Connecting Europe Express [欧州鉄道]
▲ Connecting Europe Expressの運行路線と停車駅
9月から10月初旬に掛けて欧州26カ国100以上の都市を約1ヶ月掛けて巡る列車「Connecting Europe Express」(以下CEEと記します)が走りました。これについての詳細はチェコ在住の鉄道ライターである橋爪氏による記事が詳しいのでリンクを貼ります。
36日間で欧州26カ国を走破した「特別列車」の使命 環境意識が高まる中で「ヨーロッパ鉄道年」をPR / 東洋経済ONLINE
このCEEをベルリン在住の友人が現地で撮影してこのブログで紹介することを許されたので、その画像の一部を交えて紹介したいと思います。
▲ Connecting Europe Expressの編成案内
このCEEは、6カ国の鉄道事業者が1両づつCEE専用塗装の出で立ちで組成されています。上の画像は、その組成表。左からÖBBのNightJet寝台車、SBBのTyp.EC1等パノラマ客車、FSの食堂車、SNCFの会議室付き1等座席車、DBの2等座席客車、MAVの展示車両(荷物車からの改造)の6両編成です。興味深いのは、各国の車両はそれぞれ特徴を持っている車両が選ばれていること。例えば、ÖBBは、何と言っても夜行列車の成功例であるNightJetが知られていますし、SBBは世界に誇るスイスの絶景を楽しめるパノラマ客車、食通の国として有名なイタリアらしい食堂車担当がFSであることなど、適材適所的なチョイスであるように思います。一方でDBは.....特徴がないのかも知れません。
▲ ÖBBから組成されたNightJet用寝台車
▲ SBBからCEEのために組成されたTyp.ECパノラマ1等車
▲ FSからは食堂車
▲ SNCFの1等座席と会議室。シートを見るとコラーユ客車に見えるのですが
牽引機関車は国によって変わるようですが、DBではVectronと101形が牽引に当たったようです。
ベルリンでは、ちょうど同日にCEEとベルリン技術博物館にDB MuseumからやってきたVT11.5が到着しました。邂逅の場面はなかったようですが、この日のベルリンは鉄道ファンには堪らない1日だったのではないかと思います。また終点のパリではVSOEと時刻が重なり、並びの写真は難しかったでしょうが、CIWL客車と一緒に写真に収められた画像も観ることができました。
このCEEですが、今後の欧州全体の鉄道網を1つのネットワークとして再確認し、同時に様々なバリアを発見することもできた旅になったのではないかと思われます。ゲージが異なる問題を始め、車両限界、電気設備、信号の違いなど国が異なることで克服すべき課題は少なくないですが、まずはそれを共通認識することと、年々深刻化する環境課題を移動の面から「鉄道」が大きな期待を持たれていることがこのCEE運行で確認できたのでした。
さて、このCEE編成ですが、模型化されるのかどうかはわかりません。残念ながらメルクリンH0では、ÖBB寝台車、SNCF1等コラーユ座席客車、FS食堂車、MAV荷物車がないので製品化は難しいでしょう。できるとすればROCOからでしょうか。(ROCOで製品が揃っているかどうかは未確認です)
Special Thanks: 画像提供 T.Hさん
[EDIT] 2021-10-17
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