T23336 DSG 1173 WR4ü(e)-39 / Ep.IIIa/b

▲ 車体厨房側


▲ 車体廊下側

先の「Schürzenwagen Ep.IIIbのまとめ」を記している時、手持ちのモデルをまだ紹介しきれていないことがわかり、ようやくアップ出来る幸せを噛み締めつつあるのだが、今回はSchürzenwagen食堂車の中でも異色とも言えるTRIXのモデル（T23336）である。
と、言うのもこのモデルのシリーズは３等級制時代．．．つまりEp.IIIaを設定しているのであるが、一方でこの３等級制時代の中でもギリギリの1955年の設定なのである。そういう背景から等級に関係のない食堂車や荷物車、郵便車などは、2等級制に変更になった1956年でもそのまま使われていた訳である。そのため、ここではこのモデルはEp.IIIa/b両時代の過渡期の仕様として紹介できればと思う。
このモデルは2005年からリリースされている。なお、このモデルは元々２線式仕様であるが、販売店にて３線式用車輪交換の上、手元に届いたため、メルクリンモデルと同じ仕様となっている。



画像は厨房側の車端部である。厨房部分の窓上部には換気用窓が再現され原形を留めている。換気窓があるのは、おそらく石炭レンジのためであろう。


▲ 台車はGörlitz III Schwerである。Schürzenwagen座席客車よりホイールベースの長い台車である。

この実車（DSG 1173）について手元の資料を見てみると、1939年にLHB社で落成。Ep.IV時代にはPopカラーに塗装された６両のうちの１両となった。廃車は、1978年とのこと。



さて、モデルをみると．．．形式表記などはリリース当時の水準である。



サボには、「Hoek v H - Basel SBB - Hoek v H」と記されている。これは、Ep.IIIa/b両時代の"Rheingold"、"Loreley-Expreß"の食堂車の運用サボである。よって、このモデルは両時代の両列車に使用することができる。



1173のDSG番号が見える。RICラスターは、７カ国に対応している。２電源程度であろうか。



注目のREV表記（直近検査日）は、1955年12月18日である。まさに３等級制末期である。次回検査予定日はその１年後（既に２等級制時代）と赤文字で記してある。





車端部を様々な角度から撮影。貫通幌は蛇腹式。屋根上には煙突が別パーツで付けられている。食堂部分の車端部には、金属製の別パーツで給湯ボイラのためと思われる煙突が付けられている。



折角なので、メルクリンの"Loreley-Expreß"セット（43209）の 食堂車モデルと並べて比較してみた。まず１番最初に気づくのは塗装色であろうか。DSG 1179 の少し朱色がかった鮮やかなRubinrotと比較して、このDSG 1173は、くすんだ色合いである。
画像の左にあるのは、RAL色票の同色であるが、塗装色は奥のモデル（DSG 1179）には極めて近い。手前のモデル（DSG 1173）の色合いは、色票より彩度が低く暗い。



しかしながら、考えてみれば蒸気機関車全盛の当時は、機関車の煤で鮮やかな赤色は最初のうちだけですぐにくすんだ色合いになってしまうのは容易に理解できること。この違いは工場出場当時と暫く運用に就いたウエザリング仕様と考えれば、納得のゆくことでもある。

参考文献：Schürzen-Schnellzugwagen Teil 1 / KIRUBA Verlag

参考サイト：
23336 Express Train Passenger Car. / TRIX ドイツサイト
http://www.trix.de/produkte/frontend/index.php?page=detail&detail&sCountryCode=en&start=0&nr=23336&stichwort=&baureihe=&spur=8&gruppe=9&untergruppe=all&epoche=16&merkmale=all&show=detail&iNeuheitenKatalogID=&sNeuheitenSpur=&fromSLIMSITE=&wishednumber=

Neuheiten-Revue TRIX T23333-T23337 Schnellzugwagen Ep.IIIa / Play with Märklin H0
http://www.thundernet.or.jp/~PwM/NhR-T23333-T23337.html

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