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UIC-Typ.U Schlafwagen [欧州鉄道]

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ここ数日、H.Müllerさんからの画像を紹介したり、ドイツ在住?のBerlinerさんからのコメントのやり取りなどで、おそらくドイツの営業運用から消えてしまったであろうUIC-Typ.U形寝台車についてもう少し記したくなった。そこで、この寝台車車内の画像をお見せしたい。上画像は、車内の側廊下である。絨毯敷の廊下の壁はマホガニーの木目、白い天井、真鍮の金具と、とても落ち着いた印象である。もちろん1960年代のデザインである。古臭さは否めないが、嫌みなところは微塵もなく、合理的なデザインである。強いて言えば、若干清潔感に欠けるという印象である。

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1988年に友人数人とブレーメンから南ドイツへ旅行した時利用した寝台個室(T3)である。T3は2等3段ベットということで、もちろん他人(男女別)と同室になることもあるが、この時はオトコ3人だったので、1室を占有できた。(オトコ3人らしく?テーブルには、BECK'Sビール缶が並ぶ...)
我々は年齢順でベットを割り振り、確か私は中段だった記憶がある。コンパートメントに洗面台が付いているのが寝台車の証で、テーブル付き洗面台の上には、鏡付きの棚があり、コップ、ミネラルウォーターやタオルなど、アメニティもあり、中々機能的に出来ていると感心したものである。ベッド下に尿瓶が備えられていたのには驚いたが...。

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上の画像は、シャワー室である。これだけは、ちょっと勘弁と思ったレイアウトである。何とトイレの先にある。シャワーで洗った後、トイレを通って洗面台の前で着替えるのは辛い。もちろん現在のCNL2階建て寝台車は、素晴らしく清潔なシャワー室が備えられているので心配ない。

この客車は、他に専務車掌室があり、そこは小さなギャレーの機能もあるので、コーヒーや紅茶、ビールやワインなど飲み物はもちろん、軽食や朝食も用意出来るのは以前にも記したとおりである。車掌室前の廊下には、折畳式の専務車掌用シートが備えられており、ここで事務作業や休息が出来るようになっていて、そのテーブルランプのデザインも素敵で良い雰囲気を醸し出している。

とにかく、当時でも欧州の夜行列車の旅行は、寝台車利用は窃盗などの危険回避の手段でもあって、安心して就寝出来ることが求められる。その機能は、インテリアデザインに良く活かされていて、専務車掌がいつでも廊下で待機している安心感は乗客にとって代えられないサービスの一つであったと感じるのである。
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コメント 8

berg-montagne

Akiraさん、こんばんは。

1989年に初めて、欧州旅行ベテランの模型仲間と二人で欧州旅行に行った際、寝台車に乗りたくて旅程を組み、パリ北駅―ハンブルク間とコペンハーゲン―ミュンヘン間でこの寝台車に乗りました。
あの乗り心地(寝心地)はとても快適でしたが、さすがにトイレ奥のシャワーはよう使いませんでしたね。でも、朝に見たら濡れていたので、やはり利用する人がいるんだなぁ、と感心したものです。
寝台車での朝食もおいしくいただき、いい思い出です。

メルクリンからこの寝台車が発売されるといいのですがね...。

by berg-montagne (2012-07-04 00:01) 

Akira

こんばんは、berg-montagneさん。

当時は、この寝台車は青い「TEN」でしたね。懐かしいです。シャワーですが、どうも欧州の人達は洗面台一つで身体を洗う術を心得ているようです。上手くシャワー室内で全てを終わらせてしまうのでしょう。私にはとても真似出来ません。

寝台車内の朝食は有料でしたが、パンやハム、チーズはあったと思います。コーヒーはポットサービスでしたし個室で頂く朝食はまた格別でした。

モデルは私も切望している1人です。UIC-Xが揃っているだけに簡易寝台車(Bcm243)と、このU形寝台車をリリースして欲しいです。(それだけで、どれだけ編成バリエーションが出来るか..)
by Akira (2012-07-04 00:26) 

Berliner

この写真、貴重ですね。実に興味深い。車内の写真ってなかなか見る機会がありませんから。
シャワー設備ってこのころからあったんですね。初めて写真で見ました。キャビンは狭いながらも本当の宿泊施設の様相を呈しています。やはり「横になる(Liegen)」ためではなく、「寝る(Schlafen)」車両だということがわかります。これを見るとLiegewagenに乗って眠れなかったと嘆くのは筋違いだと言う感じがしてきます。安心して寝たいならSchlafwagenへどうぞ、なんだなと思いました。
独りで一室を利用するには寝台車は高価過ぎるし、あの密閉度で見ず知らずのの他人と同室になるのは気が引けますが、いつか寝台車を利用してみたいものです。
メルクリンのことはよく知りませんが、寝台車が発売されていないというのは意外です。日本なら寝台列車は鉄道模型ファンの一番の人気だったのに(今はそうでもないのかな)。
by Berliner (2012-07-04 08:01) 

Akira

こんにちは、Berlinerさん。

今ドイツで夜行列車を利用する人から見れば、やはり大きく異なる寝台車のインテリアですからね。Liegewagenは日本で言えば、いわゆる国鉄時代のB寝台ですが、最近はベット数を減らしたりしてますからやや改善されていますが、UIC-XのBcm243を種車にした車両が多いので、古臭さは否めません。あのLiegesesselwagenも同様です。

模型に関して言えば、ROCOがこの寝台車のH0モデルを出しています。日本と異なるのは、欧州での夜行列車は、様々(雑多)な車両が連結や開放を繰り返して走るので、日本のブルートレインのような統一感がなく、列車としての人気もイマイチかも。以前の民営化されていた時代のCityNightLineは、そこそこ編成美がありました。以下サイトにこの列車の記事がありますので良ければご覧ください。
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-cnl.htm
by Akira (2012-07-04 09:40) 

Berliner

なるほど、統一のとれた編成美と夜行列車は対立してしまうんですね。私は、様々な国の車両が繋がっているのがヨーロッパの列車の面白みかなと思っています。一つの列車に繋がると言う共通性と各国の個性。Kurswagenも今は少なくなりましたが、ロシアから走ってきた車両なんか見ると感動しちゃいますけどね。今も鉄道模型ファンだったらそういうのを再現したいと思ったことでしょうが、そういうのは模型の売れ筋とは違うんですね。まあ、そうかもしれません。
by Berliner (2012-07-05 09:17) 

Akira

こんばんは、Berlinerさん。

私も昨今の欧州鉄道の固定編成電車化にやや淋しさを感じている1人です。せめて夜行列車ぐらい様々な国の異なる客車が混成されている姿の方が旅情を感じさせてくれるので好きなんですが...。それに模型の場合、連結させたり切り離したりして色々な組み合わせを楽しめるのも良いんですけどね...。
まぁ、古い考えなのかも知れません。
by Akira (2012-07-05 21:55) 

東西急行

Akira様、御無沙汰致しております。東西急行です。
何とも味わい深い写真を拝見し書込を決めました。
大戦後の新製車乍ら以前の同型車との繋がりを強く
感ずる内装を見るに、薄っぺらい鋼鈑、軽合金と合
成樹脂・繊維を多用した我が20系との落差に嘆息し
ております。

by 東西急行 (2012-07-11 22:24) 

Akira

こんばんは、東西急行さん。

U形寝台車は、欧州鉄道の歴史を熟成させつつ丁度良い感じで合理的に作られた車両です。国鉄の20系客車は確かに新しい材料を多用した軽量客車ですが、これも星技師のスイス留学の成果の1つでしょう。T2S形寝台車も似たようなものです。

先程CIWLのYb寝台車について記事をアップしましたので東西急行さんは更に興味深いかもです。ご意見やご指摘をお待ちしております。
by Akira (2012-07-11 23:49) 

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