60948 märklin Sound Decoder mSD(〜ER 20 "alex"のサウンド付きmfxデコーダー化改造) [Maerklin-Zubehoer]
入手した廉価版機関車(ディーゼル機関車サウンド)用mSDデコーダー(60948)をER 20 "alex"(36848)に組み込む改造を行ったので、それをレポートしたいと思います。
まず、用意するものは機関車とデコーダーの他に、精密ドライバー(メルクリン純正を推奨)と電子工作用ハンダごて(温度調節出来るタイプが推奨)です。
上画像は、機関車のボディを外したところ。この機関車の場合は、台枠中央付近にプラスネジ1本で止められているので分かりやすいです。
廉価版機関車はデコーダー基板に左右の前照灯からのケーブル基板が差込まれているので、これ両方共外す。
基板と接続している4本のネジを外してから、モーターから左右にカルダン棒で駆動台車と接続されているので、2本のカルダン棒を外します。
モーター上の基板に接続されている3カ所のケーブルをハンダごてを使って外す。更にモーターも基板とハンダで接続されているので、これも外します。
台枠から外したモーターと基板。
60948のデコーダー台座となる基板をモーターにハンダ付けします。
スピーカーに接続する2本の白いケーブルは、基板の外側に向けて配線されているので、1度上側に向けてから、台枠下のスピーカー台座に向かう穴に通すと、ケーブルがボディに触れません。(TRAXX機関車では、ボディにケーブルが引っかかるため、それを1度外し逆方向にハンダし直すという手段もあるという話も聞いていますが、TRAXXでは試していないので未確認です。)
左右のカルダンシャフトを元の位置に取付けます。
基板を台枠にネジ止めします。この基板は、台枠のネジ穴やケーブルの接続位置が外した基板と全く同じ位置に配置されているので気持ちよく工作が出来ます。3本のケーブルを元と同じ場所にハンダ付けします。
キットのスピーカーに、裏側に向けた台座から出ている2本の白いケーブルをハンダ付けする。(この場合極性はどちらでも構わない)
スピーカー台座にスピーカーを載せ、スピーカー止めを押し込みます。この時、スピーカーの向きは両面を試してみましたが、ケーブル側が下向き(表側)の方が良いサウンドを得られました。
最後に再び左右の照明ケーブルを、基板ソケットに差込みます。その後、mSDデコーダーを21ピンソケットに(浅く差込むとすぐに外れるため)深く差込みます。(mSDデコーダーの差込む向きに注意してください)
レールに台枠車体を載せてテスト。
テストで結果が良好であれば、ボディを載せてネジ止めし完成です。
CS2で自動認識された、この機関車の表示は上画像左側である。機関車名は「mSD Diesel」とあり、機関車画像も「???」であるため、CS2上で表示のカスタマイズを行ないます。
機関車名については、日本語表示がバグ*だらけなのでドイツ語表示に変更し、ネーミングを「ER 20 "alex"」に設定。
*)現在はソフトウエアのアップデートで改善されています。
機関車画像もCS2の機関車画像リストから取込み表示させます。CS2画面のファンクションを見ると、様々なファンクションの存在を確認出来ます。例えば、レールのジョイント音などは以前VT137の専用ESUデコーダーでの存在があったくらいではないでしょうか。以下にファンクションの説明を記します。
f0: 前照灯
f1: バッファ衝突音
f2: 走行音
f3: 警笛(低音)
f4: 漸次加減速 off
f5: 連結器連結音
f6: 連結器開放音
f7: 警笛(高音)
f8: 圧搾空気排出音
f9: ブレーキスキール音 off
f10: 空気ポンプ音
f11: 出発合図笛音
f12: 出発アナウンス音
f13: ドア閉め音
f14: レールジョイント音
f15: 検札案内音
これで全て完了です。適切な撮影環境ではない中で撮った映像がありますので以下にそれを..。
mSDデコーダーを取り付けた試走動画を以下YouTubeにアップしました。
Märklin H0 36848 ER20 002 SIEMENS Dispolok "alex" mit 60948 mSD Decoder.
走行映像は以下にあります。
Märklin 36848 (ER 20 "alex") + 60948 mSD Decoder.
全体の印象としては、ハンダごては必要なものの、mSDデコーダーとは、21ピンのプラグ/ソケットで接続される構造のため熱の影響を受けにくく、またケーブルも適切な位置にしかハンダ付けできないため、誤配線のリスクが極めて少ないです。結果として改造に伴うデコーダーを壊すようなリスクが少なく、失敗しにくい構造であるのは良いと思います。
今回私も久しぶりにハンダごてを握って工作したのであるが、老眼が進み以前のような作業が困難になって仕上がりも酷いものになったのは残念の極み。結果、時間は掛かったものの、上記の理由でなんとか問題なく機能し、工作としては簡単な部類だと感じた次第です。(ちなみに60760デコーダ取付け時の工作より遥かに簡単かつ短時間に出来た)
取扱説明書に日本語はないが絵で表示されているため、文章が読めなくてもこれを傍らに置いて見ながら作業されることをお薦めします。
mfxサウンド化がなされた廉価版機関車は、既にその域を出て立派なメルクリンモデルです。単純で明快な構造自体は、むしろメルクリンらしさすら感じるモデルとなっていることを改造を通して実感したました。そして何より今までより遥かに運転して楽しい機関車になったことは、読まれているファンの皆様がご承知であると思います。
[ご注意] ここに記す改造や設定などは、個人で行ったものです。これらを行う場合は各自の自己責任においておこなってください。
[EDIT] 2020-12-16
まず、用意するものは機関車とデコーダーの他に、精密ドライバー(メルクリン純正を推奨)と電子工作用ハンダごて(温度調節出来るタイプが推奨)です。
上画像は、機関車のボディを外したところ。この機関車の場合は、台枠中央付近にプラスネジ1本で止められているので分かりやすいです。
廉価版機関車はデコーダー基板に左右の前照灯からのケーブル基板が差込まれているので、これ両方共外す。
基板と接続している4本のネジを外してから、モーターから左右にカルダン棒で駆動台車と接続されているので、2本のカルダン棒を外します。
モーター上の基板に接続されている3カ所のケーブルをハンダごてを使って外す。更にモーターも基板とハンダで接続されているので、これも外します。
台枠から外したモーターと基板。
60948のデコーダー台座となる基板をモーターにハンダ付けします。
スピーカーに接続する2本の白いケーブルは、基板の外側に向けて配線されているので、1度上側に向けてから、台枠下のスピーカー台座に向かう穴に通すと、ケーブルがボディに触れません。(TRAXX機関車では、ボディにケーブルが引っかかるため、それを1度外し逆方向にハンダし直すという手段もあるという話も聞いていますが、TRAXXでは試していないので未確認です。)
左右のカルダンシャフトを元の位置に取付けます。
基板を台枠にネジ止めします。この基板は、台枠のネジ穴やケーブルの接続位置が外した基板と全く同じ位置に配置されているので気持ちよく工作が出来ます。3本のケーブルを元と同じ場所にハンダ付けします。
キットのスピーカーに、裏側に向けた台座から出ている2本の白いケーブルをハンダ付けする。(この場合極性はどちらでも構わない)
スピーカー台座にスピーカーを載せ、スピーカー止めを押し込みます。この時、スピーカーの向きは両面を試してみましたが、ケーブル側が下向き(表側)の方が良いサウンドを得られました。
最後に再び左右の照明ケーブルを、基板ソケットに差込みます。その後、mSDデコーダーを21ピンソケットに(浅く差込むとすぐに外れるため)深く差込みます。(mSDデコーダーの差込む向きに注意してください)
レールに台枠車体を載せてテスト。
テストで結果が良好であれば、ボディを載せてネジ止めし完成です。
CS2で自動認識された、この機関車の表示は上画像左側である。機関車名は「mSD Diesel」とあり、機関車画像も「???」であるため、CS2上で表示のカスタマイズを行ないます。
機関車名については、日本語表示がバグ*だらけなのでドイツ語表示に変更し、ネーミングを「ER 20 "alex"」に設定。
*)現在はソフトウエアのアップデートで改善されています。
機関車画像もCS2の機関車画像リストから取込み表示させます。CS2画面のファンクションを見ると、様々なファンクションの存在を確認出来ます。例えば、レールのジョイント音などは以前VT137の専用ESUデコーダーでの存在があったくらいではないでしょうか。以下にファンクションの説明を記します。
f0: 前照灯
f1: バッファ衝突音
f2: 走行音
f3: 警笛(低音)
f4: 漸次加減速 off
f5: 連結器連結音
f6: 連結器開放音
f7: 警笛(高音)
f8: 圧搾空気排出音
f9: ブレーキスキール音 off
f10: 空気ポンプ音
f11: 出発合図笛音
f12: 出発アナウンス音
f13: ドア閉め音
f14: レールジョイント音
f15: 検札案内音
これで全て完了です。適切な撮影環境ではない中で撮った映像がありますので以下にそれを..。
mSDデコーダーを取り付けた試走動画を以下YouTubeにアップしました。
Märklin H0 36848 ER20 002 SIEMENS Dispolok "alex" mit 60948 mSD Decoder.
走行映像は以下にあります。
Märklin 36848 (ER 20 "alex") + 60948 mSD Decoder.
全体の印象としては、ハンダごては必要なものの、mSDデコーダーとは、21ピンのプラグ/ソケットで接続される構造のため熱の影響を受けにくく、またケーブルも適切な位置にしかハンダ付けできないため、誤配線のリスクが極めて少ないです。結果として改造に伴うデコーダーを壊すようなリスクが少なく、失敗しにくい構造であるのは良いと思います。
今回私も久しぶりにハンダごてを握って工作したのであるが、老眼が進み以前のような作業が困難になって仕上がりも酷いものになったのは残念の極み。結果、時間は掛かったものの、上記の理由でなんとか問題なく機能し、工作としては簡単な部類だと感じた次第です。(ちなみに60760デコーダ取付け時の工作より遥かに簡単かつ短時間に出来た)
取扱説明書に日本語はないが絵で表示されているため、文章が読めなくてもこれを傍らに置いて見ながら作業されることをお薦めします。
mfxサウンド化がなされた廉価版機関車は、既にその域を出て立派なメルクリンモデルです。単純で明快な構造自体は、むしろメルクリンらしさすら感じるモデルとなっていることを改造を通して実感したました。そして何より今までより遥かに運転して楽しい機関車になったことは、読まれているファンの皆様がご承知であると思います。
[ご注意] ここに記す改造や設定などは、個人で行ったものです。これらを行う場合は各自の自己責任においておこなってください。
[EDIT] 2020-12-16
こういう記事を見ると、私もサウンド化に取り組みたくなります。TRAXXはもちろん、111形とか143形とかも。技術力には自信がありませんが。
by HUH (2012-04-25 07:33)
おはようございます、HUHさん。
少なくとも今回の経験で廉価版機関車のmSDデコーダー取付け改造は、そう難しいものではないと感じました。(最大の問題は老眼による細かな作業がしづらかったこと)
技術力はハンダごてが使えれば大丈夫というレベルです。ちなみに私自身は、小学生の頃よく児童館で2石程度のラジオ組立てキットを買ってもらって何度か作りましたが、その程度の工作より簡単という印象でした。是非お試しください。
by Akira (2012-04-25 09:08)
おはようございます。
動画を見ながら「HOってやっぱりいいなぁ」と思ってはいけないことを思ってしまいました…。
すでにNでかなりの額をついやしてますから、いまさらHOに鞍替えしたら妻になんて言われるやら。
でも、いいですねぇ(笑)
by Gut (2012-04-26 07:10)
こんにちは、Gutさん。
Nは何よりレイアウトを作る敷居がH0より遥かに低いのが良いですよね。今はサウンド付きDCCも可能ですし、ご自身の指向と事情を加味して判断するのが良いと思います。私はメルクリンH0を始めたのがきっかけでN自体が珍しかった時代ですからそのまま..という感じです。ただ、1つだけ言えることは、老眼になった今、H0でも中々扱いづらくなったモデルがNになったら..と思うと..。
両刀使いという方法もあるかな..という悪魔の囁きも加えておきましょう..(笑)
by Akira (2012-04-26 11:29)