代に抑えられているので、Frankfurt/M - KölnのNBSは通れないが、それ以外のNBSは通過可能であるし、イタリアやポーランドなど現在ICEが運用されていない国にもこの電車は走り始めると思われる。

インテリアデザインを見てみると、基本的にノイマイスターデザインの手がけたICE3/-T(D)のデザインを踏襲しているようにみえるが、やはり室内空間のアンビエンテという部分では、簡素化され、その魅力は失われつつあるように思える。変わったところでは、窓上にあった座席指定情報画面が座席背面横に移されている。これは車内の座席配置を簡単に変えられるようにしたためなのかも知れない。ギャレーも設備されていることが記されているが食堂車はおそらくなかろう。Bord Bistroが良いところかもしれない。これは時代の流れであろうが、少なくとも弁当文化のない欧州鉄道内では日本の新幹線のようなことにはならないだろう。小さいながらも供食設備が欲しいところ。欲を言えば、TGVやRailJetレベルの供食(航空機並のシートサービス)を期待したい。

更に詳細な情報が欲しいが、これを持って客車組成のIC/EC列車の終焉を迎え、60年代から登場したTEE客車の流れは、名実共に終わりを告げる事になるのである。それを思うと、新しい列車の登場に期待が膨らむ反面、その寂しさは尽きない。
タグ:DB AG Ep.VI ICx
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コメント 4

HUH

いよいよICxが発表になりましたね。
Velaro D (BR 407)に引き続いて、おそらくは衝撃吸収構造や空気力学的な部分での技術的制約の中で、苦しいエクステリアデザインになったようにも感じられますが、Velaro Dよりは随分と違和感は薄れていると思います。実車の登場が楽しみです。
インテリアが相変わらずICE 3ベースとなっていることは、ICE 3のインテリアが時代を下っても通用する非常に優れたものであったことを示していると感じますが、特徴的な部分が失われて、没個性的になりつつあるのは残念です。
ただ、Siemensのサイトを見ると、定員のところで"Restaurant"の記載があり、供食設備は残りそうです。個人的には、航空機の機内食も簡素化されている時代に、TGVやRailjetのように一律でシートサービスを行うスタイルはそぐわないと思います。ちょっとした飲み物や軽食の配達は有料とはいえICEでも受けられますし、もう少ししっかり食べたい時は食堂車、というのは自然だと感じています。
IC / ICE 1 / ICE 2はICxで置き換えるとして、2030年頃に引退予定のICE 3の後継車はVelaro Dではなく、ドイツ鉄道のフラッグシップに相応しい魅力的な車両が登場することを期待したいですね。
by HUH (2011-05-11 09:42) 

Akira

HUHさん、おはようございます。

コメントをお待ちしておりました♪ 今回車体断面はICE3と比較して丸みの無い印象ですから、先頭部の造形はICE3と比較して幾分難しいと思います。それでもVeralo Dの先頭部は、ICE3のデザインとの差別化を考えたのか無理を感じます。
食堂車の用意はあったのですね。それは嬉しいです。観光客目線で言えば、ライン左岸線の風光明媚な景色を食堂車で堪能したいですものね。
一方でBistroのような販売拠点の画像もありますから、ちゃんとした食事と軽食やCafe代わりに使える2通りの使い方が出来るのは良いですね。

ICE3の後継車が新たに出来るのであればそれは期待したいです。でもNeumeister Designは難しいかもですね〜。
by Akira (2011-05-11 12:39) 

リューゲン

ICxの発表、僕もショックでした。欧州の鉄道に関心を持った意味がなくなる…と。
ドイツはは早くも戦前から動力分散式の列車が登場していたにもかかわらず、60年代以降に活躍したIC用電車やTEE用気動車の後継車は作られずに客車列車に置き換えられたことから、欧州の中でも動力集中式という鉄道の原型というべきスタイルをもっとも信頼してきた歴史があったのでは、と思っていたのですが・・・
ただこれとは別にボンバルディア製2階建て客車+146型電機けん引によるICを2013年から導入する計画もあるようで、最初の投入計画路線にエムデンやコンスタンツへの系統が挙げられていることからすると観光路線用ということなのでしょうか。おそらくはビジネス路線を電車化してリゾート地などへの路線は客車を維持、そして支線系統のICは格下げしてRE化あるいは日本で言う特別快速のような新設カテゴリーに?
by リューゲン (2011-10-26 14:25) 

Akira

こんにちは、リューゲンさん。Spielkisteへようこそ。

HNから察するに北ドイツと何か関係があるのでしょうか?

ドイツの長距離列車が長く電車化されなかったのは、主に国際間の異なる規格の問題と乗り心地の問題があったからだと思います。今や電源の問題はもとより、電源や保安装置、運転台位置に至る迄各種問題が解決していますから、流れとしては自然で正しい方向なのかも知れません。

2階建てIC用客車もこれから新造されますね。これらはICxで賄いきれない非電化亜幹線向けなのかも知れません。エムデンはわかりませんが、Konstanzはミュンヘン方面は非電化です。
by Akira (2011-10-26 17:02) 

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