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26540 DB Avümh111 (Steildach) | 61 80 19-80 117-3 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 区分室側

一昨日紹介した112形電気機関車と同梱されているTEE "Rheinpfeil" セット(26540)のうち1等区分室客車であるAvümh111形を紹介します。このセットには4両の客車が同梱されていますが、そのうち2両がドームカーと瘤付き食堂車で、残りの2両が同形Avümh111です。このTEEカラーのシリーズで届いていないのは、1等開放室車(Apümh 121)と1等区分室車の(Avümh 111)の2種ですので、まず届いたこの区分室車を紹介するのが適当であろうと考えました。私自身待ちこがれたモデルの一つでもあるからです。
その2両の区分室車のうちの1両「Avümh111 61 80 19-80 117-3」をここでは取り上げます。

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まず、この列車セットは前にも述べたと思いますが、実車では、1971年頃のTEE "Rheinpfeil" (Dortmund - München)を想定したもので、途中Duisburg HbfでAmsterdam CSから到着したTEE "Rheingold"と連結しライン河畔を走ります。その後再び別れて目的地のミュンヘンへと向かう列車です。このセットは、同梱の機関車BR112 310-8の所属機関区がBw Frankfurt (M) 1のため、Frankfurt/M - Stuttgartを牽引されている時の設定であると推測できます。乗客のうちTEE "Rheingold"と"Rheinpfeil"の出発地と目的地が異なる乗客のためにはKurswagenと呼ばれる客車が連結されており、例えばオランダから"Rheingold"として出発し、途中で"Rheinpfeil"と連結。Münchenまで行くのもありますが、このセットのモデルのサボを見る限りDortmund - Münchenのみ同梱されています。

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▲ 廊下側 車体中央付近に小型の空気孔が印刷されてるのが見えます

まず、モデル外観ですが、62系列客車らしいスマートな車体が素直に見て取れるプロポーションです。特にこのセットでは、妻部分の屋根が切妻のために視覚的には一層強調されています。実車で同じ全長26,4mのUIC-Xの1等区分室客車(Aüm203)との大きな違いは、区分室数が62系列の方が1つ少ない(UIC-X: 10室/Gr.-62: 9室)ことです。そのため、外観は横長の広い窓と太い柱がより優雅なプロポーションを引き立たせています。
また、特徴的なのは廊下側にエアコン用の空気孔があるのですが、小型ルーバーが印刷されています。後の同形式車両は横長の大型ルーバーが印刷されていますので、切妻屋根になった初期のモデルであるということがわかります。

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▲ 乗降口ドア下のステップ奥に「Hier Handbremse」(ここは手ブレーキ)と記されています

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▲ 車体中央のDBマークとその下に形式と車体番号(61 80 19-80 117-3)が記されています

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▲ 所属はBD München(ミュンヘン連邦鉄道局)、配置駅はMünchen-Pasingになっています

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▲ RICラスターには、制限最高速度200Km/h、航送、17カ国の入線許可が記されています

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▲ REV表記は、1971年4月15日と表記されています

モデルでは1971年仕様であることから純粋なTEEカラーであるBeige/Purpurrotの車体に黒裾となっています。印刷は非常に繊細で美しい仕上がりです。27cm客車モデルでは省かれている妻部の表記は非常に細かく肉眼では識別不可能ですが、ルーペで見るとしっかりと塗装期日などの表記が確認できます。むろん車体サイドの形式・車体番号やREV、RIC表記など肉眼でも容易に確認できます。

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▲ 台車はMD36と思われます。2つの台車とも水平のカルダンシャフトが車軸発電機に連結されています。また電磁吸着ブレーキが装備され台車に表現されています。

このセットには2両の同形式モデルが入っていますが、最近のメルクリンモデルの例にならいもちろん車体番号は異なるものです。手元の資料では、61 80 19-80 117-3が1967年製WMD(Waggon und Maschienenbau GmbH, Donauwörth)社製造3542番です。
また、裾部のRIC表にV-Maxが200Km/hとあるのは、手元の資料によれば1967年から最高速度が160Km/hから引き上げられたことによるもので、この客車の表記は正しいようです。

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尾灯は、別パーツのレンズが取り付けられ、オプションで尾灯ユニットを取り付ければいつでも尾灯の点灯が可能です。更に尾灯の外枠が細かい黒で縁取りされているのには驚きました。外観で欲を言えば、出入口ドアの上部にドア灯?が実車にはあるのですが、モデルでは省略されています。ちょっとしたマーカーランプですが、表現されていれば尚良いと思います。

インテリアについては、当時のシート色である紺色の室内装備が付いている。UIC-X客車のような客室と廊下の寸法バランス間違っているという印象もありません。ただ、仕切りガラスの別パーツ化は今回も見送られ、室内装備と一体型となっているのは残念なところです。しかし、車内装備が暗い色を使っていることもあり、窓から良く見ないとほとんど分かりません。室内照明を付けて点灯させればそのあたりの省略がバレてしまうかも知れませんが..。

全体の印象としては、正直27cmから28,2cmになることで印象がここまで変わるのかと思う程の進化である。...と、つい贔屓目に見てしまうのは私だけでしょうか。

参考文献:"WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen
GeraNova Zeitschriftverlag GmbH München

[EDIT] 2020-12-01
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NO NAME

これから20年のメルクリンの主要製品となるだけに、
なかなかの出来のようで安心しました。

埋め込み式のサボが、270mm版では筋彫りしてあったのが、
282mm版は印刷になっているのは、
将来のバリエーション展開を見越してなのでしょうね。
(270mm版は当初は片側2ヶ所、クロースカプラ・赤裾化で1ヶ所、
型を変えてしまったのでHelvetiaセットでは2ヶ所に戻せなかった。)
楽しみですね。

ところで、両方お持ちのAkiraさんにご確認お願いしたいのが、
・窓の上下高さも、ショーティ化に合わせて調整しているかと思いますが、
変わってますでしょうか?
・台車は新調されてますよね?
ディスクブレーキと踏面ブレーキ2種類あるのは本当ですか?
・やっぱり、車体幅は270mmより282mmの方が狭いのでしょうか?

私事ですが、サビサビのM式レールをどうにかする事が先のようです。
(Cレールの直線≧360mm所望!)
by NO NAME (2008-01-22 13:05) 

Akira

こんにちは、ご質問はBOAC-VC10さんからだと思うのですが...。

今、WRuemh131「瘤付き食堂車」記事をアップしました。ここでご質問の答えを入れていると思いますのでご参照くださいませ。

http://blog.so-net.ne.jp/maerklin-kiste/2008-01-22

比較して改めて282mmモデルの良さを実感しました♪
by Akira (2008-01-22 15:33) 

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