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T23412 DB AD4üm-62 (10 552) / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]

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今回紹介したいこのモデルはリリースされて既に1年以上経ってしまったものであるが、先に紹介したメルクリンの同形式のモデル以降すっかりこのTRIXのドームカー(T23412)の紹介を忘れてしまっていたのである。

このモデルについては、メルクリンモデルの紹介時に書いてしまったので、敢えて多くは触れない。基本的にメルクリンモデルと変わるところは少ない。違いと言えば、床下中央部にTRIXのシールが貼付してあること。表記が違うことぐらいであろうか。

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▲ メルクリンの10 551に対してTRIXは10 552である。

このドームカーの実車はあまりにも有名なので、今更書くこともないのだが、メルクリンモデルの時は実車について触れなかったので少しばかり記してみたい。

戦後の1951年から、オランダとスイスを結ぶ伝統的な国際長距離優等列車(F-Zug)の「Rheingold」の運行再開が行われ、その時は、戦前のSchürzenwagenがStahlblau(鉄青色)に塗装され、DBとしての看板列車を担う列車として再開された。しかし、1960年代になると、この看板列車も車両の陳腐化が目立ち始め、新しい看板列車としての車両を開発するに至ったのである。それが62系列客車である。当時の標準仕様である全長26,4mのボディを持ち、ドイツの持つ最新技術をふんだんに取り入れた車両となった。特に風光明媚なライン左岸線を走る列車であることから、従来の荷物室、食堂車の他に、開放室やバー、全面ガラス窓を中央に持つドームカーも加えられ、ヨーロッパでもドイツのみが持つ独自のサービスを持つ列車となったのである。また、ドーム階段下の区分室の手前にはビジネス向けの秘書サービスができるようタイプライターを設置する場所とそのためのテーブル、及び椅子が設備されている。

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このドームカーは、1962年に最初の3両が落成し、小窓が並ぶドーム部分とドーム下中央に「RHEINGOLD」の金色文字が記されたRheingold専用車両でもあった。従来のF-Zugでは、荷物車が別に設けられていたが、62系列客車では、荷物室とバーと6人用1等区分室2室を持つドームカーとなっている。新たなサービスはバーとドーム部分の開放座席であるが、この車両の隣に食堂車を連結させることで、バー部分での供食が可能になっている。聞いた話では、このドーム部分の座席は予約席ではなく、自由に出入りできる展望室のようなものであったらしい。(希望者が多ければ長居をするのはマナー違反なのであろうが、1等専用列車を利用する紳士淑女はそのあたりをわきまえているのであろう。)

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翌年の1963年には、ドーム部分が大窓の車両が2両落成し、合計5両の体制が整い「Rheingold」と共に走る「Rheinpfeil」も62系列客車となった。製造は全てKasselのWegmann & Co. KGである。
なお、この10 552は、落成時は10 443として、また他の車両同様IAO、MThB、そして北欧に渡り、再びドイツに戻って来たようである。この狭窓タイプの実車のうち1両は、再びオリジナルのBeige/Kobaltblauの美しい塗装に戻されているが、それが10 552かどうかは不明である。
牽引機は、E10.12である。メルクリン/TRIXからは既にBügelfaltenのモデルがリリースされている。箱形のE10.12も写真が多く残されているので、メルクリンには是非リリースして欲しい1台である。

さて、この62系列客車もメルクリン/TRIXからリリースされて3年目となり、毎年新しい仕様がリリースされている。1年目は、このオリジナル塗装のRheingold、TEEカラーのRheinpfeil、そして昨年の新製品のTEE Bavaria、今年は、一気にメルクリン/TRIXより12両づつTEE客車がリリース予定である。(TEE Blauer EnzianとTEE Roland)
そろそろ、282mmの62系列客車も纏める必要が出てくるかも知れない。次に必要なのは、やはり広窓のドームカーになるであろう。オリジナル塗装ではDEUTSCHE BUNDESBAHNの文字を忘れずに記して欲しいと願うのみである。

参考サイト:
"WAGEN" / Gera Nova Zeitschriftverlag Muenchen GmbH
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コメント 8

hioka

Akiraさん、こんにちは

ドームカーは良いですね。
機会があればいずれ我が家でも走らせたいですが・・・

実車に関してちょっとした疑問ですが、ドームカーが夜間走るとき、ドームの部分には照明はあったのでしょうか?

真中の梁の部分に照明が並んでいるのかな?と思ったり・・・
by hioka (2009-03-13 10:47) 

Akira

こんにちは、hiokaさん。

幼少の頃からのドームカー好きでした。ですから24cmモデルも含めて実車は5両しかないにも関わらず、10両以上手元にあったりします。その割には乗ったことがない...orz。

ドーム部分の照明ですが、真ん中の梁の天井に間接照明が埋め込まれています。(おそらく棒状の蛍光灯)

画像では良くわかりませんが、以下参照。

http://www.rig-bahn.jp/db-page/db-photo/rheingold/J1965_Dome_Car_innen_B.jpg

by Akira (2009-03-13 13:15) 

P-ZUG

こんにちは、Akiraさん。

 EisenbahnJournal Die TEE-Storyに当時のドームカーの内部写真が鮮明に出ております。照明は中央の梁から吊り下げ式になっていまして発光部がフルカバーされており、蛍光管か白熱灯かは判然としません。
ちなみにメルクリン1番のドームカーは、梁の中央に電球色8個仕様の照明になっております。
 イベント列車として戻って来た車両がどうなっているか興味のつきないところです。
by P-ZUG (2009-03-14 00:33) 

Akira

P-Zugさん、こんばんは。

照明の解説をありがとうございます。
私も、レストアされたドームカーに興味津々です。...と、言うか正直乗りたいです..。


by Akira (2009-03-14 00:43) 

P-ZUG

Akiraさんこんばんは。

私もぜひ乗ってみたいと思ってます。
 Beige/rotの塗装色の車両がスイスの観光業者によってイベント列車として運行されている事はAkiraさんのご紹介で知ることができたのですが、どうもドイツ国内でもBeige/Kobaltblauの塗装色のドームカーを運行している様なのです。
 こちらの旅行業者の情報はご存知ないでしょうか。
by P-ZUG (2009-03-14 01:20) 

Akira

こんにちは、P-Zugさん。

直近では、先日ご紹介したTEE-Bavariaの復活運転に組成されるようです。牽引機がRe4/4 I(TEE)というのがたまらないですね。

http://maerklin-kiste.blog.so-net.ne.jp/2009-02-21
by Akira (2009-03-14 10:03) 

P-ZUG

Akiraさんこんばんは

Re4/4 なかなか良いですね。

ところでBDのノスタルジックトレインのページの添付PDFで広窓のドームカーに触れているのを見つけました。

http://www.bahn.de/p/view/angebot/charter/charter_rheingold.shtml

照明はオリジナルでは無く、北欧で改修されたテーブル灯のみの様です。
by P-ZUG (2009-03-16 00:11) 

Akira

P-Zugさん、こんにちは。

情報をありがとうございます。早速ダウンロードしました。ドームカーの画像は、確かにテーブル座席に変更されていますね。レストアの時にオリジナルに戻されたのか興味のあるところです。
チャーター可能なので、いつか日本からツアーを組んで行くなんてもの良いかもですが....。
by Akira (2009-03-16 08:00) 

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