4157.11 DBP Post mrz / Ep.IV [Maerklin-Allgemein]
▲ 左手ブレーキ側
昨日から「Postdienstwagen / DBPのまとめ」を更新し始めたところ、4157 Post mrzが複数のバリエーションを持っていることが分かりました。当ブログで以前紹介した同製品番号のモデルは、黒裾タルキスカラーの4157.1-.2です。新しく発見したバリエーションは、1993年からリリースされた後期の仕様で、同じEp.IVながら、塗装色がChromoxidgrünで旧タイプのポストホルンマークの付いたものです。今回はこのモデルをお持ちのMさんから画像を頂戴したので、この郵便車モデルを紹介します。
▲ 左非手ブレーキ側
このモデルは、1993年から98年までの6年間リリースされました。
手ブレーキ側の車端下部分です。「73 067」という数字が見えますが、これはUICの車体番号表記とは異なるPINT(Postinternen Nummer)と呼ばれるDBP内の認識番号です。
車体側面に2箇所ある旧ポストホルンマークの1つです。ポストホルンの下の「DEUTSCHE BUNDESPOST」書体も旧書体です。このモデルは白色表記ですが、1993年と98年に各1年限りリリースされた4157.10は表記が黄色です。(残念ながら画像はありません)
UIC車体表記です。文字列上は、車体番号「51 80 00 - 35 067 - 9」です。文字列下には形式表記の「Post mrz」が記されています。
この実車は、1974年にブレーメンのHansa Waggonにて落成。後に「51 80 00 - 95 067 - 6」となり、1997年5月31日の鉄道郵便廃止に合わせて他の郵便車と同様、書類上の廃車となりました。車両自体はDBAGに引き継がれDB Autozug AG向けの荷物車Dmz 995と形式変更されました。
所属駅はフランクフルト・マイン中央駅です。「PA Frankfurt/M3」は、所属Postamt(郵便局)がフランクフルト・マイン 3の意と思われます。「OPD Frankfurt/M」の「OPD」は、Oberpostdirektion(郵便管理本局)の意。
サボです。表記は、「D79 Stuttgart Hbf - Hamburg・Altona」「D80 Hamburg・Altona - Stuttgart Hbf」が記されています。長距離運用ですね。気になったのは、通常サボは白地のホーローに黒文字で表記されるはずですが、モデルでは地色が車体色と同じです。サボの右上には投函口があります。投函口の左にサボがあるのは、沿線に向けての郵便物を投函することができるためでしょうか?
REV表記は、直近の検査日が1974年8月10日を示しています。
車端部正面です。郵便車はN-Wagenと同じシャッター式の貫通路扉です。モデルの尾灯は腰部分に位置していますが、実車はN-Wagen同様、車体下部にレイアウトされています。
Post mrzは、塗装色や表記を古いままで走らせていたのを私も見たことがあります。1990年代でも濃緑色の郵便車がタルキスカラーの郵便車と編成を組んで郵便専用列車として走っている姿は編成美とは程遠いものの、リアリティのある編成が組めるのは旧塗装と現塗装を混成させるのが雰囲気を醸し出すことにも一役買いそうな感じです。
Photos + Special Thanks: Mさま
[EDIT] 2022-10-11
ドイツにこのような塗色の車両があったのは初めて知りました。ヨーロッパの車両のグリーンにも、さまざまなバリエーションがありますね。
なお、OPDはOberpostdirektionですね。
by 川口雄二 (2022-10-11 06:24)
川口さま、コメントありがとうござます。
OPDの意味をご教示いただきありがとうございます。あとで本文修正したいと思います。
さて、車体色ですが、この郵便車(実車)が登場時は、タルキスカラーの制定前で2等客車や荷物車は濃緑色でした。郵便車も同様で、塗装色が変更になってもDBとは異なり、濃緑色のままの状態が続いていた車両が多く見受けられました。(タルキスカラーも新しい塗装に変更後、私がドイツ滞在していた1980年代後半から90年代でもまだありました)
by Akira (2022-10-11 07:51)