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49962 DBP Post4e (4-b/21,6) / Ep.IIIb [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 手ブレーキ側

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▲ 非手ブレーキ側

2007年からリリースを始めたEp.IIIb時代のSchürzenwagen車両を一通り紹介してきましたが、それ以前に幾つかのSchürzenwagenがリリースされていました。この郵便車もその1つで、mfxデジタル蒸気機関車サウンドモデルとして、2004年から2006年までの3年間カタログモデルとしてリリースされました。今回はこの郵便車モデル(49962)について紹介します。

当時は、まだサウンド付きモデルが少なく、サウンドなしの機関車の次位に連結してこのモデルを使ってサウンドを奏でることで、それらしい雰囲気を出すことの出来るモデルとして重宝されたと思います。また、同じEp.IIIb仕様の荷物車モデル(49964)はディーゼル機関車サウンド付きでした。
ただ、2007年にEp.IIIb仕様のSchürzenwagen客車がリリースされるまでは、メルクリンモデルだけでは中々組成させるのが難しいモデルでもありました。また、実際にこれらサウンドモデルを牽引する機関車と同期させて奏でるには重連統括機能を持つCSでないと難しいという側面もあり、設定にも一手間かかります。

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手ブレーキ側の妻部側面の画像です。Ep.IIIの表記類は車体左側に集中しています。客車では車端のドアから最初と2番目の窓の間に表記されることが多いですが、この郵便車は扉と最初の窓の間に形式、車体番号などが表記されているのがわかります。

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その表記です。車体番号が一番上の表記で「4917 Ffm」です。ヘッダの下には形式表記が記されていて「Post4e」と表記されています。

実車についてですが、手元の資料では、車番やそれに伴う車歴についてまでは記述を見つけることができませんでした。しかし、幾つかの興味深い史実を発見できましたので記しておきます。
まず、この車両は他のSchürzenwagenとは違い、戦後1950年に西ドイツで誕生し、1951年までに合計78両落成されました。よってDBPのみの在籍になります。また、Post4-b/21,6は、bI(31両)とbII(5両)の2種あったようです。小包専用の4-c/21,6(42両)という形式もあったようです。ただ、このあたりの違いは、室内レイアウトの違いのようですが、詳細は不明です。また、モデルには表現されている裾部分のSchürzen(スカート)が実車にはなく、床下機器が丸見えです。台車はモデルと同じGörlitz III Schwerです。
車体製造は、当初の20両がカッセルのGebr. Credé & Co. GmbHです。その後マインツのGebr. Gastell GmbHやザルツギッターのLHB社、また小包専用車両は、ブレーメンのHansa Waggonfabrik GmbH、Maschinenfabrik Esslingen、Waggonfabrik Uerdingen AG、そしてGebr. Credé & Co. GmbHによってなされました。
ただし、実車では、車体番号が5616-のようで、モデルの車体番号とは異なり、ここで記した実車記述とはもしかしたら異なる可能性もあります。

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郵便車に掲げられているサボが印刷されています。ここには、Saarbrücken HbfとFrankfurt (M) Hbfを2往復する4本のD-Zugの列車番号が記されています。

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郵便車の特徴の1つに車体に郵便投函口が設けられていることです。サボを見て投函するのでしょうか。

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車体中央に掲げられているポストホルンのマークです。現在の単純化されたデザインのマークも良いですが、この伝統的な旧マークも郵便車らしくて良いです。ちなみにポストがホルンのマークであるのは、郵便馬車時代からの伝統で、御者が各地の停留所に到着時にホルンを吹いて到着を知らせたことに由来があると聞いています。
ポストホルンマークの下には「DEUTSCHE BUNDESPOST」のロゴとその下には車両形式、その右横にはDBPの車両形式である「4-b/21,6」の文字が印刷されています。

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RICラスター表記です。この郵便車は国内線用のようです。

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REV表記は、1961年4月12日と記されています。

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所属駅は、Frankfurt (M) Hbfとなっています。DBPがDeutsche Postになり民営化された現在はあるかどうかわかりませんが、当時は大きな郵便局が中央駅の傍らにあり、鉄道と郵便は密接に機能していました。

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非手ブレーキ側の妻部扉下のステップに記されている文字列です。ここには、反対側の妻部に手ブレーキがある旨が記されています。

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台車はGörlitz III Schwerです。

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車体妻部正面です。

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同形式同時代の郵便車モデル(43262)がPMSから発売されていて、並べてみました。エクステリアの違いは、車体番号程度でしょうか。もちろんデジタルファンクションは内蔵しておりません。

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折角なので、PMSから発売されたDBP(Ep.IIIb)仕様のKöf IIモデル(36808)に牽引させてみました。機関車は小さいですが調和が良く、構内入換作業の雰囲気が出てきます。

このデジタルサウンドファンクションモデルは、最新のソフトウエアをインストールしたCS2やCS3、MS2では、13のサウンドファンクションを奏でることができるようです。(MS1では、7つのファンクションのみ機能)
メルクリン公式サイトを参照。

このモデルは、十分に充実したデジタルファンクションではありますが、欲を言えば、室内照明の点灯ができれば更に良いと感じています。

参考文献:Post4-bI/21,6; -bII/21,6; -c/21,6 / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag GmbH München
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