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DBAG ダイヤ改正の光と影 [欧州鉄道]

先日届いたスイスの鉄道雑誌「Eisenbahn-Revue」に今月10日に行われるDBAGのダイヤ改正によっての変化がいくつか記事になっていた。今回のダイヤ改正の目玉は何と言ってもMuenchen - Ingolstadt - NuernbergのNBS(高速新線)の開通によるICEの時間短縮であろう。そして一昨日のブログにも記したREの新しい種別"Fresh"(Muenchen-Nuernberg-Express)の登場で、より早く快適にMuenchenとNuernberg、そしてその先への旅行が可能になった。

一方、そんな輝かしい話がある一方で、その逆も同時に存在するのである。それは、お祝いムードのNuernbergからChemnitz、Dresdenに向かう路線「Franken-Sachsen-Magistrale」で、ドイツ統一以来多くの優等列車がこの区間に走っている。しかしながら、最初の数列車のD-ZugからIR、そしてICEと本数も快適性も増した一方で、ICE-TDの不調からVT605の運行禁止、VT612のIC運用と乗客からの不評、また再び客車列車でのIC運用と今度は衰退の一途を辿り、ついに今回の改正からDB Fernverkehrは、この区間のIC運用を廃止し、DB RegioによるIREの運用となる。これは、VT612を使用する列車となるが、Nuernberg - Dresdenの運転時間は4時間を超える。この区間は直線距離であれば260Km程度の距離であるが、途中いくつもの山岳地帯を抜けるため、カーブの多い単線非電化であるがゆえに、運転距離は391Km、最大勾配25パーミルと多くのの時間を要し、ICEでもIREでも運転時間に大きな差はない。
これを、IC料金不要でサービス向上と見るのか、近郊形車輌のアコモデーションで長距離を利用しなければならないサービス低下とみるのか、利用者の判断に委ねることになるが、4時間を超える運転時間に近郊形のVT612では、やはり問題であろう。

このような問題の中、DB Fernverkehrは、この路線に興味はないらしいが、非電化区間の電化や新しいトンネルの建設で、さらなる到達時間の短縮(Hof - Plauenの32Kmが16Km)が可能となる。これらは優先課題として政府の交通政策のリストには既に出ているようであるが、南ドイツ・バイエルン州とザクセン州、更にはドイツの首都ベルリンとを結ぶ重要な路線であるにも関わらず、現在のような問題がある以上、旧東独地域の様々な問題も解決のきっかけが掴みづらくなるのではなかろうか?

参考文献:
"Ende des Fernverkehr auf der Franken-Sachsen-Magistrale" Eisenbahn-Revue International 12/2006 Minirex AG

参考サイト:
Minirex AG http://www.minirex.ch/


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コメント 2

HUH

こんにちは。

秋の渡独で、Dresdenが鉄道整備から取り残されていると強く感じました.
Leipzig-Dresdenは改良されていましたが、他は時代遅れの感が否めません。Berlinの鉄道整備もDresden方面は着工さえされていませんし、Dresden
からMuenchen方面は仰る通りの惨状です。

とはいえ、Muenchen方面にはアウトバーンもあり、鉄道は線形が悪く、車内設備を劇的に改善したICE-TDが駄目となると、手の内ようがないのも事実でしょうが、、、、それでも長い目で改善が進めば、と期待するしかありませんね。
by HUH (2006-12-08 00:11) 

Akira

今回の処置を見ると、意味のない話になりますが、「もしICE-TDが不調に終わらずにちゃんと動いていたら...」と思わずにはいられません。
IRやICの時代では、NuernbergからKarlsruheまでもがその運用路線に就いていたことを考えれば、ICE-TDはNuernbergでICE-Tと併結して、Karlsruheまで運用されていたのかも知れません。また、HofからWeiden、Regensburg経由でMuenchen、Oberstdorfまでもの運用もあったのかと思うと今の惨状は、沿線住民の気分としては、IRが運用されていた時代の方が遥かに便利であったと感じずにはいられません。
by Akira (2006-12-08 09:11) 

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