SSブログ

37955-01 DB 03 1014 / Ep.III [Maerklin-Lok]

IMG_8343b.jpg

最近はメルクリンの新製品出荷ラッシュです。私の処にも立て続けに新製品モデルが届きますが、その度に今年の購入出費にヒヤヒヤしています....。
とはいえ、注文品が届くのは嬉しいです。今日紹介するのは、先日届いた新製品03形2両セット(37955)のうちの1台(03 1014)です。このセット2両のモデルの同形は既に製品化されて久しく、新鮮味という点ではまったくと言って良い程面白みのないモデルではあるます。しかしながら、2両で約1両分の価格であり、さらにそのセットのうち今日紹介する1両はF-Zug専用機の鉄青色モデルです。それも鉄青色の03.10形では初めてボイラーに銀帯が奢られています。また今回限りの期間限定モデルです。

IMG_8339b.jpg

今迄メルクリンでは同形モデル「03 1043」がHOBBYプログラムのアナログ仕様(3097)でリリースされ、更にPremium Startset(29845)のfxデジタル「03 1022」としてリリースされています。しかしどちらも既に生産完了されています。

それら過去にリリースされた2両のF-Zug用03.10形については、当ブログでも1022号機(29845)を紹介しています。(PwMサイトで1043号機を紹介していますが、サーバが機能していません) さて、このBR 03.10モデルは、オリジナルボイラを積んだ仕様のため、高性能ボイラに載せ替えた後のモデルとは形状が似ていて異なるという感じでしょうか。よって戦後すぐに登場した鉄青色のこの機関車モデルは印象が異なる....のですが、一方既にメルクリンからは新型ボイラを積んだ03.10形は2010年にリリースされています。実車は、この鉄青色の時代はまだボイラ交換前の姿で流線型車体を外された姿で、メルクリンモデルとは(ランボードから前方に掛けての形状が異なるけれども)前方からの見た目は印象的に良いのですが、キャブのドアがないので印象が更に違います。

ここで実車である同機について記してみます。03.10形は1939年より140両をBorsig、Krupp、Klaus Maffeiなどの機関車メーカーに発注しました。しかし先の大戦の影響により、実際には1001号機から1022号機がBorsigで、1043号機から1060号機までKruppで、1073号機から1092号機までKlaus Maffeiで合計60両製造されました。結果として発注数の半数以下の製造ということになりました。

戦後は3両が被災したため、57両が西独、東独、ポーランドに残され、1両は消息不明とのことです。西独(つまりDB)に残った03.10形は26両で、1950年に全機が流線型カバーを外されています。この時の改装はHenschelでした。(流線型のテンダーも同様に通常のスタイルに改装) そして、この1014号機、1022号機、1043号機の3両がF-Zug塗装に塗られBw Dortmund Bbf(ドルトムント機関区)に所属し、同機関区の他の03.10形と共にF-Zugの"Merkur"の全区間(Hamburg - Frankfurt/M)を牽引した他、2階建客車、F-Zug "Loreley-Express"、"Glückauf"などの名列車を3両の鉄青色に塗られた03.10形が牽引していたようです。しかし、1957年から1961年に掛けてEinheitskesselと呼ばれる高性能ボイラに換装する大改造を26両全機受けています。1014号機は1957年の改造まで鉄青色のまま活躍しました。その後は鉄青色の3機も黒色塗装となりますが、無煙化の影響で03.10形が活躍した中都市連絡輸送路線は電化され、更にはV100形ディーゼル機が800両も量産されるなどして活躍の場を失い2両が留置されていましたが、1966年までに廃車となり全機解体されました。

一方、東独国鉄(DR)所属となった01.10形は、19両(21両の説もあり)、ポーランド国鉄(PKP)所属は9両(10両説もあり)、行方不明が1両とのことです。(その他、旧ソ連に4両など諸説あるようです) 最終的にはDR所属の03 1010が1両のみ動態保存、またPKP所属の03.10形は1両保存されているようです。

IMG_8356b.jpg

今回の2両セットは、昨年リリースされたスイスの機関車2両セットと同じコンセプトで商品化されたもので、同形のバージョン違いの2両をセットにしたものです。もちろん塗装や時代区分による番号など、可能な限りの違いを見せている2両でもあります。おそらく昨年のセットが好評であったと考えられます。今年はドイツモデルで、しかも人気の03形蒸気機関車となれば、好評に違い無かろうと思います。

IMG_8346b.jpg

で、今回の鉄青色BR 03.10モデルの最大の特徴は、先に述べたボイラの銀帯の他、前照灯が2灯式であるということです。これは戦後すぐの仕様であるのは、前照灯2灯時代(Ep.II)の名残だと思われます。
デジタルはもちろん組み込まれていますが、廉価版だけあってDIPスイッチなしの前照灯点灯、発煙装置準備、漸次加減速ファンクションon/offが可能という機能的には必要最低限の仕様です。モーターはDCM。よって極めてオーソドックスな仕様と言って良いと思います。

で、早速CSに登録を試みましたが、データバンクの37955を選ぶと中々面白い画面が出て来ました。機関車のピクトグラムが何故かディーゼル機関車です。また、2台セットであるにも関わらずデータバンクに登録されているのは1機分のみ。ネーミングはBR 03 1014なので、もう1機のBR003は新たに登録しなければなりませんでした。デジタルアドレスは2機とも「03」であったので、漸次加減速値とともに、Prog.端子経由で設定変更しました。

IMG_8350b.jpg IMG_8351b.jpg

上画像は、キャブとテンダーの表記です。DBマークはまだ存在せず、Deutsche Bundesbahnの文字が並んでいます。また、所属はED Essen(エッセン鉄道局?)、Bw Dortmund Bbf(ドルトムント操車場駅機関区?)でしょうか。これは1022号機と同じ所属機関区であることがわかります。両機ともF-Zug "Rheingold-Expreß"や"Loreley-Expreß"などの名列車を牽引していたのでしょう。テンダーの表記は、重量や容量、ブレーキなどの記述です。

IMG_8348b.jpg IMG_8349b.jpg

キャブ下近くのランボードの表記です。1022号機や1043号機モデルにはこの表記がありません。印刷技術の着実な進歩が窺えるディテールです。ブレーキ表記とその検査日(1950年6月23日)、そして連結棒の名称と製造年(1937年)について記されています。

IMG_8352b.jpg IMG_8359b.jpg

前頭部とテンダー部分の正面画像です。このモデルの特徴は前照灯が2灯の部分です。おそらく1022と1043号機は実車が2灯だと思いますが、モデルは3灯のままです。またテンダー正面には銘板が彫り込まれています。

IMG_8365b.jpg IMG_8363b.jpg IMG_8362b.jpg

先に記したテンダーの違いは、上画像の1022号機との比較で確認できます。テンダー部分を新規金型で起こしたのでしょうか、キャブと隣接する部分に壁が設けられています。新設計の03 1001や03 1012のテンダーには蓋が付いていて形状が異なりますので、流線型車体を外した同機の形状を再現した努力が窺えます。キャブも樹脂製なので乗降扉を付けたものになれば、より実感的な印象になったと悔やまれます。

次は、もう1台のBR 003を紹介します。

*当ブログ記事は大幅に画像を加えてリニューアルした記事です。

Special Thanks: HUHさん

参考サイト:

29845 DB 03 1022 / Ep.III

参考文献:

全盛時代のドイツ制式蒸気機関車 / 篠原正瑛 著

Black 'n Blue / Klassiker der Bundesbahn / Otto Humbach / MIBA Verlag

[EDIT] 2020-04-10


nice!(0)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 2

むしゅ

Akiraさん、こんばんは。
いつも楽しく拝見しております。

過去のBlogでメルクリンの青いBR03.10の記事を見て以来、
再販されるのを待っていました。
ずっしりした重量感と安定かつ強力な走りを楽しんでおります。
ダイキャストモデルの良さをしっかり楽しませてくれる良い製品ですね。
発煙筒を積んでも安心していられるのは金属ボディならでは・・・

BR45やBR01.10のような精密志向も大好きですが、
この製品のようなシンプルかつパワフル路線もあなどれませんね。

次回作に益々期待です。
by むしゅ (2007-08-30 21:54) 

Akira

むしゅさん、はじめまして。コメントありがとうございます。
仰る通り、03形は1972年に新製品として出てから、90年代に1度下回りのリニューアルを受けながらも基本的に同じ設計で30年以上作り続けられている製品です。よって古き良きメルクリンの香りが今でも残るモデルです。
しかしながら、3シリンダ仕様の正しい03.10形は心待ちにしている1人ではあります。(ロコほど高価にはならないように...)
by Akira (2007-08-30 22:24) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0