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MaaS入門 〜まちづくりのためのスマートモビリティ戦略 [まちづくり]

先日ようやくタイトルの本を手に取ることができました。
昨年秋頃からテレビなどメディアでも取り上げられるようになり、現在、交通分野では関心を集めているキーワードです。

このMaaS(Mobility as a Service)という聞きなれない単語を初めて耳にすると、なんのことか全くわからないのですが、これまでの「移動」の概念が大きく変わることは、メディアを通して流れてきた解説からは伝わってきました。

これまでも鉄道をはじめとした公共交通機関は、私が長く住まいを持ったドイツと日本では、地域の公共交通を一体的に管理運営しているところから仕組みが大きく違い、このような概念は日本で生まれにくいものだということは理解できます。逆に言えば、欧州では既存の公共交通による移動システムにICTが組み合わさることで、MaaSの根幹であるシームレスな移動が可能になるという考えに至るのはごく自然な発想であり、できるべくしてできた概念と言えるのではないでしょうか。

本書は、そうした日本特有の仕組みの中で、今後否応無く迫られるであろうMaaS化される公共交通の変化をどうすれば構築できるか考える上でのヒントを、欧州や北米の事例を挙げながら詳しく、そして丁寧に説明しています。特に日本の仕組みにどっぷり浸かっている場合は、このMaaSを導入したくてもそこに立ちはだかる高い壁を越える必要があり、そこを変革させるアイデアを導くためのデータが満載されていると私は感じました。

このMaaSを進めるのは公共交通事業者だけではなく、行政、アプリ開発者、研究者、そしてトランスポーテーションデザイナーも関わることになります。この移動改革とも言えるMaaSの出現は、もしかしたら公共交通システムが一番変革されたのが日本であると言われる日が来るかも知れません。
それは、今後数年での出来事になる可能性すらあります。

そういう意味でも、本書はMaaSの概念の基礎を押さえたわかりやすい内容であるので、職務以外でもご興味のある方はご一読をお勧めいたします。


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