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3371 DB ICE-V (4) 410 001 / Ep.IV [Maerklin-Triebwagen]

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ICE-V(410形)5両編成最後の1両であり先頭動力車(というより機関車)である。この3371/3671セットは4両セット+1両にも関わらず実車同様の2モーターである。ちょっとオーバースペックという気がしないでもないが、これもメルクリンのこだわりなのかも知れない。実際、VT11.5/VT602モデルも7両編成で両先頭の動力車にモーターが搭載されている。

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▲ 410 001のブルネル賞の印刷が少々ズレているのは残念。80年代の印刷技術の限界かも知れない。

そして、このモデルは元々アナログであったのは、購入当時既にデジタルモデル(3671)が生産完了していたからである。そのため、ドイツ滞在時に販売店でデジタル化を依頼。純正パーツで3671と同じデジタルにしたのである。しかし、帰国後このモデルの調子が悪くなり渋谷のお店で相談。ただ、既にこのモデルのデジタルパーツが生産完了していて、修理が難しいことを覚悟の上で依頼。暫くしてやはり修理不能で返却の憂き目にあったのである。

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▲ 久しぶりに5両編成で走行させた。

その当時、ようやく快適なネット環境が整い、ドイツのメルクリンファンにも相談し、何とかESUあたりのデコーダーを使えば再生が可能との情報を得た。さらに名古屋のHiLoさんにも相談に乗ってもらい、修理をお願いすることになった。そして今度は無事に我が愛し?のICE-Vモデルが無事に修理が終わり走らせることが可能になったのである。
更にESU製のデコーダー(LokPilot)搭載のため、それ迄の前照灯on/offのみのファンクション制御から、漸次加減速や室内灯on/offも可能になったのである。

メルクリンモデルの修理パーツは、基本的にいつでも手に入ることが大きなアドバンテージの1つであるが、稀にこのICE-Vのような特殊なモデルについては、残念ながらメーカー修理不能ということも考えられるのである。
そういう意味ではESUのようなサードパーティメーカーの存在と、電気に明るい知識+工作力(もしくは、そのような力のある販売店の存在)は、メルクリンモデルのファンにとっても必要な要素の1つであることを痛感した出来事でもあったのである。

[Special Thanks] HiLoさん@名古屋メルぽっぽクラブ
タグ:ICE DB Ep.IV DIGITAL ESU

4171+3371 DB ICE-V (3) 810 002+003 / Ep.IV [Maerklin-Triebwagen]

120.1形モデルなど新しいメルクリンの情報が入ったため、ICE-V記事の続きが遅くなってしまった。

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▲ 810 002 1/2等合造開放室車(4171)

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▲ 810 003 検査機器車

今回紹介したいのは、5両編成ICE-Vの3両ある中間車の残りの2両である。1両は810 002で、1/2等合造開放室車である。この合造車は以前の実車の記事にも記した青リンゴ色のシートが並ぶ2等車、エンジ色のシートが並ぶ1等車を車両中程にある洗面所/トイレで区切った車両である。そのため、外観からは連続窓でほとんどわからないが、トイレ部分の窓が狭い。これは、エキステリアデザインでの窓の処理として、異なる形状の窓をレイアウトしなければならない時(特に車体中央にレイアウトしなければならない場合)は特に有効である。

ドイツで車両のエキステリアデザインをする時に注意する点としては、「整理」という概念が必要であることである。特に立体物である場合、様々な角度からそれを見るのであるが、その際、造形が整理されていないと散漫な印象になり見ている方が落ち着かなくなるのである。だからといって単純にすれば良いというわけでなく、様々な要件を満たしつつ、全体のフォルムを整理して自然に見せることが大切であるということ。例えばHゴム支持のある窓とない窓が混在しなければならない時、その大きさが若干異なればちぐはぐな印象になり、煩いデザインになりかねないのである。それを如何に上手に整理するかは大切なデザインのプロセスの1つである。

一方、810 003は、試験車としての計測機器とそのオペレーションをするための車両である。ここで数々のデータを蓄積する。ここで得られた結果が、後のICE1に反映されることになった。しかし、後に聞いた話であるが、少なくともエキステリアでは、ICE-Vの形状はさほどICE1の形状変更には影響を与えなかったようである。大きく変わった点と言えば、前照灯の他ヘッドライトが増えた点とICE1の前面サイドにエアインテークが増えた点、そして風をより上下に整流させる程度の変更ぐらいであろうか。

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さて、モデルでは実車に合わせてインテリア/エキステリアも別金型で作り分けられている。810 002は、3371/3671セットとは別売りの4171である。中央の洗面所窓が特徴的である。私が個人的に気になった柱部分の色については、スモーク樹脂の窓を上から被せてあってもそれなりに目立ってしまい、折角の一体感のあるデザインが損なわれてしまうと感じたからに他ならない。この部分を目立たないようにするために全体の窓の柱をガンメタ色に塗装したと言っても過言ではないのである。一方、810 003は車内の機器類がグレーの樹脂で再現され、良く雰囲気は出ている。窓配置は810 001と同様である。
全ての中間車の連結部分は共通で、先頭車とも共通になっている。(画像上)

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810 002、003両車両の台車は001とは異なり、定評のあるMinden-Deutz形(MD52)を改良したタイプを履いている。空気バネを装着していないが、高速対応かつ乗り心地の良い台車である。

To be Continued....
タグ:DB ICE Ep.IV

3371 DB ICE-V (2) 810 001 / Ep.IV [Maerklin-Triebwagen]

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昨日に引き続きICE-Vである。今回は中間車の810形モデルを紹介したい。このモデルは1等開放室車両である。実車のインテリアは、以前紹介した画像にもあるが極めて機能的なデザインで、現在のICE3の本革シートとはテイストが違う。

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エキステリアの特徴は、現在では標準的な形状である連続窓がドイツの鉄道で初めて採用された。特に車体面と窓面がフラッシュサーフェス化されたのは、エアロダイナミクス効果もさることながら、汚れもつきにくく、洗浄もし易いなどメンテナンスの簡易化の効果もある。モデルでは、窓の内側にある柱の部分が無塗装で白色であったので妙に目立っていたのが気になっていたので、これもデザインセンターの担当に質問したところ、実車もダークグレーに塗装後、ガラスを当てているため、黒っぽく見えるとのこと。そこで手元にあったガンメタリックを塗装した。結果はご覧の通りである。
連続窓の効果は、見た目はシンプルになり出入口の小判形窓とのコントラストも美しく、乗降口の目印になる視覚的シグナルとしての機能もある。

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中間車2両を全断面幌で連結した姿である。これを見ると、まさに2両の車両が一体化しているのがわかる。通常の幌はそれぞれの車両にある幌自体が車体と一体なため、どうしても2両の幌を繋げると、[幌+車体+幌]-[幌+車体+幌]という形で見た目の一体感が出にくい。しかし、全断面幌の場合、2両の車体とそれぞれの幌が可動式で2両の幌が一体化するため、連結すると[車体]-[幌]-[車体]と3つのバーツ構成となる。これが大きな違いである。

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試験車両ということで、3両の中間車両のうちこの810 001だけは、空気バネつきのFIATに似たタイプの台車を履いている。量産車(ICE1)では、伝統のMD形が採用されたので、このタイプは成果が出なかったのであろうと想像出来る。

To be Continued...
タグ:Ep.IV DB ICE

3371 ICE-V (1) 410 002 / DB Ep.IV [Maerklin-Triebwagen]

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少し前に紹介したBerlinの交通博物館で偶然出会ったICE-Vであるが、メルクリンからはデジタルが世に発表された時と同じにモデルもリリースされていて、もちろん私もそのICE-Vには「鉄道ファン」誌で紹介されていた当初からどうしても欲しいモデルの1つであったのである。
今回より数回に分けて、このICE-Vモデルの紹介をしたいと思う。第1回目は、先頭機関車410 002である。

当時DBも超高速列車の営業運転を目指し、NBS(高速新線)を整備し、そこを走る専用の旅客列車であるInterCityを使って南北ドイツを結ぶ路線を計画。そしてその専用列車である最初の試験車をInterCity Experimental(通称ICE-V)をNeumeister Designがエキステリアとインテリアのデザインを行ったのである。
この列車が完成した当初は私は既に大学生だったであろうか。インダストリアルデザイナーを志し将来は自動車か家電かで迷っていた時期だと思う。鉄道はデザインなんて必要とされていないのではないかと感じていた。しかし、この車両を写真で見た時の驚きは言い表しようのないものであったのは確かである。本当に洗練された美しいデザインであると感じたし、技術的にも先進的であった。何より、乗ってみたいと心から感じられるデザインであり、更には鉄道車両に優れたデザインが必要であることを痛感したのがこの車両の登場であった。

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▲ 素晴らしいモデルであるのだが、残念なことの一つが正面の上部1灯の前照灯である。導光透明樹脂が実車より少し下側にレイアウトされてしまっている。

その後1990年6月のICE運用開始迄、試験の他ドイツ各地を巡ってお披露目をしたり、また、ソ連のゴルバチョフ元総書記が訪独した時には、コール元西ドイツ首相と一緒にこの列車に試乗するなど、後の東西ドイツ統合やロシアのVelaro導入にもこのICE-Vは大きな役割を果たしたと考えるのである。

実際、この410形は、Fulda - WuerzburgのNBSでの高速試験で406.9Km/hという世界最高速度記録を樹立し、その当時のドイツ最高の鉄道技術のポテンシャルを発揮したものと言えよう。

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▲DBでは、初めての試みと言われた運転室横窓のダミーが見える。尖っている部分は実車ではガラスが被せられ、モデルでは塗装のみ。実車では造形を理由にした窓のダミーなどそれまでは考えられなかったと言われている。

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さて、そのモデルであるが、メルクリンからは5両編成のうち両先頭機関車と中間車2両を含んだ4両編成のセットをアナログ(3371)とデジタル(3671)でリリース。中間車(4171)1両は単品でリリースされた。特にデジタルモデルは、メルクリンデジタルが始まって初期の1986年にリリースされたので、DBが新しい鉄道時代の象徴と位置づけたのと同様、メルクリンにとっても新しい制御システムであるデジタルの象徴的なモデルとして取り上げられたのである。
もっとも当時の私は、そのデジタルが何なのか?魅力も理解出来ずにいたし、価格も今とは比べ物にならないほどの開きがあったため、特に興味も持てなかったのである。

時は変わって、私がドイツの大学に入学して2年目である1990年、当時ミュンヘンにあったBZA Muenchen内のDesign Centerで念願のインターンシップを行うことになり、数ヶ月間Muenchen暮らしをしている時、日本から旅行に来た知人(それもメルクリンの1番ゲージの買い物のため)を数日案内することになった。そして最後の日に、お礼として「欲しいメルクリンをどうぞ」と言われ迷わず選んだのが、このICE-Vであったのである。(何と厚かましい!)

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▲ 試験車両であるが故にドイツの鉄道製造メーカーの総力が結集されている証がここに記されている。ICEロゴの下には電装メーカー3社(左側)と車体製造メーカー3社(右側)の社名が印刷されている。

それが今回紹介する3371であるが、当時既に3671は生産完了し、3371が若干仕様を変更して店頭に並んでいたもので、大きな違いは先頭車の前頭部横DBマークの下に鉄道デザイン賞であるブルネル賞のワッペンが印刷されていることぐらいであろうか。

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ICE-Vの大きな特徴の一つであるのが、上画像の全断面幌である。メルクリンモデルは、何とこの幌を実車同様可動式の設計とし、我々を驚かせたのである。まず、先頭機関車410 002には幌付きとし、連結する隣の車両は、幌なしを連結する。上画像下は、その幌を外したところである。連結器は数極ある導電プラグとソケットを兼ねたもので、差し込むだけで連結可能である。実車では両車端に幌があり平面部で連結されるのだが、モデルでは両車両分を片側に付けている。連結すれば実車と同じ機能(動き)と形状を楽しめるのである。

結局残念ながら量産車のICE1以降は、この画期的な幌付き連結器もコストの関係で実現されずに終わったが、モデルでも同様の機能が見れたのはメルクリンモデルだけであったと思う。

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屋上に目をやると、ワンアームのパンタグラフがあるが、おそらく当時の最新型機関車であった120.0形と同様であったと思う。

To be Continued....
タグ:DB Ep.IV ICE

37772 DB SVT04.501a/b / Ep.IIIa [Maerklin-Triebwagen]

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先日MHIモデルのSVT04.5a/b "Montan-Express"(37772)が届いたと、Kiyoshiさんからメールと画像が届いた。Ep.II仕様のSVT137(37770)モデルが華々しくデビューして数年が経つが、欲しい気持ちを抑えつつ今日まで縁のなかった気動車モデルである。
その間に、メルクリンモデルも進化を遂げて既に幾つかのバリエーションをリリースしているのだが、今回紹介するのは、そのEp.IIIa仕様の"Montan-Express"である。

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では、そのKiyoshiさんからのショートインプレッション:

待望のSVT 04.501a/b(Nr.37772)が届きました!ハイセンスなカラーリングのDRG SVT137に比べると地味ですが、Ep.IIIa三等級制の最後を飾るに相応しいモデルです(笑)。
ファンクションでは、室内照明のon/off が可能である事(レールバスはコレが出来ません)、駅アナウンスがESU社の音源とは違い男性の声であり、チョット驚きました。SDSだったとは、嬉しい誤算♪
車体は24cmショートスケールですが、全体のプロポーション&雰囲気はイイです(DVD"Fliegende Zuege"を見ててそう思いました)。>Hiloさん、貧弱なんて言わな いで!(涙)
室内灯も明るく、サイドの"DEUTSCHE BUNDESBAHN"の文字が映えます(笑)。連結部分も綺麗に処理されておりカーブ(R3)でも見苦しくありません。

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モーターがSDSになり、極めて静かな走行音のため、集電シューからの音が目立ってしまうほど..とか。デコーダーはもちろんサウンド付きmfx。Kiyoshiさんも満足の1台であるようで、画像を見る限りこれは充分に納得。

実車は1954年から56年に掛けてLuxembourg-Frankfurt/Mを結んだFt231/232である。まだ3等級制時代であったので、全室2等(Ep.IIIb以降の2等級制では1等車扱い)である。当時の西ヨーロッパの金融の中枢を担っていたベルギーのLuxembourgと西ドイツのFrankfurt/Mを持ち前の俊足で多くのビジネスマンを乗せて走っていたに違いなかろう。

Special Thanks: Kiyoshiさん

[EDIT] 2019-08-24

Goud voor de "Koploper"! <- この意味は? [Maerklin-Triebwagen]

先日何げなくメルクリン・オランダサイトを見ていたら、なにやら見慣れない塗装のモデル画像を見つけた。そのモデルは"Koploper"である。私はもちろんオランダ語を読めないのであるが、どうやら最新のオリンピック塗装(37422)らしい。

http://www.marklin.nl/nieuws/-1/

オランダモデルまで手を出せない私であるが、画像が小さいだけにオリジナルの画像か、モデルを手に取って見てみたいものである。それにしても、オリジナル塗装のモデルがまだリリースされていないのに....。
タグ:NS Ep.V

39970 DB 701 033-3 / Ep.IV [Maerklin-Triebwagen]

年末に届いた荷物に含まれていたモデルの一つがこのレールバスタイプの架線軌道車(39970)である。このブログでもすぐに記事化しようと思っていたのだが、RAmやらDB112+62系列TEE客車やらの新製品が続々届いたり、更には今年の新製品の発表もあったりして中々紹介できないまま今になってしまった。しかし、これをCSに登録して実際に操作してみると、現在のデジタルファンクションの集大成とも言えるほどのギミックのてんこ盛りで実に面白いモデルであった。


ベースになったモデルは実車同様レールバスである。故にボディは全金属製、mfxデコーダー、そしてコンパクトCサインから同サイズのSoftDrive-Sinusに変更となった最新のモーターである。
更にこのモデルでは、別途ファンクションデコーダーが内蔵。3つのピエゾモーターが内蔵されていてパンタグラフ(初めての菱形)の上昇下降、屋上の作業台の上下、作業台の左右旋回がこのデコーダーで制御でされる。mfxデコーダーは走行機能の他、前照灯/尾灯、数々のサウンド機能を内蔵している。しかもベースがコンパクトなレールバスである。ある意味メルクリンがファンクションの限界に挑戦したと言えるモデルであるとも言えよう。
以下それぞれのファンクション番号と機能説明である。

[mfx]
f0: 前照灯/尾灯on
f1: -
f2: スピード変化の気動車エンジン音on
f3: 警笛on
f4: 漸次加減速off
f5: ブレーキサウンドoff
f6: 金属切断音on
f7: ハンマー音on
f8: 直角研削機音on
f9: 電気溶接音on
f10: 研削ジャッキ音on

[ファンクション]
f0: -
f1: 作業台上下動
f2: 作業台左右旋回
f3: パンタグラフ上昇下降
f4: 作業台動作イニシャライズ

2つのデコーダーを使用してここまで色々なギミックが楽しめるモデルはそうはないと思う。興味深いのは、ファンクションデコーダーのf1とf2は、動作スピードと上下や左右を変更するのは赤いコントロールノブである。ノブを廻して動作スピードを調節し、ノブを押すことで反転するのである。最初は動きをコントロールするのに戸惑うがすぐに慣れる。

さて、モデルについてだが、非常に繊細に出来ている印象である。子供に見せたら感激しそうなファンクションであるが、とても子供に扱わせられないと思う程細部のディテールに凝った作りである。添付の金属製(エッチング)梯子2つは作業台両脇に取り付けられるが、実に細かな作業である。作業台の手摺は手で持ち上げることが可能である。作業台の上下、左右旋回動作はノブでスピードを変えられるが、最低速度で動作させるのが実感的であった。これら屋上可動部品のコントロールは、内蔵のファンクションデコーダーでの操作となるが、これはCSの2つの操作画面があって初めて快適な操作が可能になる。と言うのも、MSでは、画面が1つなのでファンクションデコーダーを呼び出すのに時間が掛かり、mfxデコーダーと一緒に操作が出来ない。そのため、私はファンクションデコーダーをmfxデコーダーと同じネーミングにし更にファンクションの意である(f)と付けたのである。(BR 701 033-3 (f))

mfxデコーダーの方は、元々レールバスの動作もサウンドも素晴らしいだけにそれを踏襲している。動きは更に繊細になったと言えるのかもしれない。5種の作業音はここで操作するが、そのサウンドもそれぞれ楽しい。メルクリンが得意とする「魅せるモデル」であることは疑いの無いところである。
しかし不満が無い訳でもない。折角の両前頭部屋根上のサーチライトは無機能なのである。もしこれが高輝度白色LEDで点灯すれば、私はこのモデルに100点をつけるだろう。

参考サイト:ドイツ・メルクリンサイト 39970 Turmtriebwagen.
http://www.maerklin.de/de/produkte/detailsh0.html?page=13&perpage=10&level1=27&level2=3730&newprod=1&art_nr=39970&era=0&gaugechoice=2&groupchoice=0&subgroupchoice=0&backlink=%2Fwww.maerklin.de%2Fde%2Fprodukte%2Fspur_h0%2Fneuheiten.html


39540 SBB RAe TEE "Gottardo" / Ep.III [Maerklin-Triebwagen]

今年注文した新製品の最も大きな目玉モデル、スイスのTEE電車、RAe / SBB(39540)である。このモデルは、TEEが誕生して50周年を飾るに相応しいものであり、発表後はその期待の大きさが非常に大きなモデルでもあった。メッセの時に初めてマスターモデルを目にし、こうして自分の手元にずっしりと重いモデルがあると実に感慨深いものがある。

さて、このモデルの実車はメルクリンでは、TEE50周年記念モデルであると同時に、Gottardo峠路線開業125周年記念モデルでもある。同じスイスの気動車RAmがTEE Iと呼ばれるのに対し、この電車タイプのRAeはTEE IIと呼ばれている。電車とはいえ、乗り心地に重点を置いているためか集中動力方式を採用し、モーターや各種制御機器のみを持った中間車があり、そこに西ヨーロッパの電化区間各国の路線に対応する4電源とそれぞれの路線に合わせたパンタグラフが用意されている。1961年頃のTEE "Gottardo"仕様を模型化している。そのため、オリジナル仕様の5両編成となっている。(後に中間車1両を増備し、6両編成となった)編成の内訳は、両端の1等制御車が各1両づつ、1等車1両、食堂/バー車1両、電源車1両の5両である。全ての座席車は向かい合わせの開放室である。

モデルであるが、外観、インテリア共、全体的なプロポーションからディテールに至るまで一貫して非常に良く出来ているというのが第1印象である。もちろん台車部分が回転のために車体が切り欠かれていることやカーブでは、幌と幌の間隔が大きく開いて、連結部分が丸見えになるなど問題点も少なくない。ただ、オールダイキャストボディの重量感や電源車の屋上ディテール、各車で異なる室内装備の色彩や全客室に装備されている白色LEDの室内照明など感心する部分も多々ある。



駆動部分である電源車には3軸ボギー台車であり、車体中央にSDSモーターが配置されて、全軸駆動となっている。まだ少ししか走らせていないが、SDSモーターによる静粛で低速の効く走りは定評のあるところである。その期待は裏切られなかった。デコーダーはもちろんmfxであるが、ファンクションは意外に少ない。特にサウンドについては、(ドイツの)駅構内アナウンス、警笛のみであるのはこの高額なプライスではもう少し欲しいと思うのは贅沢な要求ではないように思う。特に電源車を擁する列車だけに各種機器音があればもっと魅力的だったのにと残念でならない。また、室内照明のファンクションボタンが前照灯/尾灯と連動しているのも、ファンクションボタンを分けて欲しかった。ファンクション数自体も少ないだけに残念である。

とは言ったものの、これらの機能は、今後改善される可能性もある。今後6両編成のバージョンもいずれリリースされることになるかも知れないが、その時には今記した問題点の改善や、できるならば各国の仕様(スイス/ドイツ/フランス(交直流)/イタリアなど)に合わせたパンタグラフをピエゾモーターを使って上下させる機能があれば面白いと思う。早く思いっきり走らせられれば...と思うのが今の心境である。


タグ:SBB Ep.III TEE RAe

29785 DBAG ICE2 / Ep.V [Maerklin-Triebwagen]

今、ドイツ鉄道と言えば新幹線ICEであるが、やはり模型ファンだと必ずしもそうとは限らず、30年ぐらい前の古き?良きドイツ連邦鉄道で楽しむ方が多いのではないかと思う。固定編成より機関車と客車や貨車の組み合わせは、様々なバリエーションが楽しめることもその1つであろう。しかし、今回はそれでもICE2を紹介したい。これはStartset29785に同梱されているもので、画像に写っているのは機関車BR402 022-8と制御客車805 322-5である。実はこれ、私のものではなく、息子のクリスマスにプレゼントしたスタートセットなのであるが、最近は滅多に遊ばない。やはり親がのめり込んでいると子供は覚めてしまうのかも知れない。と言う訳で、今はこのセットは私の管理下にある。
このセットモデルは、単品よりリーズナブルなためか、簡略化されている部分が多々あり室内灯を点灯させるにも相当数のパーツを揃えなければならないのが残念な部分である。
実車同様に402形機関車が動力車であり、DCMモーターとデルタデコーダーが内蔵されている。セットにはトランスとデルタコントロールが内蔵され、アナログトランスの指示通りに素早く反応する子供向けモデルである。ICE2は基本的に短編成なので2編成で組成されることも少なくなく、モデルでも先頭部分のカバーを外し、連結棒を付けることで2編成組成が可能である。(カプラーではないので開放はできなくなるが...)
残念だったのは、この時ICE編成を増やすための増結車輌モデルがICE1であったことである。確かに実車でも混結は不可能ではないかも知れないが聞いたことがない。

このセットが生産完了された後の2004年からは、Systemsで同様のスタートセットが発売されたが、こちらは、5極モーター付きfxデジタルデコーダー内蔵で警笛や駅の構内放送のサウンドが奏でられ、より魅力的である。また車体番号も違う。拡張セットも充実で同じICE2の中間車1両に直線レールと駅構内放送スピーカーなどが同梱されている。

このICE2の実車であるが、ちょうど私がミュンヘンのDBデザインセンターで実習していた時、高速新線(Neubaustrecke)が完成してICE1の営業が開始されたのであるが、その時点でICE2の開発は既に始まっていた。当時一緒に仕事をしていたDBのモデラ−が、ICE機関車とICE中間車の断面の違いから、制御客車の前頭部分を機関車と同じイメージにするのに苦労をした話を聞いた。モデルでも理解できるが、両車の断面は機関車が大きいため、特に屋根から前頭部分に渡っての造形が難しい。それでも完成したICE2は、彼の意図通りに仕上がったように思う。
内装外観共に洗練されたICE3/ICE-T(D)が登場したのは、私が帰国してからである。メルクリンもいち早くICE3を製品化している。

参考サイト:ICE2 / Railways in Germany
http://www.rig-bahn.jp/db-page/j-ice2.htm

追記:先日「驚きと感謝」というタイトルでブログを書き、その後1枚のメルクリンDVDを御礼に送ったところ、昨日素晴らしい絵手紙を頂いた。それは、Dortmund Hbfに停車中の103.1形牽引のIC列車に入線してくる120.1形の列車を透明水彩で描いたもので、構図もばっちり、形も正確。そしてなによりその絵から空気が伝わって来るのである。
可能ならばここでお披露目したいとも思っているのだが、残念ながら送り主のNさんのメールアドレスがわからず問い合わせるのにも時間が掛かる。Nさん、本当に素敵な絵をありがとうございます。もしよろしければこのブログに載せて良いかコメントいただければ嬉しいです。


タグ:DB AG Ep.V ICE
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