SSブログ

鉄道デザインEx Vol.04 [日本の鉄道]

b15346.jpg

昨日、上画像の「鉄道デザイン Ex」最新号の見本誌が届いた。今号は、予告通り鉄道という大きく裾野の広い分野の中でも車両同様に重要な役割を果たす「駅舎建築のデザインと機能」が特集である。よって今回車両は誌面にはほとんど登場しないが、本誌面では国内外の様々な駅建築について様々なアプローチからの考察を試みている。最近私鉄やJRでもようやく(もちろん全てではないが)画一的な駅から地勢的条件や地域文化に配慮した駅舎を考えるようになってきたのは前進である。
特に私はまだ1度も訪れたことの無い福岡地下鉄七隈線の駅については、ノイマイスターデザインによる車両もさることながら、この車両に乗車するまでのアプローチは是非一度体験したいと誌面を見て思ったのである。

一方ヨーロッパをはじめとする海外の歴史的駅舎への考察は、今迄鉄道趣味誌の領域外であったので、その深い内容は感銘深く、また刺激的でもある。特に欧州大陸では各国が鉄道で結ばれているので、旅客機が行き交う今と違って、唯一に近い長距離移動手段の鉄道駅の果たす役割は大きく、その国に触れる最初の場所となるだけに、単なる鉄道乗降以上の役割を担うことになるのである。それは、ドイツのハンブルク中央駅であれ、パリの各駅であれ、ミラノ中央駅であれ同じである。それぞれの駅は鉄道という媒体を通して人を移動し、そこから次のステップへ導くことと同時に、その場所の確固たるアイデンティティを印象づけさせるのである。その強さは建築後100年以上経った今でも変わることなく、時代と共に変化しつつ更に輝きを増すのである。

鉄道というのは、先に述べたように車両だけの世界ではない。それが介在する出発地点から目的地に至るあらゆるプロセス全てが関わっているものである。そこには駅舎にある全ての機能も含まれ、利用者が享受されるサービスが一元的であることが重要である。初めて利用する駅でちゃんとオリエンテーションでき、目的の列車に乗車することが出来、降車駅では次の交通手段にスムーズに移動出来るかどうか、そこに工業デザインを始め、グラフィック、建築など産業界の多くが関わることになる。これから日本のどの鉄道もこれらを一体的に纏めるための部署なりが必要なのではないか。

というのが、数十年前学生時代に自身のルーツを訪ねようと京都駅を降り立った私に全くオリエンテーション不可能と判断させたバスターミナルの不可解さがそういう思いを抱かせたのである。

なお、拙修行記は相変わらずドイツで一進一退。巻末を汚しているのでご興味のある方はついでにご笑覧の程。

なお、全国の書店店頭に並ぶのは27日とのことである。

以下アマゾンのアドレス:

タグ:Zeitschriften
nice!(3)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 3

コメント 2

Gut

おはようございます。
鉄道に対する価値観だけでなく、街並みや生活雑貨に至るまでヨーロッパの国々は洗練されていますよね。
そんな環境で生活してみたいなぁ。
by Gut (2012-02-27 07:03) 

Akira

おはようございます、Gutさん。

私もドイツに留学前はそういう気持ちで一杯でした。ただ、実際生活をしてみると、必ずしも良いことばかりではないです。特に孤独との闘いが最も大変な部分でしょうか。でも外から日本という国を見つめ直すという意味では、良い経験になりました。
by Akira (2012-02-27 08:39) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0