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Zugbildung TEE Roland 1971 Sommer [Zugbildung]

zb_TEE_Roland_71_500.jpg
▲ 画像をクリックすると拡大されます。

[おことわり]
この記事は2009年に記した記事に大幅な修正を加えて上書きをしています。ご了承ください。

TRIXモデルをモチーフにしたTEE Rolandもようやく編成表が完成しました。当初、今一歩この編成表の信憑性に自信がなく、いわば見切り発車的な編成表と記事を記しました。それが幸い?して貴重なご指摘と資料迄見せて頂き、ある程度確信の持てる編成表を改めて記すことができましたが、今回編成表を1971年夏ダイヤに限定したことで。TEE RheinpfeilやTEE Rheingoldとの関係も深掘りしながらリニューアル記事として書き起こしました。

[編成と経路解説]
このTEE Rolandは、北ドイツのハンザ都市Bremenとスイスの金融都市Basel、高級保養地として名高いLuzern、そしてゴッタルド峠を越えてイタリアMilanoへと結ぶ列車です。北ドイツからイタリアの経済の中心地迄結ぶ1000Kmを超える距離を結ぶこの列車は、いくつかのKurswagenが途中駅で連結/開放を繰り返しながら、それぞれの目的地へと向かいます。更に、今回の1971年からはFrankfurt/M HbfとKarlsruhe Hbfの間にMannheim Hbfを経由しました。
さて、このTEE Rolandですが、列車名称はもちろんこの街の中心部の市庁舎前広場にあるRoland像が由来です。

朝8時台にBremen Hbfを出発し、Hannover Hbfを経由してFrankfurt/M Hbfに到着するのは12時半頃。ここで後部の2両の客車切り離し、機関車を付け替えてマンハイムへと向かいます。乗客はランチタイムで食堂車やバー車に向かい、それぞれの好みで食堂車でのコース料理に舌鼓を打つのも良し、バー車で軽食を済ませるのも良しでしょう。いずれもDSGのきめ細やかなサービスにビジネスマン達は満足したに違いないでしょう。ここからは、ライン川と並行しながらBasel SBBへと向かうルートはTEE Rheingoldと同じです。

Basel SBBに到着するのは16時前。ここでDBの103.1形機関車と2両の区分室車を解放し、このうち1両はDortmund HbfからTEE Rheingoldとしてやってきた3両の区分室車のKurswagenと連結して283列車としてクールへと発車します。またTEE Rheingoldとしてやってきた2両の区分室車は、この列車に組成されてMilano C行きとして出発します。
Basel SBBでの停車時間は15分程度。この短い時間に解放と連結の作業を行います。機関車はTEEカラーのRe 4/4 II/IIIに変わります。赤いSBBカバンを持った独特のスタイルの車掌に代わり、出発する頃にはバー車や食堂車でコーヒーとケーキでカフェタイムでしょうか。

ここからルツェルン駅まではさほどパノラミックな景色は望めませんが、ルツェルン湖(Vierwaldstättersee)の玄関口でもある保養地ルツェルン駅に到着する頃には、夕方5時頃です。しかし、夏時間のスイスではまだまだ明るいですし、この駅で再び機関車を付け替えて一路ゴッタルド峠を目指します。しばらく美しいルツェルン湖畔に沿って走り、ゴッタルドトンネル手前のゲシェネン駅までは、風光明媚な山岳路線を縫うように登ってゆきます。ゴッタルドトンネルを越えるとイタリア語圏です。国境駅のチアッソには午後8時頃到着。夕闇が迫る駅でFSのE646に機関車を交換。乗客はディナーを楽しんでいるところでしょうか。そのまま終点ミラノまでラストスパートです。途中コモ湖畔のコモ駅を通って陽も暮れた夜10時すぎににミラノ中央駅に到着です。

この列車でブレーメンやドルトムント、或いは遠くロンドンから列車と船を乗り継いでくる乗客もいるかも知れませんが、まさに丸1日間かそれ以上の長い時間を列車で快適に過ごすのは、車内でサービスするDSGも相当の工夫が必要だったのかも知れません。その核となるのは供食の設備とサービスでしょう。編成表を見る限り、特にスイスでは6両の客車のうち1両半が供食車両ですから、贅沢な設備を持っていると言えましょう。

[モデルについて]
ところで、この設定された1971年というのは、食堂車所有がDSGからDBに移管された後です。モデルの画像を見る限り132形食堂車のボディ側面中央に大きく「DSG」の文字が印刷されていますが、DSGからDBに移管後「DSG」ロゴがなくなり、代わりに中央の「DB」ロゴが表記されるように変更されているのですが、実車もモデル同様検査日までそのままの状態で運用されていたでしょうから、1971年でも車体にDSGロゴが付いていたのかも知れません。

新製品パンフレットの説明によれば、全てのKurswagenも12両のディスプレイに入っていると書かれてありますが、それはChur行きのサボが付いたモデルなのかも知れません。(12両で2編成分ならば、編成表のFrankfurt/M - Basel SBBの6両編成がそれに当たると想像できますが、確認できていません。)

また、この編成表では反映されていませんが、例外的に132形食堂車がTEE色の他、D-Zug向け紫赤色一色塗装も使われたこともあったようです。そのような変則的な編成もモデルで実現できたら楽しいでしょう。同様に牽引機関車についても103.1形の代わりに112形が牽引している画像を見つけることもできました。

今回も妄想逞しく書いてしまいました。

*この編成表はあくまで基本的な組成を示しているものです。実際は車両の増減などがあることもあり得ます。

[Special Thanks]
kashyさん

参考文献:
Die Geschichte des Trans Europ Express / Alba Publikation
LA LÉGENDE DES TRANS-EUROP-EXPRESS / LR PRESSE

参考サイト:
TEE Roland / welt-der-modelleisenbahn.com

[EDIT] 2021-01-18
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コメント 14

kashy

いつも楽しく拝見させていただきます。
仏LR PRESSE社のLa legende de TRANS-EUROP-EXPRESSにRolandの記述がありますが、Akiraさんの図と少々異なっております。
こちらのほうでは、1969から1973年までは登場時の編成で、1973年から1979年までがAkiraさんの図の編成となっております。
ただ、私はフランス語の読解力は全くありませので、単に図を見ただけのことですので、スキャンして私のホームページ上にアップロードいたしておりますので、URLからダウンロードしてご覧いただければと思います。
by kashy (2009-04-01 19:48) 

Akira

kashyさん、こんばんは。

貴重な資料を見せていただきありがとうございます。心より感謝申し上げます。PDFファイル早速DLさせていただきました。
この編成表を見て、手元の資料を改めて確認したところ、それ迄の私の解釈の誤りが次々とわかりました。その最たるものは、当時のTEE RolandがBasel SBB止まりでなくMilano C迄運用されていたことです。更にDortmundからのTEE Rheinpfeil/TEE Rheingoldと2つの列車を継いで来たKurswagenがこのTEE Rolandに連結されMilano Cまで運用されることが理解出来たことです。

唯一不安なのは、LuzernからChiasso迄のゴッタルド越えの牽引機関車が不明であることでしょうか?もしかしてRe6/6?
by Akira (2009-04-01 23:25) 

seidoh

(日付は変わりましたが)こんばんは。

私の手元にある”TEE-Zuege in der Schweiz” によれば、Rolandのゴッタルド越えはRe4/4ⅡTEEが担っていたようです。勾配線区とはいえ、短編成のTEEであれば何ら問題無かったのでしょう。
ちなみに、Re6/6の製造初年は1972年なので、69年当時だと、むしろAe6/6が助っ人で牽いたことはあるかも知れないですね。
by seidoh (2009-04-02 00:16) 

Akira

seidohさん、こんばんは。

情報をありがとうございます。牽引機をRe4/4II TEEに統一するところはSBBも相当力を入れていましたね。Re6/6は72年製造でしたか。ありがとうございます。
その本は、私も欲しかった1冊です。益々欲しくなってきました。
by Akira (2009-04-02 00:40) 

LICHTHOF(hikari)

Akiraさん、みなさん、おはようございます。

横レスになりますが、kashyさんがアップしてくださったPDFで3枚目、
本の281ページ、トップにある写真がまさにそれですね。

写真右横のキャプションには、78年5月、CF所有のTEE塗装 Re 4/4 IIがドイツの列車Rolandを牽引してSinat-Gottardを横断しているところというようなニュアンスの記述がありますね。(辞書片手のいい加減な訳で恐縮ですが。)
by LICHTHOF(hikari) (2009-04-02 08:53) 

Akira

hikariさん、こんにちは。

確かに画像はゴッタルド峠でしょうね。夢のような光景です。
ただ、この写真には機関車の次位に赤裾のAvmz207が連結されていて71年当時のものではなく、キャプションにも1978年5月?とあるようですので、その後の姿のようです。
ただ、71年でもおそらく同様の姿が見られたでしょうし、できることならもう一度その時代に戻ってこの列車でゴッタルド峠を越えてみたいと思いますが、それは無理なので模型で再現できればと思います。
by Akira (2009-04-02 09:11) 

seidoh

Akiraさん、こんにちは。

"TEE-Zuege in der Schweiz"を改めてチェックしましたら、103.1形牽引の画像と、本文にも明確に同形が牽引したとの記述を見付けました。
私は独語はさっぱりなので、写真のキャプションと本文は単語の拾い読み程度ですが、写真が豊富なので十分楽しめます。Akiraさんのような独語が堪能な方には、自信を持ってお勧めできる本です。
by seidoh (2009-04-03 12:23) 

Akira

seidohさん、こんばんは。

本当に良さそうな本ですね。早速資金捻出作業をしなければ...。
103.1形牽引は、Bremen - Frankfurt/M - Mannheimぐらいまでは充分に考えられますね。私の手持ちの本にもFrankfurt/Mを出発直後の103.1形牽引の写真がありました。
ドイツ語に関しては、とても堪能という訳ではないのですが、これら興味のある本なら辞書や翻訳サイトを駆使しながら何とか理解してやろうというモチベーションも湧いてくるものです。
by Akira (2009-04-03 20:51) 

BOAC VC10

おはようございます。お花見日和になりそうですね。(オードブル確保済)

さて昨日、’81年から’93年までのEJ別冊刷縮版DVDなるものを入手しました。
今までのバックナンバーを探した苦労は…で、若い子の言葉で言うと「やばいです」

で、’82年のゴッタルト線特集号に、びったし!の写真を見つけました。
「Re4/4II 11161号機牽引の北行Roland。Ceneri山を背景に。
1970年3月1日Giubiasco駅に進入。」です。
編成はLok-Av-Av-Ap-ARD-WR-多分Av(全車TEE塗装)です。
南麓のイタリア国境近くなので、峠越えは間違いないようです。

拙文(色々直さなくてはならない所も多いですが)に出てきた、
赤食堂車の入った編成をRe4/4IITEE牽引でゴッタルト越えする写真も、
どこかにあったはずなので本を探してみます。 
by BOAC VC10 (2009-04-04 09:35) 

Akira

BOAC VC10さん、こんにちは。

お待ち申し上げておりました。作成した編成表より機関車よりにAvが1両多いですが、大まかな部分では正解だったようですね。(良かった!)食堂車の色違いなどその時の事情で車両の組み替えなど多々あることですから、大まかな組成が正しければヨシとしたいところです。
今回の楽しい苦労?も、こうやって関心のある皆様の助言があって上手く完成したわけです。リリースが始まった暁にはあちらこちらでこの編成が見られるなら作成した甲斐もあったと言うものです。

ところでご覧になった写真の食堂車は、サイドが「DSG」ですか、それとも「DB」?

お花見楽しんで来てください。
by Akira (2009-04-04 11:15) 

BOAC VC10

調布飛行場そばの公園でドルニエ228や軽飛行機の離着陸見ながら、
缶酎ハイ片手に昼寝してきました。

お約束していたRe4/4II TEE牽引、赤食堂車の写真も見つかりました。
Ra Vie Du Rail刊のTrains d'Europeからです。
「TEE74 RolandがReuss谷の放牧的な風景の中をBasel方面に向かう(1972年8月)」
Lok-Av-Av-Ap-ARD-WR-Av(WRのみ赤DSG表記、その他TEE塗装)

あと前出の食堂車ですが、側面の表記までは判別できませんでした。

こうなると、Re4/4II TEEがMFx、フルサウンドで登場して、
多くの方の手に渡ることを願わざるを得ません。
by BOAC VC10 (2009-04-04 19:36) 

BOAC VC10

追記です。上でkashyさんがアップしてくださっている本と、
前記の「Trains d'Europe」の著者も同じ人ですね。
この本(1・2あります)にも同様の編成表が多数掲載されていますが、
Rolandは無かったです。(Helvetiaはあるのですが)
by BOAC VC10 (2009-04-04 20:00) 

Akira

BOAC VC-10さん、こんばんは。

やはり観桜より観航空機ですか..(^O^)
資料も調べて頂きありがとうございます。1972年でもWRボディには"DSG"があったのですね。車両保有はDBに移管された後でもペイントがそのままというのは、のんびりしていた時代の象徴かも知れません。...と、言うことはTRIXモデルは実は正しかったのかも?

Trains d'Europeは、良さそうですね。「TEEの歴史」の写真は、「伝説の..」と同じ写真を掲出していました。(編成表はないです)
3冊全て同じ著者というのは、エキスパートの極みでしょうね。
by Akira (2009-04-04 22:55) 

Akira

自己レスとなります。

このページの編成表(TEE Roland)画像とTEE Blauer Enzianの編成表画像をクリックすると大きな画像になり、見にくい部分の理解が出来るようにしました。ご活用いただければと思います。
by Akira (2009-04-05 20:41) 

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