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DSG寝台車のお品書き [欧州鉄道]

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DB Nachtzugが運営していたCity Night Lineが終焉して数年、CNLの後を受け継いだÖBBのNightJetは、今までの夜行列車の試みがどれも不調に終わった検証と分析を徹底して行ったのでしょうか、現在好調と聞いています。運行経路や時刻などのハード面と車内サービスのソフト面の両方が上手くニーズをつかんでいるのでしょう。その後、SBBもNIghtJetを補完するような形での夜行列車再参入への表明をしています。

そこでこのページで以前記事化した内容はそのままに、新たにこの寝台車の供食のお品書きの新たなページをアップして説明を加え、当時の夜行列車の供食について改めて検証してみようと思いました。

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上画像は、お品書きのスタンダード朝食セットの内容と価格です。当時は朝食は寝台料金には含まれておらず別料金でした。内容は、以下にも記していますが、温かいのは飲み物だけで、卵料理などはなくタンパク質はスライスしたチーズ、ハムぐらいです。

価格については、25年ぐらい前ものですのでDM表記です。DM 12,80といえば、今のレート(と言って良いかはわかりませんが)¥800ぐらいでしょうか。現在の物価水準だと安く思えるかも知れませんが、当時だと決して安価ではありませんが、列車内と考えれば高いという訳でもないです。

現在西側の欧州では、DB AutozugがCity Night Lineから撤退して以来夜行列車の運転はÖBBのNightJetに引き継がれています。それまではCNLが多くの路線を担ってきましたが、収支が悪く撤退に至りました。しかしそのような状況を承知の上で夜行列車を引き継いだÖBBは、それまでの夜行列車のハード、ソフトの両面から徹底した検証と分析を行ったのでしょう。現在は、航空機移動が環境面から敬遠する旅行者も出始めていることもあり、好調のようです。それはSBBが再び夜行列車をÖBBのNightJetネットワークの拡大に参加する形で再参入を決定するなど、それまでの夜行列車のネガティヴなイメージは崩れつつあります。

こうした背景の中で、DSGが運営していた25年前のお品書きを改めてみると、欧州の基本的な寝台サービスを理解することにつながります。ヨーロッパの寝台車は基本的に各車両に専務車掌が乗務しており、その車両の乗客全てのサービスを任されています。寝台車には簡易キッチンが備わっていて、先に挙げた朝食の調製は専務車掌によってここで行われます。前夜に乗客から朝食の有無とサーブする時刻を聞き、翌朝ベッドを畳んだ後、朝食が各個室に運ばれます。つまり寝台車の供食は自車完結型で、食堂車に出向く必要はありません。

日本でもJR西日本が新しい夜行寝台列車を運転するニュースがありますが、夜行列車のサービスには供食は不可欠で、それまでの食堂車による供食にすると、混雑して利用できないリスクや、食材の無駄など利用者と運営側の双方に問題が生じる可能性があります。CNLやNightJetでは、寝台料金に朝食が含まれています。この条件で自車完結型で事前注文ならば、そうしたリスクはゼロにはなりませんが、最小化が可能です。
夜行寝台列車が衰退の一途を辿った要因の1つの供食サービスの縮小とその後の廃止は大きく関係しているでしょう。そのあたりをしっかり検証して新しい魅力ある夜行列車のサービスを開発してほしいものです。

もう30年近く前ですが、ドイツ在住時には良く寝台車(T3)を利用して旅行しました。朝焼けの眩しい流れる景色を楽しみながらポットでサーヴされた香り高いコーヒーを片手に楽しむ朝食の時間は、夜行列車の旅ならではの思い出深いものでした。そんな旅が日本でも可能になる日が来ればと思います。

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*以下は、修正なしのオリジナル記事をそのまま記します。

原発事故の状況は予断を許さず、刻一刻と変わる状況の変化(悪化?)にあまり趣味のブログを更新する気にもなれないのであるが....、先日から1人でゆっくりと事務所の移動をしている関係で次々と出て来るドイツ滞在時代に集めたガラクタ?や写真に見入って中々仕事が捗らないのも確かで、その中にある一つをご紹介したくなった。

上の画像がそうであるが、DSG寝台車に備え付けられているお品書きである。西ドイツの夜行列車の寝台車と簡易寝台車のサービスは、80年代当時DSGが担当していたので寝台車には各車両1名の専務車掌が常駐しており、その車輛の乗客の検札からベッドメーキング、モーニングコール、国際列車の場合は、パスポートを預かり出入国手続きの一切などのサービスにあたるのである。その中での大きな仕事の一つは、朝食や夜食などのルームサービスである。

乗車すると切符を受け取り、荷物を持って部屋に案内してくれる。そして、朝食のオーダーを取りに来るのである。今のCNLは、寝台料金に朝食が込みであるが、当時は全て別料金なので、不要ならば断れば良い。これは寝台車のカテゴリ(1等のS、D、2等のT2S、T3)に関わらず同じである。

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▲ 朝食メニュー

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▲ ビールやワイン、スピリッツ類なども豊富な品揃え

このお品書きは個室内に置かれてあり、中々の品揃えである。ドイツ語、英語、仏語の3カ国語表記である。(これは、フランスへ向かう列車であったからかも知れない)残念なのは文字だけなので、この3カ国語を理解出来ない乗客には大変であったに違いない。
朝食は標準的なもの1種類であり、バター、ジャム、ハチミツ付きのパンに薄切りハム/ソーセージ小皿盛り合わせの他、オレンジシュース、コーヒーかカフェインレスコーヒー、または紅茶である。(全てポット入り)

卵料理などなく、コールドミールであるが、追加でボイルソーセージやサラミ、他の飲み物なども注文可能である。これらは、食堂車ではなく寝台車の車掌室に備えられている小型の厨房でDSGの専務車掌が作ってくれるものである。(簡易厨房にはWMFの素敵なコーヒーマシンが設備されている)現在でも欧州で夜行列車が何とか運行出来るのは、ハード面以上にこのような人によるサービスがあるからに他ならないと思うのである。

現在ドイツでは、DSG自体が無く夜行列車がCNLとなり、供食サービスも簡素化されてはいるものの、場合によっては食堂車が連結されていたり、1両ごとに専務車掌はちゃんと存在しサービスしてくれる。

当時乗車したWLABmh175などUIC-Typ.Uの寝台車のあの雰囲気とサービス、ポット入りのコーヒーで朝食出来る幸せは、今となっては懐かしい想い出である。

[EDIT: 2019-08-24]
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コメント 6

Berliner

貴重なコレクション、拝見しました。
私もこういうもの集めたいものですが、なかなか整理がうまくできません。
寝台車の専務車掌はそんなこともするんですね。Imbiss und Getränke beim Schlaf-/Liegewagenbetreuer erhältlichとDBサイトで列車を検索すると出てきますが、簡単な料理もするとは知りませんでした。
Schlafwagenは、現在のものでも、私には敷居の高い存在ですがいつか体験したいものです。数ヶ月先にパリに行きますが、Liegewagenでもなく、リクライニングシートの席にしてしまおうかなんて考えています。これも面白い体験ですので、体力のあるうちに挑戦するのもいいかもしれません。
by Berliner (2012-06-29 00:51) 

Akira

こんばんは、Berlinerさん。

以前はLiegewagenでも、専務車掌が軽食などをサービスしていました。(全て有料)今は、食堂車も連結されていることがあるので、以前よりサービスが改善された..とも言えなくもないですが、全ての夜行列車という訳ではないので..。
Liegesselwagenは、日本で言うレガートシートみたいな座席です。若干寝るための工夫はありますが、ゆっくり寝られたという話は聞きませんし、CNLが登場時、Liegewagenが連結されず、この座席車と寝台車だけだったので、人気がなかったです。その後Liegewagenが連結されるようになって、ようやく黒字化を果たしたと聞いています。でも1度は体験して確認するのは良いかも知れませんね。
by Akira (2012-06-29 17:51) 

Berliner

そうそう、それです。Liegesessel。RuhesesselやSleeperetteという表現もよく目にします。9月の末にパリに行くのに使おうかと思っていたのですが、ベルリンからだとマンハイムで早朝2時間の乗り換え待ちがあり、決心が挫けそうです。マンハイムは、その時間カフェが営業してたかなぁ。9月の末、もう寒いだろうなとかと考えています。飛行機と違って鉄道は乗り換えのときに外気に曝されることがあるのがデメリットですね。深夜や早朝は、そのための心配をしないといけませんから。
by Berliner (2012-07-01 02:47) 

Akira

おはようございます、Berlinerさん。

ベルリンからパリ迄の直通夜行列車は直通のCNL "Perseus"が毎日運行(Berlin Hbf 20:07、Paris Est 9:24)であるようですが、どうなのでしょう? 寒い日の乗換えは中々辛いものがありますね。早朝2時間ともなると尚更です。私も昔ミュンヘンからベニスに行った時、途中ボローニャだったかで早朝に乗換えなければなりませんでした。待ち時間は確かに寒かったのを憶えています。
by Akira (2012-07-01 09:12) 

Berliner

この前のBerlin Night ExpressのLiegewagenであまり眠れなかったので、眠れずに横になっているなら椅子席がいいなと思って、敢えてLiegesesselのある列車を探しました。Perseusには、仕切室の車両だけでLiegesesselはないんですよね。Liegewagenは、あまり良い思い出がありません。空調が寒過ぎたり(ベルリン - ミュンヘンのICN)、同室の人が空気が汚れるからと言って換気扇を止めさせてくれなかったり(今回)・・。音と寒さで寝られません。ヨーロッパの人は体温が高いのもあり、二酸化炭素への恐怖心が強いのかこういうことがよくあります。個室のSchlafwagenなら問題ないのですが、Liegewagenはこういうことがよくあって・・。
でも風邪を引きたくないのでPerseusのLiegewagenにしてしまいました。スペシャル料金とBahn Cardで往復126ユーロでした。4人部屋のLiegewagenです。値段は良かったのですが、残念なのはどこのバースかを選べなかったこと。オンラインで予約すると選べないんですね。いろいろ探したのですが、オプション選択がありませんでした。上の段になってしまったので、同室の人にもよりますがずっと天井裏で寝そべっていないといけないかもしれません。この列車は、食堂車もなくなってしまったんですよね。以前は確かあったと思います。
by Berliner (2012-07-02 17:56) 

Akira

こんにちは、Berlinerさん。

私もLiegesesselwagenを利用したことがないのですが、以前ICNのLiegesesselwagenに乗った同僚は、寝られなかったと言っていました。LiegewagenがCNLに組成されて乗車率が高くなったのはこのあたりに理由があるのかなと思った次第です。ただ、同室の人次第というところがありますからね。快適なご旅行になる事をお祈りいたします。
by Akira (2012-07-02 22:20) 

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