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37080 DB 10 001 / Ep.III [Maerklin-Lok]

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久しぶりに蒸気機関車の紹介をしたいと思います。このモデルはBR 10です。流麗でモダンなスタイルは、戦後設計のドイツ最後の蒸気機関車に相応しいモダンデザインのパシフィックの旅客用機関車の装いです。
このモデルはインサイダーモデル(37080)として2000年にリリースされた会員向けの限定生産品です。画像はデジタル仕様ですが、34080としてデルタ仕様もあります。この頃は、メルクリンの機関車にデジタルギミックが定着しつつある時期で、インサイダーモデルだけに当時としては最高の仕様である動輪の動きとシンクロするシリンダサウンドや警笛、動輪灯、発煙装置のon/offなど高機能でもありました。また、市場がEp.IIIの仕様を欲していることにもようやく気付き、製品化されてきたのもこの頃でしょうか。今では、Ep.IIIの仕様が非常に多く、嬉しい反面、買いたくても買えない状況に陥ってしまうことも間々あり、個人としての需給バランスをメーカーに求めたいと思う程です。

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デフレクタの造形は、ヴィッテデフを更に洗練させこの機関車の流麗な印象を強くしています。デザイナーがこの機関車の造形に関わっているかどうかは不明ですが、流線型ながら無駄を極限まで取り除き、メンテナンス性と美しさを兼ね備えた造形は秀逸です。

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この流麗なデザインは、旅客用蒸気機関車として新しい時代を感じさせるものでしたが、残念ながら無煙化と電化の波はDBでも当然のことながら進みつつあり、結局BR 10は、2機のみの製造で終焉を迎えました

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▲ キャブ下に表記されている所属には、BD Kassel(カッセル連邦鉄道局)、Bw Bebra(べブラ機関区)と記されています。

キャブの表記はDB Keksと呼ばれる四角にDBの文字を入れたシンプルなものであることは今も昔も変わりませんが、Ep.IIIb時代のマークです。

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▲ 製造銘板もシルバーで印刷されています。KRUPPによる車体製造であることが理解できます。

このモデルの実車の仕様は、Hamburg - Frankfurtの大幹線途中に位置するBebra機関区所属で、メルクリンではこの機関車と同時にD167 "Riveria Express"客車セットを2種類リリースしました。UIC-XのFS客車やSchürzenwagen食堂車、Gruppe 54もどきの区分室客車など国際色豊かなD-Zugらしい雑多な編成ですが、中々マニア好みと言えましょう。

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このD-Zug "Riviella Express"に必ず10形機関車が牽引にあたった訳ではなく、同機関区のBR01.10(重油焚き)も牽引したようです。もちろん10形機関車は他の列車も牽引したはずです。
なにしろ、この機関車はその流麗な造形だけでなく、性能も優れていたらしいですが、いかんせんデビューが遅すぎて、ドイツでも無煙化の波が押し寄せてきていた時でした。結局重油焚きのBR 10 002の2輛が製造され終了してしまいました。
現在は、このモデルと同じ001号機のみNeuenmarktにあるDDM(Deutsches Dampflokomotiv-Museum)に動態で保存されています。(滅多に走ることはないようですが..)
私もこの機関車見たさにDDMを訪れたことが一度あるのですが、機関庫の中は狭くとても撮影出来る状態ではありませんでした。しかし、この眼で10形機関車の威容を見て触ることができたのは感激の瞬間でもありました。DDMは、今年開館30周年ということで様々な催しを計画しているようです。

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このモデルは、キャブやランボード、動輪カバーなどは樹脂製ですが、台枠やボイラーはもとより、テンダー部も金属製で充分な重量が感じられます。

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テンダー上部の樹脂製カバーは、スライドこそしませんが、簡単に外れる様になっており、サウンド基盤のボリュームやアドレスのDIPスイッチなどは、この蓋を開けるだけで基盤にアクセスでき設定が可能なので、とても扱いやすいです。
また、テンダーの正面には車体番号の下に製造銘板が印刷されています。

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一方、前照灯はLEDのため、白熱灯の色とに差があり、実感にそぐわないのは数少ない欠点であるように思います。

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2016年に改めてmfxプルサウンド仕様の001号機のモデル(37085)を私は見ていないのですが、どれほど進化したモデルとなったのか是非確認してみたいと思います。

参考サイト:
Deutsches Dampflokomotiv-Museum
D-Zug Riviera-Express / Welt der Modelleisenbahn.com

[EDIT] 2010-10-11


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klaviermusik-koba

どうやらうちにもこれがあるので、改めて出して眺めてみました。蒸気のサウンドつき、というのはこれが初めてだったのでしょうか。当時としては画期的なものでこれでもすごい、と思ったものですが、最近のサウンドの進化はこれを買った当時の想像を遙かに超えたものです。Riviera Expressというのも懐かしい列車ですが、この名前いまはもう無いのでしょうね。列車というのは名前は同じでも客車や編成はどんどん変わりますから、こんなごたまぜのShuerzenwagenの時代の編成もあったのだな、と認識しました。(当時の国際列車はだいたいごたまぜで、編成美、というものからはほど遠かったものですが)
by klaviermusik-koba (2007-03-06 16:32) 

Akira

私のおぼろげな記憶では、確かに初めての蒸気サウンド付きだったような気がします。(間違っていたら失敬!)私が初めて感動したのは、V200.0のディーゼルサウンドです。このモデルサウンドファンクションをonにすると、セルを回す音から始まり、2つのエンジンが時間差で起動するなど芸が細かく、一耳?惚れしてしまいました。蒸気機関車では、そのような芸を細かくすると何時迄経っても走れない?のか、「シュ−ッ」という蒸気が抜ける音だけですね。最近のmfxモデルは、もっと音がふくよかで細かな芸もするので、新しい10形(002)のサウンドも聞いてみたいです。

Riviera Expressは、おそらくもうないでしょう。ドイツのICやICEも名前が無くなって久しく、残念です。TEE時代の様々な名前の優等列車が走る時代の写真などを見るにつけ、懐かしさが込み上げて来るのはやはり歳のせいでしょうか。
by Akira (2007-03-06 18:05) 

DB103

Akiraさん、こんばんは。

 お尋ねしたいのですが、こちらの製品の走行サウンドは、発売時期からして、DRG BR 05(37050)と同じ、いわゆる電子音でしょうか?

 実はBR 10をあるところで見かけたのですが、BR 05のサウンドは当時としては画期的だったのでしょうが、今のmfxサウンドと比べてしまうと……。

 先日、某中古店で、大好きなBR 01.10(39104)を見せてもらいましたが、サウンドを聞いて買うのをやめたことがあります。

 さりとてサウンドを載せ替えるのはコストがとてもかかりますしね。
by DB103 (2014-04-21 22:32) 

Akira

こんにちは、DB103さん。

このモデルは、メルクリンで初めてサウンドを搭載した蒸気機関車です。なので、今このサウンドを聴くと「電子音」と言われればそう聴こえなくもないです。が、メルクリン初のサウンド機関車であるV200.0は、実車(又は船舶エンジン音)のサンプリングをしたように聞いていますので、シンセサイザーのような楽器からの加工音とは思え(いたく)ないないですね。実際のところはわかりません。これは購入時にサウンドを聴いて納得の上でお買い求めになるのがよろしいかと思います。あと、このモデルの特徴として、動輪にセンサーがあり、ドラフト音は回転とシンクロするように出来ているのはmfxにはない凝った部分ですね。
by Akira (2014-04-22 08:46) 

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