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Lebkuchen-Schmidt 2009 [グルメ]

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既にアドヴェントに入って一週間が経とうとしているが、アドヴェントに入る迄に到着させるつもりで注文した毎年恒例のSchmidtのレープクーヘンがようやく届いた。やはりクリスマス前は郵便事情が悪くなるのであろう。

Schmidtは、通販向けのカタログも発行していて以前の購入者には充分な余裕を持って届くのだが、どうも日本に居ると暖かなせいもあってそのような雰囲気になりにくく、例年ギリギリの注文になってしまうのである。毎年組み合わせの種類も色々と工夫があって、昨年のようなメルクリン広告付きの缶は残念ながら今年は無いのだが、そのバリエーションは楽しい。

今年は、どうも通販が伸びて来ていると思わせる工夫がみられる。と言うのは、レープクーヘンは所詮お菓子なので単価はたかが知れているのだが、これを海外に送るとなると、送料がバカにならない。ヘタをすると送料の方が高いなんてこともあるので、なるべく沢山詰まったセットを買い求めているのだが、今年はその最大の17種入ったセットが登場した。何と5Kg近い。名前も「ueberseepacket」(海外向けセット)である。
Schmidtのレープクーヘンはとても種類が多いので、そのセットに必ずしも欲しいものが入っているとは限らないのであるが....まぁ、そこは致し方あるまい。

子供達は中高生になっても早速この大きな見たとたんにテンションが上がる。よほど好きなのであろう。もちろん私も妻も大好きなレープクーヘンではあるが、子供達のように幼い頃からのドイツで過ごしたクリスマスの良いイメージが、このお菓子の独特の香りと味に詰まっているのだと思う。(子供達がある意味羨ましい..)

でも、まだ食していないこのレープクーヘンを頂くのはおそらく第2アドヴェントの明後日になるのだろう..。

参考サイト:Lebkuchen-Schmidt
www.lebkuchen-schmidt.de/


[ADVENTSKALENDER am 04.12. bei Maerklin Online-Shop]

Laenderbahn-Tenderlokomotive
Nassendampf-Maschienen nach Laenderbahn-Bauart. Achsfolge C.
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Rondonoir / FERRERO [グルメ]

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少し前のことである。近くのデパートの地下食品売場へ買い物に出掛けた時、たまたまドイツで良く食べていたRocher(ロシェ)の試食販売をしていた。このお菓子は中心にヘーゼルナッツクリームの入ったチョコレートとナッツのプラリネなのだが、ドイツでは普通にスーパーに山積みされて売られている庶民的なチョコレート菓子である。(でもとっても美味しい♪)最近は、日本でも普通に売られているがちょっとお高めなのでそうそう買ってはいないというところ。でも、美味しいのは知っているのでちょっと試食しようかな?と下心を覗かせながら販売員のお姉さんに近づくと、見慣れない箱入りのお菓子(上画像参照)が見える。
販売員のお姉さんに、「これは?」と聞くと、何でも新発売のプラリネとのこと。実はこれも試食分があるという。

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下からごそごそと1粒取り出したのが上画像のプラリネである。ロシェと比べると形は同じだが包み紙はダークブラウンである。試食で1粒まるごと食べられたのは嬉しい。その味はロシェよりクリーム分が少なくより大人向けの味という感じ。そしてプラリネの中央部分に球形のビターチョコが仕込まれていて、これをかじると2つの味が楽しめるというもの。とても美味しく感じたので早速1箱買って帰ったのである。

再び家でもう一粒試したのであるが、これはコーヒーと相性が良いと感じた。イタリアのFERREROサイトにある同製品のページにはその魅力が余すところなく紹介されているが、残念ながら文字は読めない...。

参考サイト:Rondnoir / FERRERO ITALIA
http://www.ferrero.it/prodotti/praline/ferrero-rondnoir
タグ:FERRERO
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LOTUS CARAMELISED BISCUIT SPREAD [グルメ]

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今日は久しぶりにメルクリンから離れた話題...。ドイツに滞在していた90年代、時々カフェに立ち寄るのが楽しみの一つ(今はその楽しみがない...)であった頃、とあるカフェでコーヒーにビスケットが付いて来た。(ドイツではコーヒーに良くMilkaのチョコが付いて来たりするのがある)
その時初めて口にしたビスケットは、いわゆるバターたっぷりの濃厚なビスケットではなく、ちょっとシナモンの香りがする堅めの軽い口当たりの良いキャラメル味。ベルギーに本社を置くLOTUS社のビスケットで、コーヒーにも相性が良かったせいか、とても良い印象であった。

帰国してからは、しばらくそのような縁がなかったのだが、海外食品を扱う雑貨店や食料品店で、比較的リーズナブルな価格でこのビスケットを見つけ、我が家でも時々コーヒーのお伴として愛用してきたのだが、最近はこの小さなビスケットにもちょっとご無沙汰していたのである。
先日、我が家のクルマがとうとうバッテリー切れになりディーラーで交換してもらっている30分程度の待ち時間にコーヒーをご馳走になったのだが、その時このビスケットが付いて来てちょっと嬉しくなってしまった。

その翌日、隣町のショッピングモールに出掛けた時、いつも寄り道をしてしまうKALDIで画像のスプレッドを発見してしまったのである。瓶入りのペースト状の中身はまさしくあのビスケットと同じ色合いで、パッケージもそっくりである。説明でもどうやらビスケットと同じ味のよう。
そこで、早速試してみることに。瓶に入っている状態では知らない者にはピーナッツバターと見間違えてしまうが、口にするとまさしくシナモンが利いたキャラメル味のビスケットそのものである。もちろんビスケットではないので食感が違うが、これをパンに塗って食べたところ、パンとの相性もとても良い。朝食にはコーヒーを頂く我が家であるが、このキャラメルスプレッドの塗ったパンとコーヒーの朝食には、しばらくハマりそうな気がする。

これは、我が家の定番Ferrero社のNutella(チョコスプレッド)以来の感じである。

参考サイト:LOTUS BAKERIES
http://www.lotusbakeries.com/

KALDI
http://www.kaldi.co.jp/
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Tomates Farcies [グルメ]

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いきなりメルクリンとは無関係のフランス料理「トマトのファシル」である。これは妻が見ているNHKのフランス語講座(今回のレギュラーに髭男爵が居るのにはちょっと??であるが笑いを取るには良いのかも)に出て来たレシピで、意外に簡単で美味しいお料理である。夏はトマトが美味しい季節なので早速作らせたのである。そう、作ったのは私でも妻でもなく中学生の娘である。(ちなみに息子は大のトマト嫌い)

娘の通っている中学校で夏休みの宿題の1つが料理であるとのことで、ビデオに録画したこの映像を見せたら作りたいと乗って来たのでやらせてみたのである。なにより見栄えが良く簡単というのがミソである。

必要な材料は、大振りのトマトと合い挽き肉、生卵、パン粉、タマネギ...香辛料がほぼその全てである。あとは具をかき混ぜて中身をくりぬいたトマトに詰めてオーブンで焼くだけである。赤ワイン(これには、「Côtes du Ventoux」が良いそうな)にもとっても良く合う美味しい一皿に仕上がったのである。

参考サイト:テレビでフランス語
http://www.nhk.or.jp/gogaku/french/tv/#thisweekinfo
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Rezept der Muenchener-Weisswuerst [グルメ]

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先日告知したドイツフェスティバルで、様々な「本物のドイツ」に触れることの出来る催しとして、ぐんま日独協会がドイツと関わりのある展示や販売などを企画しているのであるが、「食」の分野では直輸入のドイツパンとソーセージを提供することを記した。
今回販売する2種のソーセージのうちボイルするタイプのヴァイスヴルストは、調理が簡単ながら日本では馴染みの薄いものなので、家庭で調理するのにレシピが必要だろうということで、上の画像にあるレシピ(と呼べる程のものでもないが)を作成した。

今のところドイツらしくて良いと好評?である。これがあれば、お客様が買う際に質問する必要もなくなるであろう。
もう一つのNuernbergerは、単に焼くだけであるからレシピは不要だと思うのだが....。
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Muenchener Weisswuerst [グルメ]

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先週土曜日の北軽井沢のホテルで充分にドイツを満喫したのだが、翌朝ホテルを出る前には名残惜しく、何か家族にお土産でもとフロント側の売店を見てみたところ、ドイツフェスタに合わせてドイツのアクセサリーやドイツの木の玩具なども売られていた近くに、冷凍ケースにパック詰めされたドイツソーセージを見つけた。
これを一目見て、すぐさま家族へのお土産と決めたのである。それは南ドイツバイエルン地方の白ソーセージ「ヴァイスヴルスト」である。(メーカーはアルゴイ地方のGermaringenにあるOTTO NOCKER GmbH社で直輸入である)

そして今夜の夕食に、この「ヴァイスヴルスト」となったのである。上の画像は、家族4人分8本のソーセージ(2パック分)である。
このソーセージの食べ方は独特である。まず、充分なお湯を沸騰させ、火を止める。そして(今回は解凍させた)ソーセージを入れ数分置く。それで出来上がり。つまりこのソーセージは、基本的にボイルするとあるが、茹でてはいけない。あくまで温めるだけである。

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基本的にヴァイスヴルストとは1ペアである。よって画像にあるように1人分は2本。そしてSuessersenf(甘いカラシ)を添える。ソーセージは皮を剥いてから食するのが一般的である。皮ごと食べることもアリとは言うが、堅くてあまりおススメできない。一緒に写っているBratkartoffeln(ジャガイモ炒め)は、通常はないのだが、我が家はジャガイモ好きなので添えたのである。

あと、忘れてはならないのは、甘いカラシ(Suessersenf)であるが、残念ながらホテルにはそのカラシがなかったのである。そこで考えたのが家に常備しているキューピーのあらびきタイプのマスタードである。それ自体は全く別ものとも言えるカラシなのだが、妻のアイデアでこのカラシにハチミツを加えてみたところ、ほとんどドイツで食べたSuessersenfと変わらない味になったのである。これは使える。(割合については、味をみながら少しづつハチミツを加えたので何とも言えない)

パンもできればBrezel(ブレッツェル)にしたかったのだが、ないのでバゲットにした。まぁ、バゲットも美味しいので良しとしたい。そしてビール。これも今日は用意していなかったので白ワインで乾杯となった。
息子が学校から帰宅すると大喜びである。彼にとっては、懐かしい故郷の味なのかも知れない。彼のもう一つの好物であるうなぎと比較しても、これは美味しさの次元が違うという。

久しぶりに食したWeisswuerstであるが、今回冷凍のパックでも充分に美味しさを家族で堪能したわけであるが、本当の食べ方は朝屠殺した肉を加工してその昼には食べるべきというほど鮮度が大切なソーセージである。もちろん日本では不可能なので、パックの冷凍ものとなるが、ドイツに居たときは決まって会社の休みの土曜日の午前中に街で1番の評判の肉屋でこのソーセージやパンなどを買い込んで昼食にビールと一緒に食するのが、我が家の楽しみの一つであった。

きっと今その新鮮なWeisswuerstを食べることができたら、今回美味しく頂いたソーセージの味も色褪せてしまうのかも知れないが、つかの間のドイツにいる気分を味わったひとときだったことには間違いない。

参考サイト:OTTO NOCKER GmbH
http://www.nocker.de/wDeutsch/index.php
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Spargel essen! [グルメ]

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今日の夕食は、思いもよらず豪華な食卓となった。そう、画像にあるのはSpargel(ホワイトアスパラガス)である。知人から頂いたもので、早速ネットでレシピをみつけて10分程茹でてオランダソース(Sauce Hollandaise)をかけていただいた。
このような本格的な白アスパラガスを食するのはドイツに住んでいる時以来かも知れない。私が帰国してからドイツに出掛けたのは、2月のメッセの時か夏休みや春休みの時で、今が旬のアスパラガスには縁がなかったのである。

ホワイトアスパラガスは、日本でも最近北海道などで生産されるようになって、以前より馴染みが出て来たが、私が学生時代ぐらい迄はホワイトアスパラガスは、ビン詰めぐらいしか知らなかった。ドイツで初めてその美味しさを知り、旬の時期には必ず一回は食べていたが、帰国してからはそのような機会に恵まれなかった。何しろ欧州でもホワイトアスパラガスはちょっと別格の食べ物である。何しろメインの料理になりうるからである。そして高価でもある。何故なら成長に2年掛かると言われていることと、壊れ易いので大切に育てなければならないから...と聞いている。
昔、どこだったかの女王様もホワイトアスパラガスが好物とかで..しかし、先っぽの僅かなやわらかな部分しか食さなかった...とか。聞いた話しながら妙に納得してしまうのである。

そんなことを思い出しながら家族で頂いた白アスパラガスは、私の舌とお腹を満足させただけでなく、心も充分に満たされた夕食であった。

参考サイト(レシピ):ホワイトアスパラガスの食べ方/ブログ 痩せたり太ったり
http://hashiba-in-stuttgart.blog.so-net.ne.jp/2005-05-14

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Christ-Stollen [グルメ]

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先日テレビのニュースで、ドイツ菓子であるシュトーレンの世界最大サイズがその発祥の地とされるDresdenで作られたということが報じられていた。このシュトーレン、先日紹介したレープクーヘンとは違い、日本人の口にも合うようで、最近は至る所で売られるようになってきた。

ここに紹介するシュトーレンは、あのレープクーヘンの老舗であるニュルンベルクのSchmidt社のもの。Dresdenは、あのBaumkuchenの発祥の地でもあり、ドイツ菓子の中心なのかも知れない。日本でも古くから馴染みのあるバウムクーヘンも西側のドイツで一般的なったのは東西ドイツが統一されてからであろうか。考えてみれば、このシュトーレンもレープクーヘンに比べて私がドイツに居た頃はあまり見かけなかった。

さて、そのNuernbergのStollenのお味であるが、これは確かに一般にも親しみやすい味であることは確か。ドライフルーツが一杯のこのケーキは薄くスライスしていただく。私は、それにアーモンドのお酒であるAmarettoを少々振りかけて紅茶と一緒にいただくのが好みである。
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Erster Adventtag / Schmidtのレープクーヘン [グルメ]

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12月ももう目の前である。そして今日はクリスマスから4週前の日曜日。つまりアドヴェントの最初の日である。これを第1アドヴェントと呼んでるのだが、ドイツを初めとするキリスト教文化圏では、各地にクリスマス市が立ち、クリスマス真っただ中という雰囲気である。特にバイエルン地方がそうであるように思うのだが、この時期はどこの家庭でも常にレーブクーヘン(Lebkuchen)が食卓に置かれ、子供も大人も大好きな、このちょっと堅くて香り高い伝統的な甘いお菓子を紅茶と共にいただくのである。

我が家でも、ようやくニュルンベルクのレーブクーヘンの老舗であるSchmidtから大きな段ボールでレープクーヘンなどの詰め合わせが届いた。届いたその日から我が家の(中学生にもなる)子供達は大喜びで、クリスマス迄の日々、このお菓子を絶やさないように大切にいただくのである。(ドイツではどこでも..と言っても良いくらい様々なレープクーヘンが、街の至る所で買えるのだが、ここ日本(特に私の居る街)では中々難しいのである)

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Schmidtからは、毎年レープクーヘンを購入しているので、今年も事前に国際郵便でカタログが届く。何しろ歴史の古いお菓子ゆえ、毎年同じものを注文するのであるが、Schmidt社も毎年入れ物のデザインを変えてみたり、詰め合わせの種類を変えてみたりと、販売の工夫は怠らない。
そこで、この画像の缶入りレープクーヘンなのだが、カタログ写真を見て思わず注文確定してしまったのである。丸形のレープクーヘンが入ったこの缶のデザインは、ニュルンベルクの街中に立つ広告塔(実はこれ電線地中化のための変電設備である)がモチーフで、そこに貼られた1950年代であろうか...のポスターが印刷されたものである。日本でも馴染みのあるブランドのNIVEAやニュルンベルクのマイスタージンガーの演奏会などのポスターが見える。そしてなんと、どこかで見たV200.0の絵があるではないか。そうこのポスターの絵は当時のメルクリンのものである。

実は、この缶入りのレープクーヘンは既にここにはない。何故ならお歳暮ではないが、お世話になった方に贈ったものであるからである。しかし、このレープクーヘンは中々のくせ者で、ドイツ滞在時に知り合いなど幾つか日本に贈ったことがあるのであるが、どこからも良いリアクションをいただけない。
やはり日本人の口には合わないのか?いや、私も私の家族も立派な日本人である。そしてレープクーヘンを美味しくいただいているのである...う〜ん。

参考サイト:Lebkuchen Schmidt
http://ww2.lebkuchen-schmidt.com/index.php

タグ:Lebkuchen
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Schietwetter-Tee / Tee Handelskontor Bremen [グルメ]

私が初めてドイツの地を踏んだのが東京の美術大学で工業デザインを学んでいる3年の春休みに同級生約13人で欧州デザインツアーに出かけた時のことである。その時は、気心の知れた友人との団体旅行でオランダのEindhovenを手始めに、ドイツ、スイス、イタリア、そしてフランスのパリを訪ね帰国の途に付いた。これが1985年のこと。この時憧れのドイツの空気を初めて吸い、他の欧州諸国の中で最も自分にとって居心地の良さというものを感じたのである。翌年の春大学卒業と同時に就職し、その年の年末年始には友人と2人でドイツ旅行をした。この時は、就職と同時に始めたドイツ語がどこ迄試せるかの実験でもあった。(結果は惨憺たるものであったが...)この旅行で私は「ドイツで生活する」ことを心に誓ったのである。そして翌々年の1988年8月に(ほとんど往復と変わらない料金の)片道切符を購入してドイツへ留学したのである。

と言っても、その時点ではドイツの大学とコンタクトを取ってはいたものの、入学許可はおりておらず北ドイツのBremenで語学教室に通うことになった。ここでドイツ語の習得をしながら大学受験をして入学許可を得るというスケジュールを自分で組んでいたのである。先ほども記したが、私のドイツ語はひどいものであった。自分を追いつめるために寮生活からホームステイに変えてみたり、敢えて日本人でなく外国人の女の子をお茶に誘ってみたり...。更には、語学学校とは別に個人レッスン迄通ったのである。とにかく当時は、クラスメイトの日本人との付き合いもあったが、自身は孤独であったように今は思う。

ただ、それでもドイツを離れて日本に帰りたくなかったのは、意地もあったが、そんな孤独を打ち消す程の町並みの美しさやカフェの存在であった。(私の場合はBremen Hbfもその一つ)
Bremenは音楽隊に代表されるおとぎの街というイメージがあるが、中心市街地の一部には本当にそのような場所がある。BoetcherstrasseとSchnoorviertelという一角である。特にSchnoorは小さい木組みの家々がところ狭しと並んでいてかわいい街並を形成している。語学学校の授業が終わるとクラスメイトと昼食を食べ、その後それぞれが散ってゆくのだが、私が好んだSchnorviertelには、今迄で一番通ったであろうCafeがある。Cafeと言ってもコーヒーはない。紅茶専門店の喫茶室のようなもの。木組みの歴史ある小さな2階建ての家の一階に紅茶専門のお店があり、その店内の階段を登るとティールームである。ここの紅茶は、フレーバーが非常に多く最初は何が美味しいか分からなかったので、勇気を出してお薦めを聞いてみたところ、画像にある「Schietwetter」という紅茶を薦めてくれた。「Schietwetter」とはBremenをはじめとする北ドイツにある方言Plattdeutsch(低地ドイツ語)で「ひどいお天気」という意味。Plattdeuschは英語に影響を与えたドイツ語*らしいが、最近では滅多に使われていないので消え行く運命とも言われている。(ちなみにBremenは、1年中天気が良い日は極めて少なく、小雨のぱらつく鬱陶しい日々が続く。それを土地の人は「Schietwetter」と言うのである)

さて、そのSchietwetterだが、インド紅茶をベースに陳皮、シナモン、カルダモン、ハイビスカス等々沢山のハーブが混ざっている。それをポットでサービスしてくれるので、軽く3杯分は飲めるのである。ここでは砂糖も用意してあったような気もするが、基本的に蜂蜜で甘みを足す。レモンなどはない。これを口にした時、今迄飲んでいた紅茶とは全く別な世界を見た気がしたほど美味しかったのである。それ以来、しばしばこのお店に立寄り、明るく落ち着いた静かな店内で、Schietwetterを頂く日がBremenを離れる時迄続いたのである。この店内は、全体が真っ白で塗装されており、紅茶葉や関連品を販売する1階では茶葉入れの青と白のストライプが全体にコーディネートされデザインとテイストが程よくマッチした良店であった。

その後...10年以上経ってそれ以来Bremenには行っていないのだが、毎年訪れるニュルンベルグの中心市街地商店街の陶器屋に足を踏み入れたところ、懐かしい青と白のストライプが沢山眼に飛び込んで来たのである。何と私が毎日のように通ったあのSchnoorのお店が、その後積極経営を始めドイツの主要都市にShop in Shop形態の店舗を作ったとのことである。ニュルンベルグの店舗ではティールームはないが、もちろん私はあの懐かしいSchietwetterを迷わず購入したと言う訳である。お店の人の話では、Schnoorのお店は残念ながらオーナーが亡くなったらしく閉めてしまったとか。しかし、今ではウエブサイトから取り寄せもでき、好きな時に日本の我が家のテーブルの上で、このお店でしか手に入らない若かりし頃の思い出の沢山詰まった紅茶の香りを楽しむことが出来るのである。

*)wy1さまのご指摘により訂正いたしました。

参考サイト: TEE Handelskontor Bremen

Der Schnoor

[EDIT] 2008-11-12 21:45
タグ:THK
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