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29785 DBAG Apmz 805.3 / Ep.V [Maerklin-Reisezugwagen]

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前回の記事と同じICEスタートセット(29875)から3両編成のICE2列車モデルのうち中間車(Apmz 805)を紹介します。
このモデルは、1999年から2001年までの3年間、また制御機器とトランスを変更したセット(29786)として2002年から2004年までの3年間の合計6年間リリースされました。

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車体妻部の側面画像です。このモデルは1等車ですが、車体に等級表記が印刷されていないためぱっと見では1等車か2等車かはわかりません。
カプラーは、スナップ式であることがわかります。導電タイプではありません。

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車体番号の表記です。ICEは、車体番号のみが表記されるため、車両分類を表す記述がなく番号から調べるしかありませんが、資料からApmz 805.3であることがわかります。車体番号は、「805 322-5」と表記されています。この車両は、UIC番号では、「93 80 5805 322-5」となります。1997年2月12日にベルリンのADtranzにて落成。この車両が組み込まれた編成には、「Eberswalde」という地名が付けられています。

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台車はICE1と異なりSIEMENS SGP Verkehrstechnik社のSGP SF 400を履いています。この台車はそれまでのMD53と異なり、空気バネが付いています。

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車体表記です。最高制限速度は280Km/hです。ラスターには「D」のみ表記されているため国内専用車両です。

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所属は先頭動力車と同じGB FernverkehrのNL Münchenです。
座席定員の表記は52plとあります。手元の資料ではApmz 805.0が52ですが、このApmz 805.3は53とあります。

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REV(検査日)表記は、1997年2月12日です。

インテリアは1等車の赤紫色で表現されています。ICE1は開放室と区分室が1両にレイアウトされている構造ですが、ICE2は全車開放室となっています。(家族室のみ区分室)1等車は1+2の座席レイアウトです。
実車のインテリアデザインは、ICE1同様StuttgartのBPR-Designによるものです。

参考文献:Apmz 805 / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag München
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43742 DBAG WSmz 804.0 / Ep.V [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ Bord Bistro(厨房)側

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▲ 食堂(厨房部廊下)側

前回に続いてICE1客車(43742)の紹介です。これはICE1の中でも一際目立つ食堂車(WSmz 804.0)です。この食堂車は私個人としても思い出深い車両です。

1991年の3月末から大学の授業としてのインターンシップ(これは学生の履修義務でしっかり単位になります)を行うためにDBデザインセンターを選んだ私は、3ヶ月ほどミュンヘンに滞在することになり、大学の友人に手伝って貰ってカールスルーエからミュンヘンの小さなアパートに引っ越しました。そして最初の出勤日は、私に素晴らしいサプライズが待ち受けてくれてました。
既に営業用のICE1は製造進行中で、数編成は既に落成、営業路線のNBS(高速新線)での試験や訓練運転などの試運転が盛んに行われていました。サプライズというのは、出勤初日に初めてミュンヘンにICE1が顔を出すということで、デザインセンターの同僚が揃って留置線のICE1に乗りにゆくのについて行くことができたのです。

留置線構内を歩いて行くと写真では既に見ていたICE1が目の前に現れて早速車内を同僚が自分の仕事をチェックしたり、車内の雰囲気を楽しんだりと様々でした。私もパステルカラーを基調とした車内の雰囲気を楽しみながら車内を巡っていました。1両に開放室と区分室を半々にした座席車のレイアウトや、天井がひときわ高く開放的でオリエント風の装飾で独特の雰囲気を持つ食堂車もこのICE1の特徴です。

それは、もしかしたら営業用ICE1に初めて乗車した日本人は私ではないか?と思ったインターンシップ初日の出来事で、幸先の良い1日でした。ここでの3ヶ月間はいくつかのプロジェクトに携わることが許され、私の大学での専門性(エクステリアデザイン)を一番に考えて課題を出してくれたボスには感謝です。

もう1つの思い出は、DBでのインターンシップの前の学期で取り組んだICE Bord Garageという自主プロジェクトがあります。これは小型電気自動車をICEに積んで乗客と一緒に長距離移動するというコンセプトの車両ですが、この車両のベースをICE1の食堂車にしました。理由はICEであることと、2段スタックにする自動車積載部分があるため、屋根を高くしなければならず、ICE食堂車のプロフィールに合わせることで技術的な問題をカバーできたことによります。
このプロジェクトを始めた時にDBに手紙を書き、食堂車図面を送ってもらいました。しっかりその意図を示せば、DBからちゃんと要望した図面が届いたことで、私のDBへの信頼は厚くなりました。

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さて、このICE1食堂車は先にも述べたとおり天井がひときわ高い構造で屋根部分にも明り取りが設けられています。車内は天井からの直射日光が差し込まないようフィンが設けられていて間接的に光が差し込むよう工夫されています。一方車内は中央に厨房を置いて食堂部分とビストロ部分に物理的に分離させています。これは既にIC用WRmz 137.1形食堂車「Bord Restarant」で実現しています。基本的なレイアウトはそれに準じていますが、インテリアデザインは全く違いました。

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中央部分のロゴは厨房側と廊下側で異なります。厨房側は窓がないため、その車体面を利用して「ICE」と「Bord Restrant」のロゴを重ねてレイアウトしています。一方で廊下側は窓下赤帯の高さに「Bord Restrant」ロゴのみレイアウトしています。

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車体番号は、804 030-5です。1991年9月6日、当時の西ベルリンにあるWaggon Unionにて製造されました。

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RICラスターは、座席客車モデル同様、国内仕様の表記で最高制限速度は280Km/hとなっています。REV表記は、1993年12月17日です。

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連結面から見たところです。実車では妻部の幌の内側に仕切りドアは全面ガラスなので透明樹脂パーツであればより良いとは思いますが、固定編成なので連結するとどこからも見えません。なのでコストとのバランスを考えればこれで問題ないと思っています。

最後になりましたが、このモデルはHOBBYシリーズの1つです。スタートセット(29761, 29765, 29785, 29865)の増結モデルとしての位置付けのため、座席客車1両と食堂車1両のみのリリースでした。リリースは、2000年から2004年までの4年間になります。また、同じICEモデル(33701, 33712, 37701, 37712, 40712)との連結はできないので気をつける必要があります。
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43741 DBAG Bvmz 802.3 / Ep.V [Maerklin-Reisezugwagen]

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ICE1の2等座席車(43741)です。このモデルはHOBBYブランドです。手元にあるICE1は、この2等座席車と食堂車(43742)の2両だけですが、今回は2等座席車の紹介をします。

このモデルは、ICEスタートセット(29761, 29765, 29785, 29865)の増結用として用意されたモデルです。2000年から2004年までの4年間リリースされました。

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ICE1は、1991年6月にHamburg=Altona - Frankfurt (M) Hbf - Stuttgart Hbf - München Hbfで初めて営業運転開始した量産型のICEです。当時は民営化前のドイツ連邦鉄道(DB)でしたが、このモデルは民営化された仕様で、塗装色はそのままですがロゴがドイツ鉄道(DBAG)に変更になっています。
またHOBBYブランドモデル故なのか、連続窓の桟の部分に記されている等級表記と座席番号案内表示などが表現されていません。

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車体番号は、802 078-6です。車体の赤い帯はOrientrotとPastelviolettのツートンカラーです。(現在はVerkehrsrot一色です)

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RICラスターはシンプルで、最高制限速度は280Km/hです。ドイツ国内専用のため、ラスター内には「D」のみ記されています。ICE1がデビューした前後に私はミュンヘンのDBデザインセンターでインターンシップを3ヶ月していましたが、そのときミュンヘンからアウグスブルクまでICE1のキャブライドをした記憶が鮮明に残っています。この区間は残念ながらNBS(高速新線)ではなくABS(改良路線)だったので最高制限速度は200Km/hでしたが、運転者の話では制限最高速度で走ることは稀で、NBSでも最高でも250Km/h程度で走るということを聞きました。

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REV表記の検査日は、1993年12月17日です。いずれも印刷はメルクリンらしい精細さです。

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妻部分正面と連結部です。ICE1モデルは通常のKKKカプラーではなく、スナップ式の永久連結器です。ICE1は、機関車と客車で構成されていますが、固定編成なのでスナップ式カプラーで十分なのでしょう。
タグ:ICE1 Orientrot DBAG
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26610 DRG SBC4ü-35 (10404) / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

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HWZ客車最後の紹介は、展望室付き2/3等区分室客車SBC4ü-35 (10404) です。おそらく、このHWZを初めて観た利用者は、この車両の展望室の中から走り去る景色を眺めたいと思ったに違いありません。1936年という戦前に世界で初めての全車流線型車両による美しい車体が平均時速104Km/hでベルリンとドレスデンを結ぶ訳ですからその高揚感はいかほどのものか想像できます。

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展望室部分を側面から見たところです。車内の図面を見る限り、この展望室には4つの座席が窓に向かって配置され、人が通るのも難儀をするほど狭い空間です。おそらくこの座席はTEE Rheingoldのドームカー同様、座席指定はなく自由に出入りできるようになっていたものと考えられます。

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展望室と反対側の車端部分側面です。出入口の隣はWCです。そして3等区分室x2、2等区分室x4、3等区分室x2の8室がレイアウトされています。中間車が3等区分室x4、2等区分室x2、3等区分室x3なので2等と3等の割合が異なり、2等が多いのは、やはり展望室への出入りのし易さを配慮していたからかも知れません。

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ちなみに2等区分室は2300mmのピッチの空間に3人掛けのシートが対面にレイアウトされていて肘掛もついていますが、3等区分室は、1700mmの室内に4人掛けシートが対面に並んでいます。肘掛けはシートの端2箇所にあるだけです。現在の基準だと3等車は結構キツいかも知れません。

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展望室正面です。このオリジナルの造形では、尾灯が車体に埋め込まれるデザインでスッキリとしています。

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やはりこのHWZの見せ場がこの展望室でしょう。ただ、室内は狭いので優雅..というには程遠かったのかも知れません。(座ってしまえば一緒かも知れませんが...)

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このHWZ(D54列車)は、Berlin Anhalter Bfを13:10に出発、約180Km離れた Dresden Hbfには14:55に到着します。所要時間1時間45分です。現在は途中Leipzig Hbfに停車しますが、この列車は、Dresden Neustadtに停車する以外はノンストップでした。(Leipzig Hbfは突端駅でしたので機関車の付け替えが必要になります)
種別はD-Zugですから、特別豪華な列車でもありませんが、4両編成で食堂車もあります。今ならICE-TDレベルの設備仕様でしょうか。スプリンタークラスの俊足で、ICE種別が与えられたことでしょう。

この列車は、1編成しか用意されなかったため、1日2往復のみの運転でした。この華々しくデビューしたドイツの誇る列車も1939年にはドイツ軍がポーランドに侵攻。第2時大戦が同年9月1日に始まる直前の8月31日までの運行を持って終了となりました。

以上で、このHWZモデルの紹介は終了です。

参考文献:SWRPwPost4ü-35, SBC4ü-35 Henschel-Wegmann-Zug / "WAGEN" Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen / GeraNova Verlag München
タグ:Ep.II DRG HWZ
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26610 DRG SBC4ü-35 (10402+10403) / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

昨日からHWZ客車を紹介していますが、今回は中間車2両について触れてみます。この客車は、2両とも同じSBC4üです。そのため10402と10403の2両を一緒に紹介します。

[10402]
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HWZの客車は、2/3等合造客車で外観は極めてシンプルなレイアウトで構成されています。中央に2等区分室、左右両端に3等区分室があり、FFD-Rheingoldのような1/2等のみで構成されるような贅沢な編成ではありません。どちらかと言えばスピードに特化したビジネス需要を重視した列車の位置付けだったと考えられます。ベルリン-ドレスデンはそれだけの需要があったのでしょう。

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車端部ですが、フルカウルされたスカートや完全に切妻の屋根、すべての窓の上下寸法が統一されているなど、極めてクリアで静かな造形が施されています。この静かな佇まいが前後の展望部分をより明快な違いを際立たせる役割を視覚的に表現されています。

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車体中央のDRGエンブレムと車体番号銘板です。所属はBerlinのようです。


[10403]
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10403は10402と同形式で同じ2/3等区分室客車です。

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車端部分も10402と変わるところはありません。

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車体側面中央のDRGエンブレムは、車体番号のみ異なります。

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所属駅は、Berlin Anhalter Bahnhofです。この駅は突端駅で非常に大きく美しいドーム屋根を持つベルリンを代表する駅でした。たまたまこの駅は西ベルリンにあったことから路線のほとんどが旧東独地域だったにも関わらず、客車は戦後も西ドイツに残り、Ep.III時代はF-Zug Blauer Enzian(青りんどう号)として活躍しました。

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検査日付表記は、台車近くの裾部分にレイアウトされています。表記は1936年3月30日。次回の検査日は1936年9月30日と印刷されています。

日本で言えばRheingoldが特急「燕」で、このHWZはビジネス特急「こだま」に当たるようなイメージなのではとの印象を持ちました。
タグ:Ep.II DRG HWZ
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26610 DRG SWRPwPost4ü-35 (10401) / Ep.II [Maerklin-Reisezugwagen]

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少し前にここで紹介したHWZ列車セットの客車を紹介します。HWZはHenschel Wegmann Zugの頭文字を取った略称ですが、Henschelは、61形の機関車製造メーカーの会社名です。そしてWegmannは、この列車の客車製造メーカーの会社名です。つまりこのモデルの実車である客車製造メーカーの会社名がWegmann社ということです。

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この客車は、戦前のDRG時代にして余りに意欲的な試みがなされています。61形でも紹介した密着自動連結器(Scharfenbergkupplung)の採用もその1つですが、客車は4両編成で車端部の片側が展望出来るようにしつらえています。しかし、もう一方の車端部は荷物室のため乗客の展望には解放されてません。更に、専用機関車である61形と組む固定編成を前提とした客車列車として設計されています。これに似た客車はミドセンチュリー時代の(20th Century Limitedなどの)米国の客車や、満鉄のあじあ号が思い浮かびます。

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上画像は、密着自動連結器がついた車端部分ですが、KKKカプラーがその下から出ています。

今回紹介するモデルは、この展望できない展望室付き客車であるSWRPwPost4üです。この形式名は少し長すぎますが、実際様々な用途に使われる車両として設備されています。
まず、食堂車(WR)としての機能。そして荷物室(Pw)。更にはPost(郵便)の3つの機能を1両にしつらえています。

このモデルを見ながら車両(実車)について最初に感じた残念な部分は、展望室をなぜ食堂部分の1部としてレイアウト出来なかったのだろうか..ということでした。流れ行く景色と線路を見ながらの食事は、贅沢そのものだと思うのですが..。おそらく他の車両から移動する際に荷物室や郵便室を通らなければならない故の難しさがあったとは思いますが..。

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荷物室の扉横に形式表記があります。印刷は精細で滲みは皆無です。

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郵便室窓の横に郵便車に必ずある投函口が印刷されています。

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車体中央には、DRGのシンボルマークが紫色とベージュのツートンカラー上にレイアウトされています。

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食堂部分の車体側面には「SPEISERAUM」の表記があります。供食事業者はMITROPAと思われますが、Rheingold用客車と異なり同社の社名やシンボルマークの表記はありません。
下画像では食堂部分の窓から少し車内の様子が窺えます。

裾部分には、直近検査日と次回検査日の表記があります。直近検査日は1936年3月30日です。画像左下の裾上にある所属駅表記はBerlin Anhalter駅のようです。この駅は先の大戦(WWII)で爆撃を受け大破してしまい、現在は跡地が技術博物館や公園として整備されています。

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車端部分の前後正面です。展望窓のついた方が機関車との連結面(または最後尾)で、反対側は貫通路になっているはずですが、固定編成で見えないためか、モデルは貫通路の表現はありません。

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1930年代当時の流行は、Bauhausに端を発したモダンデザインで、このHWZのフォルムも大いにその影響が見て取れます。フルカウルのスカートは空力的にも優れていたでしょうが、メンテナンスはその分苦労があったと想像できます。モデルではスカートが台車の回転の障害になるため、スカートごと回転します。


タグ:Ep.II HWZ DRG
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4157 DBP Post mrz / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 車両左端が手ブレーキ側

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▲ 車両左端が非手ブレーキ側

その後、別の友人からPost mrz車両(4157)の画像を提供していただけたので、こちらも紹介したいと思います。
実車については、同形車両(4280)で触れたのですが、ここでは車体番号から紐解く同番号の歴史のみ記したいと思います。

[実車について]
UIC車体番号は、50 80 00-95 076-8です。この車両はBremenのHANSA Waggon社*にて1975年3月に73 076として落成しました。Ep.VのDBAG時代には、 Dmz 995に仕様変更されています。1997年5月末には廃車されました。

[モデルについて]
このモデルは、初めて同形式モデルがリリースされた1981年から83年までの3年間リリースされました。その後は短い台車を装着した改良版モデルが翌年から89年までの6年間リリースされ長く市場に供給されたモデルの1つです。1990年からは、製品番号を4280に変更してクローズカプラー装着の仕様でリリースされています。他に裾色が黒色であるのが特徴でしょうか。なお、製品番号4157としては、1993年と98年の2年間はChromoxidgrün色でリリースされています。

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車体のDBPのポストホルンマークは明快で秀逸なデザインだと思います。最近は見掛けませんが、日本で発売されているステーショナリーのマークにこのポストホルンを記した封筒などがあったのを覚えています。

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このモデルには、4280とは異なる番号「73076」が表記されていますが、どうやらこれはPostの固有車体番号のようです。UIC表記は別途表記されているため、この車両は2つの独自番号を持っているということです。(下3桁の076はUIC番号と統一しています)

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UIC表記のある車体両面の画像です。表記の位置が異なるのは、窓下にルーバーがあるためと考えられます。もちろん4280とは番号が異なります。これも最高制限速度200Km/h仕様をプロトタイプにしたモデルです。

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車端部です。ちょっと残念な発見をしてしまいました。おそらく金型の共通化に起因している問題と思われますが、尾灯の位置がUIC-X客車と同じ位置にあります。Post mrzの実車はN-Wagenと同じ低い位置にレイアウトされています。

27cmモデルが段々と28,2cmモデルに代わられてゆく中で、このPost mrzもそろそろ新しいスケールでの登場が期待されます。その時は是非正しい尾灯の位置で登場して欲しいと願わずにはいられません。(28,2cmの135形食堂車が実際と異なり低い位置にレイアウトされていない問題点があるので、ちょっと心配しています)

リリースされる時はPost InterCityとして数両がセットになっているのが良さそうです。

*) HANSA Waggon社:HANSA Waggonfabrik GmbH

参考文献:Post mrz /「Wagen」Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen, GeraNova Verlag
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4280 DBP Post mrz / Ep.IV [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 車両左端が手ブレーキになります。

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▲ 車両左端が非手ブレーキになります。

27cmモデルのUIC-X客車など少なからず私の手元にあるにも関わらず、何故か同じシリーズである郵便車両が手元にありません。特に今回まとめを作るにあたって、郵便専用列車(Post IC列車)として急行種別も位置付けられていることを知るに至り、急に興味が湧いてきました。

そして「Postdienstwagen / DBPのまとめ」記事を公開したところ、知人からタルキスカラーのPost mrz形モデル(4280)をお持ちとのお話を頂きました。そこで無理を言って画像を何枚か提供して頂き、早速このモデルについて触れてみたいと思います。

[実車について]
1970年代の半ばにドイツ連邦郵便は、鉄道郵便車両の大半が戦前や1950年代製造の車両となり刷新に迫られていました。そこで最高制限速度140Km/h対応の新形式車両を製造することになります。1979年にはInterCityに2等車が組み込まれ、最高速度も200Km/hとなるなど、郵便車両も電磁吸着ブレーキやヨーダンパ装備を装備した200Km/h対応の同形車両も登場しました。

モデルの実車(50 80 00-95 159-2)は、1975年にLHB*社でV-Max140Km/h仕様で落成、後に200Km/h仕様に改造されています。DB AG時代にはDmz 995として形式変更されましたが、1997年5月31日付で廃車となっています。

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おそらくモデルの表記ミスと思われるのは、手元資料では、51 80 00-95 159-1となっています。この違いは、RIC規格準拠の有無のようで、資料上の「51」はRIC規格準拠とされています。

[モデルについて]

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このモデルは、1990年から1992年までの3年間リリースされました。特徴的なのは、ドイツの郵便500周年記念に合わせて車体に記念ワッペンが印刷されているところでしょう。1993年から1998年の6年間のモデルはワッペンなしでリリースされています。

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表記類は、1990年代初頭のレベルと言えます。潰れてしまい見にくいですが、所属駅はStuttgart Hbfとなっています。画像左側の「PA Stuttgart2」は、Postamt(郵便局)の略と思われます。Stuttgart2と呼ばれる郵便局担当だったと考えられます。当時の郵便局は大抵駅前にあり、鉄道郵便の担当も兼ねていたと想像できます。「OPB Stuttgart」の表記の意味は確認できていません。

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車端部裾の表記です。ここに記されている「73159」は未確認ですが、どうやらDBP所属車両としての独自番号のようです。UIC番号とは別に固有で番号が振られているようです。
裾部分の表記「↓Schalter für Schlußlicht」(尾灯スイッチ)も興味深いです。この車両の実車の尾灯は下部に位置しているのでスイッチがこのような場所にあるのでしょうね。

このモデルはPMSからリリースされているモデルも含めて様々なバリエーションがあり、何両か繋げて郵便専用のPost InterCityとして組むことができるでしょう。メルクリンからも28,2cmでそろそろリリースされても良い頃合いかな..とも思えます。

*) LHB: Linke-Hofmann-Busch GmbH, Salzgitter (現 ALSTOM)

参考文献:Post mrz /「Wagen」Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen, GeraNova Verlag
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43290 DB AB4üe-35/52 (11 599 Köl) / Ep.IIIa [Maerklin-Reisezugwagen]

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▲ 幅1.400mmの巨大な客室窓が印象的な35系列区分室客車のサイドビュー(区分室側)

昨日、2007年に記したF-Zug "Merkur"セット(43290)の1/2等区分室車モデルの記事をリニューアルしました。このセットには同じ形式(AB4üe-35/52)のモデルが2両あるので、記事のリニューアルに合わせて2つのモデルを紹介することとしました。

今回は、もう1両の35系列区分室客車モデルについて紹介します。

[実車について]
この客車は、1/2等合造客車(11 599)として1935年にBreslauのLHW社*で落成しました。戦後1945年にDB車籍となり、その後同形式では合計9両のF-Zug向け車両の1両として鉄青色塗装で活躍しました。また1954年に改造を受けています。
UIC表記となったEp.IV時代には3回ほど車体番号が変更され、形式はAüe 308となっています。廃車は1977年8月のようです。

[モデルについて]
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このモデルを初めて手にした時、その繊細で華奢な印象を強く受けました。それは、いつものメルクリンモデルを手にした印象とは違うものでしたが、それはメルクリンからリリースされているものの実はFleischmannによるOEM生産モデルということから、いつも見慣れているメルクリンらしさとはちょっと異なる印象を受けたからに他なりません。
しかし、それはどちらが良いという優劣をつけられるものではなく、メルクリンモデルの持つ造形の安心感がこのモデルにはあまり感じられなかったということだと思います。

画像の妻部分に見える乗降扉部分の手摺など、TRIXではあるかもしれませんがメルクリンではもう少し違う表現になったように思います。ただ、触って危なっかしいと感じるほどでもありません。

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車体中央のDBマークがシルバーで印刷されています。実車はステンレスの切抜き文字だと思います。

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車両形式や車体番号の他、各種表記が窓の桟に印刷されています。いずれも精細な表現で満足のゆくものです。

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サボには、列車名の「Merkur」の他、出発駅のHamburg=Altonaと終着駅のFrankfurt (M)、そして途中主要停車駅名が印刷されています。

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RICラスターには、西ドイツの他、オーストリア、ベルギー、スイスなど合計11カ国の入線許可が記されています。

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直近の検査日はKrefeld-Oppumで1953年2月11日、次回検査は同年8月11日と記されています。また電気暖房仕様であることも表記されています。

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妻部分の正面です。まだ蛇腹式貫通幌の時代であることが理解できます。左右のステップはフライッシュマンからリリースされた同形式モデルとは数少ない違うところのようです。Fleischmannからリリースのモデルはステップに抜きがあるタイプですが、メルクリンリリースのモデルは抜きがない仕様になっています。

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このセットのモデルは全て室内照明が標準装備です。そしてこのモデルに集電シューが装着され、照明用の電気がRTSカプラーを通して他の車両モデルに供給されます。
集電シューは、メルクリン製ではなくFleischmannの部品のようです。

Fleischmannは現在ROCOと合併してそれぞれのブランドで今も鉄道模型を供給していますが、合併以前は転車台やVT610形気動車モデルなど時折メルクリンとの協業モデルを市場に出していました。
今は、不可能なコラボモデルになってしまったメルクリンブランドを付けたFleischmann製のF-Zug「Merkur」セットですが、メルクリンによる新開発モデルとしてこの大きな窓を持つ35系列客車群を各車種でリリースしても良い頃なのかも知れません。

*) LHW: Linke-Hofmann-Busch-Werke Aktiengesellschaft (現ALSTOM)

参考文献:Einheits-D-Zug-Wagen (geschweißt), Bauart 35 /「Wagen」Das Archiv der deutschen Reisezug- und Güterwagen, GeraNova Verlag
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Schürzenspeisewagen / DB (DSG) Ep.IV のまとめ [Maerklin-Reisezugwagen]

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これまでEp.IV時代のSchürzenwagenのうち、食堂車については座席車などと一緒に纏めていましたが、各時代区分の食堂車や寝台車のまとめを分類し始めたので、Ep.IVの食堂車についても同様に纏めます。

この時代の食堂車については、少しややこしい部分があるので、その説明をしたいと思います。欧州の鉄道模型での時代区分の基軸としてNEMが規定したEpochというものがありますが、DBではEp.IVについては、以下の通りになります。

Epoche IV a: 1965 bis 1970(1968 Computernummern bei Loks, UIC-Nummern an Wagen)
Epoche IV b: 1970 bis 1980(Einklassiger IC (statt des TEE), 1979 auf 2. Klasse ausgeweitet)
Epoche IV c: 1980 bis 1990(Erste orientrote Triebfahrzeuge)

私自身はここまで細かくはしないでも..と思っているので、Ep.IVは1965年から1990年ぐらいまでと考えています。模型ではUIC番号車両の登場(1968年)からドイツ連邦鉄道の終焉(1994)としていますが、NEMではそれ以前のドイツ連邦鉄道時代の最後のカラーリングOrientrot時代の1990年が最後となっています。

そのような区分の中でもう一つ、1949年にフランクフルト アム マインで創業したDSGはEp.IVa時代の1968年に自社保有していた食堂車と寝台車をDBに譲渡しています。これが車体側面に大きく描かれた「DSG」のロゴマークが消滅した時になります。つまりEp.IVaのうち、1965 - 1968はDSG表記であり、1968 - 1990は、DB車籍のため「SPEISEWAGEN」や「Restaurant」の表記に変わります。
このため、ごく僅かでしょうが、DSGのロゴマーク付きでありながらUIC表記された車両もあるように考えられます。これは変更年が同じ1968年なので微妙ではあります。

模型の世界では、食堂車が編成のポイントとなる大切なアクセントですが、そのアクセントの表記の違いはこうした同じ時代区分の中で2つの異なる表記があることを理解することは大切であると思っています。
特に、このまとめであるSchürzenwagenは、戦前から生き抜いてきた食堂車なので、その表記の違いは時代を表すことで大きな意味を持つものと考えられます。

ただし、現在はEp.IV時代のDSG表記の食堂車モデルがリリースされていないと思われますので、F-ZugやTEE初期のRheingoldに組成された同車モデルの登場など、今後のリリースにちょっと期待したりしています。

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[Purpurrot]
43240 WRüeg 152 | 51 80 88-86 180-9(2006年記事)
43240 WRüeg 152 | 51 80 88-86 180-9(2019年記事)

[Popfarbe]
26512 WRügh152 | 51 80 88-46 160-4 | D 611 Olympia 1972
43919 WRügh152 | 51 80 88-40 219-4

[Ozenblau/Elfenbein]
43243 WRügh152 | 51 80 88-40 201-6(2007年記事)
43243 WRügh152 | 51 80 88-40 201-6(2019年記事)

ここではメルクリンとTRIXでリリースされたEp.IV全てのSchürzenwagen食堂車モデルをまとめることを目標に作りましたが、手元にないモデルもあるでしょうし、ここで紹介できていない該当するモデルがあれば、ぜひコメント欄に製品番号と共にご指摘くださればありがたいです。

なお、このまとめページは左カラムに同じ画像のサムネイルがありますので、いつでもアクセスが可能です。ご活用いただければ嬉しいです。(PC画面のみ)

[EDIT] 2020-1-3
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