48000 K.W.Sts.E. (P) | Museumswagen 2000 / Ep.I [Maerklin-Guterwagen]
久しぶりの貨車モデル、2000年のミュージアム貨車セット(48000)について触れてみたいと思います。
毎年メルクリン本社工場のあるゲッピンゲンや近隣地域の企業の歴史的車両をモチーフにしたモデルをミュージアム訪問者のお土産として限定で生産されたミュージアムモデルですが、2000年は地元ゲッピンゲンのLeonhard Weiss社(以下LW社)のモデルが選ばれています。このモデルはEp.I時代のヴュルテンベルグ王国鉄道所属の緩急室付き漏斗貨車です。建設会社として起業した1900年から今に至るLW社は、鉄道工事も含めて総合建設業に成長しています。
このモデルは、おそらくコンクリートの元となる石灰石の運搬車両と想像できますが、LW社は素材の運搬車両を所有しているところからも、素材の調達から建設まで幅広い業務を行っていたと思われます。
緩急室側の車端部分側面です。積載重量が大きいためでしょうか、ボギー台車を履いています。
表記には、ジェッタリーン書体で「Museum 2000」と知るされています。
ボギー台車は、松葉スポークを持つ車輪です。この車輪は繊細さが際立ってEp.I時代の貨車に良く見られる特徴的な車輪です。
緩急室付近のディテールです。繊細さが良く表現されています。
緩急室には小判形に「38」の抜き文字が見えますが、これは38tまでの積載許可です。当時の貨車としては重量級だろうと想像できます。
非緩急室側の側面です。
車体側面に描かれたLW社のロゴマークです。現在も同社のコーポレートカラーとして使われている黄色が文字色になっています。興味深いのは、ロゴの左右に異なる二つのシンボルが記されていて、左側シンボルには線路断面と定規、そしてその下にはGegrundet(創業)と記され、右側にはツルハシ、スコップ、コンパスのマークで下には創業年の1900の文字が記されています。
また、車体台枠上左側には、ジェッタリーン書体で「Museum 2000」と表記されています。
所属駅は、もちろんゲッピンゲン駅です。
検査日表記は、1909年8月17日とあります。
車体側部下に左右4箇所のハンドルが表現されています。これは、積載された素材を輩出するためのものと考えられます。
上からモデルを見ると、素材の排出に配慮した漏斗状になっているのがわかります。
同梱されているダンプトラックモデルです。このモデルもLW社のロゴと黄色に塗装されています。白い素材が積載された状態ですが、この素材が貨車にも積載されると想定したものと思われます。
ヤードで、こうした建設素材を移送するシーンなどがこのモデルで楽しめそうです。
参考サイト:Leonhard Weiss