SSブログ

Zugbildung TEE 7 (Flügelzug TEE 17) "Rheingold" Sommerfahrplan 1983 [Zugbildung]

zb_TEE_Rheingold_83_So_500.png
▲ 画像をクリックすると拡大します

昨日のブログでTEE "Rheingold"最後の1986年冬ダイヤを紹介しましたが、それと合わせて作成した1983年夏ダイヤを今回は紹介したいと思います。

メルクリンH0で今回発表されたモデルは、赤裾TEEカラーにオレンジ帯が入っていますが、これがTEE Rheingold '83と呼ばれるのは、1983年夏ダイヤから運用が開始されたからです。この時の編成は、ミュンヘン方面とを結ぶFlügelzugのTEE 17列車が3両編成で、Basel SBB方面へと結ばれた編成は1両多いことから、1986年のダイヤをメルクリンモデルの編成と結論づけました。もちろん大は小を兼ねますから、1983年の運用をメルクリンモデルで再現することも可能です。この場合、中央にクラブカーを挟みその前後に区分室客車と開放室客車を1両づつ連結させれば出来上がりです。
また、1986年はスイス方面とミュンヘン方面の解放/連結がマインツ中央駅でしたが、この1983年夏ダイヤでは、マンハイム中央駅で解放/連結が行われたようです。
当時は、ミュンヘン方面よりスイス方面への利用が多いと想定されたのでしょうが、その後ミュンヘン方面への利用が増えたからかも知れません。

当時の西欧鉄道は、国際列車の高速化と共に大衆化も進み、2等車が連結されることが普通になってきました。日本と違い、等級別に運賃そのものが距離に応じて変わる欧州では、1等利用者が航空機路線の拡大と共に移行してしまったことも影響があるのでしょう。DBの看板列車として戦前から君臨したラインゴルトは、日本で言えば特急「つばめ」のような存在かも知れません。1983年に観光列車として特化し再起を図った最後のTEE列車でしたが、その3年後の1986年冬ダイヤをもって終焉となりました。

この表の誤りなど発見された方は、ぜひコメント欄でお知らせください。よろしくお願いします。

*この編成表はあくまで資料に基づいたものであり、実際には増結や減車などもありえますのでご注意ください。

[Edit]: 2018-07-11
nice!(4)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Zugbildung TEE 15 (Flügelzug TEE 17) "Rheingold" Winterfahrplan 1986 [Zugbildung]

zb_TEE_Rheingold_86_Wi_500.png
▲ 画像をクリックすると拡大します


今年の春のメルクリンH0のMHI新製品にTEE Rheingold '83セット(26983)が発表されました。この新製品はドイツのTEE、そしてRheingold最後の輝かしい華として登場し、ライン左岸線を駆け抜けたTEEカラーにオレンジ帯を纏った姿は、特別な列車としての存在感を持った列車をモチーフとしています。

この特別なTEE列車は、すでにヨーロッパから数少なくなった1980年代のTEE列車の中で、他の国際特急列車が次々とEC列車化される中、西ドイツ(DB)も例外ではなく、観光に特化したコンセプトで登場した唯一のTEE列車でした。TEEと名がつけば、食堂車とバーなどラウンジ的な機能のついた1等車のみで組成された列車ではありますが、TEE Rheingold '83は、座席車両を区分室車開放室車両ともプラグドアを装備した1等車両の他、132形食堂車、またバー車の代わりに新たにApmh 121を改造したクラブカー(WGmh 854) "Club Rhiengold" を連結して、歴史ある看板列車としての面目を保ちました。

今回、メルクリンからリリースされるこのTEE Rheingoldは、このオレンジ帯を纏った最後の姿を模型化したものですが、112形電気機関車と座席車3両、Club Rheingoldのクラブカーの合計4両の客車で構成されたもので、これはオランダとスイスを結ぶTEE 15列車から途中で分割され、Stuttgart、Münchenへと結ぶTEE 17列車のFlügelzug(分割列車)がモチーフです。

この列車について調べたところ、1983年から1986年までの運行期間のうち、1986年の夏ダイヤと冬ダイヤのみ4両の客車を牽引してMainz Hbf - Stuttgart Hbf - München (- Salzburg)を走ったようです。そしてメルクリンモデルでは、この最後の1986年のダイヤで運行された仕様がモチーフだったと考えられます。(夏ダイヤか冬ダイヤかは残念ながら不明です)
そこで、ここでは最後のダイヤ改正で運用されたTEE RheingoldをAmsterdam - Basel SBBのTEE 15とFlügelzugのTEE 17を1つの表にまとめました。
将来的に、TEE 15の編成ができるように食堂車とともに客車セットをリリースされることを期待したいです。そこにはもちろん103.1形機関車が先頭に立つ姿が最も似合います。

この表の誤りなど発見された方は、ぜひコメント欄でお知らせください。よろしくお願いします。

*この編成表はあくまで資料に基づいたものであり、実際には増結や減車などもありえますのでご注意ください。

[EDIT]: 2018-07-11
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

Zugbildung TEE 32/33 "Parsifal" Winterfahrplan 1978/79 [Zugbildung]

b500_TEE33_Parsifal_W78.jpg
▲ 画像をクリックすると大きくなります。

先日発表された来年のインサイダーモデルBR 103.1(ロングキャブ)は、同時に発表された客車セットがTEE ”Parsifal”を想定した仕様であることがわかり、早速編成を調べてみたくなりました。ドイツのフォーラムでは、当時の編成表など早速情報が出回り、私もそれを参考にいつものスタイルで1978年冬ダイヤの編成表を作成してみました。

それによると、この列車は、ハンブルク・アルトナからアーヘン経由でDB領域を出て、ブリュッセル -パリにに至る行程のようです。つまり103.1形はハンブルク-アーヘンで、そこで多電源機関車のBR184に交代、ベルギーのLiège-G.まで牽引します。そこからは、SNCBの16/18形、またはSNCFの40100形牽引の列車となるようです。DB184形、SNCF40100形やSNCBのSerie 16/18はメルクリンでも製品化されていますので、それら組み合わせでも楽しめそうです。
客車は基本的にメルクリンからリリースされる編成で問題なさそうですが、1978/79冬ダイヤでは、必要に応じてAvmが1両増結、また平日はさらに2両(Avm + Apm)が増結されるようです。食堂車は、WRmh 132形でTEE色はDSGの文字が入っているとの情報もありますし、Purpurrot色に2本の白ラインの入ったD-Zug仕様の食堂車が運用に就くこともあったようです。


まだ、調べ方が浅いので誤りや足らないところがあるように感じています。もし、それら情報がありましたらぜひお知らせ下さい。修正を加えてゆきたいと思います。

参考サイト:Zugbildung internationale Personenzüge 1974 - 1998



Special Thanks: BOAC-VC10さん

[EDIT] 2016-11-26


Zugbildung TEE22 "Rheinpfeil" um 1967 [Zugbildung]

zb_TEE_Rheinpfeil_67.jpg
▲ 画像をクリックすると大きくなります。

まだリリースはされていないが、今年の新製品にTEE Rheinpfeil客車セット(43857)がある。これは1967年頃の同列車をモデルにしたもので、以前のF-Zug(Kobaltblau/Beige)色と新しいTEE(Purpurrot/Beige)色の混色で走った時代を再現したもの。この時は、RheinpfeilもF-ZugからTEEに変更されているのだが、塗装色迄は手が回っていなかったようである。実際に混色編成の画像も見たことがあるので、F-Zug塗装の62系列客車も暫くTEEとして走っていたようである。
今回、TEE "Rheinpfeil"セットとこれに合わせたBR E10.12機関車(37014)がリリースされるのに合わせて、この列車の編成表を纏めてみた。(上画像)

この43857セットはドームカーと瘤付き食堂車を含めた5両編成であるが、実車はもう少し長い。また、Dortmund Hbf - Duisburg Hbf(以下「A」)とDuisburg Hbf - München Hbf(以下「B」)の2つの異なる編成で組成されている。これは以前にも当ブログで記しているが、Duisburg Hbfで姉妹列車のTEE "Rheingold"と組成組替えが行われることで、車両組成そのものが大きく変わるからである。

「A」の編成にはドームカーが2両組成されたりもするので、このセットは「B」の編成を想定しているものと想像出来る。しかしながら実車に合わせた組成にするのなら、あと4両(区分室客車 x3、開放室客車 x1)程の追加の必要があろう。そこで、既にリリースされている同形(丸屋根の62系列客車)を用意することで組成が可能となる。ここでは、2種の客車が丸屋根仕様(Avüm 111.0/Apüm 121.0)であるところがミソのようである。もちろん「A」の編成の再現も可能で、Duisburg Hbfでの組み替え作業もスペースとレールさえあれば出来そうである。

ただ、(狭窓)ドームカーや瘤付き食堂車は、実車が少なくモデルではリリース済みのため、この43857セットは、今迄これらモデルをお持ちでない向きには良いセットとなろう。

*なお、客車組成は決まったものではなく、車両の増減や新旧塗装色の変更もあり得ますのでご承知おきください。

参考サイト:Schnellzugwagen-Set "Rheinpfeil"
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&art_nr=43857&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=0&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html

Zugbildung TEE22 Rheinpfeil 1965 Sommerfahrplan [Zugbildung]

b500zb_TEE22_Rheinpfeil_65.jpg
▲ 画像をクリックすると大きくなります。

昨日に続いて1965年夏ダイヤのTEE編成表の作成を試みた。これはTEE10 "Rheingold"とDuisburg Hbfで客車組替えを行う姉妹列車とも言えるTEE22 "Rheinpfeil"である。TEE10と同様、このダイヤ改正よりF-ZugからTEEに種別変更された。TEEは元々ヨーロッパ国際間を結ぶ列車に与えられる種別であるのであるが、Rheinpfeilに限っては、国内運用であるにも関わらず、TEEとなった唯一の列車でもある。理由は、Rheingoldと客車の組替えを行う共通に運用される列車であるからに他ならない。
なお、この時点では、まだTEEカラーではなく、機関車(E10.12)も62系列客車の双方ともコバルトブルー/ベージュのF-Zug塗装のままである。

面白いのは、Dortmund HbfからDuisburg Hbf迄の区間は、Basel方面へのドームカーも組成されるため、1編成に2両のドームカーが組成されていることである。また終点München Hbfへの途中、Frankfurt (Main) HbfとNürnberg Hbf区間は編成が逆向きになる。

牽引機関車は、Dortmund HbfからMünchen迄E10.12が担う。(ただ、そうなると専用機関車がBw Münchenはもちろん、Bw FrankfurtとBw Nürnbergにも常駐したことになろうが...。)

この列車は、Rheingoldの利用者であるオランダ方面とルール地帯であるDortmund方面からの乗客をFrankfurt (M)、München方面へと結ぶことからも、当時の主要なルートの1つであったことが理解できる。とは言え、1等客車のみなので利用者層は限られてはいたと思うが....。

*なお、この編成は標準的な組成であり、増結されたり減車されたりした場合もあることは充分に考えられます。なので、絶対的な編成であるという訳ではないことをご承知おきください。


参考サイト:
St. Goar - Kleiner Bahnhof an großer Strecke
http://www.rheinmodellbahn.de/

参考文献:
"RHEINGOLD" Eisenbahn Journal Special 1/2011 / Verlaggruppe Bahn GmbH

Zugbildung TEE10 Rheingold 1965 Sommerfahrplan [Zugbildung]

b500zb_TEE10_Rheingold_65.jpg
▲ 画像をクリックすると大きくなります。

昨年当ブログで記したEisenbahn Journal誌Specialの"RHEINGOLD"に掲載されていた1965年のTEE10とTEE22列車が客車交換するDuesburg Hbfでの列車組成図からこの2つのTEE列車の編成図を作成した。

今回は、TEE10 "Rheingold"である。1965年5月30日からの夏ダイヤは、それまでのF9/10とF21/22列車がTEEに種別変更された最初の運用であるが、TEEカラーに変更されたのは1966/67年からとのことなので、コバルトブルー/ベージュ塗装のE10.12と62系列客車の組み合わせに変更はなく、TEEのイメージはイマイチであったようにも思う。他のF-ZugのTEE(62系列客車)化が始まったダイヤ改正時でもある。TEE "Rheingold" / "Rheinpfeil"は、名実共にDBの看板列車として相応しい設備と運用された輝かしき時代であろうか。
機関車は、オランダ国内はSerie 1200形で国境駅からDuesburg Hbf迄はV200.0形。Duisburg HbfでDortmundからやってきたTEE22 "Rheinpfeil"との客車の入換え作業後、E10.12形に牽引されて一路Basel方面へと向かう。Basel SBBからは、7両のうち食堂車とドームカーを含めた4両がRe 4/4 I(TEEワッペンを付けた?濃緑色の後期非貫通タイプ)に付け替えられジュネーブへと向かう。また2両がKurswagenとしてChurとイタリアのミラノ迄走る。

Duesburg Hbfからは、TEE10は先に、TEE22は約8分後に同じライン左岸線に向かって走っているのは興味深いところである。風光明媚なSt. Goar駅を丁度お昼時のTEE10は12:10、TEE22は12:18に通過時刻としているのは、DBが演出した仕掛けであるのかも知れない。

ライン左岸線の牽引機は、最高時速160Km/hを誇るE10.12(Bügelfalten)である。1962年の62系列客車登場時から牽引してきた箱型E10.12形機関車は、1963年にはその任を半流線形のBügelfaltenタイプに譲っている。

今回は、客車の号車番号も記したのでモデルとの整合もよりやりやすくなると思う。とは言え、これはあくまで基本的な編成表のため、時に増結や欠車もあるのでユルい感じでこの編成表を活用していただければ嬉しい。

*なお、この編成は標準的な組成であり、増結されたり減車されたりした場合もあることは充分に考えられます。なので、絶対的な編成であるという訳ではないことをご承知おきください。

参考サイト:
St. Goar - Kleiner Bahnhof an großer Strecke
http://www.rheinmodellbahn.de/

参考文献:
"RHEINGOLD" Eisenbahn Journal Special 1/2011 / Verlaggruppe Bahn GmbH

[EDIT] 2013-03-13

Zugbildung F9/10 Rheingold 1962-1963 [Zugbildung]

b500zb_F9-10_Rheingold_63.jpg
▲ 画像をクリックすると大きくなります。

メルクリン/TRIXの今年の新製品が公式に発表となり、中々堅実な新製品ラインナップに私自身はちょっと安堵をしている部分もあるのだが、そんな中でも華を沿えるMHIモデルがF-Zug Rheingold仕様のE 10.12形と62系列客車3両セット x2である。

実は、当ブログでも紹介しているが、2007年に半流線型とも言えるBügelfaltenタイプのE10.12形と初めての全長28,2cmの62系列客車がF-Zug仕様としてリリースされている。ただ、この時は客車が全て単品であったことから、正しいとされた編成はメルクリンとTRIXの両モデルを使って初めて組成可能となるなど、若干無理な点があったのである..が、今年は待ちに待った箱型タイプのE10.12形と62系列が6両と、まさに正しいとされる編成が組めるよう配慮されたモデルの登場となっている。

折角なので、このモデルの実車が登場した経緯と運用を探ってみたい。かねてより陳腐化の激しかったSchürzenwagenを使ったF-Zug "Rheingold"は順次新しいUIC-X(53系列)の新しい26,4m客車に更新されていたのだが、他のF-ZugやD-Zugで使われている一般型とも言えるUIC-X客車では、DBの看板列車でもある"Rheingold"の利用者のニーズには応えられるとは考えられず、新たな新型客車を用意することになったのが、この62系列客車である。オランダの中心であるアムステルダムやイギリスからの連絡もあるHoek van Hollandから風光明媚なライン左岸線を通り、スイスのBasel SBB迄を結ぶ長距離国際列車として恥じない設備を誇る看板列車として、DBでは初めて車内空調や1400mm幅の2重固定式窓、リクライニングシートを装備した開放室、更にはドームカー、バー設備、列車秘書など、これまでにないサーヴィスを受けられるDB最高峰の列車として運用に就いたのである。もちろんそれ迄の同列車にあった荷物室や食堂車なども設備されている。

当初、牽引機は製造中の最新鋭電気機関車である半流線形状(Bügelfalten)タイプの外観を持ったE10.12形がその任に就く予定であったが、製造が間に合わず、急遽D-Zug用のE10.1形の一部を最高速度160Km/hの高速対応に改良(設計変更)して、その任に当らせることになった。それが、今回製品化される箱型(Kasten)のE10.12である。その番号は、当初のE10 239-244の予定がE10 1239-1244に変更され登場した。その後、予定の機関車が落成し、運用に就いた時点で順次元の仕様に戻され、番号も本来の番号が付されている。

という訳で、この箱型E10.12形は、10ヶ月という短期間の運用であったのであるが、何しろそれ迄の濃紺(Kobaltblau)色から、濃紺/ベージュ色の明るいツートンカラーでDBの看板列車 "Rheingold"の牽引機として華々しくデビューを飾ったのであるから、画像や映像も少なからずあり、多くの人々の目に焼き付いた機関車である。逆に遅れて登場した半流線形状(Bügelfalten)タイプのE10.12形は、その後の時速200Km/h対応のE03/103.1形に目を奪われ、ちょっと地味な存在になってしまったような気がするのである。
こういった一時期のTEE "Bavaria"もそうであるように、ほんの短期間の列車が結構有名になってしまったということは、意外にも出て来ているのである。そういう意味では、メルクリンのMHIモデルとして登場するには丁度良いのかも知れない。

さて、この新型客車を使ったF-Zug "Rheingold"の運用だが、Amsterdam CS/Hoek van HollandとDuesburg Hbfについては、当時の車両数との関係から併結されているMünchen方面行き(F21/22 "Rheinpfeil")については、UIC-X(53系列)客車のため混成となっている。もちろんDuisburgからBasel SBBに関しては、最高速度160Km/hのため、全て62系列客車となる。

更には、当時62系列の新型食堂車(WR4üm-62)は2両しかなく、予備車として1両Schürzenwagen食堂車(WR4ü(e)-39 / DSG 1215)が用意され、実際この食堂車が62系列客車に混じって連結されている画像もあり、確認されている。(ドームカーは当時3両体制)
もちろんこの食堂車は、電磁吸着ブレーキ付きMD台車に履き替え、エアコンも装備され、更には室内のシートモケットも、62系列食堂車に準じたものとなっていた。例外的とはいえ、外観塗装がRubinrot色だけに中々興味深い編成となっている。(この食堂車がKobaltblau/Beigeのツートンカラーになれば更に興味深いのではあるが、それは実現されなかった)

このF-Zug編成があれば、(なんちゃって編成となるが)UIC-Xモデルの1等区分室車を連結させて、オランダ国内の1100形や、(今年の新製品にもある)DB非電化区間のV200.0形、またスイスでの延長運転向け編成でRe 4/4 I(緑)での牽引も楽しめる。もちろん、BügelfaltenタイプのE10.12形に牽引させても全く問題ないし、Bügelfaltenタイプが登場した1962年9月から箱型タイプが終焉を迎えた63年1月迄期間の設定であるなら、この2つのタイプのE10.12形が同じ路線で運用を組んでいるはずである。なので、BügelfaltenタイプのE10.12形が手元にあれば、一緒のレイアウトで2つのF-Zug "Rheingold"の編成を楽しむことも出来よう。

きっと私個人だけでない少なからずのメルクリンファンがこのモデルのリリースを楽しみに待っていると思うのである。

*なお、この編成は標準的な組成であり、増結されたり減車されたりした場合もあることは充分に考えられます。なので、絶対的な編成であるという訳ではないことをご承知おきください。

参考サイト:Rheingold (1962-1965) / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-rheingold3.htm

Die Rheingold-Lok E 10.12
http://www.railforum.de/modellbahn/zuege/i_e10_12.htm

Zugbildung IC 511/512 "van Beethoven" 1985 [Zugbildung]

b1zb_IC_van_Beethoven.jpg
▲ クリックすると大きな画像になります。

ようやく、メルクリンのIC 511 "van Beethoven"が全て紹介出来たので、編成表を掲げてみたいと思う。
最初にお断りしておくが、この編成表はあくまで基本的な組成を元に記したものなので、必ずこの組成になるとは限らず、しばしばその組成が変更になることがある。
例えば、この編成表では、Bpmzが2両Bmの中に挟まれている格好であるが、2等車8両のうちBpmzが3両とか4両とかになることも間々あったと思う。もしかしたら食堂車もWRmh 132だけではなくパンタ付のWRmz 135が組成されることもあったかも知れないし、1等区分室車はAvmz 207が組成されることもあったと思う。

よって、「こうでなければならない」..とか、「こうすべきである」..というものではなく、こういう組成が多かったという程度の認識に留めておいて頂ければ嬉しい。そして、もしそれに誤りなどを見つけたらば、是非拙ブログにコメントいただければありがたい。

しかしながら、ここに掲げた編成は、本当にそうだったのか確証がないのが辛い部分である。ドイツのファンサイトのフォーラムに投げかけてみたが、確証を得る回答を得られなかったのである。ただ、そのフォーラム上のディスカッションの中で、当時のIC列車の決まり事というか組成する順番などで色々と知ることが出来たのは収穫でもあった。

その最たるものが、1等開放室客車(Apmz)の組成位置である。当時のApmzには公衆電話が備え付けられてあったため、大部分のIC列車には必ずこの客車は組み込まれている必要があったわけであるが、それは機関車の次位(または最後尾)に連結されていたのである。
また、IC Kurierdienst室がついた2等区分室車(Bm)は、食堂車の次に連結されるのが常であるということが理解できたのである。

当然のことながら、このIC列車のように長大編成をレイアウトで運転するのは難しいし、メルクリン+TRIXの客車組成で再現するのは非現実的である。しかし、IC列車組成の決まり事を知っていれば、8両編成や6両編成になっても、その雰囲気を壊さずに再現できるのである。

そういう意味でこの編成表がご覧の皆様にお役に立っていただければ嬉しい。

Zugbildung TEE Bavaria Jul./Aug. 1972 〜2010年新製品から [Zugbildung]

b1zb_TEE_Bavaria_So_72.jpg
▲ クリックすると大きな画像にアクセスされます。

メルクリンの2010年春の新製品情報が全て揃ったところで、このブログをご覧になっている皆さんは、その購入計画の吟味にいそしんでいることと思う。私も昨日新製品パンフレットの全ページをプリントアウトしてゆっくりと眺めつつため息もついているところである。

さて、今日から少しずつ可能な限り新製品モデルと実車についての解説など出来ればと思う。1回目の今回はもちろんRe4/4 Iの牽引するTEE "Bavaria"である。

画像は1972年夏のTEE "Bavaria"の編成表である。メルクリンのパンフレットと手元の資料(Die Geschichte des Trans Europ Express)を読んでみると、面白いことがわかってきた。と、言うのはTEEカラーのRe 4/4 Iが牽引するTEE "Bavaria"は、なんと2ヶ月間だけであったということがわかって来たのである。それもミュンヘンオリンピックの開催期間にあわせて1972年の7月と8月だけとのことである。また、この期間はオリンピック輸送需要も合わせて従来の座席客車2両+食堂車にもう1両TEE客車が連結されていたと言う。(残念ながら、そのTEE客車が開放室のApuemhか区分室のAvuemhかは未確認である)
更に、それ迄赤色一色であったWRm / SBBもオリンピックゲーム開催に合わせて晴れてインテリアのリニューアルとTEEカラーになったとも記されている。
上記のことを考えあわせると、今回のメルクリン/TRIXのセットは1両TEE客車が不足しているということになる。まぁ、過去にバー車(ARDuemz106)のついたTEE "Bavaria"セットモデルがあるので、その中の1両を活用しても良いし、単品のTEE客車も細かな表記さえ気にしなければ問題ないことである。

このBavariaが走る区間の問題点は、スイスから1度短区間ながらオーストリアに入り、その後ドイツのリンダウ迄の電化区間を走ることである。この短区間にはカーブが急なこともあってスイスタイプのパンタグラフの集電舟では短いため、この区間を走るためのSBBの機関車は、特別な対応がされた集電舟が設備されている。1972年7月迄と9月以降の機関車はRe4/4 IIの11196-11201の6機が対応していた。ただ、1972年の7、8月に限ってはRe4/4 I (TEE)の10033と10034の2機が牽引していたことである。この2機についてもパンタグラフの集電舟はオーストリアとドイツ路線対応タイプとのことである。今の段階ではRe 4/4 Iの集電シューが実車同様の仕様になっているのかは不明だが、この記述は新製品パンフに記されているので、きっと実車に忠実であると期待したい。

参考サイト:TEE-Schnellzug "Bavaria". / メルクリン・ドイツサイト
http://www.maerklin.de/de/service/suche/details.html?page=&perpage=10&level1=2341&level2=2346&newprod=1&art_nr=26557&search=1&era=0&gaugechoice=0&groupchoice=0&subgroupchoice=0&catalogue=1020&features=0&searchtext=&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fservice%2Fsuche%2Fproduktsuche.html

参考資料:NEUHEIT 2010 / Maerklin
Die Geschichte des Trans Europ Express / Alba-Verlag



[EDIT] 2009-01-23 10:50

Zugbildung TEE Roland 1972 (3つのTEE/IC列車から) [Zugbildung]

b1zb_Roland_72.jpg
▲ クリックすると画像が大きくなります。

1972年のTEE Rheingoldに絡む3つのTEE/IC列車の最後を飾るのは、「TEE75 Roland」である。TEE Rolandは、Bremen Hbf とイタリアMilano Cを結ぶ列車であった。Bremenの市庁舎前にあるRoland像は有名で、このRolandが列車名の由来である。途中スイスのBasel SBBで、Chur行きの1両を解放。DortmundとHoek van Hollandから来たTEE Rheingoldの3両を前方に連結し、7両編成でLuzern、Gottardo峠を抜けてMilano Cへと至るルートを運行されていた。

牽引機関車は、ドイツが103.1形と112形(TEE)である。スイスBasel SBB以南は、Re4/4 II(TEE)が牽引し、雄大なアルプスの山々を背景に当時のGottardo峠を越えるTEE Rolandの勇姿を画像で見ることができる。イタリアとの国境ChiassoからはE444が担当したと想像出来るが、残念ながら未確認である。

TEE Rolandはドイツ内も6両編成でスイスからイタリアへも7両編成と実に模型向きな編成である。メルクリンからもTEE Rolandとしてリリースされるので、是非組成してみる価値のある編成である。

また、Basel SBBから2両のTEE RheingoldのKurswagenとTEE Rolandからの1両、Basel SBB発のSBB客車1両を合わせて4両編成でChurに向かう283列車となる。列車名は未確認で、名前の有無も不明であるのが悔やまれる。そこで以下にその編成を記し、参考にしていただければと思うのである。

[283]
Lok - Av - Av - Av - SBB(WRm?)

上記編成の「SBB」について、seidohさんからちょっとした資料と共にヒントが得られた。資料は1972年ではなさそうだが、当時に近い時刻表で、そこにTEE Rheingoldから分割される283列車の列車についての記述がある。そこには、「食堂車」とあるため、おそらくWRm/SBBがそれに該当されるのであろうと推測できる。スイスでは食堂車なしの国際列車にSBB内だけ食堂車が連結されるケースが良くあることで、この列車に付いても同様と考えられる。
ただ、食堂車の場合、TEEカラーのWRmは全てTEE Bavaria編成に使われているはずなので、赤1色のタイプであろう。ただ、それをLeichtstahlwagen / Ep.IVのWRにするのも、なくはない?...かも知れない。引き続きこの列車の情報があればお寄せ頂きたい。

*なお、編成表のモデル製品番号は、レイアウトの制限で機関車と282mm客車の製品番号のみ記すことにした。

Special Thanks: Kashyさん、seidohさん

参考文献:
Die Geschichte des TRANS EUROP EXPRESS / Alba Verlag
La legende des TRANS-EUROP-EXPRESS / LR PRESS

[EDIT] 2009-07-05 13:18