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29785 DBAG 402 022-8 / Ep.V [Maerklin-Lok]

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ICEスタートセット(29785)に同梱されている402形先頭動力車(ICE2)です。
このモデルは、1999年から2001年までの3年間リリースされたスタートセットです。デルタデコーダーを搭載したこの機関車のために32VAのアナログトランスとデルタコントロール(6604)が入っています。
その後は、29786として車両モデルの内容は同じですが、デジタル用トランス(6002)とコントローラ一体型のデルタコントロール4f(66045)に変わり、2002年から2004年までリリースされました。

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前面サイドから撮影した画像です。車体プロフィールは401形と基本的に変わるところはありません。

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このICE2は、私がDBデザインセンターでインターンシップをしていた1991年にはまだ製造前でしたが、既にプロジェクトは進んでいてエクステリアデザインの課題は議論されていました。基本的には、ICE1の造形に準じていることは決定済みで、車体断面の異なる制御客車を先頭動力車と同じイメージにすることが問題になっていました。私自身は、この造形のデザインが始まる前にインターンを終えたので関わることはできませんでしたが、登場したICE2を見る限り見事に同じ印象になっています。

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402形と妻部分と連結された中間車805形の側面です。

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車体番号の表記です。ICE1やICE2の先頭動力車については機関車ではあるものの、他のICE客車と同様の表記表現になっています。番号は、402 022-8です。

*DBの車両表記区分では400番台は電車の扱いですが、実質機関車のこの車両を電車と定義はしづらいので先頭動力車と表現しています。

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各種表記類です。機関車にRICラスターが表記されているのはICEぐらいでしょうか。ドイツの他にスイスとオーストリアの入線許可が示されています。
一番下の画像は、「GB Fernverkehr」「NL München」と表記されていますが、「GB」は「Geschäfts Bereich」(事業分野)、「NL」は「Niederlassung」(支店)を意味し、民営化によって事業名称の変更が行われたようです。

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上画像は運転席の側面窓です。401形と違いはありません。この窓は前部分が窓ではなく上からガラスをはめ込んだだけのものですが、ノイマイスターデザインで初めてデザインされたICE-Vのまま、営業用の401形や402形の造形に引き継がれました。ICE-Vでこの(飾りとしての窓の)造形を承認されるのに前例がなかったことから大変な決断だったと聞きました。

ICE-Vと401形や402形の前面造形の大きな違いは、ICE-Vが屋根の曲面と顔部分の面構成が異なることです。この402形は屋根の曲面がそのまま同じ大きさで前面に回り込みます。そのため、ICE-Vとの印象が異なり、401形や402形は単純な印象になります。一方でICE-Vの410形の造形は、自然な印象で私は410形の方が良いと思っていますが、デザインセンターでちょっとした論争になりましたw
ちなみに401形や402形のエクステリアデザインは、DB デザインセンター内部で行われました。

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屋根上のパンタグラフです。パンタグラフの集電舟はスイス仕様に似ています。ドイツ仕様の集電舟とは形状が異なりますが、スイスではドイツ仕様の集電舟を使えません。スイスに入線許可があるためでしょうか。401形にはスイス入線向けに2つの異なるパンタグラフを載せた機関車が用意されています。

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正面と妻面です。ICE1の401形とはよく似ていますが、12両編成のICE1の両端が機関車であるのに対して、このICE2は、8両編成で機関車は片側のみにあります。反対側には制御客車が組成されています。ICE2は、2編成併結されることもあるため、連結器カバーの部分中央部が左右に開いて連結器が出てくるためヒンジがついていて、そこが401形先頭動力車との大きな違いです。

このモデルは、旧来の3極交流モーター、デルタデコーダー内蔵で、今のメルクリンモデルとは全く異なる走りではありますが、少しモーターを回し続けると昔嗅いだブラシの匂いが漂ってきて懐かしい思いが蘇ってきました。そしてボディは樹脂製ですが、動力車の下回りはダイカスト製でズッシリと重いです。これを客車2両だけ連結させて走らせるのは勿体無い限りで、購入者が増結させたくなるのは常です。

そこで、メルクリンからは2種の中間車であるICE2等客車(43741)と食堂車(43742)が増結用としてリリースされていましたが、ICE1のため特に食堂車の連結に違和感を持ちました。メルクリン初心者向けのスタートセットではありますが、せめてICE2のモデルをスタートセット同様の簡略版モデルでリリースしてほしいと思ったファンはいたように思います。
合計で8両のフル編成になるようなセット2種程度をリリースしても良かったのかなと思ったりしています。


参考文献: KOLL'S PREIS KATALOG BAND 1 MÄRKLIN 00/H0 2005
参考サイト: ICE 2 BR 402 Daten und Fakten / Deutsche Bahn

[EDIT] 2012-04-04
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