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ドイツの自動車免許 [欧州自動車]

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klaviermusik-kobaさんのブログでドイツの自動車免許の記事があったので、私も手元にあるドイツの免許証についての思い出話など少ししてみたいと思う。

ドイツの自動車運転については、先日発刊された「鉄道デザインEx 07」の拙文にも少し記したのだが、美術大学入学後、住まいのあるカールスルーエから大学のあるフォルツハイム迄当初列車で通っていた。(敢えて列車と記すのは、当時電車ではなく電気機関車牽引の客車列車だったからである)
最初、列車通学を満喫していた私も、駅からトランスポーテーションデザイン校舎迄の公共交通の便が悪い上に、更に少し離れた本校舎や学生食堂のある経済学部校舎へ行くのは、誰かのクルマに乗せてもらうしかなく、クルマの必要性を強く感じるようになってきたのである。そこで私は、中古のVWゴルフを購入して通学の足にした。クルマを持つことで、大学での移動を始め飛躍的に行動範囲が広がったのは嬉しかったが、一方当時私の自動車免許は、日本の自動車免許とそれをADAC(ドイツ自動車クラブ)で翻訳した書類だけであった。ご存知のように日本の免許証は有効期限があり、91年春に免許が失効すると当然翻訳書類も無効となる。当時は、日本の自動車運転免許証をドイツの運転免許証に書き換えるためには、ドイツでの半年間だったかの運転実績があれば、実技試験免除だが、筆記試験が必要であった。

当時、まだまだドイツ語が苦手であった私は、半年間の運転実績後もすぐに試験に受かる自信がなく書き換えを先延ばしにしていたのだ。そしていよいよ日本の免許証の失効予告通知が実家から届くと、試験を受ける腹をくくり、所轄の警察だったかに免許書き換え手続きに出掛けた。すると、なんと直前に日独間の運転免許証は筆記試験免除になったとのこと。つまり申請書類と日本の免許証とその翻訳、そしていくばくかの手数料を支払い、数週間後だったかに無事画像の免許証が交付された。

この免許証は欧州共同体共通の免許証で上に大きくドイツの「D」のマークが見える。「FÜHRERSCHEIN」は運転免許証の意。ドイツを始め多くの欧州諸国は、大陸で地続きゆえ、国境を越えて旅行することもしばしばなので、こういった共通の運転免許証になっている。欧州内の国際免許という感じだろうか?もちろん当時共産圏であった東欧でも有効である。そして何より素晴らしいのは無期限であること。日本では有効期限が過ぎたら免許証は失効されてしまうが、ドイツのそれは定期的な免許更新が不要である。なので帰国した今でもドイツで取得した免許は欧州では有効である。(日本の免許証に記載されている現住所や本籍地などはドイツの免許証には記されておらず、発行地のみ記されている)

そういえば、ドイツの自動車免許取得は、日本同様実技試験と筆記試験の両方に合格する必要があるが、構内教習施設のあるような大規模な自動車教習所というものがない。実際利用したことはないので詳細は不明だが、日本のような構内教習は無く、一般住宅のような建物に自動車教習の看板が掲げられているのは良く見かける。そして教習内容は、いきなり公道教習になるようである。もっとも東京のような渋滞はほとんどないであろうし、道路環境はおそらく世界で最も優れた国の一つであろうし、市街地50Km/h、国道100Km/h、速度無制限のアウトバーン(推奨最高速度130Km/hで、もちろん制限区間もあります)なので、自動車教習は特段そのための設備が必要ではないのかも知れない。もっとも自動車が生まれた国であるドイツから見れば、日本の教習システムの方が普通ではないのかもしれないが。

[EDIT] 2013-10-03
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klaviermusik-koba

おはようございます。

60年代と90年代では免許を取る環境もずいぶん変わったみたいです。昔は市街地の制限速度は60キロ、国道は100キロ、アウトバーンは特別指定されたところ以外は制限なしでした。交通量が増えるにつれてドイツも少しづつ変わったのですね。
変わらないのは終身免許、ということで、いまだにヨーロッパに行ってもそのまま通用するのですからこれは便利です。そもそも日本でなぜこんなに頻繁に書き換えをしなくてはいけないのか、理解できません。終身はともかくとしても、10年おきくらいで十分ではないかと思います。

ヨーロッパで車を運転していて、免許の提示を求められたことは私の記憶にありません。レンタカーを借りる時もしかり。もうボロボロになった私の免許証ですが、それでも時折重宝します。
by klaviermusik-koba (2013-10-01 09:41) 

Akira

kobaさん、おはようございます。

市街地の制限速度は50Km/hでした。失礼しました。また、現在もアウトバーンは制限速度なしの区間もありますが、高速度での重大な交通事故の度に速度制限が議論になります。裁判所の判例で速度制限無し区間で130Km/h以上で交通事故を起こした場合、罪を問われることもあって、一応130Km/hが推奨制限速度となっています。昔に比べて速度制限区間が増えたことや頻繁に工事や渋滞する区間もあって、昔程快適なアウトバーンというわけではなくなってきているようです。

終身免許制度は私も旅行でレンタカーを借りる時などで重宝しています。私の場合帰国後日本の免許が失効してしまったのでドイツの免許から書き換えたのですが、その場合保険料などはドイツの実績は考慮されず、新規取得扱いでした。そのあたりはまだまだですね。

免許提示については、オービスに引っかかったこと数回、フランスのストラスブールでは検問でアルコール検査をさせられたことがあります。(セーフでしたが...)
by Akira (2013-10-01 12:23) 

jamada

こんにちは

私が最近聞いた話では
ドイツ免許の有効期間は2013年から以下のように変更となり
1.2013年1月19日以降発行の免許は15年間有効。
2.それ以前に発行された免許は2033年1月19日に失効
となったようです。

理由は
EU全体で運転免許をコントロールする、
技術の進歩で免許の偽造や悪用が防げる、
また写真を新しくすることによって本人確認を
容易にする、となっています。

2.についてはネットの情報を(日本語で)見ても
そう言った話があるような、ないような、なので
どこまで正確か、はわかりません。

まあ、20年後にドイツで車を運転することもないと思いますが、
注意はしておいたほうが良さそうです。

では。
by jamada (2013-10-03 21:28) 

Akira

jamadaさん、こんばんは。

ありがとうございます。日本も高齢化社会が身近になってきて、歩くのもおぼつかない高齢者が自動車を運転している姿を見て、無期限というのは問題がある気はしていました。なので2033年1月迄有効というのは、妥当のような気がします。あと20年後は流石に運転できない..と言うか運転しない方が良い年齢になっています。
ただ、15年有効の免許所有者は15年後に更新になるのでしょうね。視力検査ぐらいはするのかな?
日本の短すぎる更新頻度とは比較にならないですが。
by Akira (2013-10-04 00:38) 

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