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Alpen - Sylt Nachtexpress [欧州鉄道]

昨日、北ドイツの保養地Sylt島とオーストリアアルプスの玄関であるSalzburgを結ぶ民間会社による夜行列車の運行が9月から開始されるニュースに触れました。
これによれば、週に2往復と便数は少ないながら週末運行に限定され、利用者ターゲットはビジネスではなく、バカンス向けであることがわかります。以下にその列車のウエブサイトのリンクを貼ります。

Alpen - Sylt Nachtexpress

リンク先の時刻表によれば、木曜日と土曜日の19:55にSyltを出発、Hamburg Hbfを23:30出発、途中Frankfurt/Main Südを早朝5:20、Nürnberg 8:00、München-Pasingを9:40、終点Salzburgに11:45到着というダイヤです。これを見ると、中々戦略的なダイヤを組んだとも言えるでしょう。と言うのも、ターゲットはバカンス客と前述しましたが、必ずしもそれだけではなく、ハンブルグやフランクフルト、ミュンヘンなど、大都市の到着時刻もしっかり計算に入っているようで、ビジネスにも使えるものです。逆コースは、金曜日と日曜日出発でSalzburgを16:10(17:10)発、途中München-Pasing 17:50(18:50)発、Frankfurt/M Süd 22:30(23:30)発でHamburg Hbf 4:15(7:15)着、Sylt 7:50(12:00)着となっています。
とはいえ、ビジネス中心ならば毎日運行が最低条件でしょうし、このダイヤだと編成は1本と考えられますので、普段使いの夜行列車にはちょっと使いづらいと考えられます。

オープンアクセスで今まで数々の民間事業者による列車が運行されていますが、夜行列車は多くはなく、今回はほぼドイツ国内路線ですが、ドイツの西側主要駅に停車し、最大限の効率の良いルートとダイヤと組んだものと思います。

さて、この「Alpen - Sylt Nachtexpress」の利用ですが、ウエブサイトに記されている文面を読むと、これまでの「ベッド売り」ではなく、部屋売りと言うことがわかってきました。つまり一人の寝台料金という考え方ではなく、6人用個室1室片道EUR 399,-〜とのこと。価格は早期予約の方が割安で、運航日が近づくと変動するようです。興味深いのは、この部屋売り価格は基本的に、予約本人とその家族や友人で合計6名まで同一価格、乗車する人は全て事前登録しなければならないとのこと。SalzburgからSyltまで片道約5万円強になり、一人であれば余りリーズナブルではありませんが、4人なら乗車運賃込みで1,3 万円程度になるとすれば、お得感があります。また、コロナ禍後の簡易寝台車事情を思えば、この部屋売りという方法はトレンドになりそうな気がします。

そして車内の供食ですが、ウエブサイトには...
「ソフトドリンク、アルコール類、スナック、及び朝食は車内で購入できます。」
と記されています。この辺りはNightJetと異なるところです。部屋売り価格を考えれば、このシステムも理解できるところです。
食堂車はどうやらなさそうですが、具体的な内容やサービスは知りたいところです。

車両についてはまだ公表されていませんが、新車導入の計画は聞いていませんし、ウエブサイトを見る限り、簡易寝台車のみのサービスに見えますが、CNLが終焉して以来、ドイツ国内線の夜行列車がないので、きっと少なからずの利用者に歓迎されると思います。NightJetの成功もルートとダイヤ、そして車内サービスに依るところが大きいですから、このAlpen - Sylt Nachtexpressの車内サービス(特に供食)については関心を持って詳細の発表を待ちたいと思います。

[EDIT] 2020-06-16
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