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IKAHODENSHA 上州を走ったトラム [日本の鉄道]

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以前、当ブログで伊香保と渋川、前橋、高崎を結ぶ路面電車の写真について、田部井氏の写真展を1度紹介したことがある。
先日行われたドイツフェスティバルの初日に、前回に続いてその田部井氏が訪ねてくださった。しかも、この時には以前東武博物館で催された彼の写真展のカタログをお土産に頂いたのである。

彼の作品については、今更ここで述べる迄もないが、昭和20年代から彼は自身の地元である高崎を始め、その近隣の鉄道を撮影されている。そして今では、彼の多くの写真が貴重な資料として鉄道趣味誌に留まらず、様々な媒体で見る事ができる。
ドイツフェスティバルでは、あまり時間がなく彼とゆっくりお話することが叶わなかったが、わざわざ訪ねて来て頂き、お元気でご活躍のご様子で嬉しかった。

さて、頂いた本はおそらく市販されているものではないと思う。この本には、私が生まれる少し前迄高崎でも走っていたトラムの写真をおさめたものである。当時は、まだまだ自動車など庶民の持てるものではなく、いわゆる足として日常使われていたもの。ただ、自動車の発達に伴い、廃線になってしまったのは充分に理解出来る。何故なら、路面も線路の状態も悪く、車両も乗り心地など今では考えられないほど酷いものであったことは容易に想像出来る。良く脱線もしたらしいし、ビューゲルによるトロリ集電は外れてしまうことも間々あったろう。従って速度も知れている。自動車の方が快適である。さらには運営も赤字続きだったと聞いている。

しかし、この写真集を見ながら感じるのは、それこそクルマの少ない通りに路面電車と歩行者がゆったりと移動している姿である。ここから見えるのは我々が得たものと同時に見失ったものである。この見失ったものこそ私達が求めているものではないだろうかと思うのである。ここ高崎に限らず多くの地方都市は中心市街地が空洞化に悩み苦しんでいる。ここにもし、しっかりした路盤に状態の良いインシュレーターのついた線路、大型で快適、スピードも出るトラムがあればどうであろうか。集電も今や架線レストラムも実用化されている。そして中心商店街はトランジットモールとなれば、再び市内に活気が蘇る...そう思うのである。

もちろん、そのためには様々な問題が立ちはだかっている。それらを全て考え合わせても「まちづくり」の目で捉えれば、個性的で住みやすい街になれるのではないか..と、この写真集にある我が家の近所の様子を見ながら思うのである。
そのためには、まずこの街に住む人々の新しいトラムに対するコンセンサスを取る事が最も大切なことである。

参考サイト:お薦めの写真集『上州を走ったトラム 伊香保電車』。/ 編集長敬白アーカイブ
http://rail.hobidas.com/blog/natori09/archives/2008/04/post-742.html
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Bemo

Akira さん

情報、ありがとうございます。

ところで、水曜日から、幕張メッセで
、鉄道技術展がありますね、私は仕事で行けませんが。
by Bemo (2011-11-08 12:43) 

Akira

こんにちは、Bemoさん。

鉄道技術展は、明日から3日間の予定ですね。私もまた行きたいと思っています。
by Akira (2011-11-08 13:08) 

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