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晩秋のドイツ旅行(10) [Reise]

11月3日。フランクフルトの朝は、前日からの雨が降り続いている。短いドイツ旅行もこの日が最終日である。帰国する予定の便は、フランクフルト空港発成田空港行きの便である。出発が20:45であるので、日中ゆっくりとフランクフルトで行動出来る。フランクフルトは、おそらく私が海外の空港で最も利用している空港であるが、フランクフルトの街そのものは2度程訪れただけで、街中の散策や買い物は、そのうちの1度だけである。それも随分昔のこと。今回は、フランクフルトのトラムやU-Bahn(地下鉄)を色々と体験してみたいと思っていたところに、旅行中フランクフルト在住の日本人Kさんから連絡を受け、案内していただける申し出を受けることにした。冷たい雨の中での撮影はテンションも中々上がらないが、現地の方とお会いし色々案内して頂けることで楽しみになってきた。

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相変わらずの早起きである私は、帰国便のチェックインをしようとネットに繋げた。ここのホテルは朝食、ネット利用も別料金である。ネットの利用料金は1時間と1日単位であり、2〜3時間使いたかった私には悩ましい。大手のホテルチェーンはそのあたりの管理が行き届いているが、宿泊したベルリンの安ホテルは、部屋以外については別の意味でサービスの良さを実感する。
帰国便のチェックインは無事終了し、朝食を取りに朝食部屋へと行く。ここの朝食ビュフェは、最近のドイツのホテルらしく豪華で種類も多く、満足した。朝食を食べながら、「もしかしたら、これが今回のドイツ旅行で最後の焼きたてパンか...。」と思うと名残惜しい。

この日の予定は、チェックアウトの後、手荷物以外は空港に預け、再びフランクフルトの市街地に戻って撮影をするというもの。家族に頼まれた買い残しの買い物も街中のデパートで行えば良いと考えた。午前中はそれで終わるであろう。問題は天候だけである。

雨の中大きな荷物を2つと手提げカバン1つを持ってホテルから出発する。駅迄の距離は100mぐらいか。駅の手前に地下道への入口があるので、そこまでヤッケのフードを被って冷たい雨の中をひたすら歩く。ここからは雨に濡れずに空港迄行ける。S-Bahnの1日券は、市街地ゾーンでは空港駅がゾーン外なので空港駅のゾーンを含めた1日券を買う。この切符1枚でU-Bahnもトラムもバスも乗れるので便利である。

中央駅の地下を通るS-Bahn(ET420形)に揺られて空港駅まで行く。このET420形電車に乗るのも今回が最後かも知れない。再び今回のドイツ旅行の出発地でもある空港地下駅に到着する。ここからは荷物をカートに乗せて動けるので楽である。ただ、今回気づいたのは、カート使用にEUR 2,-のデポジットが必要になったこと。スーパーのカートのように、行方不明になることがあったのであろうか?

地下駅からはエスカレータを上るだけで、そこは各空港会社のチェックインカウンターが集まるターミナル1のB出発ホールである。ただ、全日空のカウンターが中々見つけられなかった。カウンターを巡った挙げ句、案内で聞いて初めて見つけたほどである。この時間は私以外に荷物を預けに来るような乗客が居ない。カウンターには空港職員1名のみいて、すぐに荷物を預け、搭乗券も発券してもらえた。これでようやく沢山の荷物から開放され、気分も楽になった。

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▲ Friedensbrückeから旧市街を見る

再び地下駅に戻り再びフランクフルト中央駅で下車。トラムを撮影する為に事前にKさんに教えてもらったStresemanalle/Gartenstraßeで降り、Friedensbrückeを行き交うトラムを撮影する。トラムは橋の中央を走り、その両側が自動車道、そして1番端に歩道があるので、交通量が多いためクルマが被ってしまうこともあり撮影が難しい。それでも撮影時は小雨も上がり何本かのトラムを撮れた。

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▲ Bombardier社製のS-Units

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▲ Duewag/Siemens社製R-Units

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▲ 土曜日で運行中のEbbelwei-ExpressのK-Units。車内でアップルワインなど飲み物とブレッツェル1つが付いてEUR 7,-で乗車出来るらしい。今回は乗れなかったが次の機会は是非乗車してみたい。

今回、私が見ることが出来たのは3種のトラムで、Bombardier社製のS-Units、Duewag/Siemens社製R-Units、そしてDuwag社製のK-Unitsの3種である。もう1つ、Duewag社製のPtb-Unitsというのもあるが、この車両はU-Bahnで使われているので、U-Bahnに含めたい。

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▲ Bombardier社製のS-Units

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▲ 歴史的な建物とモダンな高層ビルが同居する市街地。Römer電停にて。

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▲ Kaufhofのテラスから市内を望む

ここの橋は中央駅からも近いので、トラムの線路に沿ってトラムの撮影をしながら駅迄歩く。そろそろお腹も空いて来たので中央駅からトラム4つ目の駅Römerで下車する。ここは昔来た場所なので憶えていた。いつもは沢山の観光客で賑わう場所であるが、雨足もだんだん強くなり傘なしでは歩けないほどである。それでも土曜日なので人通りは少なくない。雨宿りで軒下を借りたお店を覗いてみると、ホーロー製看板を売っているお店である。中に入ってみるとドイツのメーカーの看板が沢山置いてある。良く探してみるとSteiffやDB、メルクリンまである。ただし、それらを見る限りオリジナルではなくレプリカのようである。いつまでも雨宿りも出来ないので再び雨の中を歩く。ようやく百貨店のGaleria Kaufhofに辿り着く。この日は生憎のお天気ながら土曜日ということもあって百貨店の店内は沢山の買い物客である。最上階のレストランで簡単に腹ごしらえし、再び小雨になったテラスに出ると、フランクフルトの街を望むことができる。少しばかり買い残した頼まれ物を見つけて購入し、再び中央駅へと戻る。

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▲ 最新型のBombardier社製 "Flexity Swift " Typ. U5-25。

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▲ Typ. U5-25のインテリア

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▲ Siemens-Duewag/Wegmann社製 Typ. U2 Bf. Festhalle/Messeにて

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▲ 2つのホーム高に対応したPtb-Units。出入口ステップには赤白縞模様で注意を促している。

Kさんとの約束は中央駅前のトラム乗り場である。彼はこの街に長く住んでいて鉄道にも詳しいので私の望む被写体の場所に案内してくれた。最初はトラム。そしてそのトラムに乗って終点のSüdbahnhofで下車する。この駅は1873年開業の駅で歴史的な建物である。雨模様で暗かったため、駅舎の写真は撮れなかったのが残念である。

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▲ Bf. Festhalle/Messe

ここからU-Bahnに乗って、最新の駅Festhalle/Messeなどへも案内して頂き、新旧3種類の車両の撮影が出来た。考えてみれば、昔IAA(フランクフルトモーターショー)で訪れた時は、中央駅からPtb-Unitsに乗車したが、この車両は地下駅のホーム高と路面のホーム高の両方に対応していて、路面ホームではドア前床がステップに変身するのが興味深かった。この車両も淘汰される時期にあるようで、現在ではU-Bahnのホーム高が統一されステップの変換もないとのこと。

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▲ VGFのバス(ボルボ社製)はトラムやU-Bahn車両と同じ塗装で認識しやすい

塗装も、以前のベージュ地にオレンジ色の塗装は、VGF(VerkehrsGesellschaft Frankfurt am Main)のCIカラーである緑がかった青(正式にはSubaru-vista-blue)色になり、これはU-Bahnの他、トラムやバスも全て統一色となっている。ここのU-Bahn車両の印象は、内外装共トラムのイメージに近く、実際にもトラムと地下鉄の境界線が日本のそれよりも弱い気がする。それは利用者にとっても気軽に利用できる公共交通のイメージづくりに役立っているように思われる。

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効率良くトラムとU-Bahnの車両を撮影出来たのはKさんのお陰である。再び一緒に中央駅前に戻って彼とは分かれた。彼は貴重な時間を私の為に割いてくれて感謝である。この日は元々どんよりした暗い天気であったが、更に暗くなってきたので、そろそろ空港に行こうかと考え始める。駅構内でICEや近郊列車の撮影をしたり、それらを眺めているとザールブリュッケン行きのRE(VT612形)が停車しているのが見える。折角なので、最後の列車は最初に乗ったVT612形にしようと決め、これに乗り込む。今回の旅行で合計4回VT612形に乗車した。今回はこの車両の快適性を堪能できたことは、大きな収穫の1つである。今回最後のVT612形は、残念ながら1駅で降車しなければならなかったが...。

続く

参考サイト:
VerkehrsGesellschaft Frankfurt am Main:
http://www.vgf-ffm.de/de/home/
Ebbelwei-Expreß:
http://www.ebbelwei-express.com/

[EDIT] 2012-11-28
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