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26610 DRG SWRPwPost4ü-35 (10401) / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

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少し前にここで紹介したHWZ列車セットの客車を紹介します。HWZはHenschel Wegmann Zugの頭文字を取った略称ですが、Henschelは、61形の機関車製造メーカーの会社名です。そしてWegmannは、この列車の客車製造メーカーの会社名です。つまりこのモデルの実車である客車製造メーカーの会社名がWegmann社ということです。

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この客車は、戦前のDRG時代にして余りに意欲的な試みがなされています。61形でも紹介した密着自動連結器(Scharfenbergkupplung)の採用もその1つですが、客車は4両編成で車端部の片側が展望出来るようにしつらえています。しかし、もう一方の車端部は荷物室のため乗客の展望には解放されてません。更に、専用機関車である61形と組む固定編成を前提とした客車列車として設計されています。これに似た客車はミドセンチュリー時代の(20th Century Limitedなどの)米国の客車や、満鉄のあじあ号が思い浮かびます。

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上画像は、密着自動連結器がついた車端部分ですが、KKKカプラーがその下から出ています。

今回紹介するモデルは、この展望できない展望室付き客車であるSWRPwPost4üです。この形式名は少し長すぎますが、実際様々な用途に使われる車両として設備されています。
まず、食堂車(WR)としての機能。そして荷物室(Pw)。更にはPost(郵便)の3つの機能を1両にしつらえています。

このモデルを見ながら車両(実車)について最初に感じた残念な部分は、展望室をなぜ食堂部分の1部としてレイアウト出来なかったのだろうか..ということでした。流れ行く景色と線路を見ながらの食事は、贅沢そのものだと思うのですが..。おそらく他の車両から移動する際に荷物室や郵便室を通らなければならない故の難しさがあったとは思いますが..。

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荷物室の扉横に形式表記があります。印刷は精細で滲みは皆無です。

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郵便室窓の横に郵便車に必ずある投函口が印刷されています。

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車体中央には、DRGのシンボルマークが紫色とベージュのツートンカラー上にレイアウトされています。

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食堂部分の車体側面には「SPEISERAUM」の表記があります。供食事業者はMITROPAと思われますが、Rheingold用客車と異なり同社の社名やシンボルマークの表記はありません。
下画像では食堂部分の窓から少し車内の様子が窺えます。

裾部分には、直近検査日と次回検査日の表記があります。直近検査日は1936年3月30日です。画像左下の裾上にある所属駅表記はBerlin Anhalter駅のようです。この駅は先の大戦(WWII)で爆撃を受け大破してしまい、現在は跡地が技術博物館や公園として整備されています。

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車端部分の前後正面です。展望窓のついた方が機関車との連結面(または最後尾)で、反対側は貫通路になっているはずですが、固定編成で見えないためか、モデルは貫通路の表現はありません。

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1930年代当時の流行は、Bauhausに端を発したモダンデザインで、このHWZのフォルムも大いにその影響が見て取れます。フルカウルのスカートは空力的にも優れていたでしょうが、メンテナンスはその分苦労があったと想像できます。モデルではスカートが台車の回転の障害になるため、スカートごと回転します。


タグ:Ep.II HWZ DRG
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