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Stellwerk Tankautomat H0 / SEUTHE [欧州鉄道模型]

メルクリンの蒸気機関車の大きな特徴は発煙装置が取付けられる事である。最近では24形など小型の部類に迄発煙装置の装着が可能になり、蒸気機関車=発煙があたりまえとも言える。また、ドイツフェスティバルなど一般の方々にお見せ出来る際は、この発煙が彼らを驚かせるのに多いに役立つのである。メルクリンは1960年代には、この発煙が出来たのですよ...と。

しかし、一方でこの発煙は長続きしないという弱点もある。モクモクと煙を出して走るのは発煙材を入れて10分も持たないというのが現実である。この発煙が遊んでいる間中モクモクと煙が出続けてくれたらと思うのは私だけではあるまい。テンダー部分に発煙材のタンクでも備えてチューブか何かで発煙材を足す事が出来ればなんて夢みたいなことを妄想したりするのである。

しかし、こんなことを考えるのは私だけではなかったということが先日メルクリンモデルの製品インプレサイトである「Der Modellbahnchecker」に記されている記事でわかったのである。しかも、この製品は最新のものではなく1960年代の製品であったことに更なる驚きを憶えたのである。

http://www.dermodellbahnchecker.de/classic-future/classic/seuthe-tankautomat.htm

それは、私が考えているような機関車に発煙材タンクを置くのではなく、なんと信号所の建物内に発煙材タンクを置き、そこの下を通る時に自動的に発煙材を注ぐ仕組みの「Stellwerk Tankautomat H0」なるもの。そのシステムはメルクリンのものではなく、発煙装置や発煙材を製品化しているSeuthe社である。

サイトはドイツ語であるが、私は初めて見て実に良く出来ていると感じた。60年代の製品なのでやや大ざっぱな作りだが、システムとしては現在でも通用しよう。今の水準で製品化できれば本当に素晴らしいと思うのだが、そのようなアナウンスは聞いた事が無い。
これがあれば、発煙しなくなった機関車を信号所の元へ走らせるだけで発煙材を自動的に煙突に入れることができる。

期待を込めてこのような革新的な製品を私は望んでいるのである。

[追記]
読者の方からの連絡でHRSさんのレイアウトに、ここで紹介したStellwerk Tankautomatがあるという。私が先日尋ねたときも、レイアウト場にこの発煙材自動給油機があったのであろうが、このアイテム自体の存在を知らなかったので見逃していたのである。
この極めて革新的なアイテムをご覧になりたい方は、樟葉に行けば実物を見る事ができよう。

[EDIT] 2009-12-31 21:03
タグ:Seuthe
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seidoh

こんばんは。

これはイイですねぇ。ガソリンスタンドならぬ発煙剤スタンドですね。今年はBR23とBR50が入線して、BR01と合せて大型蒸機が一挙に3両になったのですが、おっしゃる通り肝心の煙モクモクが十分も持たないので、何だか面倒くさくて、BR23とBR50には、まだ発煙装置をセットしていません。でも、こんな気の利いた設備があれば「給油」も苦にならないと思います。今製品化するなら、もちろんデジタルデコーダーで遠隔操作でしょうね。
ところで、このEsslingenはStuttgart郊外のエスリンゲンですか。本当にこんな信号所があったのでしょうか?
by seidoh (2009-12-29 23:42) 

HUH

これは素晴らしい製品ですね。今でも入手可能なのでしょうか。新年の早い時期に初SL入線濃厚の私、これは是非欲しいです!
運転会も良いですね。
by HUH (2009-12-29 23:44) 

KDB

お早うございます。KDBです。

この製品の話、以前も書いたように記憶していますがーーー60年代に登場しています。誰でも同じことを希望するものですね。確か70年代に、「鉄道模型趣味」誌でも紹介されております。英国「トライアング」社の機関車(一時、ゾイデの製品をOEMで発売し、自社製品にも取付けていた)に試している写真があって、その結果なんですが「機関車の煙突の高さによって旨くいかないことが多い」という話だった?と記憶しています。結局、トライアング社でもその後ゾイデの製品を止め、ボイラー内部にヒーター付大型オイルタンクと鞴(!)を取付ける独自の方式に変更しています。元々ゾイデの製品は、既製の機関車に簡単に取り付けられることが謳い文句ですから、煙の寿命が短いのは仕方ないとも言えますが、「鉄道模型趣味」誌ではその頃、高周波による発煙(及び室内灯点灯)を推奨?しておりまして、走行用電流と別個の高周波では発煙オイルがすぐ無くなるので、対策としてこの信号所を紹介したようです。現在のデジタルでは高周波と同じように煙がモクモク出ますから、何か新しい対策がほしいですね。
by KDB (2009-12-30 08:57) 

太財 修

なるほど! KDBさん 補説ありがとう。
by 太財 修 (2009-12-30 09:16) 

Akira

おはようございます。沢山のレスありがとうございます。

> seidohさん
発煙時間の問題はやはり今後の一つのテーマになると思います。そういう意味では、60年代のこの解決方法は革新的と言えるでしょうね。
信号所の名前がESSLINGENになっていますが、おそらく正しいのだと思います。(もしかしたら地名は選択式なのかも知れませんが...)
いずれにしても、このタイプの信号所は60年代ではモダンな部類で少なからずあったような記憶があります。

> HUHさん
そろそろ23形が入線ですね。発煙装置の購入もお忘れなく...。

> KDBさん
詳細な解説をありがとうございます。何しろ60年代の製品など、特にメルクリン以外では日本では中々お目に掛かれるものではなく、私も今回初めてみました。
仰る通り、機関車の煙突の高さで問題がありそうな感じはします。今なら色々な解決方法がありそうですが、発煙材給油はある意味普遍的な方法なので、このシステムを現代風にアレンジされればと思います。(出来れば信号所ではなく、ホームにある給水管や機関庫の給炭設備と合わせられれば面白いかと..)
by Akira (2009-12-30 09:23) 

Akira

太財 修さん、Spielkisteへようこそ。

今後もコメントよろしくお願いいたします。
by Akira (2009-12-30 09:25) 

Bemo

Akira さん

 発煙材給油関連の情報ありがとうございます。1番ゲージなら、Metal+αで、Lego Mindstorm、Fischer Technich のように、いろいろとアイデアを試して、うまくいけば、より洗練したものを作成していけるのではないでしょうか。

 ところで、Akira さんがメルクリン製品のレビューでよく紹介されるこのサイト、アクリルを使ったおもしろいレイアウトを見つけました。

http://www.dermodellbahnchecker.de/classic-future/future/aurelius-maier-1.htm

 上の例はZですが、メーカーのサイトにはHOのものも紹介されています。

 http://design-modellbahn.camindo.de/de/site.php/80_H0-Vision+pur (Breite/Länge/Höhe 175 x 100 x 21 cm)

 http://design-modellbahn.camindo.de/de/site.php/180_H0-Gotthard-V

 アクリル板4枚(要加工)+アクリル円柱で、簡単にできて、片づけが楽なら、お座敷レイアウトに向いているかも。視界を遮ることもなく、列車の照明が映えるのはおもしろいようですが。

 材料費と工作が難しいかな。

by Bemo (2009-12-30 13:00) 

まほろ

Akiraさん、こんにちは

これ、実物を見たことありますよ。
発煙剤補給ステーションですよね。

今なら、デジタル制御で補給するものが、
有っても不思議ではなさそうですが・・・(^_^;)
by まほろ (2009-12-30 15:29) 

Akira

Bemoさん、こんにちは。

透明アクリルで作成するレイアウトは確かに面白いですね。ただ、短期間のプレゼンなどには良さそうですが、長く持たせるとなるとホコリとの戦いになりそう....。

あとはコストの問題かな〜?

by Akira (2009-12-30 16:04) 

Akira

こんにちは、まほろさん。

ご覧になったことがあるとは...。
SEUTHEは今作れなさそうなので、やはりメルクリンかFALLERあたりに作って欲しいですねぇ。
by Akira (2009-12-30 16:07) 

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