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Type Lx / CIWL [欧州鉄道]

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MITROPAのCIWL寝台車がきっかけで、以前にも増してCIWL客車に対しての興味が湧いて来て色々調べたりしているうちに、私がドイツ滞在中僅かであるがCIWL車両を撮影できたことを思い出した。その遭遇の1つを記してみたい。

上画像の車両はCIWLのLx寝台車である。これはフランス東部のミュールーズにある鉄道博物館にある車両で、この他に331Km/hの最高速度を打ち立てた電気機関車や赤いBB9200など、フランスの鉄道に疎い私でもメルクリンモデルなどを通して知った車両も展示されていて、興味深く充実した展示の鉄道博物館であった。もう20年ぐらい前の話である。

ここで撮影したリバーサルフィルムはあまりないのだが、当時CIWL客車については詳細はわかっていないものの、その存在感たるや素晴らしいものであった。手元にある資料では、ここに展示されているCIWL客車は、博物館でもSNCFの所有でもなく、本家CIWL社の保有のようである。車内にはもちろん立ち入ることができなかったが、Lx寝台車特有の広く大きな窓からは、豪華な室内が良く見えたことは憶えている。そして上画像がその時撮った写真である。おそらく1928/29年製のLx20形、車体番号は3532である。他に、1926年製プルマン客車のWSP 4018(Flèche d'Or)も展示されている。

CIWL客車の車体番号は製造順なのであろうか、食堂車、プルマン、寝台車などの種別は車体番号に関係なく、同じ形式と製造工場で番号区分されている。画像のLx寝台車は、3496から3555迄の60両のLx20形がE.I.C.(Entreprises Industrielles Charentaises)社によって製造された中の1両である。

CIWL客車の製造元は、フランスや本社工場のあるベルギーのみならずドイツやイタリア、スペインなど欧州各国に35社を数える。その中には現在既に無くなってしまった会社もあるし、生き残っている車両製造工場もある。それだけ、当時のCIWL客車はヨーロッパ大陸からアジアに至る迄路線も多く数多くの車両が必要であったということに他ならないのである。

CIWL社の修理/保守工場については、欧州のみならず満州国時代のハルビンにもあったとのこと。独自の線路は持っていないが、大陸では最も大きい鉄道会社であったのではないだろうか。そういえば、西ドイツ時代にミュンヘンの郊外NeuaubingにあるDBの車両修理工場に訪れたことがあるが、その一角にISG(ドイツ語のCIWL)工場も併設されていたことを記憶している。ドイツと言えばMITROPA/DSGであるが、国際列車ではCIWLがサービスする列車も少なからずあったはずである。

この鉄道博物館、ドイツのような整然とした展示ではなく、館内の雰囲気が美術館のようでオブジェ然とした、それもヨーロッパらしい作品と極めて近いイメージを持つ素晴らしい場所であったことは記しておきたい。幻の名車と言われるブガッティのコレクションが中心の自動車博物館も近くにあるので、ミュールーズの2つの博物館は、最新トラムも含めて欧州鉄には外せない博物館である。

参考サイト:
ミュールーズ鉄道博物館 http://citedutrain.com
Wikipedia.jp http://ja.wikipedia.org/wiki/シテ・デュ・トラン
タグ:museum CIWL LX
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コメント 5

klaviermusik-koba

いろいろと興味深く見せてもらっています。ミュルーズの鉄道博物館、一度訪れて見たいと思います。BB9200も一度見ておきたいものです。車両が博物館の所有でない、というと有料か無料かで借りていることになりますね。前のET85の話題の時にも博物館どうしで行ったり来たりもあるようなので、20年あとの現在ではまた様相も変わっているのでしょう。
by klaviermusik-koba (2013-09-09 09:14) 

Akira

おはようございます、kobaさん。

コメントありがとうございます。ドイツにも近く、フランス最大の鉄道博物館ということなので、一見の価値は充分にあると思います。
ここのCIWL客車は、所有者別現存車リストのCIWL社所有欄に保管場所が記されていて、このLxやプルマンがここの博物館になっていました。これ以外は、Villeneuveの車庫に保管されているようです。状態は悪いようですが、仏軍にも数多くあるようですが、中々目に触れることはできなさそうです。

今の鉄道博物館は、ウエブサイトなどで見るしかありませんが、リニューアルはされているようです。CIWL客車はまだ展示されているようです。
by Akira (2013-09-09 11:14) 

ねこ

突然のコメント失礼します。
私は、映画や小説のレビューブログを開設しているのですが、アガサ・クリスティの『青列車の秘密』という作品を紹介する際に、その舞台となった青列車Lx(もしくはS型?)型の参考画像も載せたいと思い探しておりましたところ、当ブログにたどり着きました。もし可能でしたら、ページtopの画像を利用させていただけないでしょうか?
by ねこ (2015-10-12 12:39) 

Akira

ねこさん、こんにちは。

Spielkisteブログにようこそ。アガサ・クリスティは好んでCIWL客車を登場させるので私も好きですが、Le Train BleuにはS形やLx形が使われていましたね。来週からNHK BSで始まるアガサ・クリスティ原作のドラマもCIWL客車が登場するようで楽しみです。

さて、この画像は私が撮影したものなのでご使用は構いません。ただ、よければ画像の拡散を防ぐためにクレジット(Copyright: Akira Inoue)を入れていただければ嬉しいです。
by Akira (2015-10-12 20:42) 

ねこ

ありがとうございます!
テレビドラマも楽しみです[ぴかぴか(新しい)]

コピーライトを入れて、掲載させていただきます!!
by ねこ (2015-10-12 22:41) 

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