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39089 ÖBB Reihe 1189 / Ep.IV Neuheiten 2021から [Maerklin-Lok]

2021年の新製品から、今回はオーストリアのクロコダイル1189形モデル(39089)についてです。

おそらくこのモデルは、本来ならもっと大々的にプロモーションしても良いくらいの新製品だと思いますが、扱いはそれほど大きくはないです。ただ、YouTubeのメルクリンTVには以下該当モデルの動画が配信されています。

Elektrolokomotive Reihe 1189

クロコダイルと言えば、スイスのCe 6/8が余りにも有名で、メルクリンからも歴史的な定番モデルではありますが、ドイツではE94が今年新設計モデルとして告知されていますし、オーストリアでも今回の1189形がクロコダイルと呼ばれ今回の新製品では目玉モデルの1つです。いずれも濃緑色で、3車体が可動することからクロコダイルの愛称がつくのでしょうが、オーストリアの鰐はÖBB独特の大型前照灯の目玉がギョロリとしていて、顔はちょっと痩せた印象です。(実際の寸法は確認していません)

動画の解説によれば、1970年代までは現役で、主に石灰専用貨物列車の先頭に立って運用されていたようです。その後廃車が進んで1189.02がNostalgie(BBÖ 1100.102)として動態保存、1189.05がEB-Museum、1089.06がスイス・ルツェルンのVehrkehrshausに、1189.09が現在はÖGEGに静態保存となったそうです。
モデルのモチーフとなった1189.04は1978年3月29日に廃車されたとのことです。。

今回1189.04モデルと同時にメルクリンとTRIX H0から石灰運搬貨車3両セット(46231/T24121)が同時に告知されています。
メルクリンとTRIX H0のモデルは全て番号違いなので、両方のセットを揃えることで全て異なる車体番号のモデルで6両編成の石炭運搬列車組成が可能になります。

動画では、1189形モデルがマスターモデルのようで、動輪は仮の車輪を履いていますが、赤いロッドの下回りが見えると車体の緑も引き締まってより美しく見えるでしょう。

Special Thanks: S.Fさん


[EDIT] 2021-02-01
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How to H0: Dampflok - Alterung Märklin S3/6 (39436) / Sebb's 1zu87 [Maerklin-Lok]

今朝、届いたメルクリンのニュースレターに、メルクリンH0のS3/6 Hochachsige(39436)のディテールアップとウエザリングのハウツーYouTube動画へのリンクが貼ってありました。

S3/6 Hochachsigeモデルは、このブログでも何度か話題にしたメルクリンH0モデルです。これは特にディテールなどに気を遣ったモデルになっていますが、そのモデルを更に実感的にEp.IIIb時代のミュージアム機をモチーフとして仕上げたもののようです。以下にそのYouTube動画へのリンクを貼ります。

How to H0: Dampflok - Alterung Märklin S3/6 (39436)

この動画はメルクリンファンが独自にモデルのディテールアップなどを順を追って解説しながら仕上げてゆくタイトルが「Sebb's 1zu87」というシリーズの動画ですが、冗談も言いつつ進行を進めてゆく楽しい展開で最終的に素晴らしいモデルへと仕上がってゆくものです。

今回は6回分の動画に分けての展開なので最初と最後を観ましたが、中々のモデリングの腕前と動画編集能力と感じたので紹介します。

趣味の王様と言われる鉄道模型で、レイアウト制作、電気工作、コレクションなどなど、裾野が広い領域にまたがっていますが、こうしたディテールアップ工作やウエザリングなどもその1つと言えるでしょう。その全ての目的はリアリティの向上なのだということが、この動画を観て感じました。
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37690 DBAG 363 810-3 / Ep.VI [Maerklin-Lok]

V60は、ロッドを介して動輪を駆動させる仕組みの古典的機関車..のように見えますが、今もなおDBでは入換機関車として各地で活躍しているようです。
そのため、Ep.III時代のオリジナル塗装から、タルキスカラー、O.Rot、V.Rotなど時代に合わせて各種塗装が施され、メルクリンH0でも定番機関車としてアナログモデルの時代から長く生産され続け、当初は樹脂製だったボディも現在は金属製ボディになり、ディテールも程々ながら精細な表現になっています。

そんなV60ですが、ICEカラーの363形としてV60が登場するようです。しかし、カタログモデルとしてではなく、ドイツの玩具販売店チェーンのIdee+SpielのEUROTRAINからリリースされるとのことです。
このモデルは、mfx+サウンドデコーダー付きモデルとして多彩なサウンド機能は最新であり、Doppel-Aライト、またV60形お約束のTELEXカプラーも装備されています。

今や個人輸入も簡単にできる時代になり、日本の販売店でも購入できるかも知れませんが、日本でも手に入れることは不可能ではなさそうです。実車の存在は確認済みです。IC客車を入換するICE塗装のV60を再現できるのはちょっとそそられます。

以下、メルクリン公式サイトでも発信されていますのでリンクしました。

Diesellokomotive Baureihe 363

また、EUROTRAINのウエブサイトでも観ることができます。

MÄRKLIN 37690 H0 Diesel-Rangierlokomotive BR 363 IC-Farbgebung, DB AG, Ep. VI

[追記] このモデルの実車の画像は確認できましたので実際にあるようです。
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55082 SNCF 241-A-65 (YouTubeインプレッション動画) [Maerklin-Lok]

今年の新製品ハイライトの1つだったと思います。1番ゲージは持っていないので今まで当ブログでも紹介はほとんどしていなかったと思いますが、メルクリンの広告などでこの美しいフランスの機関車が度々観れるので気にはなっていました。

そのモデルは、SNCFの241形で、241-A-65という形式のようです。実車は現在動態保存されているようで、レストアはドイツのマイニンゲン工場で行われたとか。
そのモデルは既に市場に出回り始めたようで、開梱から各部の説明、そしてファンクション機能など細かく丁寧に説明されているYouTube動画を見つけたのでご紹介します。以下のリンクがその動画です。

55082 SNCF 241-A-65

重量が10Kgもある機関車モデルで、取り扱い中怪我をしないよう手袋も付いているこのモデルですが、この(素晴らしい)価格に見合う美しさと機能を兼ね備えているように見えました。特に感動したのは、発煙装置で、従来の煙突からの発煙に加え、左右シリンダーからの発煙と汽笛からも発煙します。発煙量も多く豊かなサウンドと合わせると魅力は倍増します。

ちょっと気にかかるのは、このSNCFの蒸気機関車、実際にはどのような車両を牽引していたのでしょうか。今までメルクリンの1番ゲージからリリースされている客車であれば、DBのUIC-Xか、Schürzenwagenぐらいしか似合いそうな客車はなさそうです。もしかしてSNCFやCIWLの客車が今後リリースされるのか、あるいはスイスで保存後のSBB古典客車でもリリースされるのか。ちょっと妄想を膨らませてしまいました。

参考サイト:241-A-65 / Vapeur Val-de-Travers
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Baureihe 120 のまとめ [Maerklin-Lok]

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1979年のケルンで開催されたIVA(国際交通博覧会)で華々しくデビューした120.0形電気機関車は、早くも1980年にメルクリンから3351としてモデルがリリースされています。これは103形の時と同様、DBの看板となるであろう機関車は、いち早く製品化する一貫したメルクリンのポリシーのようなものでもあると思われます。103形同様量産先行機関車が登場したのですが、120形の場合は001-005号機で、メルクリンからは005号機以外の4種全てが製品化されています。005号機については前頭形状のスラント角度が異なるため異彩を放っていますが、それゆえ製品化はされていません。

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▲ 1979年のIVA Kölnでデビューした仕様の37538モデル

この120形機関車は、103.1形のようなエレガントな美しさではなく、ダイナミックな力強さと整理された造形が魅力で、111形機関車の兄貴のような存在感があり、DBの新しいPI(プロダクト・アイデンティティ)を感じさせる機関車でした。120形のエクステリアデザインを担当したのは、DBデザインセンター最後のセンター長であったK.D.Bodak氏です。彼はInterRegioのプロジェクトを指揮した実績があり、私のインターン時代のボスだった方でもあります。

120形は、今改めてその造形を見直すと、前頭形状の造形は側面との繋がりの部分で無理のあるところもあり、幻となった121形のデザインでは、その不自然さの解消に留意しました。
121形機関車については、私がインターンシップしたドイツ連邦鉄道末期の1991年に、120形を更に速度アップした121形の構想があり、DBデザインセンターでスケッチから1/10モデルまで制作したこともありましたが、それらは残念ながら幻の機関車となりました。

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▲ DB デザインセンターで検討した121形のスケッチ

その120形機関車も先日7月5日をもって最後の定期運用のIC列車がStuttgart Hbf - Nürnberg Hbfを走り、終焉を迎えました。デビュー当時から終焉まで120形機関車はニュルンベルクにあったというのも興味深いです。
私個人は、ちょうどドイツに渡った1988年が120.1形のデビューと重なり、真紅の120.1形機関車が同色のIC列車の先頭に立つ姿を目の当たりにしているので尚更感慨深いですが、時の経つのが早いと感じられずにはいられない出来事でした。

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▲ 120.1形を先頭にOrientrotのInterCity列車 1988年

一時期は、これからの標準となる使命を負った120形機関車でしたが、世界初の3相交流インバータ機関車という新技術のため、不具合の続出や貨客両用という難しい運用とDBの民営化による貨物会社の独立など、120形機関車にとって逆風が重なり、その後が続きませんでした。
そして、旅客列車のICやECの先頭には101形機関車が次の世代の機関車として、また貨物列車には152形などが登場しています。

そうした経緯もあって私個人では120形にはことの外思い入れが強い機関車でメルクリンモデルも沢山手元に置いた時期もありました。

[モデルについて]

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▲ メルクリンカタログから3153, 3348, 3653モデル

メルクリンからも試作機を始め、量産形のモデルも技術と時代の進展に合わせて、当初の樹脂ボディから金属ボディ、アナログ、デジタルの第1世代からmfx+デコーダー搭載機まで、広告機も含めて多くの仕様がリリースされています。
また、こうして製品の変遷を見ると、大まかには試作形のBR 120.0とBR 120.1の2種に分類できますが、120.0形については、ワッペンの有無や屋上の配線がデビュー当時の1列 (1 Dachleitung)から3列 (3 Dachleitung)になるなど改良を受けていて、メルクリンモデルでもそれに合わせて両方の仕様が用意されています。

それらを時代ごとに分類し、120.0形、120.1形をここで全て紹介できればと考えています。

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Baureihe 111のまとめ [Maerklin-Lok]

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DBのBR 111は、BR 110の後継機として1970年代から活躍を始めた最高速度160Km/hの旅客列車専用の電気機関車です。当時、主にTEEからIC迄の幹線を走る優等列車牽引機が103.1形が担い、それ以外のD-Zugやミュンヘンを中心としたD-ZugやEilzugなど、またオーストリア方面にはTEEやIC/EC列車も牽引に当たるなど、幹線亜幹線を問わず電化区間の運用の中心的な役割を担っていました。ルール地方のS-Bahnネットワークの主力牽引機としてS-Bahn塗装を纏って活躍もしました。

さらには、1985年の連邦鉄道時代最後のCI変更によるOrientrot塗装を纏ったデモ列車やLufthansa Airport Expressの先頭に立つなど、まさに旅客列車の汎用機関車として重要な役割を果たしているように思います。

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▲ 111 094-9

[実車について]
1974年に初めて登場した111形はそれまでの110形を様々な機能をよりレベルアップし、またエクステリアについては、ウルム造形大学の流れを汲む、明快で合目的なデザインを目指しています。インテリアも乗務員の負担軽減を人間工学的見地から見直しを図り、形状から色彩まで細部に渡って検証し設計に活かしたものとなりました。

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▲ ミュンヘン中央駅 1996年5月17日撮影

111形の機械部分と車体製造は、Kraus-Maffei、Henschel、KRUPP社が行い、電装はAEG、BBC、SIEMENSが担いました。

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▲ InterRegioを牽引する111形 カールスルーエ 1991年撮影

1984年までに全227両を製造し、以下の6次車まで分類することができます。

• 1. Serie: 111 001–070
• 2. Serie: 111 071–110
• 3. Serie: 111 111–146 (S-Bahn)
• 4. Serie: 111 147–178 (S-Bahn)
• 5. Serie: 111 179–210
• 6. Serie: 111 211–227

このうち3、4次車はルール地方のS-Bahn塗装が施され、同地の通勤輸送を担っています。それ以外の111形は全てタルキスカラー(Ozeanblau/Elfenbein)で登場し、1986年のDBによるCIの変更でOrientrot色や民営化後のVerkehrsrot色への変更がされています。またLHAEの牽引機に指定されたことで049号機が1年間LHAEカラーで運用されています。そのほか、068、069号機は短期間ですが、1985年のCI変更に伴う試験塗装を施した仕様になった経緯があります。DBの民営化後に地域の広告機としての塗装変更などがあります。

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▲ Orietrot色の111 041-0 オーストリア Innsbruck West Bf.にて。1991年7月4日撮影

現在は、廃車解体も進み、元気に運用についている姿は少しづつ減少してきているようです。また111 001-4は保存機に指定され、オリジナルのOzenblau/ElfenbeinのカラーリングでDB MUSEUM Koblenz-Lützelに保存されています。

技術的な詳細はRiGの111形ページに譲りたいと思います。


[モデルについて]
その111形も最近は廃車や解体が進み時代の終焉を感じざるを得ませんが、メルクリンH0モデルも111形の登場から一貫して同じ金型の製品を実車の変遷とパラレルで数多くのモデルをリリースしています。まだ当分は新しい111形モデルもリリースされるのではないかと思いますが、この辺りでまとめとして今までリリースされたモデルをできる限りこのページでリンクを貼り網羅できればと思います。

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▲ メルクリン初の111形モデル(3042)が掲載された1977/78年日本語版総合カタログ

111形が登場したのが1974年でメルクリンH0の登場が1977年になります。少しタイムラグがありますが、花形モデルである103.1形がTEEやICの牽引機に対して、花を持たせる機関車がこの111形でしょうか。しかし、ダイナミックで重量級の6軸駆動の103.1形に対し、4軸で軽量タイプの111形は、そのコンパクトなスタイルとミュンヘンからドイツ・オーストリアアルプス方面でも活躍する山岳機としての顔も見せる健脚な機関車は、汎用性の高い旅客列車牽引機として模型の世界でも重宝するモデルです。

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▲ 1984年の英語版メルクリン総合カタログに掲載されているワンアーム仕様の111形モデルのセット(2856)

実車は当初ワンアームタイプのパンタグラフで登場後103.1形に移設され、代わりに菱形のパンタグラフを持った仕様として登場したのは、ある意味現実に即した対応でした。その後、フランクフルト空港シャトル列車セット(2856)に同梱されていた105号機はワンアームタイプでした。

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▲ 2004年のドイツ語版メルクリン新製品パンフレットに掲載されている111形モデル(37316)

2004年はメルクリンH0の歴史に残る年でした。それは第3世代デジタルの登場によるもので「メルクリン・システムス」と名付けられました。
具体的には、それまでの最大80両のアドレスが機関車のデコーダーに割り当てられ、その番号を指示して制御する方式から、機関車デコーダーと制御コントローラが双方向で通信する方式となり、レールに機関車を載せるだけで機関車デコーダーから自動的にコントローラに表示され自車の存在を知らせる画期的なシステムが登場しました。

この発表と同時に告知されたこの111形モデル(37316)にも、このシステムスに対応したmfx機能を持つデコーダーが搭載されています。我々ユーザーが各機関車のアドレスを覚えて、その数字を呼び出すというユーザーの記憶に頼る必要のない優れた技術は、今もなおリファインを重ねながら続いています。そしてこの新しいデコーダーは最大3万を超えるアドレスを持つもので、それまでの最大80までのアドレスを持つデコーダーから、ほぼ無限大と言えるデコーダーアドレスとなった大きな進歩でありました。ただ、このシステムスやデコーダーを開発したESU社は独自にこの技術を活用したデコーダーや、それを組み込んだ機関車などの開発を始めたため、メルクリンのライバルとなり、ESUのデコーダーを積んだこのモデルは2年間のリリースに留まりました。

2014年からは、最新の塗装(Verkehrsrot)を纏い、第4世代デジタルであるシミュレーション機能を持つmfx+デコーダー搭載モデルが登場しました。こうして見ると車体や台枠の基本的な部分は1977年から変わらず、制御部分が時代に合わせてリファインされている様子が良くわかります。今後変わるとすれば、車体のダイカスト化を基本にした新設計となるでしょう。そうなると中央に菅モーターを置き、左右の台車にカルダンシャフト経由で全軸駆動となる仕様の登場が待たれます。

このモデルを初めて手にした時のメルクリンらしからぬ軽い印象は、新しいメルクリンを感じたものですが、今や新しい金属製ボディの登場で再び重量のあるモデルとしての存在感を発揮する時の期待をファンは持っていることでしょう。

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Ep.IV
Ozeanblau/Elfenbein
37314 DB 111 014-7
83342 DB 111 018-8 (mit Graffiti)
3042/3642 DB 111 043-6
3642 DB 111 049-3
3342/3642 DB 111 058-4
2856 DB 111 105-3
37316 DB 111 197-0

Orientrot
3360/3660 DB 111 041-0
2662/2862 DB 111 068-3 (Demonstrationszug 2)

S-Bahn
3355/3655 DB 111 133-5
3155 DB 111 136-8
37313 DB 111 162-4

LHAE
2667 DB 111 049-3
26670/26671 DB 111 049-3

Versuchslackierung
3172 DB 111 068-3 (rot/grau/rot)
2859 DB 111 069-1 (rot/grau/blau)


Ep.V
Verkehrsrot
37317 DBAG 111 095-6

S-Bahn
33315/37315 DBAG 111 158-2 (rot/grau)


Ep.VI
Verkehrsrot
37319DBAG 111 088-1 (mit Wappen Baden-Württemberg)

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[関連記事]
DB BR 111 / Ep.IV

参考サイト:
DB Baureihe 111 / Wikipediaドイツ
BR 111 DB / Modelbau-Wiki

[EDIT] 2024-04-30
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37316 DB 111 197-0 / Ep.IV [Maerklin-Lok]

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111形モデルは、まだ現役機がいることもあってメルクリンではリリースが続いていますが、このモデルは、Ep.IV時代のタルキスカラーの仕様です。メルクリンの第3世代デジタルmfxが発表されて、それに合わせて登場したmfxデコーダー搭載の最初のモデルの1つでもあります。
実はこのモデルは、公式ではfxデジタルモデルですが、実際はESUのLokpilot Iが搭載されています。過渡期のmfxモデルと言えるのかも知れません。(MSやCSでは、このモデルのアドレスを自動的に判別して表示、制御が可能です)

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このモデルが発売前のタルキスカラーの111形モデルとは、デコーダーの他にも外観上の違いを見つけることができます。それらを中心に今回は触れてみたいと思います。

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▲ DBマークの下の数字は形式・車体番号です。その下の小さな文字列は「EUROFIMA」と記されています。これはEUROFIMAによる信託車両である印と思われます。

[実車について]

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111 197-0は、6次車まである全226両の111形のうち、5次車(179 – 210)の範疇に入ります。KRUPP社が車体、電装系は西ベルリンのAEGにより製造されました。

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RIV表記では、Opladenの車両工場で1982年8月23日が直近の検査日と表記されています。1984年まで製造が続いた111形ですので、このモデルの実車は、1980年代初頭の製造ではないか..と思われます。

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所属表記です。「BD München」(ミュンヘン連邦鉄道局)、「Bw München 1」(ミュンヘン第1機関区)の表記です。111形はミュンヘンとS-Bahn向けのルール地方に集中して配属していることが、これまで紹介してきたモデルの表記でも理解できます。

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台車には、車輪が黒色塗装になっていますが、これは1、2次車が赤色塗装であるのと好対照です。

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また、バッファも5次車は角形に変わっています。3、4次車はS-Bahn塗装ですが、どの時点で角形バッファに変更されたか未確認です。

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屋根上の塗装もシルバーからダークグレーに変更されています。これもDBの標準塗装の変更による塗装だと考えられます。パンタグラフは、ワンアームタイプのSBS 65です。

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[モデルについて]
このモデルは、2004年から2005年までの2年間のみリリースされました。先にも記しましたが、ちょうどメルクリン第3世代のデジタルであるmfxが登場した時で、この機関車はオフィシャルではfxデジタルではありましたが、実際はmfx機能を持つESUのLokpilot Iデコーダーが搭載されているモデルです。(同時に告知された120.0形モデルはmfxではなくfxデコーダーが搭載されています)更にサウンド基盤とスピーカーも搭載されていて、警笛だけですがf3でサウンドが機能します。

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ボディを外して真上から撮影した画像ですが、所狭しとデコーダー類がレイアウトされているのがわかります。

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▲ ESUのLokpilot Iデコーダーです。

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▲ サウンド基盤です

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▲ 小型のスピーカーです。小型ですが、警笛のみのサウンドなので、これで十分です。

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▲ モーターは、5極回転子を持つ直流DCMです。60760で改造したDCMよりも静粛な動きをします。

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105号機(2856)モデルなどと違う点の1つは尾灯が点灯することです。ただ、豆球なので上部前照灯も少し赤い光が漏れてしまうのは残念なところです。カプラーはKKKです。

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見えにくいかも知れませんが、105号機(2856)との台車の比較のために並べてみました。手前の197号機は、台車の片側にステップが付いています。これは改善点の1つです。

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運転台は、以前のモデルよりやや室内が実感的になりました。特に室内の計器類が薄い緑色に変わったのは進化です。運転台に人間工学的な分析と配慮を行なった機関車としては、色についても検討結果としての薄緑色なので、この変更は大いに評価すべきディテールです。

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105号機(2856)と並べてみると、象牙色の色合いが異なることが気になりました。そこでRAL色票を置いてみました。197号機(37316)の方が色味が近いことがわかります。

このモデルがリリースされた後は、2回目のLHAE仕様モデルが登場していますが、基本的には同じ樹脂ボディのモデルです。S-Bahnや近郊列車からInterCity、更にはLHAE、そして試験機に至るまで旅客牽引機関車として運用汎用性が高く、多くのバリエーションも持つ111形こそ、金属製ボディでの新開発モデルの登場が待たれると期待しています。

[参考サイト]
37316 | BR 111 der DB / HGH's Homepage
DB-Baureihe 111 / Wikipedia ドイツ

[EDIT] 2020-06-18
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39380 DB 38 2919 / Ep.IIIa [Maerklin-Lok]

昨日メルクリンから告知された夏の新製品のハイライトの1つ、新設計のH0モデルBR 38ですが、メルクリン公式サイトにこのモデル専用のページが以下アドレスに配信されています。

Die Dampflokomotive Baureihe 38

このモデルは、ディテールがより精細になったことも挙げられますが、大型の前照灯2灯のEp.IIIa仕様がそそられます。特に下回りの寸法など正確にスケールダウンしたモデルになっているようで、低速域の走行性能も充実している説明もあり、キャブ内照明も含めてCS3でのファンクション数が27あるmfx+デコーダーなど、以前の38形モデルと比較して充実度が飛躍的にアップしているように思えます。

同時に告知された3軸客車(Umbauwagen)もEp.IIIa時代のFlaschengrün色で全モデル室内照明付きです。更にBR38モデルのカプラーが着脱可能な導電タイプで機関車から客車に電気を供給される仕組みです。
そういう意味ではMHIモデルに匹敵する充実した装備のモデルなのではと感じました。

リンク先の特設ページにはフライヤーのファイルもダウンロードできるようになっています。
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BR 03.10のまとめ [Maerklin-Lok]

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昨日のF-Zug "Hans Sachs"の編成表データを見つけた際に、終焉間際の03.10形機関車が最後の数年間F-Zugの先頭に立って活躍していることを確認して思わず編成表を改めて作ってしまいましたが、メルクリンH0からもこの1960年代の最後の仕様(03 1001)がリリースされて10年経ちました。
それまでのメルクリンH0の03.10形モデルと言えば、戦前の流線型ボディを纏ったオリジナルの姿か、03形の車体をそのまま流用した、戦後時代のちょっと違う形態をした03.10形もどきモデルが鉄青色でリリースされています。
03.10形の実車は、01.10形同様、03形とは全く異なる姿や背景で生まれ、異なる歩みを進みながら終焉に至ったことをここで記す意味があるように思い、まとめページを記すことにしました。

[実車について]
03.10形は、01.10形と良く比較対象にされるように、その形態が流線形ボディを持っていることだけではなく、その計画が第2次大戦直前ということもあって、生産計画と実際に生産された両数に大きな違いが出ています。それは140両の計画に対して実際は60両の製造に留まったことからも理解できます。

製造メーカーは、01.10形のL. Schwarzkopf社1社に対して、03.10形はBorsig、Krupp、Krauss-Maffeiの3社で、1939年から41年にかけて製造されました。それは以下の通りです。なお、メルクリンの1971年版カタログの説明文では、BorsigとKrupp社製は赤錆色に塗装され、また動輪部分が完全に覆われているタイプと露出したタイプの流線形ボディの両方があると記されています。

03 1001–1022
03 1043–1060
03 1073–1092

戦後は、45機残存してた03.10形のうち、26両が西ドイツのDBに、19両が東ドイツのDRにとどまり、残った機関車は、ポーランドのPKPにReihe Pm3として分けられることになりました。1944年に03 1092が戦時被災のため廃車となっています。また、3機がソビエトに渡っています。
これは全機西ドイツのDBに留まった01.10形と大きく異なる点です。

● 戦後DR所属機
DRでは、1957年に03 1077と03 1088が高性能ボイラに載せ換える工事を行い、残っている他のすべての16両の機関車については、1959年に新しい高性能ボイラ39Eの取り付けに加え、さらに経済的にするために、他の機構も変更されました。

1965年から、すべての新型ボイラに改造された03.10形は、(03 1057を除いて)主な重油燃焼式に改造されました。 1966年には、03 1077と03 1088のボイラも、重油燃焼式の同時設置で再改造されました。 1970年代の終わりに引退するまで、月間22,000 kmまでの走行距離を誇った3気筒の高速機関車は、DRの最高種別を牽引する列車の先頭に立ちました。

DRの19両の機関車は、車体番号は以下の通りです。
03 1010、1019、1020、1046、1048、1057、1058、1059、1074、1075、1077、1078、1079、1080、1085、1087、1088、1089、1090

● 戦後DB所属機
戦後DBでは、流線形のボディのメンテンス性の悪さが01.10形同様指摘され、1949年から50年にかけてKasselのHenschel社にてDBに帰属した26両の03.10形の流線形外板が早々に外され、標準型ボイラの姿にヴィッテ式デフを取り付けられてました。これら改造を受けた03.10形は、 Dortmund、Ludwigshafen am Rhein、Offenburgの3カ所に所属され運用されました。
1950年6月にBw Dortmund Bbf(ドルトムント駅機関区)所属の03 1014、03 1022、03 1043の3機は特別仕様としてキャブ、テンダー、ボイラをStahlblau(鉄青)色に塗装され、主にF-Zugを牽引する仕業に就いています。 しかし、1954年の全検時にはこの3機の特別な塗装は再び元の状態に戻りました。

1957年から1961年までKrupp社にて41形機関車と共に同じ高性能ボイラへの換装工事が行われました。
1958年には、26機全ての03.10形の高性能ボイラ換装工事が終了し、全機Bw Hagen-Eckesey(ハーゲン・エッケセイ機関区)所属になりました。(メルクリンH0でリリースされた1001号機はBw Hagen-Eckeseyで、1962年から数年間Hagen Hbf- Köln HbfでF-Zug "Hans Sachs"などの優等列車の牽引にも就いたと思われます。)
01.10形の多くが重油燃焼式に改造されたのに対して、03.10形はDB帰属の全機が石炭燃焼式のままで、DR帰属の03.10形が全機重油燃焼式に改造されている違いは興味深いです。

DBの機関車車体番号は以下の通りです。
03 1001、1004、1008、1009、1011-1014、1016、1017、1021、1022、1043、1045、1049-1051、1054-1056、1060、1073、1076、1081、1082、1084

1965年11月から1966年9月までの間に、03.10形のすべての機関車は引退し、廃車となりました。また、現在03.10形の保存機関車は以下3両が確認できています。(戦後ポーランド(PKP)に帰属した1015号機は、Pm3に形式変更され流線形ボディのまま下回りを剥がされて保存されているようです)

03 1010 → DR → DB Museum Nürnberg
03 1015 → PKP → Pm3-5 Warschaw (mit Stromlinienverkleidung)
03 1090 → DR → als 030090-5 MEFS Schwerin


[モデルについて]
形態的には、戦前戦中の流線型ボディを纏ったオリジナルの姿、戦後流線型ボディを外された姿、そして新型ボイラを乗せ替えられて新たな役割を果たした姿の3つの時代(仕様)に分けられると思います。同じ車体番号でも3つの異なる形態の時代があることも01.10形と同じ歩みをしています。

--- Ep.II ---
メルクリンH0では、大まかに戦前(Ep.II)の流線形ボディの姿、なんちゃって仕様のモデルではありますが、戦後の鉄青色塗装(Ep.IIIa)の3機、そして高性能ボイラに改造された最終形態(Ep.IIIb)の3種類に分類されると理解しやすいと思います。

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▲ 1971年の日本語版総合カタログ

1970年に黒色流線形モデル(3094)が登場以来、翌年に赤錆色モデル(3089)が登場。その後10種近くの流線形ボディのモデルが様々な仕様でリリースされています。

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▲ MHIから限定販売した鉄青色モデルのパンフレット

--- Ep.IIIa ---
戦後、流線形ボディを外し、高性能ボイラ改造を行う前までの新開発モデルは、残念ながらありませんが、F-Zug用の鉄青色に塗装された03形車体を流用したモデルが、実車と同じ3機とも製品化されています。ただし、廉価版のHOBBYシリーズモデル(3097)やスタートセット(29845)、また2台セットの1台(37955-01)としてのリリースなど、いずれも廉価で販売されたモデルにしたのは、正しい仕様ではないためと考えられます。また、限定で高性能ボイラ化したモデル(37961)も鉄青色で登場していますが、こちらも実際にはないもどきモデルです。

余談ながら、1960年の総合カタログに01形モデルをベースにした鉄青色の03.10形モデルがリリース予定になったらしい痕跡を当ブログで記事にしています。メルクリンは鉄青色の03.10形に拘りを持っていることは、これまでの記述からも理解できますが、一方で新開発まではしていないところも興味深いです。

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▲ 新開発の高性能ボイラ搭載モデルは、2010年の新製品パンフレット(DI版)の表紙を飾りました

--- Ep.IIIb ---
2010年には、インサイダーモデルとして高性能ボイラを搭載したモデルが登場しましたが、2020年現在までに1001号機モデル(37915)と1012号機モデル(37918)の2機のみリリースされているに過ぎません。静態保存として現存している同機はDBに帰属した03.10が全機解体されてしまったのに対して、DRやポーランドに渡った3機のみというところが模型化の実現を妨げているのかも知れません。

上記の3つの形態(仕様)を時代ごとに(若干のズレはありますが)Ep.IIからEp.IIIa、Ep.IIIbとして分類しながらメルクリンH0のラインナップが紹介できれば、03.10形の理解も進むのではないかと思います。


Ep.II (mit Stromlinienverkleidung 1939 -1949)
33912 DRG 03 1004 (Grün)
37912-01 DRG 03 1007 (Schwarz)
37912-02 DRG 03 1009 (Rot)
33911/37911 DRG 03 1012 (Rot)
3489/3789 DRG 03 1049 (Stahlblau)
3094 DRG 03 1051 (Schwarz)
3089 DRG 03 1055 (Rot)
3391/3791 DRG 03 1056 (Dunkel Grau)
33913/37913 No.2002 (Hell Grau)


Ep.IIIa (mit und ohne Stromlinienverkleidung 1949-1958)
37914 USATC 03 1004 (Schwarz)
37955-01 DB 03 1014 (Stahlblau)
29845 DB 03 1022 (Stahlblau)
37916 DB 03 1022 (Stahlblau)
3097 DB 03 1043 (Stahlblau)


Ep.IIIb (mit neuer Kessel 1958-1966)
37915 DB 03 1001
37918 DB 03 1012

- - - - -
[Zugbildung]

F9 Rheingold-Expreß 1953


参考サイト:
DR-Baureihe 03.10 / Wikipedia ドイツ
BR 03.10 / Dampflokomotive.de
Schnellzuglokomotive 03 1090 / Eisenbahn-Museumfahrzeuge
DR-Baureihe 03.10 / Modellbau Wiki

Special Thanks: HUHさん

[EDIT] 2020-08-26
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BR V200のまとめ [Maerklin-Lok]

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これまで、手元にあるV200.0(37803)形や221(29811)形を改めて調べてみると、Ep.IIIbからEp.IVにかけての時代に今まで見えなかった両形式の様々な実態が見えてきて、やはり印象だけでいることは勿体ないと改めて感じ始めています。特に221形については最晩年期のルール地方で重量級貨物列車の先頭に立つ姿のイメージばかりが私の頭の中を支配していて、実は登場から暫くまで数々の優等列車牽引の華々しい歴史については知らないに等しいことに気付きました。こうした知見がないことがモデルの優等列車組成の可能性をも潰していることに気づき恥ずかしい思いをしています。

[実車について]
V200.0は、1953/54年にミュンヘンのKlaus Maffei社により量産先行車(V200 001 - 005)が落成後、1956年に量産車(V200 006 - 025)がMaK、Kraus-Maffeiで20両製造され、25両で運用を始めました。DBが発注した量産型80両のうち、残りの40両(V 200 026 - 086)は、Kraus-Maffei社による製造です。また、V 200 001 - 055はサイドに大きく「DEUTSCHE BUNDESBAHN」のアルミ製切り抜き文字が貼られていました。(056 - 086については、DBロゴが表記されています。)
エンジンは、Maybachの1,100PSエンジンを2基備え、非電化区間の優等列車牽引を中心に活躍したディーゼル機関車です。

V200.1は、Daimler-Benz の1,350PSのエンジン(Typ MB 12 V 652 TZ)を2基備えるなど、V200.0をベースに牽引力を強化した機関車で、1962年から65年に掛けてV200.1(V200 101-150)として50両全機ミュンヘンのKraus-Maffeiで落成されました。外観はV200.0よりも乗務員室拡大で前頭部分のスラントを無くしたスタイルに変更されたため、おとなしく端正な姿になりましたが、旅客列車専用であったV200.0と異なり、重量級貨物列車の先頭にも立つなど、より強力な機関車です。

ここで注意すべき点は、1968年の車体番号のUIC化により、V200.0は220形(220 001 - 086)に、V200.1は221形(221 101-150)に変更されましたが、個別車体番号はEp.IIIb時代のままの踏襲されていることです。(221 001 - 100は欠番)

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▲ V200.1(221)形の所属機関区推移(表をクリックすると大きくなります)

上のリストは、横軸に年、縦軸に所属機関区名が記されていて、221形の所属機関区両数がわかります。登場時から1974年までは、アルゴイ地方のBw Kempten(ケンプテン機関区)とBw Villingen(ヴィリンゲン機関区)、そして北ドイツのBw Lübeck(リューベック機関区)の3箇所に配置されています。この時点までは、TEE ”Bavaria"や"Iser-Rhone"を始めとしたD-Zug、またEilzugなど近郊列車から優等列車まで幅広く旅客列車の運用に就いていたと考えられます。もちろん貨物輸送も担っていたでしょう。
しかし、1971年からV-Max 160Km/h対応のガスタービン機関車210形が順次Bw Kemptenに投入され、1975年にBw Kemptenの221形の大部分がBw Villengenに移籍、1976年からは北ドイツのBw Oldenburg(オールデンブルグ機関区)にBw Villengen所属の221形が移籍を始め、ルール地方のBw Gelsenkirchen-Bismarck(ゲルゼンキルヒェン-ビスマルク機関区)へも移籍が始まり、その強力な出力を買われてか旅客輸送主体から貨物輸送の需要に応えるようになり始めたと思われます。そして1980年には全機48両がBw Gelsenkirchen-Bismarckに集結。1982年にはルール地方の石炭や鉄鉱石採掘の中心地でもある近隣のBw Oberhausen(オーバーハウゼン機関区)へと全機が移籍しました。この時点で貨物輸送のための221形が定着していたと思われます。

[モデルについて]
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▲ 1990/91年DI版メルクリン総合カタログより

V200形は1957年のリリース開始以来、長らくメルクリンモデルの定番としてリリースされ1989/90年の総合カタログの掲載まで33年に渡り生産されていました。そして、1990年の新製品としてEp.IV仕様の221形(3581/3681)が最新の金属製ボディで登場しました。しかし、当時の総合カタログでは、新開発製品として正確なスケールモデルであると謳っているものの扱いは小さく、仕様もタルキスカラーで目立たない存在でした。そんな扱いが起因したかは定かではありませんが、当時カールスルーエのデパートで安売りしていたこのモデルを見て欲しくなったのを覚えています。

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▲ 1994/95年DI版メルクリン総合カタログより

1994年、Purpurrot色の220形(3380/3780)が221形同様の新開発モデルとして登場しました。こちらのカタログでは新製品として1ページ以上を使って紹介。それなりの扱いとなり、やはり実車の人気がモデルでも反映されていたことがわかります。

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▲ 1997/98年DI版メルクリン総合カタログより

それから3年後の1997年にようやくV200.0のデビュー当時の華やかな姿となる「DEUTSCHE BUNDESBAHN」の文字が入ったEp.IIIb仕様のモデル(33803/37803)がメルクリンH0初のディーゼル走行サウンドを奏でるモデルとして登場。その後のメルクリンだけではなく、機関車走行サウンドはデジタルの新しい可能性を示し、鉄道模型業界のデジタル化を促すキッカケにもなった重要なモデルとなりました。

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▲ 2000/01年DI版メルクリン総合カタログより

一方で、V200.1(221)形モデルのサウンド仕様は、最新のCサインモーターを備え、2000年のV200.1形モデル(39821)としてリリースが始まります。しかし、この時の総合カタログでは1ページ以上を使って美しいレイアウト写真とともに紹介されているのですが、主に旅客列車運用が多かったであろう初期のEp.IIIb仕様であるにも関わらず、モチーフは貨物列車の牽引機としている姿で、やはり貨物牽引機の印象を強くしているように見えます。実際に当時の様子を見たわけではないのですが、F-ZugやD-Zugの先頭に立つ姿で紹介されていれば、ユーザーのV200.1形に対するイメージも変わったのかも知れません。

そこで改めて、メルクリンがリリースしているV200.0(220)形とV200.1(221)形について、Ep.IIIbとEp.IVに分類した上で纏めてみたいと思います。
V200形機関車は、旅客列車専用のV200.0はもちろん、より強力になったV200.1も登場当初は多くの国際優等列車の牽引に当たりました。少ないですが、編成表へのリンクも最下段に記しましたのでご参照頂きモデルの組成の参考になればと思います。


Ep.III
DB BR V200.0
3021/3921** V200 006 (Purpurrot)*
33803/37803 V200 018 (Purpurrot)
39804 V200 020 (Purpurrot)
39800 V200 021 (Purpurrot)
3021/3921** V200 027 (Purpurrot)*
37805 V200 035 (Purpurrot)
37801 V200 042 (Purpurrot)
30210 V200 048 (Purpurrot)
37806 V200 052 (Purpurrot)
3021/3921** V200 056 (Purpurrot)*
P3921 V200 056 (Purpurrot)*
P3009 V200 057 (Purpurrot)*
3021/3921** DB V200 060 (Purpurrot)*

DB BR V200.1
3382/3682 V200 139 (Purpurrot)
39821 V200 150 (Purpurrot)


Ep.IV
DB BR 220
3380/3780 220 007-9 (Purpurrot)
39802 220 010-3 (Ozeanblau / Elfenbein)
3081 220 012-9 (Ozeanblau / Elfenbein)
37807 220 023-6 (Ozeanblau / Elfenbein)
3021 220 043-4 (Purpurrot)*
39803 220 085-5 (Purpurrot)

DB BR 221
29811 221 104-3 (Purpurrot)
3582/3682 221 107-6 (Purpurrot)
3581/3681 221 118-3 (Ozeanblau / Elfenbein)
29720 221 120-9 (Purpurrot)
37824 221 120-9 (Ozeanblau / Elfenbein)
37820 221 125-8 (Purpurrot)
3482/3782 221 127-4 (Purpurrot)
37820.001/37820.001S 221 201-6 (Gelb)
3581 Silver (Dekoration "Technologieschau")

- - - - - - -
Basis BR 220
FER D 220
37804 FER D 220.011 ER

MAYBACH BR 220
26522 Maybach 220 087-1

SBB Am4/4
3384 SBB Am4/4 18 461
3184 SBB Am4/4 18 462*
39801 SBB Am4/4 18 467


Basis BR 221
PEG V270
39820 PEG V270 221 136-5

RTS 221
37822 RTS 221.134

SGL V270
37823 SGL V 270.09

- - - - - -

[Zugbildung]
D 167 "Riviera-Express" 1959 Sommer (Karlsruhe Hbf - Hamburg-Altona)
F 9/10 "Rheingold" 1962-1963
F 38 "Hans Sachs" 1963 Sommer
TEE 10 "Rheingold" 1965 Sommer
D 96 "Isar-Rhône" 1965 Sommer
TEE 7 "Rheingold" 1972

Bemerkung:
*) Basis 3021
**) Bausatz (3921)

参考文献:
Abschied von der Baureihe 221 - Das Ende einer Epoche / Eisenbahn Journal 6/1988 / Hermann Merkur Verlag GmbH i. Gr.

参考サイト:
DB-Baureihe V 200 / Modellbau Wiki

[EDIT] 2022-09-15
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