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4130 DB (TEN) WLABmh 174 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 区分室側

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▲ 廊下側

今回は、私の大好きなDBの寝台客車 UIC-U形について触れてみたいと思います。この寝台客車が好きな理由は幾つかあるのですが、まず私がドイツで鉄道旅行する際、夜行列車利用の時最も良く利用した客車であること。そして、その木目を中心にした内装の素晴らしさ、そしてその車内の雰囲気です。
この寝台客車は、私がドイツに滞在した1980年代後半から1990年代末では、寝台客車としてその両数からしても最もポピュラーであったと思います。既にスイスのシュリーレン社製のT2Sという新しい寝台客車もありましたが、車両数が少なかったためか、デンマークやイタリアに旅行する際も、このU形客車が連結されていました。そして現在もさすがに少数にはなりましたが、まだ最新のNachtzug塗装で内装もリニューアルされて活躍しているのではないかと思います。
*2020年現在はDBAGにこの客車は在籍していません。

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また、形式でも理解できるように、1等車と2等車の合造客車...と言うよりは、部屋のベットの高さを変えることによって、1等車の「S」(シングル)、「D」(ダブル)や、2等車の「T3」(ツーリストトリプル)になるので、これが、UIC-U形の「U」の語源「Universal」の真意でしょう。私はもちろんいつも2等車の「T3」利用でしたが、大抵は空いているので妻と2人で「T3」を専有することになり、ベッドは3段のままですが、実質1等車の「D」で、同乗者がいないので個室を夫婦で専有できたのです。ちなみに2段にする場合は、中段ベッドのヒンジを高く設定して上段を畳むことで可能になります。
また、私の義姉と子供2人が遊びに来た時、デンマークのレゴランドへ行くため、私達家族4人(当時1人は幼児で1人は乳児)と合計7人で利用しました。その時は、2つの個室を繋げて大きな一部屋にし、6つのベットを2家族で利用した。これも、ヨーロッパの寝台車ならではの贅沢?な使い方でした。

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この客車の設備は、現代の標準としては確かに足りない部分もあるでしょう。個室には洗面台とテーブル、ベッド兼シートだけです。シャワーやトイレは共同であり、トイレの奥にレイアウトされているシャワー室は清潔とは言えない部分もあります。しかし、夜の静かな車窓を廊下で眺めるとマホガニー材や真鍮部材に暖かな白熱灯、専務車掌の簡易シートとテーブルにあるランプシェードなど、心地よくするための心理的配慮が良くなされています。その点は、新しいT2Sの化粧板とアルミ、そして蛍光灯の冷たい空間演出より優れています。CNLの最新2階建て寝台車ももちろん快適でしょうが、あの暖かい空間には及ばないかも知れません。ただ、やはり経年劣化や清潔感は最新の車輌に劣るのも事実です。
なお、当ブログにU形寝台車のインテリアの様子を記した記事があります。

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▲ DBロゴと形式・車両番号です。

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▲ 今や懐かしいTENロゴ

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▲ RICラスターには、最高速度140Km/h、航送許可、東欧諸国も含めて20カ国の入線許可が表記されています。

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▲ REV表記は1984年9月4日

表記は鉄板上に全体を印刷してから組み立てていることもあり、とても精細な印象です。

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妻部分です。U形寝台車の初期は貫通路扉も折戸でしたが、この174形は両開き扉の仕様です。

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妻部分の尾灯は、通常黒い丸で表現されていますが、このモデルは黒縁に赤丸に印刷されています。妻部分の表記類はやや大きい気もしますが、結構凝っている印象です。

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さて、メルクリンでも随分前からこのモデルを24cmの鉄板客車として製品化されていました。しかも、1967年からの赤DSG/Ep.III+IV仕様(4064)から青TEN/Ep.IV仕様(4130)までバリエーションも時代と共に変更され、1995年までリリースされていました。さらに各々にPRIMEXモデルも存在します。また最近では、24cmモデルのレプリカモデルの再発売でDSG仕様もリリースされました。しかし27cm樹脂モデルでは見送られてしまっています。

今回、282mmの新しいスケールで是非製品化を望みたい客車の1つがこのWLABmh174です。先程述べた塗装バリエーション(DSG/赤TEN/青TEN/NZ)もさる事ながら、このモデルの丸屋根の他、切妻屋根仕様(WLABmh175)もあり、またドイツ以外の仕様やCIWLもあります。可能ならば、Bcm243と共に夜行列車編成が可能なモデルの1つとして、今度はしっかりと室内装備も用意してリリースして欲しいと思います。(Schürzenwagenがそうであったように...)

[EDIT] 2020-11-12


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300B

寝台車を編成に含む夜行列車、いいですよね!

メルクリンからは寝台車が今の所出ていないので仕方なくROCOの
寝台車セット(赤DSG、赤TEN、青TEN)を購入し、夜行列車を組もう
としているのですが、組み合わせる一般客車はタルキス/ベージュの
やつ(例:Sud windの客車)でいいんでしょうか?(^^ゞ
赤一色の食堂車(WRmh132.1)を入れると様になりますでしょうか?
by 300B (2006-11-20 22:35) 

Akira

赤DSGは、Ep.III。赤TEN/青TENはEp.IVですから組成される一般客車(出来れば、簡易寝台車(Bcm)と一等座席車(Am))との組み合わせは、各々の時代に合わせるのが良いかと思います。つまり赤DSGには、Ep.III仕様の青いBcmとAm、赤TENには、同じく青BcmとAm(Ep.IV)、また青TENには、タルキス色のBcmやAmが良いかと思います。Ep.さえ合わせ(つまりUIC表記か否か)れば塗装はごっちゃになっても良いかも知れません。かえってその方が雰囲気が出るかもですね。
でも、青色Bcm(Ep.III/IV)って製品化されてます?あれは確か側面DBの文字が銀色切抜き文字だったような...。
あと、食堂車ですが、現在のNZ/AZには組成されている列車もあるみたいですが、ドイツ国内では当時の夜行列車にはなかったような...。
ちなみに、簡易寝台車と寝台車には、簡単なキッチンが備えてあってコーヒーマシンと朝食の用意ができる様になっています。(この壁付けのWMFコーヒーマシンがカッチョエエのなんのって...)
by Akira (2006-11-20 22:46) 

300B

情報どうもありがとうございます(^^)

大体概要は掴む事が出来ました。

寝台車+1等座席車+2等簡易寝台車の形で組んでみたいと思います。
食堂車無しとは意外でした(日本の寝台列車は食堂車が定番でしたので)。

メルクリンでは揃いそうに無いのでROCOのお世話になるしかない様ですね。
ROCOの赤DSGですが、コンピューターナンバーが付いているのでエポック
Ⅳ仕様のようです。(^^ゞ
by 300B (2006-11-21 08:33) 

Akira

列車組成ですが、当時(Ep.III/IV)時代の夜行列車はどうなっていたのか?私も詳細は恥ずかしながらはっきりしたことは分かりません。ただ、自分の見た記憶では寝台車+簡易寝台+1等座席車(+2等座席車?)だったように憶えています。最も車両数の多いものが簡易寝台車だったように記憶しています。また、その多くが国際列車になるため、ドイツ中心の列車組成でも隣国や目的地の国の車輌が混成していることも少なくないはずです。(そのためのTENプールであったような気も..)
食堂車については、もしかするとスイスなどでは、自国内のみ食堂車が機関車の次位に連結されるケースもあるかも知れません。(SSG時代に良くあったような気がします)
いずれも確証がないので、保証は出来ませんが...。

あと、DSG+UIC表記ですが、確かにあったでしょうね。UIC表記に変った年は1968年でDSGからDBに食堂/寝台の車籍を移したのは、その後だったと思います。ただ、その期間はあまり長くはなかったような...。

このあたりも含めてもう少し勉強する必要あり...ですね。
by Akira (2006-11-21 09:04) 

klaviermusik-koba

基本的にはakiraさんのおっしゃるとおりだと思います。例えばミュンヘンーローマ間の夜行列車の場合、基本的にはFSの座席車(1,2等共)主体で寝台車は少なかったと思います。たまたま休暇で私の教授と同じ列車に乗り合わせたことがありました。先生はもちろん1等ですが座席車、私は学生だから2等車それも1コンパート8人の古いFS車、でも、窓上に飾り窓があったりしてなかなか味のある客車でした。クシェットはなかったように思います。(あれば安いので多分利用してた)あの当時は夜行列車も基本的に国内、国際を問わず、座席車主体で、寝台車はakiraさんのいわれるように、ベッドの段数を変えることで値段が変わる、というシステムでした。クシェット(Liegewagen)はぼつぼつ普及していた、という感じです。空きのある寝台車には「Bettenfrei」(空ベッドあり)という面白い表示がありました。TENは当時私はまだあまり見かけませんでした(あったのかも知れませんが)。
by klaviermusik-koba (2006-11-22 16:00) 

Akira

私も、ミュンヘンからヴェネツィアへ行くのに夜行列車を利用したことがあります。この時も寝台車利用で車輌はUIC-U形でした。(確かDB車籍)ただ、ベネツィア直通ではなかったので、早朝にボローニャで乗り換えで重い荷物片手にホームを移動したのを憶えています。
また、ミュンヘン出発が遅かったので、当時危険な雰囲気が漂い、待ち時間を初めてBahnhofmission(キリスト教団体の旅行者支援設備)のお世話になりました。(妻がいたので入れたのであろう)
でも夜の大都市駅では、欧州各国へ旅立つ夜行列車が出発準備をして独特の雰囲気がありますね。
klaviermusikさんが仰る空きベット表示(これは電光なので夜はやたら目立つ)は、私も郷愁をそそられます。「ベットが空いているのか〜、これに乗ったら明日はローマかと...」

TENは、1970年代から1990年代に掛けてUIC加盟の欧州各国が同じ塗装でプールしていた寝台車です。どの国の寝台車でも同じサービスが受けられる..ということかも知れませんが、今にして思えば私が最も利用していた時代ですし、懐かしいです。
by Akira (2006-11-22 17:16) 

klaviermusik-koba

あのミュンヘン発のローマ行きは昔からの定番列車で、たしか「Brennero」とかいう名前が付いていなかったですかね。1984年に同じ列車に乗ったときは、最後尾にTENが連結され、家族で乗ったので2部屋占領しました。目が覚めたら確か最後部についていたわれわれの客車はいつのまにか真ん中あたりになっていてあれ?と思いました。確か簡単な朝食サービスがありましたね。
by klaviermusik-koba (2006-11-22 19:48) 

Akira

私は列車名は忘れました。もし「Brennero」に近いものでしたら、オーストリアとイタリアの国境の峠の「Brenner」かも知れません。確かにミュンヘン発のイタリア方面列車はBrenner峠を越えて行きます。

あと夜行列車の面白いところは解結作業の多いことですね。ヨーロッパは様々な都市から様々な都市への列車が走っていますから、夜行列車は少ない機関車で多くの列車を運行させる合理的な手法の1つかも知れません。
以前、デンマークからドイツへの帰りの夜行列車で寝台車の専務車掌のお兄さんと鉄道談義に華が咲き、色々と話をしました。その時、デンマークの渡り鳥ルート(Vogelfluglinie)のドイツ側でフェリーに載せるために待機していたら、反対方向の列車に連結されそうになったことがあるという話を聞いたことがあります。もしそうなったらニュースものですね。

朝食サービスは、流石に最近では食堂車が連結される様になってきたようですが、CNLやICNができる前は寝台車やクシェットでは、専務車掌が自車のキッチンで簡単な朝食を作ってくれました。パンにバター/ジャム、チーズ、レバーペースト、ヨーグルト、コーヒーぐらいでしたが、個室で頂く朝食は悪くないサービスですね。(夜のスナック類もルームサービス出来ましたし)
やはり、1両に1人専務車掌がいるということが、寝台車の価値なのでしょう。
by Akira (2006-11-22 22:21) 

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