SSブログ

Zugbildung TEE Bavaria Jul./Aug. 1972 〜2010年新製品から [Zugbildung]

b1zb_TEE_Bavaria_So_72.jpg
▲ クリックすると大きな画像にアクセスされます。

メルクリンの2010年春の新製品情報が全て揃ったところで、このブログをご覧になっている皆さんは、その購入計画の吟味にいそしんでいることと思う。私も昨日新製品パンフレットの全ページをプリントアウトしてゆっくりと眺めつつため息もついているところである。

さて、今日から少しずつ可能な限り新製品モデルと実車についての解説など出来ればと思う。1回目の今回はもちろんRe4/4 Iの牽引するTEE "Bavaria"である。

画像は1972年夏のTEE "Bavaria"の編成表である。メルクリンのパンフレットと手元の資料(Die Geschichte des Trans Europ Express)を読んでみると、面白いことがわかってきた。と、言うのはTEEカラーのRe 4/4 Iが牽引するTEE "Bavaria"は、なんと2ヶ月間だけであったということがわかって来たのである。それもミュンヘンオリンピックの開催期間にあわせて1972年の7月と8月だけとのことである。また、この期間はオリンピック輸送需要も合わせて従来の座席客車2両+食堂車にもう1両TEE客車が連結されていたと言う。(残念ながら、そのTEE客車が開放室のApuemhか区分室のAvuemhかは未確認である)
更に、それ迄赤色一色であったWRm / SBBもオリンピックゲーム開催に合わせて晴れてインテリアのリニューアルとTEEカラーになったとも記されている。
上記のことを考えあわせると、今回のメルクリン/TRIXのセットは1両TEE客車が不足しているということになる。まぁ、過去にバー車(ARDuemz106)のついたTEE "Bavaria"セットモデルがあるので、その中の1両を活用しても良いし、単品のTEE客車も細かな表記さえ気にしなければ問題ないことである。

このBavariaが走る区間の問題点は、スイスから1度短区間ながらオーストリアに入り、その後ドイツのリンダウ迄の電化区間を走ることである。この短区間にはカーブが急なこともあってスイスタイプのパンタグラフの集電舟では短いため、この区間を走るためのSBBの機関車は、特別な対応がされた集電舟が設備されている。1972年7月迄と9月以降の機関車はRe4/4 IIの11196-11201の6機が対応していた。ただ、1972年の7、8月に限ってはRe4/4 I (TEE)の10033と10034の2機が牽引していたことである。この2機についてもパンタグラフの集電舟はオーストリアとドイツ路線対応タイプとのことである。今の段階ではRe 4/4 Iの集電シューが実車同様の仕様になっているのかは不明だが、この記述は新製品パンフに記されているので、きっと実車に忠実であると期待したい。

参考サイト:TEE-Schnellzug "Bavaria". / メルクリン・ドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&newprod=1&art_nr=26557&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=1020&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html

参考資料:NEUHEIT 2010 / Maerklin
Die Geschichte des Trans Europ Express / Alba-Verlag



[EDIT] 2009-01-23 10:50
nice!(0)  コメント(15)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 15

seidoh

Akiraさん、こんにちは。

貴重な情報をありがとうございます。BavariaはRe4/4ⅠTEEがスタンダードと勝手に思い込んでいたので、ショートリリーフとは意外でした。でも、こうなると、今年の夏モデルか秋モデルあたりで、メル版Re4/4ⅡTEEの復活!さらに赤いWRmも!!なんてことが無いとは・・・。(悪い冗談と言われそうですが。)
by seidoh (2010-01-21 17:34) 

Akira

こんばんは、seidohさん。

私もRe4/4 I(TEE)が2ヶ月間のみの運用とは知りませんでした。ただ、Re4/4 II(TEE)の車体番号は、資料によれば...、

11158-11161
11249-11253

のみと聞いています。で、TEE Bavaria向けのパンタグラフを装備した同形機は、記事中にも示したように....

11196-11201

と、全く被らないので緑色か赤色ではないか...と。
赤いWRm付と緑のRe4/4 II(又はBR210形)のセットは出るかもですね..。

by Akira (2010-01-21 17:42) 

seidoh

こんばんは。

ちょっと早とちりしてしまいました。手元のTEE-Zuege in der Schweizで確認してみたら、Re4/4ⅡTEEはご案内の9両のみですね。所属は前者がBasel、後者がLausanneとのことです。
ところで、同じ本をめくっていたら、Re4/4Ⅰ10033の牽くBavariaが、なんと雪景色の中を行く写真を発見!キャプションには1973年2月とあります。また、別のページに、1973年4月15日付で同機がWRmを間に挟んだ3両編成を牽いている写真もありました。
このあたり、原則は原則として、実際には臨時運用などがあったと考えれば良いのでしょうか?
by seidoh (2010-01-21 22:02) 

sigeyann

メルクリンの架線システムを考えると、他製品と同様に
標準で幅広のパンタシューがついているのではないでしょうか。
オプションで幅狭シューがついてくる可能性はありますが、
以前の貫通扉付Re4/4 1はどうだったでしょう?
ちなみに年末に発売されたSNCF&CFL トナカイはオプションで
幅狭シューがついておりました。
Re4/4 1 TEEは個人的にはBavariaとしてよりも、ドームカーなどをつないで
スイス乗り入れラインゴルトを編成したいですね。
by sigeyann (2010-01-21 22:19) 

Akira

こんばんは、seidohさん。

メルクリンからは、あれほど切望されているのに何故か1度だけしかRe4/4 II(TEE)モデルはリリースされていませんね。9両も存在するなら、あと数回ぐらいは出せるのにと...。それとも温存している?

73年のRe4/4 I(TEE)運用ですか?それは素晴らしいですね。
もちろん、機関車が検査に入っている時など間合いの運用などでRe4/4Iが牽引することもあったと思います。おそらくその際に重要なのはパンタグラフの設備(大型集電舟)でしょう。10033と10034は、これが付いていますからね。

私が記した記事は絶対とは思わない方が良いです。TEE客車も週末や繁忙期にはUIC-Xの青色1等車が1両増結されていたという話も聞いています。
by Akira (2010-01-21 22:21) 

Akira

こんばんは、しげやんさん。

ごぶさたです。最近メルクリンは架線集電しない方向になっていますからねぇ。要は、実車のパンタグラフの集電舟の形状に小型と大型の大きな違いがあるのか?ということだと思います。St.Margareten - Lindau Hbf.の電化区間を走らせるための設備ですから、もし大幅に実車の集電舟の形状が異なるなら、大型のものになるのでは..と。

以前Re 4/4 I(TEE)がBasel SBBでRheingoldなどTEE客車の先頭に立っている姿を画像で見たことがあります。その光景に私も憧れているので....。
by Akira (2010-01-21 22:27) 

hioka

Akiraさん、こんばんは

そうですかBavariaは4両ですか・・・
あぁ・・・我が家のホームに入ってしまう・・・

ホンマに嫁さんのお告げを実行しなければならない予感が(;´Д`)
by hioka (2010-01-21 23:47) 

深山苧環

こんばんは,皆様

TEEはやはり魅力的な列車であり続け,それは模型になっても不変ですね.
私は実車に対する知識はほとんど,と言うよりも全く無いのですが,それでも実在した編成を再現したくなるのは性というものでしょうか…
もっとも,知識が邪魔しないだけある程度いい加減でも十分に満足して楽しめるのですが.

我が家には架線集電の設備は無いのですが,メルクリンが架線集電をシステムとして発売していながら,架線集電を推奨しない方向に向かっているということに少々疑問を感じます.

貫通型のRe4/4Ⅰ(グリーン)はクロコダイルやAe6/6等と同じ(多分幅広?)パンタグラフで,幅狭のシューは同梱されていませんでした.
こいつがあるので,非貫通のグリーンは見送ろうと考えていたのですが,並べて比べたら…
by 深山苧環 (2010-01-21 23:47) 

Akira

おはようございます。

> hiokaさん
こう考えたらいかがですか? TEEは国際列車なのでSonnen-Hugel鉄道にも初めてTEE列車が乗り入れる...と。
すっごく短いですが、BavariaはOeBBにも乗り入れていますし...。

> 深山苧環さん
私もドイツ語を勉強して調べることが出来る迄はドイツの鉄道については表面的なことしかわかりませんでしたが、運用などを調べるようになって、その背景などが理解出来たり歴史や文化などの勉強にも繋がったりして知的好奇心がそそられる楽しい作業になったりします。

ただ、それが原因で頭でっかちになって、こうしなければならない...というような頭の固いことにならぬようにも思っています。文献は文献で全ての事実を網羅している訳ではないですし、往々にして例外的な事実もある訳です。(おそらくこのあたりは日本の鉄道以上だと思います)
ですから、柔軟に自分の出来る範囲で好きなように楽しむのが長く模型と付き合う秘訣ではないのかと...。

メルクリンのパンタグラフ集電の推奨については、おそらく昨今のデジタルの変化によるものと思われます。以前のデジタルと異なり、信号が複雑となり集電不良の原因になりやすいことからかと思います。また、アナログ時代は架線集電と集電シューによる集電でコントロールを分けて個別制御なんてことが出来た訳ですが、今はその必要もありませんし...。ただ、このあたりは電気の素人の私には詳しい説明が出来ませんので出来る方はフォローを..。

今度リリースされるRe4/4 I(緑)は、何番かわからないので実車のパンタグラフの集電舟の大きさも確認できませんし、メルクリン自体が模型のシステムとしての集電舟の大きさが、実車とは無関係にある程度決められているのかも知れません。
ただ、私自身はメルクリンから50年代にリリースされていた同型機の再来に喜びを隠しきれないということです。
by Akira (2010-01-22 08:05) 

深山苧環

Akira様 おはようございます

皆様の知識や調べた結果によって,私もただ模型を集めて走らせるだけでなく,その背景にある事象にまで思いを巡らせることができるようになりました.
ただグルグル走り回る模型を眺めるだけでなく,その列車の背負った時代,地域間の結びつき,人の流れなどを考え想像してみるのも一つの楽しみなのだなと思います.
そう言った情景を織り込んだレイアウトを作ることができれば最高なのですが…
これはまたハードルの高い課題なので,改めてゆっくりと….

50年代にリリースされていたモデルというと,これのことですね.
http://www.bahn.hfkern.de/Maerklin/CH_re44.html
登場から30年にも渡ってリリースされたモデルなのですね.
それが30年の沈黙を破って再び姿を現す.
この機関車の長い歴史と走り回った地域に思いを馳せると…
これはなんとしても手に入れなくてはならない存在になってしまいました.
by 深山苧環 (2010-01-22 08:37) 

Akira

こんにちは、深山苧環さん。

> そう言った情景を織り込んだレイアウトを作ることができれば最高なのですが…
> これはまたハードルの高い課題なので,改めてゆっくりと….
私も同じ気持ちです...。

Helmut Kernさんのサイトですね。そう、これです。460さんのコレクションにあったこのモデルは実に重量があり素晴らしいモデルです。長い時を経て登場する新製品にはとても興味があります。
by Akira (2010-01-22 09:16) 

klaviermusik-koba

だからですね。TEEがなくなり、ECに置き換えられたあと2等車に混じってTEEに使われた、広い車室の1等車があったのは。こんなローカルECになぜTEE用の立派な1等車がついているか当時いぶかしく思ったものです。これでチューリヒからミュンヘンまで来たことがありました。

2ヶ月にしてもTEE色に塗られたスイスの機関車はいいですね。注文しようかどうしようかと迷っています。
by klaviermusik-koba (2010-01-22 17:27) 

Akira

こんばんは、klaviermusik-kobaさん。

このBavariaというのは、実は歴史も意外に古くD-Zugとしてですが1950年代からあったようです。Muenchen - Lindau間が非電化ということもあってローカル色は確かに強いのですが、当時からスイスのメトロポールでもあるZuerichと南ドイツの中心であるMuenchenを結ぶ列車ですから、そこそこ需要はあったみたいです。
TEE化された時もあの大事故が起きる迄はSBBのRAmで運用されていましたし、ICE-TDが登場時の運用先にもなりました。ただ、この列車は運命的に気動車列車としては不運です。そのため、この列車は旅客列車としての運用が長かったです。今でこそ名前は消滅してしまいましたが、EC列車としてスイスのTyp.EC編成で数本が同区間を走っています。

私も1度Zuerich HBからMuenchen Hbf迄この列車に乗りましたが、BregenzからLindau Hbf迄のBoden湖畔ギリギリの単線区間を走った時の美しい湖畔の景色は忘れられません。

あと、Re4/4 I(TEE)ですが、このBavariaに運用されたのがミュンヘンオリンピックのあった2ヶ月間だけだったようですが、それ以外は、TEE Rheingoldなどの名列車を牽引してBasel SBBからGeneveまでのTEEを牽引して走っています。
by Akira (2010-01-22 17:59) 

460

こんにちは。
私も2007年に同じルートに乗りました。
確かEC193だったと思います。
その時の牽引機はRe4/4Ⅱのcargoでした。
Lindauからは218だったと思います。

実は、古いRe4/4Ⅰ(3014)が2台有るのでをTEEカラーに
塗装しようかと検討している最中でした。

by 460 (2010-01-23 17:47) 

Akira

こんにちは、460さん...。

私が乗った時(確か2003年の暑い夏)は、ICE-TDの予定が急遽客車列車運用となった時もRe4/4 II(赤)でした。機関車の次位についた1等車はTyp.ECのパノラマ客車だったです。(余剰車?)
Lindauからは218形...。

3014をTEE色に塗り替えるなんて....。きっと3014がTEE色の同形機を新製品として呼んだのかも..。
by Akira (2010-01-23 18:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0