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Sergio PininfarinaとF. A. PORSCHE [デザイン]

昨晩のニュースでイタリアのデザイン界の巨匠ピニンファリーナ氏が亡くなったことを知った。私の世代である40代後半から50代に掛けては、フェラーリを初めとしたスーパーカーブームがあったので興味はなくともその名前を知る人は少なくないだろう。鉄道の世界では、SBBのRe 460のエクステリアデザインを手掛け、FSの新幹線ETR 500のプロトタイプデザインも製造会社であるBREDA社と共にデザインのプロポーザルを行った。カーデザインの世界では、最高峰と言っても良い方である。

http://www.pininfarina.it/

4月5日には、ポルシェ博士の直系の孫であり、ポルシェ911のデザイナー、そしてオーストリアのPORSCHE DESIGNを率いて来たF. A. PORSCHE氏も亡くなっている。

http://www.auto-motor-und-sport.de/news/ferdinand-alexander-porsche-gestorben-der-vater-des-porsche-911-ist-tot-4633628.html

1950年代から世界の工業デザインの 先頭を走って来た彼らは、既に第一線から遠のいても良いはずであるが、彼らの名前はトランスポーテーションデザインの世界では無くてはならないもの。ポルシェデザインは、数々の機器デザインの他、ウィーンのULFと呼ばれるLRTのデザインやシンガポールの空港鉄道車両、その他地下鉄などのデザインを手がけている。一方、ピニンファリーナは、フェラーリはもちろん、プジョーのカブリオレやクーペ、アルファロメオなど、デザインを提供している自動車メーカーは数多い。それ故、2人が他界したことで輝ける星が消えてしまったことに空虚さを感じるのは、私も同じである。

とは書いたものの、ここに挙げた両社は会社組織としてこれからも末永く続く名前であることに変わりはないであろう。願わくば、会社として引き継いだ2社のデザインスピリットも変わりなく、新しいモデルが登場する度に、その美しさに感動しワクワクする気持ちになれることが、この2社の作品を通して今後も続くことを願うのみである。偉大な二人に哀悼の意を表したい。

参考サイト:PORSCHE DESIGN
http://www.porsche-design.com/international/jp/
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lucky_k.k

akiraさん、こんばんは。

本当に我々世代にとって、象徴的な人が亡くなりますね。
車は動力性能から、アートにした人ですね。
鉄道車両は、コンシュマー向けではないので、
デザイナーが表に出てこないですが、
転機になった車両は、いくつも有ります。
akiraさんなら、ご存知かもしれませんね。
by lucky_k.k (2012-07-04 23:47) 

Daisaku Oozu

先日、チューリッヒ中央駅で Re460 の実車にはじめて対面して、感心しながら観察しているうちに、進行方向向かって右のキャブ窓の下(バッファと同じ高さ位)に小さく「pininfarina」のロゴがあることに気づきました(FB の研究会に写真を投稿しています)。

人は去る。でもデザインは生き続ける。
by Daisaku Oozu (2012-07-05 01:40) 

Akira

おはようございます。コメントありがとうございます。

> lucky_k.kさん。
今年は本当に私にとって目標となる沢山のデザイナーが亡くなって、淋しい思いが募ります。

> Daisaku Oozuさん。
ピニンファリーナ程のデザイナーだと車体の片隅に自社ロゴが記されますが、大抵は誰が携わったのかもわかりません。ただ、名前が載る程のブランドであったことは確かです。既に事務所は同じピニンファリーナとして動いていますし、これからも彼らのデザインは私達の期待を裏切らないと思いますが、何か存在自体が大き過ぎたのでしょうね。

仰る通り、人は去っても作品は残りますし、その作品はいつまでもちゃんと語りかけてくれるのです。
by Akira (2012-07-05 08:13) 

BOAC VC10

おはようございます。引越し準備でなかなか書き込めませんでしたが、カーテンの洗濯機待ち中です。

ピニンのデザインはフェラーリはもとより80年代のプジョー等が好きで、大学入試が終わったその足で神保町の本屋に二玄社の「ピニンファリーナの60年」を買いに行ったクチです。
ちょうど昨晩本屋で、CG誌がカーデザイン特集でジウジアーロのインタビューなど載っていて眺めていたのですが、そこでも「名作」と呼ばれる車は大体50~60年代のもので、それをなかなか乗り越えられず、グローバル化による均質化と、それを小手先の「差別化」でいじくりまわしているだけなのが現在という気がします。
ビートルとかFIAT500など「過去の引用」という手段に出るもの(クルマに限らず音楽もファッションも)も多いですが、従来のクルマのフォーマットが変わりつつある今、新しいベンチマークが生まれてくれることを願って止みません。

ちなみに個人的な名作3台は、シトロエンDS/ID、初代ジャガーXJ、NSU Ro80というところです。
by BOAC VC10 (2012-07-07 08:39) 

Akira

おはようございます、BOAC VC10さん。

お久しぶりです。お引っ越しなのですね。遠くではないことを期待しているんですが...。

自動車については、私も以前より興味の距離感が少し引き気味になっているのですが、やはり美しいクルマが出て来るのは胸躍ります。日本車やアジア勢のクルマを中心に見ると、やはり小手先の差別化を感じてしまいますし、欧州勢はその中でも過去の引用が少なくない中、新しい姿を少し感じるクルマもあります。ピニンファリーナのような「美」を物差しに据えたクルマ造りがあり限り、まだまだ捨てたものではないです。期待したいのは彼らカロッツェリアが電気自動車の未来を見据えたクルマの提案が出てくれればと思います。
by Akira (2012-07-07 09:01) 

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