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346/2J (4009)CIWL WR / Ep.IIIa [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 厨房側側面

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▲ 厨房部廊下側側面

一昨日、CIWL食堂車を紹介したので、今回もCIWL/ISGの食堂車..しかもメルクリンのモデルを紹介したいと思います。
これは、Koll'sというメルクリンH0/00の歴代製品評価本からの引用ですが、1951年から57年にかけて製品番号346/2J(4009)としてリリースされたものであるとのことです。このモデルが新品で店頭に並んでいた時代には私はいなかったので、もちろん買える訳もありません。

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私がドイツのミュンヘンに4ヶ月ほど実習をしていた時、中心市街地のFrohmarkt(蚤の市)に散歩がてら出掛けた際に図らずもメルクリンH0のガラクタ?を売っていた処(それ自体驚き!)があり、その中にここに紹介したCIWLの食堂車がありました。当時は、24cm鉄板客車以前にメルクリンからCIWL客車が出ていたことすら知らず驚きました。食堂車以外にも同じシリーズの寝台車も沢山あり、それなりに使い込んだモデルでありましたが、当時DM 80,-(約6000円)もしたので買うのを躊躇した...のですが、結局1台の食堂車を少しばかり値切って買いました。

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▲ 車体側面中央のCIWLマーク。本来であれば向かい獅子が記されてあるはずですが、何故か荷物車に付けられているLWマークになっています。

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▲ 印刷で表現されたサボです。1950年代モデルなのですから精度に多くを望むべくもありません。文字として読めるのは「M」と「H 」だけです。これから想像できる単語は「München Hbf」と「Hamburg=Altona」でしょうか。

さて、このモデルは確かに塗装などハゲかかり、決して状態の良いものではありませんが、このモデルを観ているだけで当時の高級玩具の粋を感じることができます。とにかく頑丈に作られている上にブリキの素材自体も上質のものを使っているし、塗装も丁寧。オリジナルのモチーフは、DBのSchürzenwagen食堂車車体にCIWL塗装を施したものと想像できます。同様に赤いDSG食堂車仕様もリリースされているため、同じ材料を使って製造されたものでしょう。ただ、屋根の形状がCIWL独自でオリジナルのようです。

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このモデルがリリースされていた1950年代は、西ドイツでも戦争の傷跡が残り、1955年までは国際列車のDSG食堂車営業が許されていなかった時代と重なります。そして1951年のF-Zug "Rheingold-Express"、1953年のF-Zug "Loreley-Express"の新生DBの両看板国際列車が走り始めた年です。当然メルクリン社もこの看板列車の製品化に意欲があったと思います。CIWL 4008食堂車モデルの記事でも触れましたが、当時DSG食堂車に代わってCIWL食堂車が自国食堂車営業の許可が出る1955年までこの両列車の供食車両として連結されていました。その期間がこのモデルのリリーズ時期と重なっていたことに気づきました。ちょうど同時期(1953年〜57年)に製品番号346/6として同じ規格の鉄青色のSchürzenwagenモデルがリリースされていますので、一緒に組成して走らせることができます。このCIWL食堂車モデルがプロトタイプとなった実車車両自体は違いますが、他にもCIWL食堂車はこの期間国際列車として西ドイツに多く走っていたこともあるでしょうから、このモデルもあって然るべしだったと考えられます。

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このモデルを手にとって感じるのは、メルクリンが長く使うことを前提に設計し、それに対して顧客も良いと判断したものに対しては惜しみなく対価を支払うドイツならではの気質を反映した結果のように思えたことです。

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手元にあるEp.IIIaで似合いそうな機関車の次位に牽かせてみました。選んだのがBR 18.4ですが、結構似合うと思うのは私だけ..かもしれません。
さて、残念なのは、この食堂車に合う客車が1両もないこと。これらを揃える迄何年かかるか分かりませんが、是非揃えてみたいものです...と、ここ迄書いてKoll'sの2005年版を見ると何とEUR 200,-もします。DMはEURの半値である(DM1,-=EUR0,50)ので当時から5倍も値上がった?ことに気付き一気に萎えてしまいました。

[EDIT] 2020-08-18


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KDB

今晩は
このワゴン・リは大変古いものですね。たしか40~50年代製品のシュルツェン・ヴァーゲンの塗り替えでしょうか?ワゴン・リは見たことはありませんが、シュルツェン・ヴァーゲンの1等車と荷物車が80年ごろ「共立工芸」にあったのを思い出します(えらく高かった)。ところで、永くカタログにあった、品番4037の旧型2等車を塗り替えた、Primexブランドのワゴン・リが90年頃にあったのはご記憶ですか?寝台車、食堂車、プルマンカー、それに荷物車(これは4037の塗り替えでない)の4両でした。今も綺麗な状態で所有しては居ますが、いかんせん現在の製品には混ぜられません。まあ、動態保存ですね。
by KDB (2006-09-15 21:14) 

Akira

KDBさん、コメントありがとうございます。Koll'sによれば、仰る通りSchuerzenwagenと同じ型を使っているように思います。ただ、屋根はCIWL客車オリジナルです。これらモデルが店頭で売られていた50年代当時、Loreley-ExpressやRheingold(-Express)は、CIWL食堂車を連結してましたから、これで実車同様の編成が組めましたね。ある意味、今の方が揃えるのがむずかしい?
PrimexのCIWL客車知っています。確か茶色のP8形とのセット?でしたっけ。確かに私のも動態保存ですねぇ。
by Akira (2006-09-16 01:00) 

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