43858 DB WRmh 132.1 (133) / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]
▲ 厨房側
▲ 廊下側
前回の予告通り、IC "van Beethoven"(1等車+食堂車)セット(43858)最後のモデルである食堂車WRmh 132.1を紹介したい。
1980年代前半、DBのIC/EC列車では、等級により車体色が異なっていて、1等車は赤裾TEE色、2等車は青裾のタルキスカラーであった。食堂車は1等と2等に挟まれ車体色は1等と同じ赤裾TEE色である。(D-Zugの1等車は、主にUIC-X/Am 203が使われ塗装色はタルキスカラー)
食堂車は車体横の左右2カ所に大きく「Restaurant」の文字が配置され、利用者は「Restaurant」の文字を見て、この車両の連結されている列車がIC/ECであることを容易に認識出来たのである。
私も初めてドイツで利用したのが1986年なので、IC列車の食堂車と言えば、この印象が強い。
このモデルの実車は、他の車両と異なり全長が27,5mである。(座席客車26,2m)これは、座席定員を増やすためと思われるが、一方で他車より全長が長い分車体幅は若干狭い。ただ、元々座席が1+2配列なので、通路幅が狭くなるなどの問題はないはずである。モデルでは、他の座席客車同様28,2cmなので縮尺は異なるが、誤差の範囲であろうか。
WRmh 132の車端部である。サボの位置は座席車が車体右側扉横に配置されているのに対し、この車両は車体左側扉横に配置されている。理由は簡単で、車体右側に扉がないためである。
MD台車は、何故かヨーダンパが付いていない。車軸発電機があるためであろうか?
DBマークは車体中央に。形式表記はその下に配置されている。車体番号「61 80 88-90 116-9」である。この実車は、1965年にWR4üm-64(11 110)として落成。数度の形式変更を受け、1987年4月7日に当形式となった。2000年3月31日に廃車となっている。
▲ RICラスターは、200Km/hの制限速度許可と航走許可、イタリアからデンマーク迄幅広く対応出来る多電源仕様である。
▲ REV表記は、1984年12月14日である。表記と実車が異なるのは、メルクリンの検証不足、又は手元資料のミスのどちらかである。
▲ 新しい表記は裾部分の2カ所山吹色地に黒文字で仏英独語の3カ国語表記されている。内容は「液体ガス容器」と記されている。厨房設備(冷蔵庫用冷媒?)に必要なものであろう。
車体妻部を正面から見たところである。貫通扉の色は座席客車と異なり象牙色であるのが興味深い。車体左尾灯下の細かな文字は28,2cmモデルから表記が印刷されている。私の肉眼では判別不能である。
その部分を撮影して拡大した画像である。滲みや擦れもなく鮮明である。これは車体塗装についての表記であるが、手元にあるパソコンのプリンターでは、このような細かな文字の印刷は不可能である。メルクリンのタンポ印刷技術には、ただ脱帽である。
折角なので同形のTEE "Blauer Enzian"用食堂車(00776-04)と比較してみた。上がTEE、下がIC用食堂車である。違いは塗装色、車体表記の他、窓や窓枠の色など少なからずの違いを見つける事ができる。
意外だったのは屋根上のベンチレータの形状や厨房部分の排気ダクトの形状も実車同様の変更がなされていること。
残念なのは、00776-04のサボが片側だけ印刷されていることぐらいか?
2種の食堂車モデルを横から見た画像である。ガラスに茶色がかったスモーク処理がされているIC用食堂車は、車内が暗く見えるが、良い雰囲気を醸し出している。白色LED車内照明を取付けてみたいものである。
132形食堂車は、1960年代に瘤付き食堂車WRmh131に代わる食堂車として今でもリニューアルを受けながら運用されている。その運用範囲は、D-ZugからFD-Zug、TEE、IC/ECと多岐に渡り、現在リリースされている以外に紫赤1色、紫赤に白帯、TEE文字付、TEEオレンジ帯付き、Popカラー、タルキスカラー、O-Rot、V-Rot、ICEカラーなど、塗装色のバリエーションも豊富である。メルクリンからは、次なる仕様のリリースを期待したいところであるが、造形的なバリエーションでもある業務用扉の窓付仕様や、Silverlinge同様の下部尾灯仕様などのバリエーションもあり、Schürzenwagen食堂車のような多くのモデルの期待は膨らむばかりである。
参考文献:"WAGEN" Das Archiv der Deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag
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