SSブログ

43260 DBP Post -b/21 / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

b10202.jpg

今回は、Ep.IVのSchürzenwagen最後のPost -b/21形郵便車(43260)の紹介である。このモデルは、1996年より2002年迄の7年間リリースされたもの。他のEp.IVのSchürzenwagenモデルとほぼ同じである。郵便車ということで、片側に両開き扉が3カ所と片開き扉が1カ所配置されている。塗装はChromoxidgrünである。全長は26,3cm。実車の全長は22.9mであるので、ほぼ1/87のフルスケールである。
手元の資料では、実車がPost -b/21形はPost -bI/21とPost -bII/21の2形式があったようで、同じSchürzenwagenをベースにした車両だが、若干の違いがある。

b10203.jpg

車端部のディテールである。画像を見るとちょっと厚塗りをした感じにみえるが、あくまで画像でみたモデルの印象である。台車はGörlitz III Schwerである。車端部から1つ目と2つ目の窓の間の桟に見えるのは、ポスト投函口である。通常運用時には行き先が記されているので、ここから投函することによって郵便物は早く到着するのであろう。このサービスは日本の郵便車でも戦後の一時期あったとのこと。方角さえ間違いなければ列車に投函出来るのは、もう一つの選択肢として、投函可能な場所にいる人には悪くないサービスである。(今では考えられないが..)

b10205.jpg

黄色のポストホルンマークが車体中央に描かれ良いアクセントとなっている。Ep.IVのUIC表記では、形式がPost -b/21車体番号が「50 80 00-12 605-4」と記されている。このUIC表記から読み取れるのは、単電源の電気暖房+蒸気暖房仕様で、最高速度は120Km/hとなっている。

手元の資料では、残念ながら1両づつの車両番号に対しての検索が出来ない。ちなみに形式表記はPost -b/21と記されているが、正確にはPost -b/21,6のようである。この21,6というのは、車体(バッファなし)の全長(21,6mの意)である。郵便車については、このような表記が形式となっている。
DBPの資料集がPMSから発行されているので、その誌面にはもう少し詳しく出ていると思う。

ただ、どうやらこの車両に関しては、1949年からの戦後生まれのようである。よって東独国鉄(DR)には存在がないと資料集には記されている...が、メルクリンモデルには戦前のDRG時代のPost4ü(43261)がリリースされている。全てが未確認である故、良くわからないというのが本当のところである。

一方、1941年から43年に掛けて製造されたPost -a/21,6という情報もありはっきりした製造年も含めてこのモデルの実車履歴は現在のところ不明である。

b10206.jpg
b10207.jpg

ちょっと画像がぶれてしまったが、REV表記が1972年5月9日である。最高速度は120Km/hである。

b10208.jpg
b10209.jpg

妻部分のディテール。

b10210.jpg

屋根上にある天窓の跡。Ep.II仕様の43261には天窓がついているが、このモデルではその痕跡があるのみである。他に2カ所の煙突がある。この煙突は、貨車として牽引されているときのストーブ用と考えられる。

b10211.jpg

車体の窓上にある吸気口である。彫り込みは精細で好感の持てるものである。

*BOAC VC10さんのコメントを参考にさせていただいた。Danke!

参考文献:「WAGEN」Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen

[EDIT] 2010-05-05 09:36
nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 6

深山苧環

おはようございます
皆様連休をいかがお過ごしでしょうか.
私は昨晩山から下りてきまして,残り二日メルクリン三昧・・・・・
といきたいところですが,洗濯やら後片づけやら・・・・・

郵便車や荷物車は客車列車には欠かせないアクセントですね.
華やいだ旅行気分の中に,いかにも仕事場!と言う雰囲気を漂わせていてなんとなく頼りになるような,心惹かれる車輌です.
子供の頃,クモユニ74やオユ10などが大好きでした.

スイスの客車列車にもSNCFから移籍した寸足らずの荷物車が連結されていますが,メルクリンからはリリースされませんね.
以前,地元の模型屋でロコのICカラーとBLSカラーの荷物車を見つけたのですが,縮尺や連結器などについて躊躇しているうちに数日後には二輌ともショーケースから姿を消していました.
あれも一期一会だったな~

ところで,この郵便車の煙突は暖房用でしょうか.車内で石炭ストーブでも焚いていたのかな?
天窓が塞がれる前のモデルも面白いでしょうね.期待したいです.
by 深山苧環 (2010-05-04 08:18) 

Akira

こんにちは、深山苧環さん。

郵便車両は、貨客車問わず私も大好きです。スイスの郵便車は詳しくないですが、全長の短い車両もありますね。ドイツでも車端部分がSchürzenwagenと同じ形状ながら2軸台車の全長13mなんてのもあったようです。

さて、煙突なんですが、石炭ストーブではなさそうです。暖房は客車なので蒸気+電気暖房が装備されています。図面では煙突があるだけなのですが、何かその発生源があるはずです。ちなみに(WRümh134など)食堂車にもこのような煙突はありました。食堂車の場合はレンジからの熱を逃がすための煙突など考えられますが、郵便車だと想像がつきませんねぇ。

ご存知の方は、教えていただければ...。

天窓については、戦後も残っていた車両もあるようです。側窓が少ない分、郵便物の仕分けなどの作業上の明かり取りという役割なのではと思います。戦前仕様のモデル(43261)には、この天窓があって、室内照明をつけると屋根からも明かりが漏れて奇麗でしょうねぇ。
by Akira (2010-05-04 16:56) 

BOAC VC10

Transpressの郵便車ハンドブック(Kleine Typenkunde deutscher Bahnpostwagen)によりますと、
50 80 00-12 605-4は、1941~43年製のPost 4(ue)-a/21,6がベースのようです。

暖房は(Elektrische Heizung)、Niederdruck-Umlaufdampfheizung、Ofenheizung(allgemein)/statisch(mit Luftsaugerm)
とのことなので、(電気暖房)、低圧蒸気暖房、(一般的な)ストーブのようですが、最後の/以降が良く解りません。
旅客列車に連結の場合は蒸気・電気暖房ですが、貨物列車に連結の場合はストーブだったのかもしれません。
(日本の貨物列車の車掌車には、だるまストーブが設置されてましたっけ?)

郵便車は手紙用、小包用などの区分があるみたいで良く分からないですね。
日本の郵便車も仕分室のありなしや「護送用」とかで形式が分かれていましたね。
そういえば日本の郵便車も戦後の一時期は投函口があったそうです。
by BOAC VC10 (2010-05-04 22:49) 

Akira

BOAC VC10さん、おはようございます。

情報とご指南ありがとうございます。やはり戦前生まれだったのでしょうね。戦後ではGörlitz III Schwer台車など使うのか?とも思っていました。
Kamin(煙突)は、確かに貨物列車との混成ならストーブに使うでしょうね。理解できました。(因にヨ6000などはダルマストーブだったかと..。余談ながら私の通っていた高校もダルマストーブでした♪)

statisch(mit Luftsaugern)は、排気機能付き静電気?ちょっと私もわからないですが、ストーブを使うときは、空気の汚れを排気する必要はあるかと思いますが、特に東欧などでは冷え込みが厳しいので単なる換気口にはならないかと。そのための何かでは?
by Akira (2010-05-05 09:45) 

BOAC VC10

戦後製のDBPの郵便車でも、Minden台車を履いた23m級の軽量客車(対応する座席車は試作車のみ)の前は、しばらく戦前型ベースでGörlitz III台車のものが造られていました。
形式の「-a」「-bII」は仕分室・小包室の配置の分類のようで、外観は同じでも形式違いがあるようです。
ストーブの訳は「汎用の固定式(排気口付)」というところでしょうか。

日本の郵便車の投函口の件は2chで見つけたのですが、GHQの指示で設置したものの、宛先と別方向の列車に投函され反対方向に送り返したり、発車間際に投函して危険とのことで定着しなかったそうです。
by BOAC VC10 (2010-05-05 18:31) 

Akira

BOAC VC10さん、こんばんは。

ご指南の数々感謝に堪えません。戦後でもGörlitz III台車が作られていたのですね。
「-a」や「-b」は枝番なんでしょうねぇ。車体は同じで内部が異なるのですね。

日本の郵便車の投函口についての史実は興味深いですね。反対方向列車への投函は容易に想像できますね。発車間際の投函は私も充分理解できます。私もあったらやりそう...。
by Akira (2010-05-05 20:27) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0