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Zugbildung F9/10 Rheingold 1962-1963 [Zugbildung]

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メルクリン/TRIXの今年の新製品が公式に発表となり、中々堅実な新製品ラインナップに私自身はちょっと安堵をしている部分もあるのだが、そんな中でも華を沿えるMHIモデルがF-Zug Rheingold仕様のE 10.12形と62系列客車3両セット x2である。

実は、当ブログでも紹介しているが、2007年に半流線型とも言えるBügelfaltenタイプのE10.12形と初めての全長28,2cmの62系列客車がF-Zug仕様としてリリースされている。ただ、この時は客車が全て単品であったことから、正しいとされた編成はメルクリンとTRIXの両モデルを使って初めて組成可能となるなど、若干無理な点があったのである..が、今年は待ちに待った箱型タイプのE10.12形と62系列が6両と、まさに正しいとされる編成が組めるよう配慮されたモデルの登場となっている。

折角なので、このモデルの実車が登場した経緯と運用を探ってみたい。かねてより陳腐化の激しかったSchürzenwagenを使ったF-Zug "Rheingold"は順次新しいUIC-X(53系列)の新しい26,4m客車に更新されていたのだが、他のF-ZugやD-Zugで使われている一般型とも言えるUIC-X客車では、DBの看板列車でもある"Rheingold"の利用者のニーズには応えられるとは考えられず、新たな新型客車を用意することになったのが、この62系列客車である。オランダの中心であるアムステルダムやイギリスからの連絡もあるHoek van Hollandから風光明媚なライン左岸線を通り、スイスのBasel SBB迄を結ぶ長距離国際列車として恥じない設備を誇る看板列車として、DBでは初めて車内空調や1400mm幅の2重固定式窓、リクライニングシートを装備した開放室、更にはドームカー、バー設備、列車秘書など、これまでにないサーヴィスを受けられるDB最高峰の列車として運用に就いたのである。もちろんそれ迄の同列車にあった荷物室や食堂車なども設備されている。

当初、牽引機は製造中の最新鋭電気機関車である半流線形状(Bügelfalten)タイプの外観を持ったE10.12形がその任に就く予定であったが、製造が間に合わず、急遽D-Zug用のE10.1形の一部を最高速度160Km/hの高速対応に改良(設計変更)して、その任に当らせることになった。それが、今回製品化される箱型(Kasten)のE10.12である。その番号は、当初のE10 239-244の予定がE10 1239-1244に変更され登場した。その後、予定の機関車が落成し、運用に就いた時点で順次元の仕様に戻され、番号も本来の番号が付されている。

という訳で、この箱型E10.12形は、10ヶ月という短期間の運用であったのであるが、何しろそれ迄の濃紺(Kobaltblau)色から、濃紺/ベージュ色の明るいツートンカラーでDBの看板列車 "Rheingold"の牽引機として華々しくデビューを飾ったのであるから、画像や映像も少なからずあり、多くの人々の目に焼き付いた機関車である。逆に遅れて登場した半流線形状(Bügelfalten)タイプのE10.12形は、その後の時速200Km/h対応のE03/103.1形に目を奪われ、ちょっと地味な存在になってしまったような気がするのである。
こういった一時期のTEE "Bavaria"もそうであるように、ほんの短期間の列車が結構有名になってしまったということは、意外にも出て来ているのである。そういう意味では、メルクリンのMHIモデルとして登場するには丁度良いのかも知れない。

さて、この新型客車を使ったF-Zug "Rheingold"の運用だが、Amsterdam CS/Hoek van HollandとDuesburg Hbfについては、当時の車両数との関係から併結されているMünchen方面行き(F21/22 "Rheinpfeil")については、UIC-X(53系列)客車のため混成となっている。もちろんDuisburgからBasel SBBに関しては、最高速度160Km/hのため、全て62系列客車となる。

更には、当時62系列の新型食堂車(WR4üm-62)は2両しかなく、予備車として1両Schürzenwagen食堂車(WR4ü(e)-39 / DSG 1215)が用意され、実際この食堂車が62系列客車に混じって連結されている画像もあり、確認されている。(ドームカーは当時3両体制)
もちろんこの食堂車は、電磁吸着ブレーキ付きMD台車に履き替え、エアコンも装備され、更には室内のシートモケットも、62系列食堂車に準じたものとなっていた。例外的とはいえ、外観塗装がRubinrot色だけに中々興味深い編成となっている。(この食堂車がKobaltblau/Beigeのツートンカラーになれば更に興味深いのではあるが、それは実現されなかった)

このF-Zug編成があれば、(なんちゃって編成となるが)UIC-Xモデルの1等区分室車を連結させて、オランダ国内の1100形や、(今年の新製品にもある)DB非電化区間のV200.0形、またスイスでの延長運転向け編成でRe 4/4 I(緑)での牽引も楽しめる。もちろん、BügelfaltenタイプのE10.12形に牽引させても全く問題ないし、Bügelfaltenタイプが登場した1962年9月から箱型タイプが終焉を迎えた63年1月迄期間の設定であるなら、この2つのタイプのE10.12形が同じ路線で運用を組んでいるはずである。なので、BügelfaltenタイプのE10.12形が手元にあれば、一緒のレイアウトで2つのF-Zug "Rheingold"の編成を楽しむことも出来よう。

きっと私個人だけでない少なからずのメルクリンファンがこのモデルのリリースを楽しみに待っていると思うのである。

*なお、この編成は標準的な組成であり、増結されたり減車されたりした場合もあることは充分に考えられます。なので、絶対的な編成であるという訳ではないことをご承知おきください。

参考サイト:Rheingold (1962-1965) / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-rheingold3.htm

Die Rheingold-Lok E 10.12
http://www.railforum.de/modellbahn/zuege/i_e10_12.htm
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lucky_k.k

akiraさん、おはようございます。

本当に、今年のモデルは堅実ですね。
フルサウンド化、カラー違いなど過去のモデルとかぶるものが多いです。
近いものがあるので、思い切って今年は我慢!
と思いつつもやっぱりほしいな・・・。
このRheingold仕様のE 10.12形と62系列客車3両セット x2なんかは典型です。
悩ましい2012年です。
by lucky_k.k (2012-01-23 06:57) 

Akira

lucky_k.kさん、おはようございます。

TEE 50周年記念年の時の新製品ラインナップに比べれば、今年の新製品は本当にホッとしましたが、一方でコレクター魂に火が付きそうなんてモデルもあるのは確かです。ただ、これなら未だに手元にあるアナログモデルをmSD化させる絶好の機会なのかとも思いますねぇ。いずれにしても逃れられない状況には変わりないのかも知れません..。
by Akira (2012-01-23 08:00) 

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