SSブログ

Baureihe 120 のまとめ [Maerklin-Lok]

IMG_9633sb.jpg

1979年のケルンで開催されたIVA(国際交通博覧会)で華々しくデビューした120.0形電気機関車は、早くも1980年にメルクリンから3351としてモデルがリリースされています。これは103形の時と同様、DBの看板となるであろう機関車は、いち早く製品化する一貫したメルクリンのポリシーのようなものでもあると思われます。103形同様量産先行機関車が登場したのですが、120形の場合は001-005号機で、メルクリンからは005号機以外の4種全てが製品化されています。005号機については前頭形状のスラント角度が異なるため異彩を放っていますが、それゆえ製品化はされていません。

IMG_9677b.jpg
▲ 1979年のIVA Kölnでデビューした仕様の37538モデル

この120形機関車は、103.1形のようなエレガントな美しさではなく、ダイナミックな力強さと整理された造形が魅力で、111形機関車の兄貴のような存在感があり、DBの新しいPI(プロダクト・アイデンティティ)を感じさせる機関車でした。120形のエクステリアデザインを担当したのは、DBデザインセンター最後のセンター長であったK.D.Bodak氏です。彼はInterRegioのプロジェクトを指揮した実績があり、私のインターン時代のボスだった方でもあります。

120形は、今改めてその造形を見直すと、前頭形状の造形は側面との繋がりの部分で無理のあるところもあり、幻となった121形のデザインでは、その不自然さの解消に留意しました。
121形機関車については、私がインターンシップしたドイツ連邦鉄道末期の1991年に、120形を更に速度アップした121形の構想があり、DBデザインセンターでスケッチから1/10モデルまで制作したこともありましたが、それらは残念ながら幻の機関車となりました。

IMAG0027nb.jpg
▲ DB デザインセンターで検討した121形のスケッチ

その120形機関車も先日7月5日をもって最後の定期運用のIC列車がStuttgart Hbf - Nürnberg Hbfを走り、終焉を迎えました。デビュー当時から終焉まで120形機関車はニュルンベルクにあったというのも興味深いです。
私個人は、ちょうどドイツに渡った1988年が120.1形のデビューと重なり、真紅の120.1形機関車が同色のIC列車の先頭に立つ姿を目の当たりにしているので尚更感慨深いですが、時の経つのが早いと感じられずにはいられない出来事でした。

img164nb.jpg
▲ 120.1形を先頭にOrientrotのInterCity列車 1988年

一時期は、これからの標準となる使命を負った120形機関車でしたが、世界初の3相交流インバータ機関車という新技術のため、不具合の続出や貨客両用という難しい運用とDBの民営化による貨物会社の独立など、120形機関車にとって逆風が重なり、その後が続きませんでした。
そして、旅客列車のICやECの先頭には101形機関車が次の世代の機関車として、また貨物列車には152形などが登場しています。

そうした経緯もあって私個人では120形にはことの外思い入れが強い機関車でメルクリンモデルも沢山手元に置いた時期もありました。

[モデルについて]

IMG_9601b.jpg
▲ メルクリンカタログから3153, 3348, 3653モデル

メルクリンからも試作機を始め、量産形のモデルも技術と時代の進展に合わせて、当初の樹脂ボディから金属ボディ、アナログ、デジタルの第1世代からmfx+デコーダー搭載機まで、広告機も含めて多くの仕様がリリースされています。
また、こうして製品の変遷を見ると、大まかには試作形のBR 120.0とBR 120.1の2種に分類できますが、120.0形については、ワッペンの有無や屋上の配線がデビュー当時の1列 (1 Dachleitung)から3列 (3 Dachleitung)になるなど改良を受けていて、メルクリンモデルでもそれに合わせて両方の仕様が用意されています。

それらを時代ごとに分類し、120.0形、120.1形をここで全て紹介できればと考えています。

続きを読む


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー