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BR V200のまとめ [Maerklin-Lok]

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これまで、手元にあるV200.0(37803)形や221(29811)形を改めて調べてみると、Ep.IIIbからEp.IVにかけての時代に今まで見えなかった両形式の様々な実態が見えてきて、やはり印象だけでいることは勿体ないと改めて感じ始めています。特に221形については最晩年期のルール地方で重量級貨物列車の先頭に立つ姿のイメージばかりが私の頭の中を支配していて、実は登場から暫くまで数々の優等列車牽引の華々しい歴史については知らないに等しいことに気付きました。こうした知見がないことがモデルの優等列車組成の可能性をも潰していることに気づき恥ずかしい思いをしています。

[実車について]
V200.0は、1953/54年にミュンヘンのKlaus Maffei社により量産先行車(V200 001 - 005)が落成後、1956年に量産車(V200 006 - 025)がMaK、Kraus-Maffeiで20両製造され、25両で運用を始めました。DBが発注した量産型80両のうち、残りの40両(V 200 026 - 086)は、Kraus-Maffei社による製造です。また、V 200 001 - 055はサイドに大きく「DEUTSCHE BUNDESBAHN」のアルミ製切り抜き文字が貼られていました。(056 - 086については、DBロゴが表記されています。)
エンジンは、Maybachの1,100PSエンジンを2基備え、非電化区間の優等列車牽引を中心に活躍したディーゼル機関車です。

V200.1は、Daimler-Benz の1,350PSのエンジン(Typ MB 12 V 652 TZ)を2基備えるなど、V200.0をベースに牽引力を強化した機関車で、1962年から65年に掛けてV200.1(V200 101-150)として50両全機ミュンヘンのKraus-Maffeiで落成されました。外観はV200.0よりも乗務員室拡大で前頭部分のスラントを無くしたスタイルに変更されたため、おとなしく端正な姿になりましたが、旅客列車専用であったV200.0と異なり、重量級貨物列車の先頭にも立つなど、より強力な機関車です。

ここで注意すべき点は、1968年の車体番号のUIC化により、V200.0は220形(220 001 - 086)に、V200.1は221形(221 101-150)に変更されましたが、個別車体番号はEp.IIIb時代のままの踏襲されていることです。(221 001 - 100は欠番)

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▲ V200.1(221)形の所属機関区推移(表をクリックすると大きくなります)

上のリストは、横軸に年、縦軸に所属機関区名が記されていて、221形の所属機関区両数がわかります。登場時から1974年までは、アルゴイ地方のBw Kempten(ケンプテン機関区)とBw Villingen(ヴィリンゲン機関区)、そして北ドイツのBw Lübeck(リューベック機関区)の3箇所に配置されています。この時点までは、TEE ”Bavaria"や"Iser-Rhone"を始めとしたD-Zug、またEilzugなど近郊列車から優等列車まで幅広く旅客列車の運用に就いていたと考えられます。もちろん貨物輸送も担っていたでしょう。
しかし、1971年からV-Max 160Km/h対応のガスタービン機関車210形が順次Bw Kemptenに投入され、1975年にBw Kemptenの221形の大部分がBw Villengenに移籍、1976年からは北ドイツのBw Oldenburg(オールデンブルグ機関区)にBw Villengen所属の221形が移籍を始め、ルール地方のBw Gelsenkirchen-Bismarck(ゲルゼンキルヒェン-ビスマルク機関区)へも移籍が始まり、その強力な出力を買われてか旅客輸送主体から貨物輸送の需要に応えるようになり始めたと思われます。そして1980年には全機48両がBw Gelsenkirchen-Bismarckに集結。1982年にはルール地方の石炭や鉄鉱石採掘の中心地でもある近隣のBw Oberhausen(オーバーハウゼン機関区)へと全機が移籍しました。この時点で貨物輸送のための221形が定着していたと思われます。

[モデルについて]
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▲ 1990/91年DI版メルクリン総合カタログより

V200形は1957年のリリース開始以来、長らくメルクリンモデルの定番としてリリースされ1989/90年の総合カタログの掲載まで33年に渡り生産されていました。そして、1990年の新製品としてEp.IV仕様の221形(3581/3681)が最新の金属製ボディで登場しました。しかし、当時の総合カタログでは、新開発製品として正確なスケールモデルであると謳っているものの扱いは小さく、仕様もタルキスカラーで目立たない存在でした。そんな扱いが起因したかは定かではありませんが、当時カールスルーエのデパートで安売りしていたこのモデルを見て欲しくなったのを覚えています。

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▲ 1994/95年DI版メルクリン総合カタログより

1994年、Purpurrot色の220形(3380/3780)が221形同様の新開発モデルとして登場しました。こちらのカタログでは新製品として1ページ以上を使って紹介。それなりの扱いとなり、やはり実車の人気がモデルでも反映されていたことがわかります。

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▲ 1997/98年DI版メルクリン総合カタログより

それから3年後の1997年にようやくV200.0のデビュー当時の華やかな姿となる「DEUTSCHE BUNDESBAHN」の文字が入ったEp.IIIb仕様のモデル(33803/37803)がメルクリンH0初のディーゼル走行サウンドを奏でるモデルとして登場。その後のメルクリンだけではなく、機関車走行サウンドはデジタルの新しい可能性を示し、鉄道模型業界のデジタル化を促すキッカケにもなった重要なモデルとなりました。

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▲ 2000/01年DI版メルクリン総合カタログより

一方で、V200.1(221)形モデルのサウンド仕様は、最新のCサインモーターを備え、2000年のV200.1形モデル(39821)としてリリースが始まります。しかし、この時の総合カタログでは1ページ以上を使って美しいレイアウト写真とともに紹介されているのですが、主に旅客列車運用が多かったであろう初期のEp.IIIb仕様であるにも関わらず、モチーフは貨物列車の牽引機としている姿で、やはり貨物牽引機の印象を強くしているように見えます。実際に当時の様子を見たわけではないのですが、F-ZugやD-Zugの先頭に立つ姿で紹介されていれば、ユーザーのV200.1形に対するイメージも変わったのかも知れません。

そこで改めて、メルクリンがリリースしているV200.0(220)形とV200.1(221)形について、Ep.IIIbとEp.IVに分類した上で纏めてみたいと思います。
V200形機関車は、旅客列車専用のV200.0はもちろん、より強力になったV200.1も登場当初は多くの国際優等列車の牽引に当たりました。少ないですが、編成表へのリンクも最下段に記しましたのでご参照頂きモデルの組成の参考になればと思います。


Ep.III
DB BR V200.0
3021/3921** V200 006 (Purpurrot)*
33803/37803 V200 018 (Purpurrot)
39804 V200 020 (Purpurrot)
39800 V200 021 (Purpurrot)
3021/3921** V200 027 (Purpurrot)*
37805 V200 035 (Purpurrot)
37801 V200 042 (Purpurrot)
30210 V200 048 (Purpurrot)
37806 V200 052 (Purpurrot)
3021/3921** V200 056 (Purpurrot)*
P3921 V200 056 (Purpurrot)*
P3009 V200 057 (Purpurrot)*
3021/3921** DB V200 060 (Purpurrot)*

DB BR V200.1
3382/3682 V200 139 (Purpurrot)
39821 V200 150 (Purpurrot)


Ep.IV
DB BR 220
3380/3780 220 007-9 (Purpurrot)
39802 220 010-3 (Ozeanblau / Elfenbein)
3081 220 012-9 (Ozeanblau / Elfenbein)
37807 220 023-6 (Ozeanblau / Elfenbein)
3021 220 043-4 (Purpurrot)*
39803 220 085-5 (Purpurrot)

DB BR 221
29811 221 104-3 (Purpurrot)
3582/3682 221 107-6 (Purpurrot)
3581/3681 221 118-3 (Ozeanblau / Elfenbein)
29720 221 120-9 (Purpurrot)
37824 221 120-9 (Ozeanblau / Elfenbein)
37820 221 125-8 (Purpurrot)
3482/3782 221 127-4 (Purpurrot)
37820.001/37820.001S 221 201-6 (Gelb)
3581 Silver (Dekoration "Technologieschau")

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Basis BR 220
FER D 220
37804 FER D 220.011 ER

MAYBACH BR 220
26522 Maybach 220 087-1

SBB Am4/4
3384 SBB Am4/4 18 461
3184 SBB Am4/4 18 462*
39801 SBB Am4/4 18 467


Basis BR 221
PEG V270
39820 PEG V270 221 136-5

RTS 221
37822 RTS 221.134

SGL V270
37823 SGL V 270.09

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[Zugbildung]
D 167 "Riviera-Express" 1959 Sommer (Karlsruhe Hbf - Hamburg-Altona)
F 9/10 "Rheingold" 1962-1963
F 38 "Hans Sachs" 1963 Sommer
TEE 10 "Rheingold" 1965 Sommer
D 96 "Isar-Rhône" 1965 Sommer
TEE 7 "Rheingold" 1972

Bemerkung:
*) Basis 3021
**) Bausatz (3921)

参考文献:
Abschied von der Baureihe 221 - Das Ende einer Epoche / Eisenbahn Journal 6/1988 / Hermann Merkur Verlag GmbH i. Gr.

参考サイト:
DB-Baureihe V 200 / Modellbau Wiki

[EDIT] 2022-09-15
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