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37803 DB V200 018 / Ep.III [Maerklin-Lok]

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 昨日221形の紹介をして、V200.0形についても触れましたので、今日はそのV200.0形を紹介したいと思います。 昨日も述べましたが、221形同様サウンド付きのc90デジタルデコーダーと5極DCMモーター仕様のモデルです。

初めてこの機関車を見たのは、もう10年以上前になるかもしれません。まだ私がドイツの田舎町に滞在中のこと、クルマで30分ぐらい離れた小さな町...というより村に近い小さな集落の小さな模型店(こんな小さな村にも模型店があること自体凄いことであるのですが)でメルクリンのDigital-Infotageなる催しがありました。これは、メルクリンの技術者がドイツ全国の販売店を回って最新のデジタルなどをデモンストレーションしながら紹介するちょっとしたイベントのようなもので、私も1度だけ参加しました。小さな店内には5〜6名の客が居たでしょうか。それでも手狭なくらい小さな模型店でした。

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そこで最新デジタルの紹介や操作方法など色々な話の中で、当時未だ発売前のこの機関車のデモを行いました。当時、サウンド付きの機関車自体がメルクリンではまだ発売されていなかった(客車ではダンスカーなどがある)ので、初めて聞いた機関車から奏でるディーゼルエンジン音に驚くと共に、まさに心を揺さぶられました。それもただ単に鳴るというものではなく、2基あるエンジンが順にセル音から起動音に変わりスピードノブに合わせてサウンドが変化する様は、模型の新しい時代を感じさせるインパクトが充分にありました。その時のハンドマスターモデルは、音源を実車ではなく船のエンジンからサンプリングしたデータを入れたものと話していましたが、その時の私の耳には音源などどうでも良いと思うくらいのインパクトで、すぐ持ち帰りたい程の感覚になりました。今では、このサウンド以上に素晴らしいものはいくらでもあるのですが、私はその時の衝撃を忘れられません。

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 その後、この機関車37803がリリースされた時手に入れた訳ですが、初期ロットと2回目のロットではサウンドに違いがあり、私は幸い?初期ロットを買えず少し待って来たのが2回目のロットのようで、デコーダーのチップが若干違ったようです。2006年には、39800として新たに同形式/時代のモデルがmfxデコーダー+Cサインモーター付きでリリースされましたが、こちらは更にサウンドが充実しているかもしれません。
 私は、もちろんこのモデルを手に入れた当初、大満足でこればかり走らせていました。ただ、私にとっては素晴らしいサウンドでも、家族には雑音にしか聞こえないようで、煩がられ、あまり長く走らせるとヒンシュクを買ってしまいました。(もっともこのサウンドは実車でも雑音には違いない...です)

[実車について]
さて、このV200.0形ディーゼル機関車は、221形より少し鼻が長く優等旅客列車牽引用に開発されたと昨日記しました。側面の2枚ある大型サイドウインドゥも横長で大きく優雅さを漂わせています。
1953/54年に量産先行車(V200 001 - 005)がミュンヘンのKlaus Maffei社から落成後、1956年に製造された20両の量産車(V200 006 - 025)のうちの1機として018号機は1957年にキールのMak社から納入されました。同年8月27日付でBw Hamburg-Altonaに配置され、1965年にBw Hamm P、1968年にBw Hannover、1969年に再びBw Hamburg-Altona、1972年にBw Lübeckと転々としていたようです。DBでは1984年6月2日に全てのV200.0.の定期運用が終了していますが、018号機は最後まで残った4両のうちの1両で、1984年12月31日付で廃車され売却となりました。

以下は、V200 018の1987年(UIC表記化)以降の変遷です。

1987-1990: 220 018-8 (RBG - Regental Bahnbetriebs-GmbH, Viechtach)
1990-1996: V 200 018 (MVT - Museum für Verkehr und Technik, Berlin)
1996-: V 200 018 ( DTM - Deutsches Technikmuseum Berlin)

現在はベルリンのAnhalter Bf. 跡地にあるベルリンドイツ技術博物館(DTM)に静態保存されているようです。

DBが発注した80両のうち、残りの40両(V 200 026 - 086)は、Klaus Maffei社による製造です。この機関車はDBの無煙化に大きく貢献しました。Maybach社製MD 650形の1100PSの出力を持つエンジンを2基備えたV200.0は、F-Zug "Rheingold」や「Loreray-Expreß」など長距離国際優等列車を始めとした数多くの名列車の先頭に立つなど、非電化区間の多かった当時の花形機関車の1つであったことは確かでしょう。その理由の1つには、V 200 001 - 055はサイドに大きく「DEUTSCHE BUNDESBAHN」のアルミ製切り抜き文字が貼られていました。(056 - 086については、DBロゴが表記されています。)

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モデルのEp.III仕様では、当時2列車しかなかった国際線F-Zugであった「Loreley-Express」はKöln Hbf - Venlo迄の非電化区間をこの機関車が牽引にあたりました。また国内路線では、1959年までHWZ(Henschel Wegmann Zug)の車両を使ったF 56/55 "Blauer Enzian"を牽引していました。V200.0は、当時のまさに看板列車であったこれらの列車牽引にあたり、DBの意気込みを感じさせます。

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▲ V200 018モデルが初めてデビューした1997/98年DI版総合カタログのページです。

[モデルについて]
このモデルは、1997年から2001年までの5年間リリースされました。前にも記しましたが、このモデルがメルクリンH0で最初の走行サウンド付きデジタル機関車となり大きな反響がありました。この機関車の存在を知ってアナログ運転からデジタルにしたファンも少なからずいたことと思います。

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車体中央には「V200 018」の車体番号表記が印刷されています。裾部分には所属と検査日の表記があります。所属は「BD Hamburg」(ハンブルク連邦鉄道局)、「Bw Hamburg-Altona」(ハンブルク・アルトナ機関区)、直近検査日は「AW Nürnberg」(ニュルンベルク工場)にて1956年8月27日とあります。

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屋根上を見たところです。2基のエンジンからの排気管とそれぞれ2基の冷却装置ファンが見えます。

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V200.0の台車は車輪の外側にコイルやダンパーなど何も見えないスッキリしたもので、1軸のみ速度計のケーブルなどが見える程度です。(下画像)

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モデルのボディを外すと、画像上から直流5極回転子を持つDCMモーター、大型のサウンド基盤(表と裏)、c90デコーダーがレイアウトされています。現在のmfxデコーダーやサウンド基盤が如何に小型されているか良く分かります。

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前照灯と尾灯を灯した正面です。ダイナミックでありながらも愛らしい顔つきが魅力です。

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運転室は少しだけ表現されています。

221形(V200.1)と一緒に撮影した画像です。(手前がV200.0)横向きで並べると鼻の長さが異なることが分かります。どちらのフォルムも魅力的です。

参考サイト:
Streckendiesellokomotive V 200 018 / Eisenbahn-Museumfahrzeuge

[EDIT] 2020-05-16


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コメント 2

jondoro orz

 v200の運転室を広げたので結果的に鼻がみじかくなった由
キャビンの居住性向上んためとか さむいとこだしね
Akiraさん らしからぬ
by jondoro orz (2011-02-22 13:58) 

Akira

jondoro orzさん、はじめまして。Spielkisteへようこそ。

確かに鼻の長さの違いは運転室キャビンの大きさ改善によるものでしょうね。ただ、V200.0とV200.1の大きな違いは、エンジン出力の違いでしょう。当時旅客列車の全長も以前より長くなりつつあり、重量も増していたので。より強力なエンジンを搭載したのがV200.1でした。
by Akira (2011-02-22 14:18) 

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