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のりものしごとフォーラム [まちづくり]

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昨日、群馬の公共交通とまちづくりを考える「のりのり学会」主催による「のりものしごとフォーラム」が赤城山の麓にある古民家IRORI場で行われました。

このフォーラムに私もデザイナーという立場でお話をする機会が与えられたので、スライドショーとドイツの大学で制作したDBの車両モデル(1/10)を持って出かけました。IMG_5377b.jpg
▲ 玄関は広々としていて、子供の頃の一般住宅を思い出しました。

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▲ 玄関先には今日の主催である「Welcome のりのり学会」の表札もありました。

ここは元々は一般住宅でしたが、一時期古民家飲食店としてリノベーションされ活用、その後飲食店が撤退し、今は公共の場として様々な発表の場などとして活用されています。

話は聞いていたものの私も今回は初めてで、ちょっとワクワクしながらこの建物に入りました。
この日は連日の猛暑が続いているので午前中から暑かったのですが、建物の中に入ると風が通る設計でちょっと高地な気温も手伝ってエアコンがなくても問題ありませんでした。(その後は気温もどんどん上がって汗かいてしまいましたが..)

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玄関には木陰に看板ネコ?が寝そべっていました。小さくてミルヒの半分ぐらい。可愛かったです。

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こんな山の中でも20名以上の方がこのフォーラムに集まりました。お弁当を頂いた後、フォーラムが始まりました。
主催ののりのり学会の代表2名の挨拶とこのフォーラムの主旨を説明の後、レクチャーが始まりました。このフォーラムは公共交通の仕事について一般の認識がとても狭い範囲なので、こんなたくさんの仕事があるのだということを周知するのが1つ。今交通事業をしている会社も人手不足は他の業種以上に深刻なことが背景にはあると思います。

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今回の登壇者は3名。私は2番目。最初のプレゼンテーションは、地元バス事業者のしごとについて、実務の内容のほか、独自で新たに取り組んでいるオープンデータについての取り組みを話されました。
普段何気なく利用しているバスは、運転手さんあってのことです。彼らも人間ですから、いつ体調を崩して乗務できなくなるかも知れないというリスクを負いながらの業務の補完体制の話など、日常すぎて忘れがちな下支えによって構築されている現状を垣間見ました。そんな中でも利用者の利便性をITによって支援する取り組みについては、コストとのバランスをどう担保してゆくかということを改めて思い知りました。

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最後のプレゼンテーションは、大学で交通とまちづくりを研究されているレクチャーでした。新幹線沿線に駅が出来れば街は発展し潤うというのは、ほぼ都市伝説のようなものということを開業から20年経過した北陸新幹線の佐久平駅を例にとって、その推移を数字で立証されたのですが、変わったのは田畑がショッピングモールや住宅街に変わったことだけで、街の人口も生産額も変わるどころか減少に転じている現状を目の当たりにして、結局こうした事業で潤ったのはほぼ開発業者と関連事業者だけということのようです。まちづくりに大切なのは、新幹線の駅ではなく、市民の暮らしに根ざした交通だということを改めて感じた次第です。

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いつも大学で似たようなスライドショーのレクチャーをしているので台本なしです。私はデザインという仕事をしたいと思った若者にその道しるべができればということを伝えるプレゼンテーションをしました。仕事の細かな内容より、デザインとは何か?やデザイナーの心構えの話が中心でした。

せっかくなのでドイツの大学でDBでスポンサードされた近郊型電車の1/10のスケールモデルも持参してみてもらいました。30年近く前に作ったので若干ヒビが入っていたり壊れかかっているところもありましたが、結構もつものです

3人のレクチャーの後、私たち登壇者と来場者の間でパネルディスカションを行いましたが、今回学生生徒が少なく、高齢化社会を反映した集まりとなりましたが、話題は群馬県らしく昨今社会問題となっている高齢者の免許返納とそれに代わる移動手段の話。首都圏中央部では大きな荷物でもない限りほとんど心配のない移動ですが、ここ群馬県は深刻です。ドイツから帰ってきて高崎に住んだ20年前から危惧していたことが現実になっている今、環境は全く変わっていないことに無力感すら感じるのですが、こうして市民の意識が変われば現実は変わると信じて今後もこうした活動の末端で微力ながらお手伝いができればと改めて感じた次第です。
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