2つのInterRegioパンフレット / DB Ep.IV [欧州鉄道]
ここ2日間日本の車両の話題を続けてしまったので軌道修正せねばなるまい。今日は前々から記事にしたいと思っていた話題を....。
私が留学のために渡独した1988年には、Hamburg-AltonaとFuldaを結ぶ初めてのInterRegio路線が出来た年で、1985年に発表された新しいドイツ連邦鉄道のCI/PI計画の基盤が出来つつあった時代とも言えよう。ドイツ語のおぼつかない私はBremenで語学学校に通う傍ら、終業後に良く中央駅に出掛けたのは言うまでもない。そこには、DBのパンフレットやフリーペーパーなど無料で手に取れる資料が沢山置かれてあり、ある意味私に取って最良のドイツ語教科書でもあったのである。そこにあったのがこのIRのパンフレットである。
先に拙ブログで紹介したInterCityの食堂車WRmz137.3(Bord Restaurant)のパンフレットと同じ雰囲気のレイアウトで作成されたのがこのInterRegioのパンフレットである。タイトルは「Der neueste Zug der neuen Bahn」(新しい鉄道の最新の列車)とある。副題には「Moderner, komfortabler, schneller:」(よりモダンで、より快適、より速い)とも記されている。当時、このInterRegioは、Fulda-WuerzburgのNBS(高速新線)で103.1形や120.1形に牽引されて最高速度200Km/hで走ったのである。ダイヤも2時間おきに設定され、車両自体もUIC-Xの改造とは言え、それは徹底したものであったため、ここに書かれている以上にインパクトは強く、営業的にも成功を納め、その後ドイツ全土にInterRegio網は拡大されたのである。
さて、なぜ2枚の同じようなパンフレットが並んでいるのかと言えば、これは基本的に同じ内容なのであるが、左側が1988年に発行されたもので右は1989年のものである。表紙を見ると右下にDBマークが付いているのが新しいパンフである。
もう少し詳しく言えば、89年の方は新しく開業したKasselとボーデン湖畔のKonstanzを結ぶ2番目の路線が記されている。しかしそれ以外は全く同じ内容である...写真以外は。
▲ 88年版4/5ページ(2等開放室車内)
▲ 89年版4/5ページ(2等開放室車内)
そう、どうも88年版は写真の若い女性が妙に艶かしいのである。それがドイツの女性団体の逆鱗に触れたとか...。そこで急遽新しい写真に差し替えられたという訳である。
▲ 88年版6/7ページ(1等個室車内)
▲ 89年版6/7ページ(1等個室車内)
上画像は、特に差し替える必要があったのか?と思えるくらい普通の写真に見えるのだが...。
しかし、ページを更に進めると...。
▲ 88年版8/9ページ(BistroCafe車内)
▲ 89年版8/9ページ(BistroCafe車内)
この88年版の写真は、さすがにちょっとやりすぎ...の感は否めなくもない...か。こんな格好で本を読んでいらっしゃる美形の娘が居れば嬉しい気もしないでもないが....。
▲ 88年版10/11ページ(1等開放室車内)
▲ 89年版10/11ページ(1等開放室車内)
ここまで来ると、レイアウト作成側も「どーでもいーや」なんて気になってくるのかも知れない。1等車のオープンサロンでシャンパン片手に旅行を楽しむなんて旅心をそそる...と思うのは私だけ?
このパンレットの騒動?を見て、ドイツの女性人権団体のパワーには恐れ入ったと感じると共に、こんな艶かしいInterRegioのパンフレットが実際に一般向けに配られたこと自体が実に羨ましい環境にあるなぁ...と、思う訳である。こんな企画自体考えられます?JRで...。
それと、今DB路線でICとして営業している旧IR車両を見るに付け、88年当時のIRの素晴らしい雰囲気を思い出すにつけ、しっかりIC料金を取りながらも今や風前の灯火と化してしまった同車両の現状に一抹の寂しさだけが残るのである。
しっかりと目の保養をさせて頂きました。
ピンクスーツのご婦人超好みです。w
おっと大好物のIRの話題でしたっけ。
ビストロの横の1Kコンパートメントの木の使い方が良いですね。
一番横の2人室はなぜかいつも車掌がいましたね。
あの部屋は本当に落ち着くんですよね~
by abe (2010-03-15 21:46)
こんばんは、abeさん。
そう、良くご存知で。ビストロの1等車部分は車椅子が通れるように横1列の3人席はないのですね。よって超広い占有スペースになっていて、当時のどの1等車よりも良いと言われておりました。(IRで唯一冷房付きでしたし...)
http://www.rig-bahn.jp/db-page/db-image/ir/arbuimz262.gif
by Akira (2010-03-15 22:16)
こういう些細事のクレームと調整、お役所系仕事では日常茶飯事ですねぇ。
デビューして間もないIR客車に乗車できたのは、ちょうど20年前の今頃でした。
タルキスの111と荷物車に挟まれた編成でした。
(タルキスとIR塗装は同系色で結構合うんですよね。)
ゆったりとした座席配置と洒落た内装のビストロに驚き、
アルバムでは、車内のスナップに「サロンカー」と付記されていました。
IR改造の対象となったUIC-Xは60年代末から70年代初めのグループが中心でしたから、
いまや車齢40年前後・・・早いものです。
(オランダにブルガリアにギリシャ?移籍組も増えてきましたね)
by BOAC VC10 (2010-03-16 12:55)
こんにちは、BOAC VC10さん。
写真の差し替えは致し方ないのかも知れませんが、まぁ、全体の雰囲気は損なわれていないので良いのでしょう。
20年前と言えば、1990年ですね。私はそのころKarlsruhe住まいだったかと。その頃は大抵の優等列車が新塗装になっていました。IRになれなかったGruppe53客車などは、タルキスカラーのままでしたが...。111形牽引なら、もしかしたらKassel-Konstanz線でした?
乗車されたIRの荷物車は、グレーの新塗装だったでしょうか?
そのUIC-X客車も車齢40年とは言え、いまでもICや移籍しても働いているところをみると、やはり安定した性能を誇っているのでしょう。
そう言えば、ICEの登場でIC運用は随分減っているにも関わらず、やたらとIRから流れて来たBimが連結されていますね。Bpmzが充分にあると思ったのですが違うのでしょうか?旧東独地域の運用もあるので、IC運用は今でも少なくないのかも知れませんね。
by Akira (2010-03-16 13:17)
確かRothenburgからFuessenへ行く途上だったと思います。
(その後Augsburgから乗り換えた628.2もまだ登場間も無い頃でした。)
荷物車もタルキスでした。
そういえばまだ緑色のUIC-XかGruppe53もまだ残っていました。
by BOAC VC10 (2010-03-17 00:00)
こんばんは、
既にバイエルンの奥地?へ行くIR路線もあったのですね。それなら111形ですね。
Chromoxidgruen色の客車は意外に当時でもあったと思います。懐かしいですね〜。
by Akira (2010-03-17 01:08)