48297 DRG G Hannover(P) "Bahlsen" / Ep.II [Maerklin-Guterwagen]
昨日の記事で「Pick up!」を紹介しましたが、その製造元であるハノーファーのBahlsen社の広告入り貨車モデルを紹介したいと思います。このモデルは以前当ブログでも記事にしていましたが、改めて記します。
このモデルは、古典貨車に鮮やかなBahlsen社の広告が入っています。この広告を見ると昔からここのビスケット愛好者の多いことが窺われます。
車端部分の側面です。緩急室が高い位置に設えてあり、窓からは屋根を通して列車全体が見通せるようになっています。乗務員は緩急室へは梯子を使って乗降します。
実車は、G形で後のG10形に相当します。1910年から製造されドイツ(初期は、まだドイツという国は存在しませんでした。)で1927年まで12万両を超える車両数を生産、運用に就いた最大の有蓋貨車です。
G形は様々なバリーションが存在するようですが、Hannover形の他、Kassel形やMünchen形などもあるようです。メルクリンでも屋根や緩急室の形状など複数のバリエーションが製品化されています。
両側の車端部分を正面から見たところです。金属製のレーリングと樹脂のブレーキ回転棒など強度も考え合わせて程よいディテールを実現させているのは、メルクリンの進化を示す好例に思います。
表記部分です。各種積載荷物の容量制限やDRGとHannover、そして車両番号が読み取れます。(P)は私有貨車を意味しますので、これはBahlsen社の所有のようです。
広告の「LEIBNITZ-KEKS」ですが、これは昔も今もBahlsen社の主力商品のビスケット名です。パッケージこそ変わりましたが、ビスケットは変わらぬ味なのでしょう。赤い下地に「GROSSER PREIS 1904 - 1910 1911 - 1913」と記されていますので、この貨車は1913年以後の短期間に実際にあった車両かも知れません。(1914年あたりでしょうか。)
余談ですが、1914年にドイツ工作連盟(DWB)がケルンで建築展示会を開催しておりますが、この時お土産品にこの貨車に描かれているのと同じBahlsenのビスケットが用意されています。(パッケージのグラフィックは、当時の建築家でAEG社のデザイナーでもあったPeter Behlensによるものです)
台枠を見ると、実車とは無関係な文字列が見えますが、これは1997年に10月11-19日までハノーファーで行われた第15回 IMA(国際鉄道模型展示会)についての記されています。このモデルはIMA開催を記念して、IMA会場やハノーファーの模型店で販売されていたことを示すものです。
Bahlsen社をそのモチーフに選んだのは、ハノーファーを代表する企業の1つであることに他ならないでしょう。IMAが開催されるときは、毎回開催地にちなんだ広告入りのモデルがメルクリンからリリースされています。
モデルを俯瞰で見たところです。存在感のある貨車に見えます。
参考文献:「WAGEN」Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen