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43240 DB WRüeg 152 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 厨房(手ブレーキ)側サイド

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▲ 食堂(非手ブレーキ)側サイド

以前、当ブログでこのSchürzenwagen食堂車モデルを紹介していますが、画像が小さく、数も少なかったりしていることもあって、改めてちょっと違う角度からこのモデルについてより深く紹介してみたいと思います。

このモデル(43240)は、メルクリンが1996年、新金型でフルスケールのSchürzenwagenシリーズを初めてリリースした時の1つです。メルクリンは通常、初めてリリースする場合、時代区分などオリジナルの状態をリリースすることが多いのですが、この時はEp.IVでリリースされました。

その後は数年で様々なバリエーションの展開がありましたが、あれから20年以上、現在に至るまで何故か、このPurpurrot一色のEp.IV仕様がリリースされていません。

[実車について]
このモデルは、MITROPA 1180として1939年LHB(Linke-Hoffmann-Busch)で製造、DSG時代も同じ番号で推移しました。1968年のUIC表記化による共通番号化で「WRüeg 152 51 80 88-46 180-2」となり、1976年からは、モデルの表記にある「WRüeg 152 51 80 88-86 180-9」に改定されました。その2年後の1978年には廃車となりました。つまり、このモデルのオリジナルは廃車までの最後の姿をプロトタイプとしたものです。
*今回、同じ車体であるDSG 1180がメルクリンH0で43237としてリリースされ、当ブログでも紹介していることがわかりました。

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[モデルについて]
初めてリリースされたSchürzenwagenは、当時たまたまニュルンベルクの見本市に行く機会があり、メルクリンの担当者と話した中で、相当の投資をしてこのシリーズをリリースされると聞きました。フルスケールということもあり、それだけ気合を入れて開発したモデル群ともいえるでしょう。食堂車はこのシリーズの華ともいえるモデルなので、その期待に応えるだけの存在と言えます。

画像は、手ブレーキ側の妻部側面になります。Purourrot(紫赤)一色に白のラインが裾部分上にレイアウトされているだけなので極めて地味な印象です。ダークグレーの屋根と黒色の裾部分も地味な印象に拍車が掛かっています。その中で、小さいながらDSGの黄色いマークとドア部分の注意表記が目を惹きます。

台車は、オリジナルのGörlitz III SchwerからMD33?に履き替えられていて、乗り心地向上とV-max 160Km/hの高速化に対応していると思われます。実車には車軸発電機が装着されているか未確認ですが、モデルでは発電機なしの状態です。

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厨房窓はエアコン装備改造のためか、特徴的なガラスの空気取り入れ口は省略されています。(石炭レンジから電気レンジに変更したと考えられます)
白い「SPEISEWAGEN」表記は、控えめながらコントラストがあるため目立ちます。

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ドア部分の表記です。これは小さいため、肉眼で文字の識別が不可能でしたので、撮影して拡大してみました。リリース当時の印刷技術では、このサイズの文字の再現は不可能だったことが窺われます。現在の技術であれば、もしかしたら文字の判別ができる水準になっているかもしれません。

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食堂側の車端部側面です。ドアの横にはエアコンの空気孔とDSGマークが印刷されています。エアコン用空気孔が彫り込みではなく印刷に留めた背景には、後のエアコン改造前のモデルのバリエーション展開に配慮したことが窺われます。

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車体中央には、以前のDSGから変わってDBマークが表記されています。これは、車体所有がDSGからDBに変更されたためです。未確認ですが、132形食堂車同様、同色でDSG表記の実車も存在していたかも知れません。

形式、車体番号の表記は良好です。

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裾部分の表記です。こちらも精細に印刷されています。
直近検査日(REV)は1972年8月13日と記されています。表記では多電源対応で、東欧も含めた18カ国の鉄道路線に対応しています。所属駅は、Hamburg-Altonaと表記されています。

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車体妻部分の貫通路前面です。貫通路はオリジナルの蛇腹幌ではなく、ゴム幌に改造されています。

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俯瞰した画像です。屋根はダークグレーで、屋上設備は別付けパーツはなく、シンプルな仕様です。

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車体中央部分の窓から車内を見たところです。このモデルが地味な印象だったので、パーツで購入したテーブルランプを取り付けテーブルも白色に塗りました。

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同じ時代のタルキスカラーの同形モデル(43243)と並べてみました。塗装と表記以外は全く同じです。

実はこの塗装の152形食堂車は、1960年代に131形食堂車の不足分を補う形でF-ZugやTEE Rheingoldに組成されていました。しかしながら、このモデルは最終仕様ということで、もしかしたらこの仕様とは異なるDSG時代のものであったかも知れません。

152食堂車を組み込んだ1960年代のTEE Rheingod(スイス)編成など、メルクリンから用意されると面白いなぁと思うのですが、極めてマニアックなバリエーションですね。

参考文献:
Schürzen-Schnellzugwagen Teil 1 / KIRUBA Classic 1/2010
Koll's SPEZIALKATALOG 2008
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